アサド政権崩壊を機に、中東地域のお勉強
数ヶ月前、仕事関係で浅戸さんという方と知り合った。彼は開口一番「私、よく『あさどさん』なんて呼ばれるんですが、読み方は濁らない『あさと』でして、シリアで独裁やってる『アサドさん』とは何の関係もありませんのでよろしく」というので、結構印象に残ってしまった。
その「シリアのアサドさん」が一昨日、反政府勢力との内戦に敗れてロシアに亡命することになった(参照)というのだから、浅戸さんの自己紹介ネタが一つ減ってしまったことになる。ただそれだけではつまらないから、この土地の平和を祈りつつちょっとお勉強してみよう。
私は中東についてはほとんど無知で、「シリアがどこにあるか、地図上で指さして見ろ」なんて言われても「ごめんなさい、知りません」と言うしかなかった。今回改めて調べてみて「へえ、トルコのすぐ南で、その向こうはロシアに続くんじゃん!」と初めてわかったぐらいのものだ。
ロシアとしては地中海での拠点を設けるのに重要な地点だろうし、さらに西隣にはレバノン、そして紛争真っ最中のイスラエルがあるのだから、かなり「ヤバい地域」である。昨日早く、イスラエルがシリアの首都ダマスカスにある空軍基地を空爆した(参照)と伝えられたのも無関係な話ではない。
この空爆についてイスラエルは、シリアの武器がイスラム教シーア派組織ヒズボラなどに流れるのを防ぐためとしている。ということは、ヒズボラを支援していたアサド政権のこれほどまでに早い崩壊を予測できていたら、空爆はギリギリで回避できていたかも知れない。
つまり今回の政変は、周辺国の予測を超えた急展開だったということなのだろう。
そもそもアサド大統領の力が弱くなって反政府組織に対抗することすらできなかったというのは、これまで彼を支援してきたロシアとイランの影響力が弱まったことと関係があるらしい。ロシアはウクライナ侵攻、イランはイスラエル紛争との関わりという問題で、シリアどころではなくなっている。
その結果として今回の政変が呆気なく実現したというのだから、国際問題というのは実に多くのことが絡まり合っていることを示すものだ。いずれにしてもロシアだのイランだのとの関係を持ちすぎるとろくなことにならないようで、北朝鮮もますます大変になるのだろう。
余計な話だが、「中東 アサド」のキーワードでググったら、Yahoo 知恵袋に "中東には「ハマス(浜洲)」や「アサド(浅戸)」といった日本の名前が多いのはなぜですか?" という素っ頓狂な質問があるのに驚いてしまったよ。
ここまで来ちゃったら、「日本の九州にアメリカがあるのはなぜですか?」と聞かなければならない。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 共産党委員長はうなぎを食べるらしいが、私は食べない(2025.01.17)
- 日本では自民党以外を支持しても「見返り」がないから(2025.01.16)
- 我が故郷 酒田の「無印良品」が店舗移転なんだそうで(2025.01.14)
- さすが Apple! トランプの圧力を押し返す(2025.01.15)
- Facebook がトランプにすり寄ってどうするんだ(2025.01.10)
コメント