米国大統領選のテレビ討論は、ハリスの戦略勝ち
BBC NEWS JAPAN が 9月 11日付で、10日に行われた米国大統領選のテレビ討論会を総括してくれている(参照)。記事を読む限りでは、カマラ・ハリスの方が「ちゃんと筋の通ったこと」を言って優勢なパフォーマンスとなっている。トランプは彼女と目を合わせることさえできなかったらしい。
これに関しては米国の CNN も、「民主党候補のハリス副大統領のほうが共和党候補のトランプ前大統領よりも良い討論を行ったと考える人の割合は 63%に上った」と伝えており(参照)、日本の各社もこれを受けた報道をしている。
要するに、ほぼ 3分の 2 近くが「ハリスの方がまとも」と感じ、残りの「ゴリゴリ保守派」が「理窟はどうあれ、何が何でもトランプ」と言い張っているというわけだ。今回の大統領選は、こんなイメージに集約されつつあるようだ。
振り返れば前々回となる 2016年、ドナルド・トランプとヒラリー・クリントンの対決となった選挙では、ヒラリーがことさら「自分はデキる女」というイメージ戦略を展開した。ところが結果的には逆に「嫌な女」というイメージにつながってしまい、「わかりやすい」トランプに負けてしまった。
今回のテレビ討論会の報道を読むと、ハリスは検事上がりだけに「確実な事実の積み上げ」というスタイルを選んだようだ。イメージを軽視したわけではないが、それ以上に「事実」を重視したわけである。
そうなると、「不確実な噂レベル」の話に基づく政策を主張するトランプの「お馬鹿さ加減」が自然に浮き彫りになる。討論の勝負は明らかだ。
大統領選は 11月 5日だから、このテレビ討論会の印象が薄れてしまわないうちのこととなる。これはとても重要なポイントだと思う。
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