「お好み焼き」がパリでも人気というのだが
テレビ朝日が「OKONOMIYAKI 旋風」というニュースを伝えている。なるほど、浅草の店でフランス人たちに「お好み焼き」が人気のようだし、パリのお好み焼き屋も流行っているようなのだ。
私にとって印象的なのは、フランス人たちが「お好み焼き」を旨そうに食べることより、彼らが「箸」を使い慣れているということだ。私が初めてヨーロッパに行った 1980年代初頭は、こんなに上手に使えるヨーロッパ人は少なかった。「お好み焼き」に限らず、日本食全般が浸透しているのだろう。
で、「お好み焼き」そのものについて言えば、彼らは私なんかよりずっと食べ慣れているという印象である。私は 2009年 10月 6日付の 「決して不味いってわけじゃないのだが……」という記事で、こんな風に書いている。
こればかりは、食文化の問題のようだ。私の生まれた山形県というのは、秋田県、岩手県、沖縄県などと並んで、全国でもお好み焼き屋の非常に少ない県なのである。作ってもらって目の前に出されれば食べるし、おいしいとも思うが、進んで食べようという発想自体がない。
私に限らず山形県生まれの人間の多くは、「お好み焼き」に馴染みがないのである。大阪生まれの人間が当たり前のようにホイホイ食べるのに、どうしても「気負って食べる」という感じになってしまうのだ。もしかしたらパリの「お好み焼き屋密度」は、山形県より高いんだろうか?
ただここで ANN のニュースに戻るのだが、アナウンサーがイントロダクションとして語っている「日本のお好み焼きが海外の美食家たちをうならせています」という一言には、山形県生まれでなくても「おいおい・・・」と言いたくなってしまうだろう。
どう見てもカジュアルで気軽な食べ物として受け入れられているとしか思われず、「美食家たちをうならせています」という表現にはかなりの違和感を覚えてしまう。
こんな感じで「OKONOMIYKI はグルメなメニュー」みたいに訴求してしまったら、マーケティング的には「トンチンカン」になってしまうんじゃなかろうか。
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コメント
「お好み焼き文化がフランスの一部で広がりつつあります」とアナウンサーが言ったら多分上司から「何だそのつまらん表現は」と軽く叱責されるんじゃないでしょうか。
「美食家たちをうならせています」はアナウンサーが頑張った結果だと思います。
確かに盛りすぎで、気持ち悪いです。
以前、年末のニュース番組で「今年はマグロの値が高く、暗い正月になりそうです」というのを聞いて、「マグロの値が高くなると何で正月が暗くなるんだよ」思ったことがあります。アナウンサー、頑張りすぎです。
投稿: ハマッコー | 2024年8月 3日 18:48
ハマッコー さん:
へぇ、そんなことなんでしょうかね。盛り過ぎになるのは、社の体質か。
ただ、アナウンサーは「読み」専門でしょうから、記者が頑張り過ぎたんでしょうね。
投稿: tak | 2024年8月 3日 20:37