ビジネスホテルのズボンプレッサーとヘアドライヤー
コロナ禍が終わって、また日本全国に出張する機会が増えてきた。泊まりがけの出張ではもっぱらビジネスホテルを利用するのだが、備品として部屋にあるものの中でこれまで一度も使ったことがないのが、ズボンプレッサーとヘアドライヤーである。
上の写真は先日山口県に行った時に泊まったホテルの部屋に備え付けてあったものだが、「この四角い板状のものは、ズボンプレッサーと言うものらしい」という程度の認識でしかなく、使い方は知らない。ヘアドライヤーも、洗髪後は自然乾燥に任せるから使わない。
とにかく出張といっても、ビジネス・スーツを着るなんてことはほとんどない。私のワードローブの中で「スーツ」と名の付くものは、2着しかなくて、しかもそのうちの 1着は冠婚葬祭用の黒のスーツだから、実質 1着しかないみたいなものである。
その「実質 1着」のグレーのビジネススーツは、昔から着ていたもののウェストが合わなくなってしまったので 5〜6年前に必要に迫られて買ったように記憶しているが、買ったその時に着ただけで、後はしまいっぱなしだ。着用回数で割り算したら、もの凄く高い買い物である。
思えば 20年以上前まで企業や団体を訪問先とする出張をしていた時でも、スーツなんて着ないで気軽なジャケット&スラックス姿だった。相手先が堅苦しいオッサンだったりした時だけ、仕方なくネクタイを締めるという感じで、ズボンの折り目なんて気にしたこともない。
最近の仕事は企業を相手にすることなんて滅多にないので、専らいつも通りのジーンズ姿である。何と言ってもこれが一番楽で自分らしくいられる。
朝のビジネスホテルの玄関ロビーからきっちりとしたスーツ・スタイルで仕事先に向かう「ビジネス・パーソン」たちを眺めていると、「スーツという名の牢獄」に閉じ込められているように見えて「気の毒に」なんて思ってしまうのだよね。
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コメント
ズボンプレッサーなるものは1968年頃に当時のナショナルが売り出したものですね。ビジホにそれが未だにあるというのは驚きです。
私もスーツは持ってません。紺ブレが二着と冠婚葬祭用の服のみです。ネクタイも冠婚葬祭以外ここ40年締めたことがありません。戦闘服で出勤する勤め人を朝、見かけると ‟ご苦労さん”と思ってしまいます。
投稿: ハマッコー | 2024年12月 8日 20:37
ハマッコー さん:
へえ、ズボンプレッサーって発売後既に半世紀以上なんですね。ビジホにあるというのは、「あのホテルにあるのに、お前んとこにはないのか!」なんてクレームがたまにあるからなんでしょうね。
スーツとネクタイという「制服」は、いつになったら廃れるんでしょうかね。最近は国会議員でもノーネクタイが広まってきているのに、ビジネス社会って、案外因習的です。
ビジネスホテルは大して必要でもないズボンプレッサーを置かざるを得ないし、サラリーマンは鬱陶しいネクタイを締めなければならない。これって、似たようなメンタリティから発してますね。
投稿: tak | 2024年12月 9日 09:25
スーツの歴史をざっと漁りましたが、ビジネスマンの標準服となって150年くらいですか。10年20年で無くなるものではなさそうですね。だれかスーツに変わる最適解を発明してほしいものです。
投稿: らむね | 2024年12月11日 12:40
らむね さん:
150年前というと、単純な引き算で 1874年。日本では明治初頭ぐらいですね。
この頃に既にビジネスマンの標準服だったとは驚きです。何しろ明治維新が 1868年ですから、ほんの数年で「ちょんまげ着物姿」から変わってしまったことになります。
ただ、いわゆる「ビジネスマン」の數自体が、それほど多くはなかったはずです。就業人口の 7割が農民という時代ですから。
そんなわけで当時は新時代を象徴する「晴れがましい服」だったんでしょうけど、150年経って「鬱陶しい服」に零落してしまった気がします。
>だれかスーツに変わる最適解を発明してほしいものです。
夏はポロシャツにスラックス、冬はブレザーにスラックスで OK なんじゃないでしょうかね。私の場合はジーンズですけど。
投稿: tak | 2024年12月11日 17:28
ああ、いえ、言葉が足りませんでした。150年前と言うのはイギリスやアメリカの話です。
投稿: らむね | 2024年12月12日 18:23
らむね さん:
ああ、そういうことでしたか。
ただ、日本でも明治初期からスーツ、あるいはそれに近い服がビジネスマンの制服みたいになっているようではありますね。
投稿: tak | 2024年12月12日 19:53