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2025年1月22日

4年間の長いレイムダックをやり過ごす用意はいいか?

ドナルド・トランプがついに正式に米国大統領に就任した。触れたくもないニュースだが、一応触れておく。

250122

時事ドットコムが彼の就任演説全文の日本語訳を伝えている(前半後半)が、「アメリカを再び偉大に」などと鼻息だけは荒いものの内容的にはノー天気としか感じられない。「よくまあ、恥ずかしげもなく・・・」と言いたくなるような夢物語である。

つい最近まで、米国は私の好きな国の筆頭だった。思春期の頃から映画でも音楽でも文学でも、アメリカのカウンター・カルチャーに染まって生きてきたからね。(そのくせ、修士論文のテーマは歌舞伎の団十郎論だったのだが)

実際に仕事で何度もニューヨークやシカゴなどに行ったし、いろいろな問題はあるにせよ、「行きたい国は?」と聞かれたら真っ先に「米国」と答えていた。しかし、今の米国に行きたいとは思わない。トランプの米国なんて、行ってもしょうがない。

ただ「唯一の救い」は、彼が米国大統領でいることができるのは今後 4年間だけで、憲法の規定によって再選はあり得ないということだ。既に 1期勤めてるからね。しかも 2年経てば 80歳過ぎたジイさんになるのだし。

そう思っていたところ、日経ビジネスに "トランプ 2.0 政権が発足当初から「レームダック」であるわけ" という記事を見つけて、「我が意を得たり」という気分になってしまった。残念ながら有料記事なので無料では途中までしか読めないが、それでも十分だろう。

記事の冒頭に「この記事の 3つのポイント」というのが挙げられており、それは次のようなものだ。

  1. 議会は勢力が拮抗。共和党は法案を通すことが難しい
  2. 同盟国に対し関税を武器にディールを迫り政策を進める
  3. 中間選挙前に結果を出さないと、過半数維持は困難

これは客観的に見てもその通りで、トランプの「鼻息の荒い就任演説」の内容を実現させるのは困難だ。仮に今回の「性別は男性と女性のみ」みたいに強権的に大統領令的なことで実現させたとしても、そのうち逆効果になって支持を失うことになるだろう。

というわけで、私としては「今後 4年間という長いレイムダック期間」を何とか辛抱してやり過ごそういう気になっているわけである。この間に悪趣味野郎(イーロン・マスクみたいな)がこれ以上のし上がったりしないよう祈りながらね。

幸か不幸か、年を取ると時の経つのがずいぶん早く感じられる。若い頃にはほとんど「永遠」ぐらいに思われた 4年間という年月も、案外あっさり過ぎ去ってくれるかもしれない。そうあってもらいたいと、心の底から希望する。

【同日 追記】

たった今気付いたんだが、日経ビジネスの記事では「レームダック」と表記されている。私としては 30年以上前、多分ロナルド・レーガンの任期末期の Newsweek の記事で "lame duck" という言葉を知ってからずっと、日本語では「レイムダック」と書いてきたんだがなあ。

「レイムダック」の方がずっと本来の発音に近いのだが、外来語として定着する時点で「レームダック」になっちゃったんだろうか。Wikipedia の見出しまで「レームダック」だし(参照)。

 

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

しかし合衆国憲法は修正しやすいですからねえ。彼のことだから、任期制限撤廃を目指すかもしれません。調べたら前例もあるようで。
くわばらくわばら。

投稿: らむね | 2025年1月22日 13:42

らむね さん:

ひえ〜〜!!

とはいえ、トランプは 4年後には 82歳ですからねぇ。いくらなんでもと思いたいです。

投稿: tak | 2025年1月22日 15:19

職業上の興味もあって就任演説を全文読んだのですが、この人にとって20世紀は(少なくともその後半は)無かったのかな、という印象です。manifest destinyを肯定的な意味で使う人って、いまどき珍しいような気がします。

投稿: 山辺響 | 2025年1月23日 11:00

山辺響 さん:

>この人にとって20世紀は(少なくともその後半は)無かったのかな、という印象です。

言い得て妙ですね。

>manifest destinyを肯定的な意味で使う人って、いまどき珍しいような気がします。

前世紀の遺物的な言葉ですが、この人、堂々と使ってますね ^^;)

投稿: tak | 2025年1月23日 16:27

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