「ネットを見ない高齢者」という偏見
Threads で madrihard_69 さんという人が「ネットを見ない高齢者」やら「ネット初心者の高齢者」とかの言い方は、「高齢者はネットを知らないと見下すための詭弁に過ぎないのでは」と投稿している(参照)。「黎明期」を「聡明期」とミスタイプする(どうしてこうなるかなあ?)ご愛敬付きだが。
この投稿では「1985年頃から」がネット黎明期とされているが、「ネット」というのがインターネットを指すのだとしたら、それはやや早すぎる。当時私は 30代前半で、限定的な「パソコン通信」には手を染めていたが、インターネットはまだ一般に開放されていなかったために手が出せなかった。
インターネットが一般化したのは 1995年頃からで、ちょっと「先進的」と言われる企業や団体が「ホームページ」なんてものをもち始めたのもこの頃だ。ただ、フツーのオフィスで「1人 1台の PC」がデスクに並ぶのが当たり前の光景になるまでには、あと数年待たなければならなかった。
だから西暦 2000年前後に 60歳になって停年を迎え、メジャーなオフィスを去った人たちの多くは、「パソコンなんてものを無理矢理押しつけられる前に停年になってよかった」なんて思っている。彼らは今、年齢的には 80歳前後に達していて、まさに「ネットを見ない高齢者」である。
madrihard_69 さんは「70歳くらいの高齢者(当時30歳)も、何十年も前からずっとネットに触れてるのでは?」と書かれている。確かにこの年齢層はインターネットに抵抗はないが、とは言っても「何十年も前から」やっていたというわけではない。せいぜい 20数年、長くて 30年だ。
インターネットというのは、それくらいに「新しい技術」なのだということを忘れてはならない。
というわけで、「ネットに親しんでいるかいないか」という年齢的な境界線は、現在のところでは 75〜6歳 ということになるだろう。別の言い方をするならば、「団塊の世代」より上の男性の多くは確かにネットに馴染んでいない。
ここで「男性」に限った言い方をしたのは、女性の場合は 70代後半でもスマホでインターネットに触れるのにあまり抵抗を示さないからだ。それに関しては、今年 3月 31日付の「ジイさんはガラケーだが、バアさんは LINE ユーザー 」という記事を見れば納得してもらえるだろう。
従来のデジタル・デバイドはもっぱら年齢差で語られていたが、最近は男女差がプラスされたように思われるのである。
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