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2024年12月11日

和菓子、薬、滑舌訓練等々 ・・・ 「外郎」を巡る冒険

先日山口県の仕事の関係で山口県の防府市と徳山市に行った時に、長州土産として防府市にある數井製菓という会社の「山口乃外郎(やまぐちのういろう)」(参照)というのをいただいた。第20回全国菓子大博覧会で名誉金賞を受賞したというお菓子のようである。

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この和菓子、賞味期限が今月 15日に迫っているが、明日に予定される集まりに持って行ってみんなで食おうと思い、まだ包みを開けていない。というわけで、上の写真の左側 2枚は、ネットから拝借したものである。

私は今回の旅に出るまで、山口県が外郎の産地として有名とはちっとも知らなかった。外郎と行ったら名古屋が「本家本元」を自称しているほかは、小田原と京都ぐらいだと思っていたのだが、Wikipecia によればこの他にも伊勢、神戸、徳島、宮崎なども外郎を名物としているらしい(参照)。

日本全国 47都道府県に仕事で行き、一泊以上している私だが、外郎の産地という視点から見るとやはり西日本の事情には少々疎い。一昨日の記事でも書いたように、西日本では天ぷらにソースをかけて食うのが当たり前と知った時も驚いてしまったしね。

「薬の外郎」というのもある(参照)。神奈川県小田原市に 650年以上前から続く老舗、株式会社ういろうの「透頂香ういらう」(とうちんこうういろう)という仁丹みたいなものが知られている。ちなみにこの会社は和菓子の外郎も製造・販売していて、二刀流のようなのだ。すごいなあ。

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ただ団十郎論で修士号を取った私にとっての外郎というのは、実際のカタチある和菓子や薬よりもやはり歌舞伎十八番『外郎売』の口上(言葉による言い立て)ということになる。

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実際にどんなものかは、当代の尾上松緑による実演が YouTube にあるので、下に紹介しておこう。ちゃんと聞けば、この外郎売の商うものはお菓子ではなく薬の方なのだとわかる。

この言い立ては歌舞伎のみならず、新劇やアナウンサーの滑舌の訓練にも取り入れられていて、現代風には下の動画のようになる。文字も同調して示されるから、一度トライしてみるといい。

寿限無」はあっさり言える私だし、この「外郎売り」だって決して舌が回らないわけじゃないが、さすがに長すぎて圧倒され「舌を巻く」という心理状態になっているせいか、一度もトチらずに最後まで到達したことがない。死ぬまでに一度は完全なパフォーマンスを遂行してみたいものである。

 

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