コメの「再生二期作」というのがあると知った
下の写真は、近所の田んぼの光景である。手前の緑色の部分は1ヶ月ほど前に収穫された「刈田」で、その向こうに「稔りの秋って今なんだぞ!」と言わんばかりの黄金色の田が続いている。実際はこれ、近所の田の中ではかなり遅い収穫になるようだ。
面白いのは手前の刈田で、瑞々しいまでの緑である。よく見ると刈り取られた株から出た「ひこばえ」が育って、小さな米粒みたいなものがついいているものさえある。稲刈り後もずっと暑さが続いたせいで、稲としても「せっかくだから、もうちょっと育っちゃうんだもんね!」と言わんばかりの勢いだ。
このままにしておいて、田植えをし直さなくても米が実るようだったら、「手のかからない二期作」ということになりかねない。それほどまでに最近の温暖化はスゴいということだ。
この点でちょっと調べてみると、Wikipedia の「二期作」のページには「コメの再生二期作」という見出しで次のような記述がある。
2020年、農研機構九州沖縄農業研究センターは、コメの収穫後のひこばえ(稲孫)を利用して二期作を行い 10アール当たり 1.5トンの収穫量を実現したと発表。試験レベルとしつつも単純計算で 3倍近い収穫量は、地球温暖化により作付期間が変化も相まって、有力な手法として注目を浴びるようになった。 この手法では4月に田植えを行い8月に最初の収穫を行う。この際、根から40cmほど離して刈り取り栄養分を残し、追肥して水を張ると10月に2回目の収穫ができるというもの。
コメという植物は、実は元々「多年生」なんだそうだ。だから刈り取りが終わってからもずっとそのままにしておけば、翌年にはまた米が収穫できるというのが本来の姿らしい。
ただそれでは収量が確保しにくいからということで、わざわざ新たに「田植え」をして育てるスタイルが続いているわけだが、最近の温暖化(というか「灼熱化」)は、そうした常識を嘲笑うかのような勢いのようなのだ。
この茨城の田んぼの「ひこばえ」は、そのうち耕運機でガリガリっと処分されてしまうのだろうなあ。これ、ごく最近スーパーの棚から米が消えるなんて騒動があった(消費者の過剰反応が災いしたと思うのだが)ばかりだけに、なんだかもったいない気がしてしまうのだよね。
将来的に日本の人口が減ってしまったら農業人口も減っているだろうから、この「再生二期作」で手間をかけずに米が 1年に 2度収穫できるようなシステムが主流になったりして。
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コメント
二毛作、二期作?
この際、一作目は「日本の農業を支えながら壊していく団体」に納めながら、ひこばえをコッソリブランド化してコッソリ闇流通米にしてしまえば、「全農なる神」にアレコレ気を遣わず「稼ぎ」になるなら大賛成です。
「闇流通」言葉は悪いんですが、そんな農作物を独自に流通させる方々もいらっしゃいますし。
投稿: 乙痴庵 | 2024年10月15日 20:29
乙痴庵 さん:
手間をかけずに小金を作る程度のひこばえ二期作って、本気でやればやれると思いますよ (^o^)
投稿: tak | 2024年10月16日 20:36