マンガに出てきた「空き地+土管」の景色を巡る冒険
藤井一至 (土の研究者) さんという方の "『ちびまる子ちゃん』のさくらももこさんが小学生だった50年前、当たり前にあった空き地+土管の景色。上下水道整備に使われた。今、ちょうど耐用年数の50年" という tweet が話題だ。埼玉県八潮市の事故みたいなのは今後もあり得るってことのようなのだ。
そういえば、昔は空き地と土管の組み合わせという場面をマンガで見ることがとても多かった。ちびまる子ちゃんに限らず、この tweet へのコメントにはドラえもんの一コマも引用されている。
これだけマンガに登場しているってことは、実際にも珍しくない光景だったのだろう。しかし告白すると、私はこうした「空き地+土管」という景色をリアルで見たことがない。
私の生まれた山形県庄内の地は、高校を卒業した 1971年(今から 50年ちょっと前)の頃には下水化はほとんど進んでおらず、トイレもいわゆる「ボットン式」だった。そんなわけで、私の少年時代、庄内の空き地には土管なんてなかったのである。
もっとも酒田市には「前田製管」(読みは濁らない「まえたせいかん」)という、その世界では著名なコンクリート製品(土管も含む)製造の企業があって、この会社の敷地にはデカい土管が山と積まれていた。しかしあれってほとんど都会の下水管に使われて、地元ではお呼びじゃなかったのだね。
そしてワセダに入って上京した頃は、少なくとも都心は下水が行き渡っていたし、土管を積み重ねておくような空き地もほとんどなかった。だから、リアルで「空き地+土管」という景色に馴染みがあるのは、都心からちょっと離れた郊外や大きめの地方都市で育った人たちなのだろう。
さくらももこさんは、まさにそうした存在なわけだね。なるほど、なるほど。
というわけで、私にとっての「土管の原風景」というのは、「空き地に 2〜3本」というのじゃなく、「広大な工場敷地に山と積まれてる」というちょっと変わったものなのだ。そんなこともあり、空き地で土管に座って夕陽を眺めるなんて光景には、ちょっと憧れてしまうのである。
それにしても、その土管の多くが耐用年数に迫っているというのは気になるニュースである。酒田の土管はまだ少し余裕があるだろうが、都会の土管はそろそろ交換しなければならないのだね。
こりゃ、前田製管が忙しくなるかも。
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コメント
私はどうやらさくらももこ氏の一学年下で、横浜、といっても宅地造成がリアルタイムで進んでいた「山の方」(町田に近い)だったので、まさにこの「空き地に土管」の風景を当たり前のように目にしていました…。
そして、こういう建設資材が置かれた空き地に、近所の子どもがいくらでも出入りできたというのが、今にして思えば驚きです。まぁもちろん、作業員の人がいたりしたら我々も近寄らなかったし、そういう人に見つかったら叱られたでしょうが、近所の大人は何も言わなかった。当然ながら私有地なのに、この記事の画像にあるような有刺鉄線があれば厳しい方で、柵の類が何もないところも多かったなぁ。
投稿: 山辺響 | 2025年2月 4日 12:44
山辺響 さん:
ほほう、やっぱりあるところには当たり前にあった光景なんですね。
今ならあったとしても出入り禁止になっちゃうんでしょうが、当時は大らかだったんですね。
投稿: tak | 2025年2月 4日 14:37
「空き地に土管」の記憶はありますが記憶を辿ってみると都会に出て来てからのものでした。子供にとっては上に乗ったり中に入ったりでいい遊び場です。
「土管の話題」から逸れますが、道路の陥没のあった地点のストリートビューを見ると2018年8月の時点で道路にひび割れが発生してますね。
2024年9月にはさらにひび割れが広がってます。全国にひび割れした道路は数万か所もあるでしょう。
多分今では道路の上から地中の空洞の有無を検査する技術はあるでしょうからこれから全国的にひび割れた道路の検査に入るでしょう。
https://www.google.co.jp/maps/@35.8199422,139.8425391,3a,75y,206.24h,53.97t/data=!3m7!1e1!3m5!1ssvjDYCR7IVi_vNUGZRk5pQ!2e0!6shttps:%2F%2Fstreetviewpixels-pa.googleapis.com%2Fv1%2Fthumbnail%3Fcb_client%3Dmaps_sv.tactile%26w%3D900%26h%3D600%26pitch%3D36.02667939805809%26panoid%3DsvjDYCR7IVi_vNUGZRk5pQ%26yaw%3D206.23992898215454!7i16384!8i8192?hl=ja&hl=ja&entry=ttu&g_ep=EgoyMDI1MDEyOS4xIKXMDSoASAFQAw%3D%3D
投稿: ハマッコー | 2025年2月 4日 16:06
ハマッコー さん:
本当だ、兆候はずいぶん早くから見えていたんですね。
こりゃ、全国的に調査しなきゃ。
投稿: tak | 2025年2月 4日 17:55
ハマッコーさんのご指摘にびっくり。そうだったんだ…。
そう、ストリートビューって過去に遡れるんですよね。この話題に限らず、すごく面白い機能。
投稿: 山辺響 | 2025年2月 4日 18:45
山辺響 さん:
本当に、過去に遡れるというのはこれまで意識していませんでしたね。かなり使えそう。
投稿: tak | 2025年2月 5日 05:38
ストリートビューはホント使えますよ。
遠戚の家をタイムラインで見ると、ある時点では洗濯物が干してあるのでまだ健在だなと分かります。しかし、その三か月後には家が建て替えられているので、お亡くなりになったかホームに入ったかという想像がつきますね。
別の遠戚の家を見ると庭に草が生い茂り、次の画像では「FOR RENT] の看板が掲げられているので同様の判断ができます。
画像の中を子細に注視すれば様々な情報が取れます。
しかし、犯罪者にとっては衛星画像を併用すれば高い塀の中まで見えてしまうので有用なツールです。便利だけど怖い世の中になったものです。
Google 側では要請すれば家全体にモザイクをかけるとしています。
https://support.google.com/maps/answer/15439776?hl=ja
投稿: ハマッコー | 2025年2月 5日 18:04
ハマッコー さん:
へえ、ちょっとコワいほど役に立つんですね。
投稿: tak | 2025年2月 5日 19:38