「夕刊フジ」が休刊 - 活字と紙の媒体は衰退期?
産経新聞社が「夕刊フジ」を、来年 1月 31日発行(2月 1日付)をもって休刊すると決定したのだそうだ(参照)。このタブロイド判夕刊紙、私が勤め人時代は帰りの電車内で多くの人が読んでいたものだ。
最近の通勤電車は廻りを見渡すとほとんどの人がスマホに見入っていて、紙の新聞を広げている人なんてほとんどいない。ということは、Kiosk でも新聞はあまり売れなくなっているのだろう。
ただでさえ売れない上に、新聞用紙の値上がりなどもあって利益を出すのが困難になってしまったらしい。夕刊フジだけでなく、日本経済新聞社が発行していた日経産業新聞も、今年 3月 29日付で休刊している。活字と紙による新聞という媒体は、既に衰退期に入っているようなのだ。
カフェなどで客が自由に読めるようにカウンターにいくつかの新聞を並べているところがあるが、ざっと見たところ、それらの新聞をテーブルに広げて読みふけっているのは 70歳代後半以上、つまり「団塊の世代」より上の高齢者しかいない。
このブログの「ジイさんはガラケーだが、バアさんは LINE ユーザー」(今年 3月 31日付)という記事で書いたように、高齢の男性はデジタルにからきし弱い層である。同じ高齢者でも女性は LINE で娘とやり取りしたりしているが、男性は今でもガラケーがかなり多い。
彼らの多くは「パソコンなんか押しつけられる前に停年になって助かった」と思っているのだから、今さら PC はおろかスマホにだって触れたくない。ただ、情報に取り残されたくはないと思っているようで、新聞は読みたがるわけだ。
とはいえ定年をとっくに過ぎているので、勤め帰りに Kiosk で夕刊フジを買うなんてことはない。そんなわけで、タブロイド判夕刊紙は有力な読者を失って久しいのだ。そうなるとネット版の "zakzak" も継続が困難になるから、更新を中止するというのもしかたがない。
この先、団塊の世代以上の高齢者が世の中からいなくなったら、夕刊紙だけでなく大判の朝刊だって今以上に読者が激減する。新聞は今後どのような形に姿を変えるべきなのか、真剣に検討しなければならないだろう。
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コメント
私も夕刊フジ休刊の記事には ‟ありゃああ”と思いました。
一部180円で全国紙並みの価格なのでどうしても読みたい記事があるとき以外は買いませんでした。
そんなに売れてないのかと思いきや、106万部(2013年、それ以外のデータなし)ですが、キオスクの縮小とコロナ禍による販売機会の減少などが重なったのと、主な購読者がオッサンなのが影響してるようです。
https://adv.sankei.com/pdf/media_fuji_202404.pdf
(データは2018年) 直近では販売部数は10万部程度じゃないでしょうか(勝手な想像です)
電子新聞にすればいいじゃないかと考えましたが、オッサンはスマホとタブレットがダメなんですね。もう八方ふさがりですね。
新聞全体では年ごとに5%くらい減少を続けているようで今後休刊は増えるでしょう。
投稿: ハマッコー | 2024年10月 3日 02:32
ハマッコー さん:
なるほど、主力の購読者がスマホとタブレットがダメなオッサンだったというのは、データにはっきり示されてるんですね。
これじゃあ、ダメだ ^^;)
今後休刊が増えるのは、織り込み済みとしましょう。
投稿: tak | 2024年10月 3日 04:42