インドで「独裁」なんて、成立するわけないじゃん
東洋経済 ONLINE の「大国インドが中国のような独裁にならなかった訳」という記事を興味深く読んだ。「本稿は山中俊之著『教養としての世界の政党』から一部抜粋・再構成したものです」という但し書きがあり、「絶対的な強権支配が成立しにくかった土壌」というサブタイトルが付いている。
私はインドには直接行ったことはないが、何人かのインド人とは結構親しく付き合った経験がある。その率直な印象からすると、「そもそもインドで『独裁』なんて、成立するわけないじゃん!」ということになる。
率直ついでに言わせてもらえば、中国は独裁国家ということになっているが、中国人のメンタリティとしてはそれを表向きには受け入れつつも、裏ではしっかりと「抜け道」を用意している。「表」がある限り、必然的に「裏」もあるのだ。その考え方には、日本人もかなり影響されていると思う。
ところがインド人と付き合うと、「表も裏も、へったくれもない」という印象だ。フツーの目には「混沌」としか見えないような状態でも、彼らにとっては「フツーに正常」のようなのである。
日本人はつい「それって、一体どうなってるの?」と聞きたくなるが、その質問自体がナンセンスというほかない。何しろ「いろいろあって当たり前」だから、一口には言いようがない。「二面的」じゃなくて「多面的」だから、「表と裏」なんていう東アジア的コンセプトは馴染まない。
というわけで、東アジア人なら「裏でこっそり」やるようなことでも、インド人は悪びれずにむしろ「堂々と」やる。これって、少なからぬ日本人には馴染めないことのようなのだね。
こうした土壌で、さらに国土も広大なのだから、「独裁」なんてしようったってしようがない。どうしても「独裁者」になりたかったら、他の国に行く方がいい。このことを理解しつつ冒頭に紹介した山中氏の記事を読むと、かなりよくわかる。
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