会社の会計システムが「個人ベース」だったとは
「Aさんが退職したので会計システムがなくなりました」という、考えてみれば恐ろしい tweet がある。「Aさんが個人で某社パッケージを購入し導入していた(サーバも Aさんのもの)」というのである。
「一体どこの世界の話なんだ !?」と驚くかもしれないが、考えてみれば若い頃たまたま所属することになった某業界団体事務局でもメンバー企業の管理システムがなく、私が急遽 Microsoft の Accese ベースで構築したことがある。PC も私の個人用だった。
そこでは私が移籍する前まで、書類などを郵送する度に 300通以上の封書の宛名を手書きしていたらしい。「書類の内容によって、同じ会社でも宛名が社長だったり部長だったりするし、担当者の名前もしょっちゅう変わるから手書きでなければ無理」なんて言っていた。
それを聞いて呆れ返った私は、あっという間に代表者と部門ごとの担当者の宛名シールを出力できるシステムを作ってしまったのだった。思い起こせば Windows 95 が出た頃のお話である。
これで宛名の手書きなんていう馬鹿馬鹿しい作業をなくしてしまったのだが、職員の誰からも感謝の言葉はなかった。彼らはそれまでの仕事がなくなってしまったことで妙な危機感をもったのかもしれない。
で、数年後にその事務所を去ることになった時、私も当然ながら自分の PC を引き上げたので、その後は再び手書きに戻っていたかもしれない。21世紀を迎える直前のことだったが、到底面倒見切れる世界じゃない。
それにしても、今の世になってまで「会計システムがなくなりました」なんて話があったとは驚きである。A さんが去ってからは、電卓使って手書きの会計簿を書くことになったのだろうか。
ちなみにこの tweet にはこんなコメントが付いていて笑ってしまった。
うちの会社でも営業が辞めるときにノート PC 盗んだって話になったんだけど よくよく調べたら購入履歴が会社にはなかった
長年私物で事務管理してた
このケースも私物を持ち帰っただけだったのだね。「情報漏えい」なんて「何のこっちゃ?」という世界が、今でもフツーに存在してるのだ。
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