焼肉店の倒産が増加しているんだそうで・・・
いろいろなメディアで「焼肉店の倒産増加」が報道されている。何でも今年上半期(1〜6月)の倒産は 20件で、過去最多の倒産ペースなんだそうだ。私は肉を食わないのでそんなような状況とはちっとも知らなかった。
ただ、「今年上半期(1〜6月)の倒産 20件」というのは、「はぁ?」と言いたくなってしまうではないか。倒産した焼肉屋には気の毒だが、たかだか「20件」程度の倒産で、「過去最多」云々というのは、大げさ過ぎやしないか?
そう思って調べてみたところ、坂口孝則氏による"焼肉店で倒産が相次いでいるワケ" という記事に、次のようにあった。
この20件という数字は負債1000万円以上の法的整理の数です。法的整理を伴わない「廃業」は含みません。これは焼肉店に限らない数ですが、2023年には約8600件が倒産したのに対し、廃業は約5万件でした。したがって、焼肉店でも、倒産件数の 6倍ほど廃業していてもおかしくありません。
なるほど、やっぱりそういうことなんだろうね。これについては、昨年の 10月の門崎熟成肉 格之進代表、千葉祐士氏による "日本人大好き「焼肉店」倒産続いている最大の理由" という記事にも次のようにある。
倒産、廃業しているのは、実は町場の個人経営の焼肉店がほとんどで、多店舗展開をしている焼肉店の倒産の話はあまり聞きません。
なるほど、他店舗展開の焼肉店はなんとか経営を維持しているが、個人営業の店はどんどん苦しくなっているということのようなのである。こうしてみると、「倒産件数の 6倍ほど廃業」(つまり 120件ほど?)というのは生やさしいかもしれない。多分もっとずっと多いのだろう。
この理由を 2本の記事から読み取ると、最大公約数的には「円安に伴う輸入牛肉価格の高騰」「必要経費の高騰」という 2つの原価高騰要因に、値上げが追いつかないということのようだ。デフレ慣れした消費者は、値上げを受け入れないというのである。
焼肉屋は商売の形態上、店内の換気をよくしているので「コロナ禍には強い」と言われていたらしいが、インフレには弱いようなのである。何しろ調理の主要部分は客自身に任せてしまうので、原価高騰を吸収するプロセスが貧弱なのだ。
というわけで、私にはちっとも馴染みのなかった焼肉という分野で、今の円安の影響が端的に現れてしまっているというのである。世の中、どこで何が起きているのか、まったく油断がならないものだ。
ちなみに肉食を止めてからずいぶん経つ私には、ここで引用した 2つの記事の写真を見ても、ちっとも食いたいという気にならないのだよね。肉を食い物と思えないカラダになってしまったようなのだ。
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