ラーメン屋店主の「腕組み」を巡る冒険
Quora に「レストラン、特にラーメン屋の広告では、どうして皆さん腕を組んでいるのでしょうか?」という質問があるのを見つけた。言われてみれば確かにそうで、「ガテン系だぜぃ!」と言わんばかりの腕組みポーズがやたらに多い。
これに対する回答で高橋昭裕さんという方が、このポーズの元祖と思われる 2人を挙げておいでだ。上の写真に使った「支那そばやの佐野実氏」か「池袋大勝軒の山岸一雄氏」のどちらかだろうというのである。山岸氏は微笑んでいるが、佐野氏の方はちょっとコワそうだ。
高橋さんの表現によればこの 2人、「今のラーメン専門店、中華料理店の延長ではないゴリゴリのラーメンカテゴリーを作り出した方」ということのようだ。「ゴリゴリのラーメンカテゴリー」とは言い得て妙で、私なんかは最近のラーメン店には尻込みしてしまうような「敷居の高さ」を感じてしまう。
というわけで、「濃色Tシャツ、頭にタオル、腕組み、エプロン」というのが、ゴリゴリのラーメン店としての「アイコン化」しているというのである。なるほど、道理で「俺、そっち方面の人じゃないから・・・」みたいな感じがして、何となく入りづらいわけだ。
もっとも私はここ数年来「肉は食わない」ことにしているので、チャーシューが付きもののラーメンからは遠離っている。たまに都心に出たときに「T's たんたん」 でノーミートのラーメンを食うぐらい(参照)だから、「ゴリゴリ系」はいくら入りづらくても個人的には全く問題なしだ。
ちなみに昨年 10月に父の 13回忌で帰郷した折に、酒田のラーメンが日本一になった(参照)ことのご祝儀代わりに、数年ぶりでチャーシュー入りラーメンを食ったところ、さすがにうまかった。さりげなくも圧倒的にレベルが違う。
酒田のラーメン屋は店主が腕組みしてこっちを睨みつけているような雰囲気じゃないので、とても穏やかな気持ちで入店できる。これはまことにありがたいことと言うほかない。
【8月 11日 追記】
ものすごくハイブローなイメージのそば屋というのも世の中に少なくないが、店主が腕組みしてる写真を訴求している例は、少なくとも私は見たことがない。これって、そば屋とラーメン屋の違いの本質に迫る話のような気がする。
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