日本人の「酒離れ」を、ちょっとだけ深読み
下のグラフは、昨日の「若者って本当に酒離れしているようなのだが・・・」という記事で使ったもの。元々はニッセイ基礎研究所の "さらに進行するアルコール離れ-若者で増える、あえて飲まない「ソバ―キュリアス」" (2022年 12月 7日発表)という記事から借用したものである。
このグラフは昨日の記事でも説明したとおり、日本人の各年齢層の「飲酒習慣率」の、1999年から 2019年の 20年における変化を表したものだ。男性の場合は、20歳代から 70歳以上まで、全ての年齢層で、20年の間に飲酒習慣率が低下していることが示されている。
これをちょっと深読みして、各年齢層の「週 3日以上飲酒する人」の比率の1991年から 2019年の 20年間の変化をみるとおもしろい。つまり「同じ人たち」の 20年経ってからの酒との突き合い方が変化がわかるのだ。
- 1991年時点の 20歳代は 34% ほどだったが、20年経って 40歳代になると 38% に微増している。
- しかし 30歳代は 49% から 50歳代になると 41% に低下。
- 同様に 40歳代は 60% から 60歳代になると 47% に低下。
- さらに 50歳代は 63% から 60歳代になると 27% に激減。
1991年時点で 30歳以上だった年代は、20年経つとそれなりに飲酒が減っていて、とくに 50歳代だった層は 20年経って情けないほどの減り方を見せている。ただそれでも、2019年の 20歳代が 13% ほどなのに比べれば、倍以上「酒飲み」であり続けているではないか。
つまり、今の 70歳代のジイさんが「いやぁ、私も昔と比べるとすっかり飲めなくなっちゃいましてね・・・」なんて言っても、20歳代の若者よりずっと飲んでるわけだ。それほどまでに今の若者は「酒離れ」しており、ジイさん連中は酒以外の楽しみに疎いという傾向が見て取れる。
一方、女性のデータを見ると、40〜60歳代で、週 3日以上酒を飲む人の割合が 20年前より増えていることが注目される。
とくに目立つのは、1991年時点で 30歳代だった女性の週 3日以上飲酒する率は 12% ほどだったのだが、20年経って 50歳代になると 18% ほどに増えているというデータだ。これって、なかなかのものだと思う。
「中年女性のオッサン化」なんて言ったら、怒られちゃうだろうけどね。
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コメント
ウチの息子のリアルな意見。
「ソフトドリンクならせいぜい300円。酒入ると500〜600円するし。」(田舎価格で恐縮)
酒を飲みたい気分でも、自腹なら安い方にするし!とのこと。
不景気真っ只中ってことですわなぁ。
投稿: 乙痴庵 | 2024年9月14日 17:29
乙痴庵 さん:
実にリアルなご意見ですね!
そこまで払って飲まなくていいってことなんでしょうね。
投稿: tak | 2024年9月14日 18:27