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2025年3月に作成された投稿

2025年3月31日

トランプがプーチンにムカついてるらしい

一時は妙に仲睦まじく見えたトランプとプーチンだが、本日付読売新聞は、トランプがプーチンに「非常に怒っている」と伝えている(参照)。

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記事によればこんなようなことだ。

NBC によると、トランプ氏はプーチン氏が停戦条件としてウクライナでの大統領選実施に言及したことについて、「非常に怒っている」と強調した。

トランプとしては自分がウクライナでの停戦に貢献しているようなイメージを作ろうとしていた時だけに、プーチンの明後日の方を向いたような発言にカチンと来てしまったんだろう。彼を相手にまともな話が進むわけがないとわかっただけでも、一つの収穫かもしれないが。

ちなみにこの件に関しては英文ニュースでも "very angry" という表現が多く、NBC はトランプが "pissed off" (ムカついた)なんてヤバい言い回しまでした(参照)と伝えているほどだから、 実際によほどブチ切れたんだろう。ちなみに "piss" というのは直接的には「小便」のことなのでよろしく。

トランプ関連で私自身がムカついたニュースは、トランプが 3選を狙っているという話である。CNN は "トランプ米大統領、3期目追求の「手段ある」と言明 「冗談でなく」" と伝えているのだが、こればかりは「悪い冗談」で終わって欲しい。

"Piss off" どころか、"shit off!" と言いたくなってしまうよ。

 

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2025年3月30日

岡山の山火事の原因は、伐採した木の焼却だった

"たばこが原因の火災増加と、現代人の「直火」感覚" という記事を書いたわずか 5日後だけに、NHK の伝える「岡山 山林火災の原因 伐採した木を焼却の際火が燃え移ったか」というニュースを読んで暗澹としてしまった。

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小はたばこの吸い殻から大は伐採木材焼却に至るまで、"現代人の「直火」感覚" って、本当にズレてしまっているようで恐ろしい。

湿度の低い日が続き、日本全体があんなに乾燥した状態が続いていた時期に、伐採した木を当然のように焼却処分するという感覚がちょっと信じられない。この方面には素人なのであまり深くは論じられないが、少なくとももう少し乾燥の収まるまで待てなかったのか。

あるいは湿度が上がったら燃えにくくて面倒だなんて思ってしまったのか。それとも病害虫に冒された木を、早めに処分してしまいたかったのか。たとえそうだとしても、あんなに乾燥した時期にどうしても燃やさなければならなかったのか。本当にわからない。

いずれにしてもこんなにまで大きな山火事につながってしまったのだから、あの時期に焼却処分をするという判断が誤っていたというのは確かだろう。処理を徒に急いだために、とんでもないことになってしまったわけだ。

このニュースの 3日前には、同じ NHK が「山林火災はなぜ起こる?半数超が 2月から 4月に集中 注意を」と伝えている。ここで紹介された山火事の原因は下の図の通り。やはり人為的原因がほとんどのようだ。

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それにしても、ここでも「たばこ」というのが顔を出すのがコワい。山の中でまできちんと始末をしないたばこの吸い殻を捨てる人がいるのだね。

 

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2025年3月29日

赤信号でコンビニの駐車場を横切るショートカット

今年初めに読んでブックマークしていた記事なのだが、それについて書くのを今日まで忘れていた。【信号待ちで「コンビニの駐車場」を "ショートカット" するのは交通違反? 警察に聞いてみると】という記事である。

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記事に添えられた図を見ると、赤信号で停車中の 3台目のクルマが、左側のコンビニ駐車場を横切り、ショートカットで「左折」している。これ、ちょっと「ズルい」よね。それに人がいる駐車場を急いで横切ったりしたら危険でもある。

ただ、私は近所の片側一車線道路の交差点でこれに似た行為をすることがある。この交差点には右折車線がないので、赤信号の間に右側のコンビニ駐車場を通って右折してしまうのだ。上の図を左右を反転させた感覚で、下の図のようなことになる。(図が不細工なのはゴメン)

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右折車線がない交差点では、信号を遵守して青信号になってから右折しようとすると、反対車線の直進車が次々に行き過ぎるのを待つことになる。気の利いたクルマがちょっと停まって道を譲ってくれない限り、信号が黄色に変わるまで右折できない。

その結果、後ろに延々と信号待ちのクルマの列ができてしまう。ようやく信号が変わって右折することができても、後続車は赤信号にひっかかるから全て「たった 1台の右折車のために信号一回待ち」というフラストレイティングなことになるのだ。

こんな場合、赤信号で停まっている間に右側の駐車場を横切ってショートカットするのは、全体の流れをスムーズにすることにつながる。私としては左折の場合とは違って「ズルい」ということにはならないと思っており、ためらわずにこの手を使っている。もちろん安全には十分に注意しながらね。

件の記事によれば、舗道を横切ってコンビニの駐車場を通るという行為は、駐車場に「関係者以外立ち入り禁止」や「通り抜け禁止」といった表示がない限り、きちんと一時停止して安全確認をする分には違反行為とはならないらしい。それなら安心して、今後も続けさせてもらおう。

 

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2025年3月28日

ミツカンを巡る時代錯誤的な話に驚いた

弁護士 JP ニュースの "「日本の司法には失望した」ミツカン創業家の元娘婿、配転命令巡る裁判で二審も敗訴 東京高裁" というニュースを読んで、戦前の話を聞かされたような気分になってしまった。

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これ、「ミツカンのお家騒動」として 2年以上前から話題になっていたらしいが、私は今回初めて知った。不買運動まで起きていたというので我が家の台所を調べてみたところ、ミツカン製品はたまたま一つもなかったので安心した。

一体どういうことなのか手短にまとめてみると、中埜大輔氏がミツカン創業家である中埜家の娘との結婚にあたって要求されたのは、次の 3点だったという。

  1. キャリアを捨てミツカンに入社する
  2. 実家の名字を捨て、中埜の姓になる
  3. 財産の遺留分放棄(配偶者が死亡した場合に財産を受け取れる権利の放棄)

3番目の条件というのは「そんなのありか?」と思ってしまうほどだが、彼は何だかんだ言いながらも一応それを呑んで結婚してしまったわけだね。想像するに男の子のいない中埜家にしてみれば、娘の結婚相手というのは単なる「種馬」に過ぎなかったようなのだ。

それだけに実際に男の子が生まれると、その子を妻の実家の養子に取られ、さらに追い出し同様の目に遭って離婚になってしまったというわけだ。

まあ、これは中埜大輔氏側からの一方的な発表によるもので、彼は裁判の二審でも敗訴しているだけに、100% そのまま信じるわけにも行かないだろう。とはいえ話の内容をかなり割り引いて解釈しても、ミツカン側の対応は「時代錯誤にも程があるだろう」と言いたくなるものだ。

自分はこんな面倒くさい事情の家に関わらずに済んで、ありがたいと思うばかりである。これからもミツカン製品なんて買わずに済ませることにしよう。

 

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2025年3月27日

昨日は東京で夏日、大分と宮崎で真夏日だったというが

昨日はつくばでもかなり気温が上がって、外出するのに Tシャツ 1枚で十分だった。その 1週間前にまともな雪になった(参照)のが信じられないほどだ。

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共同通信が「今年初、大分と宮崎で 30.3度 季節外れ真夏日、東京 25.9度」というニュースを伝えている。「過去に 3月に真夏日となったのは、1999年 3月 26日の鹿児島県奄美市の名瀬 30.4度、99年 3月 22日の東京・南鳥島 30.2度のみ」というのだから、ちょっとした記録だ。

最近は天気が極端になっていて「夏と冬ばかりで、春と秋が短い」というのは過去に何度も書いたが、今年の春も妙に暖かくなったり寒くなったりの繰り返しで、いかにも春らしい陽気が続かない。

今回の暖かさ(暑さ?)も金曜日までで、週末からはまた最高気温が 10度台前半という寒さが戻るらしい。4月の初め頃は寒いぐらいの天気になりそうだ。

 

 

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2025年3月26日

言葉のつながり、主体と客体をきちんと整理すること

Impress Watch に「マイナ免許証を発行してきた 更新自体はスムーズだけど注意点も」という記事がある。ここで問題にしたいのは例によって記事の内容ではなく、タイトルの言葉の使いようについてである。マイナ免許証そのものについては、一応 23日の記事でケリを付けたつもりでもあるし。

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「マイナ免許証を発行してきた」とあるが、フツーは「発行してもらってきた」とか「交付を受けてきた」などとすべきだろう。記事の中身をよく読めばマイナ免許証を「発行した」のは当然ながら筆者ではなく府中運転免許試験場であるとわかるだけに、やはり「おいおい」と言いたくなる。

もしかしたらマイナ免許証の場合は特殊ケースとしての言い方をするのかとも思い、念のためいろいろググってみたが、「発行」なんて言ってるのは、さすがに今回のこのページしかなかった。本来ならば「一体化の手続きをしてきた」というのが最も妥当な表現なのだろうね。

これに類した言葉の言い違いは結構よくあるので、フツーだったら「またか、しょうがねえなあ」で済ませてしまうところだが、今回の場合はこの記事の筆者が、文章を書いてメシを食うフリーライターのようなので見逃せない。プロならプロで、主体と客体との違いがきちんとつながる文章にしてもらいたい。

そういえば先日ラジオで、どこだかの市役所の人間が「この行事に参加希望の市民の方が、参加申込み書の〇〇の欄をきちんと書いていただけるとありがたい」と言っているのを聞いた。これ、さらりと聞き流してしまいそうだが、やはりちょっとおかしい。

ここは主語が「申込みの市民の方が」なのだから、「書いていただけるとありがたい」ではなく「書いてくださるとありがたい」と言うべきだろう。「いただけると・・・」と言ってしまうと、申込みを受ける役所側が唐突に前面に出てしまう。

最初に取り上げたマイナ免許証の話も、市役所の人間の話も、話の主体と客体が途中で入れ替わってしまっているのが問題なのだが、多くの場合、これがおかしいと思われずに済んでしまいがちである。とくに「いただく」という単語の場合はこうした「入れ替わり」がメチャクチャ多い。

日本語というのは元々、主体と客体とがごっちゃになりやすいところがある。とはいえ客観的なニュースや役所からの広報などでは、その辺りをきちんと整理してもらいたいと思ってしまうのだよね。

ちなみに主体と客体とが入れ替わった例ではないが、こんなのも見つかった(参照)のでオマケとして紹介しておく。おそらく「全面に出す」じゃなく「前面に出す」というココロなんだろう。要するに変換ミスなのだが、書いた当人もミスとは気付いていない可能性がある。

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私はスタバではホットコーヒー以外飲んだことがないので紙ストローは未経験だが、それにしてもずいぶん悪評だったのだね。

 

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2025年3月25日

たばこが原因の火災増加と、現代人の「直火」感覚

47 NEWS の "横浜で「たばこ」火災増加中 時間差で発火「吸い殻ごみ箱に捨てないで」" という記事に注目してしまった。横浜市内で今年 1、2月の火災発生が前年同期比 68.8%%増の 184件にのぼり、出火原因の最多が 39件(同62.5%増)の「たばこ」だったのだそうだ。

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つまり横浜市では、たばこが原因の火災が 3日に 2回発生しているということになる。これだけ喫煙者が減っているのにたばこによる火災が増えているというのは、ちょっと驚きだ。

ちなみに見出しにある「時間差で発火」というのは下記のようなことだ。すぐには燃え上がらないというのがかえってコワい。

火の付いたたばこの表面温度は約 200~300度。火種は小さく、そのままではすぐに炎が上がることはないものの、ごみ箱などに捨てられて火種が布や紙などに触れ続けることで温度が上がり、発火してしまう。

下の YouTube 動画は、2年前に新潟市消防局が公開したもので(参照)、吸い殻の不始末が火事につながることが如実に示されている。

最近は喫煙者の減少とともに、たばこが火災原因となることについてはあまり話題になってこなかった気がするが、再びこうしたことが取り上げられるようになっているのはかなり問題だ。喫煙者の吸い殻の後始末がかなりぞんざいになってしまっているのだろうか。

一方、最近になって「山火事」のニュースが増えている(参照)が、乾燥した時期に安易に焚き火をすることで大きな山火事になったりする。現代生活では「火そのもの」を直接取り扱う機会が減っているので、たばこや焚き火などを含む「直火」に関する現実感が薄れてしまっているような気がする。

その結果として取り扱いがぞんざいに(あるいは「下手くそに」)なってしまっているのだとしたら、かなりコワいことだよね。

 

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2025年3月24日

東京と鹿児島、長崎で桜が開花したというが

NHK が「東京と鹿児島 長崎で桜が開花 1週間から10日ほどで満開に」と伝えている。東京の桜開花は平年と同じだが、去年より 5日早いのだという。

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一部のラジオ番組では昨日のうちから「東京の桜開花は確実」なんて言っていたが空振りに終わり、今日にずれ込んでしまった。昨日はやたら暖かかったが、重要なのは瞬間的な暖かさではなく「暖かさの積み重ね」だから、今日にずれ込んでしまったのだろう。先週の日曜は雪も降ったしね。

本日は鹿児島と長崎でも桜の開花が確認され、三都市が同日の開花発表となった。もうそろそろ本格的な春と言っていいのだろう。

ちなみに東京では桜の開花は学校の卒業式と同じ時期ということなのだが、私の生まれた山形県酒田市では例年入学式と時期を同じくして咲くことになっている。同じ日本でも花見の時期は微妙にずれる。

ただ桜が咲くのはいいのだが、毎年この時期になると中国大陸から黄砂の飛んでくるのが問題だ。NHK は「あすからあさってにかけ広い範囲に飛来」として注意を呼びかけている。最近は晴れても我が家から筑波山が見えなくなってるし。

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春になればなったで、また春の問題が持ち上がる。スギ花粉の飛散はピークを越えたようだが、ここに来て盛んに飛び始めたヒノキの花粉もまた厄介だしね。

ちなみに桜の花粉はアレルギーを起こさないので、綺麗なだけでなく善良でさえある。それだけで誠にありがたいことで、盛大に咲き誇るのを見るのが楽しみだ。

 

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2025年3月23日

マイナ免許証の具体的な話がやっとわかった

本日付の日本経済新聞の記事「マイナ免許証、24日から手続き開始 メリットと注意点は」というのを読んで、自分が一体どうすればいいのかがやっとわかった気がする。これまでの断片情報では、具体的な詳細部分がかなりわかりにくく、「要するにどうすりゃいいんだよ !?」って感じだったからね。

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記事の要旨は、最初の数行にまとめられている。要するにこういうことだ。

マイナンバーカードに運転免許証のデータを一体化させる手続きが 24日から各地の運転免許試験場などで始まる。「マイナ免許証」は住所変更の手続きがワンストップで済み、免許更新時の講習をオンラインで受けられる利点がある。一体化は任意で、現行の免許証を持ち続けることもできる。

ただマイナ免許証への一体化は黙っていれば済むわけじゃなく、一体化を希望する者が各地域の運転免許センターや一部の警察署に出向かなければならないようだ。そんな面倒を負担してのメリットは、以下の 2点だという。

  1. 住所や氏名変更などの手続きが簡単になること。これまで引っ越しや結婚をした場合、自治体への届け出に加え、運転免許センターや警察署で免許証に変更内容を反映する手続きをする必要があったが、マイナ免許証では住所や氏名変更を自治体に届け出れば、手続きはワンストップで済む。

  2. 免許更新時講習をオンラインで受講できる。無事故・無違反の「優良運転者」と軽微な違反のみの「一般運転者」はスマートフォンやパソコンなどで講習を受けられる。マイナカード所有者の個人向けサイト「マイナポータル」を活用する。

一体化したマイナ免許証の場合は、それぞれを別々に更新するより費用も安くなるようだから、最初の手続きさえしてしまえば後は「手間と手数料が軽減」ということになるようなのだ。

私の場合、引っ越しや氏名変更なんてまったく予定してないから、免許更新時講習が楽になることと費用削減というのが具体的なメリットになるだろう。というわけで、そのうち手続きに出向いて一体化しておく意味がないわけじゃなさそうだ。

ただ、急ぐ必要もまったくないけどね。

 

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2025年3月22日

イーロン・マスクの言動でテスラが危機に

WIRED が今月 18日付で「イーロン・マスクの物議を醸す言動がテスラを窮地に追い込んでいる」という記事を載せている。彼の言動が欧州でテスラ離れにつながり、テスラ関連メディアの運営者までもがほかの電気自動車(EV)に乗り換える事態となっていると報じられているのだ。

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テスラの電気自動車事業は確実に危機に直面しているようだ。「販売台数の急減、テスラ車への嫌がらせ、法人顧客の離反、テスラーオーナーが愛車を手放すなど、事態は深刻化している」というのである。環境問題を考慮してテスラ車を購入した世界中のユーザーは確実に後悔しているだろう。

テスラ社の業績悪化はとくにヨーロッパにおいて顕著で、「EVの市場シェアが内燃機関車を上回ったノルウェーでは、先月の販売が37.9%減少。フランスでは63.4%減、スペインでは75.4%もの減少を記録した」と報じられている。マスク氏の政治的な動きが大きな要因となっているのは確かだ。

テスラ社の下取り価格は下落の一方で、オランダのテスラ車ショールームは落書きの被害に遭ったという。ロンドンではヒトラーを彷彿とさせるマスクの顔の描かれた反テスラのステッカーが配られ、ドイツではテスラ社のギガファクトリーの壁面に ”Heil(ハイル)" の文字が投影された(下の写真)。

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ヨーロッパではことほど左様に、イーロン・マスクへの反感が強いようなのである。日本ではテスラ車はほとんど売れていないようで、これは幸いなことと言わなければならない。

それにしてもイーロン・マスクは、自らのビジネスを犠牲にしてまでトランプ政治に加担したいみたいなのだね。

【翌日 追記】

最新ニュースによれば、「テスラを破壊した者はエルサルバドルの刑務所送り トランプ氏示唆」なんだってさ。大人の権力を持った子どもの言い草。

 

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2025年3月21日

日本人の死因、実は「認知症」がトップなんだそうだ

日本経済新聞が "日本人の「死因」、認知症が首位に 慶大など30年分解析" という記事を伝えている。日本では「認知症」が直接の死亡原因とされることがあまりないので奇異な気もするが、欧米などの国際基準では厚生労働省など国内の政府機関が出す統計とは死因の定義や算出方法が異なるのだそうだ。

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記事には「欧米諸国では認知症といった長期にわたって症状を悪化させる病気を死因として扱う傾向がある」「厚労省の人口動態統計は死亡届を基に集計している。誤嚥性肺炎や肺炎のほか、いわゆる自然死である老衰が死因の上位を占める。認知症はこうした死因のきっかけとなる」とある。

つまり「死亡届」に記された「死因」のかなりのものは、まとめれば「認知症」によって引き起こされたものと解釈されるようなのだ。というわけで、国際基準に従うと日本でも「認知症」が死因のトップになり、厚労省独自の統計(下図)とは異なった結果になるというわけだ。

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さらに興味深いのは、次の記述である。

今回の研究によると、日本人の平均寿命は男女合わせて 21年時点で 85.2歳と 90年から 5.8歳延びた。脳卒中や虚血性心疾患、がんなどの死亡率の減少が寿命の延長に貢献した。自立して生活できる期間を指す健康寿命も 69.5歳から 73.8歳に延びた。

驚いたことに、2021年の時点では日本人の平均寿命は 85.2歳だったが、「自立して生活できる期間を指す健康寿命」は 73.8歳というのである。ということは、平均すると晩年の 12年近くは「自立した生活」ができず、寝たきりみたいなことになってしまうというわけだ。

これには「おいおい、勘弁してくれよ」と言いたくなるではないか。なにしろ私は今年の 7月で 73歳になってしまうのだからね。

別に日本人の平均寿命までなんて生きなくていいから、あと 10年ぐらい元気に飛び回って、その後は未練なくポックリというのが理想的だなあ。

 

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2025年3月20日

兵庫県知事のパワハラ、やっぱり「あった」で決着

いろいろなメディアが兵庫県知事のパワハラが認定されたと伝えている。下に紹介するのは、毎日新聞の「兵庫知事の行為 10件をパワハラ認定 第三者委が調査報告書公表」という記事で、要するに「斎藤氏によるパワハラは実際にあった」ということで決着している。

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私は昨年の 9月から 11月にかけて、この問題に関連して 3本の記事を書いている。こんな具合だ。

見たくないモノは見ないし、聞きたくないことは聞かない (9月 19日)
今回の兵庫県知事選挙の、世論誘導に関する大きな教訓 (11月 18日)
「さいとう元知事」が「〜元彦知事」というセコい戦略 (11月 23日)

かなり興味深いのは、このほぼ 2ヶ月間のうちに斎藤氏に関する評価が極端に変わってしまったことだ。1本目の記事では、「仕事はできる」という点で評価する人が多いが、「横暴で人の話を聞かない」という点は大きな問題となっているようだという大筋の話を主に紹介している。

そして 2本目は選挙の結果、斎藤氏が再選されてしまったという事実に驚いて書いたものだ。選挙期間中にはかなりの「世論誘導」が行われたようで、問題となった「パワハラ」に関しては情報が二転三転し、ほとんど「デマ扱い」に近いまでになっていた。

そして 3本目は斎藤氏の選挙運動を担当したとみられる PR 会社代表取締役の折田楓さんの「自己暴露」について触れた。これに関する「毀誉褒貶」に関しては、私は一般的な世論とは別の見方をしているので、詳しくは実際の記事を読んでいただきたい。

こうして見ると「世論」というのはかなりいい加減なところがあって、ちょっとした風向きで 百八十度近く変わってしまうのがよくわかる。一時は「パワハラなんてデマ」なんてことになりかけていたのが、実際の調査ではしっかり認定されたのだから、きちんと見定めることが大切だ。

兵庫県の有権者たちとしては、再選挙であれだけ圧倒的に斎藤氏を支持してしまったのだから、客観的な結果が出てもあっさりとは受け入れにくいものがあるだろう。それだけに、一方に振れすぎるというのはかなりアブナい。

私自身はどちらにも触れすぎないようにしつつ、斎藤氏に関してはそれなりに一定の批判的な立場を維持して 3本の記事を書いたと自負している。これ、結果的には間違ってなかったわけだ。

【3月 22日 追記】

はてな匿名ダイアリーの「何が陰謀論だよ兵庫県民なら皆知ってるんだよ全部本当だったじゃない」という記事(本日付)がなかなか興味深いので紹介しておく。選挙直前の「斎藤知事批判一色」から YouTube の大量投稿をきっかけに世論が「斎藤支持」に一転したことについて、現場の視点で書かれている。

 

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2025年3月19日

何度も繰り返される「今シーズン最後の寒の戻り」

4日前の 15日付『和歌ログ』に「予報士は最後の寒の戻りてふ言葉を幾度繰り返すらむ」という歌を載せた。本文には「気象予報士は明日が今シーズン『最後の寒の戻り』になるだろうというのだが、この台詞は既に 3度ぐらい聞いているような気がする」と書いている。

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「さらにもう一度ぐらい『最後の寒の戻り』があるかもしれない」とも書いているのだが、思った通り、今朝は「最強の寒の戻り」だった。夜中からかなり強い風雨で、「こりゃ、嵐だわ」と思いながら寝ていたのだが、朝になって風が止んだと思ったら急に雪になってしまった。

まともに積もることはなかったのだが、今シーズンで一番「雪らしい雪」だった。我が家の梅も、満開になった途端に雪に覆われてしまったのだから、さぞ驚いてしまっただろう。

10時頃に牛久に行く用があったのだが、途中の道のりがかなり激しい雪になっており、さらにアップダウンの坂道も多いので、途中で諦めて帰ってきてしまった。

「暑さ寒さも彼岸まで」というので、明日の春彼岸を前に「今度こそ本当の最後の寒の戻り」になってもらいたいものだ。

 

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2025年3月18日

米国アパレル業界は、国内生産回帰なんて無理

Courrier が "「国内回帰」したくても… 米国のアパレル産業に立ちはだかる高いハードル" というニュースを伝えている。「トランプの関税が服飾部品の調達のネックに」というもっともらしい小見出し付きだが、関税云々を抜きにしてもそもそも無理な話だろうよ。

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私は 1980年代からしばらく国際的な繊維・アパレル業界を専門分野としていろいろな記事を書いていたのだが、当時の米国でのアパレル国内生産比率なんて微々たるもので、ほとんどは香港や東南アジアでの生産だった。

「ブランド」としては米国のブランド("Levi" とか "Anne Klein" とかね)でも、実際の縫製という労働集約的な作業はほとんど海外の工場が下請けで行っているのである。半世紀以上にわたってそうしたシステムでやっているのだから、いきなり「国内生産」なんて言ってもできるわけがない。

一方、当時日本でのアパレル国内生産比率は 70%ぐらいだったと思う。ブランドを保有して製造責任を負うアパレル・メーカーは「アパレルさん」、その下請けで縫製を行うのは「工場さん」と呼ばれていたものだ。地方に行けばこの「工場さん(縫製工場)」という地場産業がまだまだ健在だった。

ところが 21世紀も 4分の 1を越えようとする今、日本のアパレル国内生産もほとんど消え失せてしまった。WWD ジャパンは 2022年の状況について "アパレルの国産比率「1.5%」 過去 20年で生産量 6分の1に" と報じている。日本中にあれだけあった「工場さん」は、今や影も形もない。

日本がこうした状態なのだから、アパレル生産の国外シフトでは 30年以上先行する米国で、トランプが思いつきみたいに「国内回帰」なんて言ってもできるはずがない。「縫製」みたいな労働集約的な仕事は、人件費だけを考えても米国内では非現実的なのだ。

トランプはいろいろな分野で「メイド・イン・USA」の掛け声をかけまくっているが、彼は経済に関してはほとんど素人丸出しだから、実際には「掛け声以下」の幻想に終わってしまうだろう。多くの米国民がそれに気付く頃には「時既に遅し」で、米経済がおかしくなってるかもしれない。

 

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2025年3月17日

ファミマが「現金かファミペイを使って」と言ってる

ガハログというニュースサイトがあるのを今回初めて知ったのは、"ファミリーマート「キャッシュレス決済手数料高すぎ!お客様は現金かファミペイ使って」" というのが話題になっていたからである。

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コンビニが強制ではなくやんわりとではあるものの、支払い方法について指定するなんて前代未聞なんじゃなかろうか。「キャッシュレス決済手数料が高すぎ」なんて言ってるが、そんなの客側の知ったことじゃないし、「ファミペイ」というファミマ独自の決済手段があるなんてことも全然知らなかった。

私は立ち食いそばなどの「現金のみ」という店のほかは、大抵キャッシュレスで支払う。普段財布の中にある現金なんて数千円以下なので、自然そうなってしまうのだ。

ただしコンビニなどの少額決済では、クレジットカードなんてまず使わず、Suica での支払いがほとんどだ。1,000円以上の買い物ではクレジット・カード、数百円程度なら Suica というのが一応自分なりの目安みたいになっている。

今回ガハログの記事を読んで気になってしまったので、Suica の手数料というのを調べてみたところ、ポスタスというサイトに「Suica の手数料はいくら?他のキャッシュレス決済との比較や導入メリット」という記事があるのが見つかった。こんなふうにある。

まず、Suica の決済手数料は決済額に対して「3〜4%」です。例えば、お客様が 1,000円の商品を Suica で決済したとすると、加盟店事業者は 30円程度の決済手数料を支払うことになります。(中略)

一般的に、クレジットカードの決済手数料は、ブランドによって異なるものの「3〜10%」といわれています。Suicaよりも決済手数料が高額で、加盟店事業者にとって負担が大きくなりやすいです。

というわけで、Suica で支払う私は、クレジット・カードで支払う客より「少しはまし」ということになるみたいなのである。いちいち現金で支払うとなると手間はかかるし、お釣りの受け渡しも面倒ということになるから、「3〜4%」の手数料ぐらいは諦めてもらおう。

ちなみに「ファミペイ」の手数料は無料らしいから、店にとっては「塵も積もれば・・・」ってことになるのだろうし、私としてもそれをインストールするぐらいは、別に負担じゃない。ただインストールしてからの現金チャージなどが付きものになるようだ。

考えてみると、私がファミマで買い物することなんて、年に数回程度のものだ。Suica なら何だかんだで常に使うから現金チャージも当たり前のようにしているが、年に数回程度のことでファミペイとやらの現金チャージを気にかけるなんて、何となく面倒な気がしてしまうのだよね。

それを思うと、「済まんけど、Suica で我慢してよね」ということになってしまう。それが嫌なら、いっそのこと正式に「支払いは現金かファミペイのみ受け付けます」ということにしてしまえばいい。

ただそんなことはおそらくできないだろうから、少なくとも Suica での支払いに嫌な顔はしないでね。

 

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2025年3月16日

AirPods でリアルタイム翻訳が可能になるらしいが

Gigazine が「Apple が AirPods で会話をリアルタイム翻訳できる新機能を iOS 19 で計画中との報道」という記事を伝えている。AirPods というのは、Apple の展開するあの結構お高いイヤフォンである。

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記事によればこの機能は 2025年後半に予定されている AirPods のファームウェアアップデートの一部として提供される予定で、秋頃にリリースされるとみられる iOS 19と連動して利用可能になるということだ。

どんな機能かと言えば例えば「英語を話す人がスペイン語で話しているのを聞くと、iPhone がその会話を翻訳し、ユーザーの AirPods に英語で中継する、そして英語を話す人の言葉はスペイン語に翻訳され、iPhone上で再生されるということのようなのだ。

なるほど、相手のスペイン語話者が AirPods を持っていないことを想定して、自分の iPhone 上で再生されるのを聞かせてやるってわけだね。これが AirPods ユーザー同士だと、英語とスペイン語で通訳なしでやり取りしてるように見えるんだろうか。ちょっと異様な光景になりそうだ。

私は AirPods を買う予定なんてないから、「関係ないね〜」ということになる。別にこんな機能に頼らなくても相手にちょっとゆっくりめにしゃべってもらえば、英語なら何とかなるし、スペイン語やドイツ語しか話せない相手と会話をするという機会も個人的にはあまり思いつかない。

そしてヨーロッパ語圏内ならかなりレベルの高い自動翻訳も期待できるだろうが、ヨーロッパ語と日本語の間の自動翻訳って、なんだか完成されたもののような気がしないのだよね。偏見かもしれないが。

さらに言えば、言語で語られる内容というのはその言語特有のテイストみたいなものがあって、とくにヨーロッパ語と日本語の間ではニュアンスみたいなものが吹っ飛んでしまいそうな気もしてしまう。「洒落」が通じなかったら、つまらないだろう。

というわけで、外国語が苦手な人があちこち旅行するというなら便利かもしれないが、私は使う気がないので、よろしく。

【同日 追記】

「ちょっと待てよ」と思ってしまった。というのは、iPhone にこれだけの機能があって、AirPods はそれが送信されて聞くだけみたいだから、AirPods って必須なのかなあという疑問が湧いたのである。相手が AirPods ユーザーじゃない場合は、iPhone 上で再生されるようだし。

この記事、よくわからん。

【再び 同日 追記】

X (旧 Twiiter)で プライム さんという方が興味深い tweet をしている。仕事上で、決して上手ではない英語で対応していて、途中からタブレットの自動翻訳に切り替えたのだが、「1000倍正確」なはずの自動翻訳は相手の不興を買い、自力でのナマの会話に戻さざるを得なかったのだそうだ(参照)。

やっぱり、「ナマの会話」は貴重だよね。

 

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2025年3月15日

ウグイスってやつは本当に「声はすれども姿は見えず」

「声はすれども姿は見えずほんにお前は屁のような」という都々逸じみた台詞があるが、三味線の伴奏で歌われているのを聞いたことがない。そして屁なんかよりずっと気にかかるのは、ウグイスだ。このところ「ホ—ホケキョ」の囀りを聞くことが増えているのだが、姿を見たことは一度もない。

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ウグイスは花札にも登場するウグイス色の小鳥だと思われているが、実はあれはメジロであってウグイスではない。ウグイスというのはもっと地味な見かけの鳥である。

さらに言えば「メジロ」というぐらいだから、目だって赤くはない。手持ちの図鑑にちょうど隣同士で載っているメジロとウグイスの画像を下に貼り付けておく。

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というわけで、いわゆる「うぐいす色」というのは「ウグイスの色」じゃないのである。これ、少しでもバードウォッチングをする人には常識だが、一般論としては半数以上の人が「えっ、そうだったの !?」と驚く。

ところがバードウォッチングがかなり好きな人でも、ウグイスの姿を直接見たことのある人は少ない。私も時々「ホ—ホケキョ」と声のする藪の中を双眼鏡で必死に探すのだが、やっぱり見つからない。春の初めの枯れた色の藪は、絶好の保護色となっているようだ。

ちなみに「ウグイス嬢」というのも、「声だけ聞こえて姿は見えない」ということで共通している。ただ、この人 は例外だけど。

ついでに書いておくが、花札の梅と松の短冊に書いてある文字は「あのよろし」ではなく「あかよろし」と読んでね。二文字目は「可」という漢字を崩した変体仮名なので。

 

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2025年3月14日

席を譲るって、どんな種類の「恥ずかしさ」なのか?

今月 11日に "席を譲るのを「恥ずかしがる」という妙な免罪符 " という記事を書いた。この国では電車で老人に席を譲りたくても「恥ずかしい」という意識に甘えて実行に移さないことが多いと聞くのだが、私の感覚としては譲らない方がずっと「恥ずかしい」と思うという話である。

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この記事を書いて 2〜3日経ち、「そうか、この 2つの『恥ずかしい』は、実は異なった意識なのだ」と気付いた。日本語では同じ「恥ずかしい」という言葉を使うのが、「周囲に対して恥ずかしい」と「良心に対して恥ずかしい」では、実はまったく別の話なのだ。

この違いを明確にするには、別の言葉で考えるといい。ここでは試しに英語でやってみよう。「英会話ハイウェイ」というサイトの "「恥ずかしい」は英語で? ネイティブが納得する正しい言い方 5選" という記事が参考になる。必要部分だけかいつまんで紹介すると、ざっとこんな感じだ。

  • 人として恥ずかしいは  "ashamed"
    道徳的や社会的に悪いと考えられていることをして罪悪感を覚えるようなときや、見た目を恥じるときの「恥ずかしい」

    I felt ashamed of myself for getting so angry in front of children.
    (子供たちの前でそんなに怒ったことを私は恥ずかしく思いました)

  • 恥を知れ! の恥は  "shame"

    Shame on you!

  • 恥ずかしがり屋は  "shy"

    I was too shy to talk to the girl.
    (私は恥ずかしくてその女の子に話しかけられませんでした)

こうしてみると「周囲に対して恥ずかしい」というのは、英語でいうと「恥ずかしがり屋」に近いと思う。そう、"shy" (シャイ)なのだ。いいことをしようとしても、「無駄にシャイ」なので躊躇してしまうのである。

一方「良心に対して恥ずかしい」というのは、「人として恥ずかしい」の "ashamed" が相応しいだろう。電車内で席を譲らなかったら、より直接的に "Shame on you!" (恥を知れ!)になる。

どうやら日本人、この類いの「恥」にはかなり鈍感で「良心の呵責」みたいなことはあまり問題にされず、「シャイ」感覚の方が圧倒的に先に立ってしまうようなのだね。

日本は古くから「恥の文化」と言われてきたわけだが、この言葉はかなり慎重に取り扱わなければならないだろう。「良心に対して恥ずかしい」というのは、どちらかというと西洋的な「罪の文化」の意識に近いようなのだ。

それって「神」という絶対基準に照らし合わせて「恥ずかしい」のであって、「シャイ」だから見逃されるなんていうような甘ったれた話じゃ済まないのである。

 

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2025年3月13日

土葬の墓地を認めたがらない日本人のメンタリティ

Courrier が "海外メディア「土葬のお墓がほしいと願うイスラム教徒を攻撃する日本」" というニュースを伝えている。"ネットの「誤情報」が深刻な対立を生む" というサブ見出し付きだ。

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この記事は、つぎのようなリードで始まる。

近年、日本に暮らすイスラム教徒が増えるにつれ、教義に則った土葬墓地への需要が高まっている。大分県の別府ムスリム協会は土葬墓地の建設を求めているが、地元の日出町の町長らの反対で難航している。

墓地建設に対する抵抗感の背景には、ネット上で拡散されるイスラム教への誤解があると中国紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」は指摘する。

大分県を拠点とする別府ムスリム協会の人々は、ムスリムのための土葬墓地建設の許可が同県日出町の行政から、まもなく得られるだろうと考えていた。2020年9月当時の話である。

だが 5年近く経つ今も承認は下りていない。同協会の代表ムハンマド・タヒル・アッバス・カーン(57)は、「土葬が法律で禁止されていない日本で、自分たちの率直な要望が認められないのは、メディアや SNS で発信された誤解を招く情報に原因がある」と訴えている。

土葬できる墓地の建設に反対しているのは、一部の YouTuber であるらしく、代表的なのは「カーンが日本をムスリム多数派の国にしようと企んでおり、墓地の建設はその活動の一環」という主張だ。馬鹿げた話だが、こんな話に乗って町長までが建設に反対しているというのだから情けない。

こんなことになっているのは、先進国では日本ぐらいのものだろう。多様性を認められないメンタリティというのは、かなり困ったことだ。そもそも日本でも戦前までは土葬が普通に行われていたのだが。

 

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2025年3月12日

アルコール飲料にもがんのリスクがあるという

Reuter が今年 2月 17日付の記事で "WHO、欧州でアルコール飲料にたばこ並み「がん警告」要請" という記事を伝えている。私は煙草を完全に止めてから 50年近いし、最近は酒もほとんど飲まなくなったので、個人的には「それがどうした」程度の印象だが、ショックな人にはショックだろう。

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世界保健機関(WHO)によれば、欧州全域でアルコールとがんとの関連性に関する意識が「憂慮すべき」と言えるほど欠如しているとのだそうだ。それは米国でも日本でも同様だろう。煙草とがんの関連はしっかり認識されているが、酒に関してはあまりシリアスじゃない。

ちなみに Wikipedia で日本における煙草の健康に関する表示を調べてみると、次のように表示されている(参照)。

2005年のたばこ規制枠組条約発効以前は、1972年から 1989年まで「健康のため吸いすぎに注意しましょう」、1990年から 2005年まで「あなたの健康を損なうおそれがありますので吸いすぎに注意しましょう」とパッケージの側面に書かれているのみであった。

今から見れば呆れるほど曖昧な表現でしかない。もし日本で今後酒に関してもこうした表示が求められるようになったとしても、これよりさらに曖昧な表現になってしまうだろう。

日本人男性の喫煙率は、1960年代には約 80%だったと言われている。「男なら煙草を吸うもの」という風潮だったわけだ。それが最近では約 30%と、半分以下になっている。

一方酒に関しては、ほとんど毎日飲む(私も以前はそうだった)という人が、今の世でも結構多い。月々の酒代だけで大変な額になるなんて話もよく聞くところだ。

今後、酒にも煙草同様の警告表示がされるようになっても、消費は煙草ほど極端には減らないような気もする。せいぜい「飲む量を減らす」という程度の反応になるだろう。

まあ、お酒の好きな人にとっては気の毒なニュースである。

 

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2025年3月11日

席を譲るのを「恥ずかしがる」という妙な免罪符

SAWASAKI Fuyuhi さんが Bluesky におもしろい書き込みをしておいでだ(参照)。最近電車内で席を譲られるということが相次いで起きたのだそうだ。これ、中高生世代で「席を譲りましょう週間」開催中なのではないかと推理していらっしゃる。

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会食の席上でその話題になり、「まだ私たちは譲る側になることが多い」という点で見解が一致したのだそうだ。ただ、中高生から席を譲られるほどの年代が、まだ「席を譲る側になることが多い」というのは、ちょっと考え物という気がしてしまったのだが。

私は 72歳という年でもあるので十分に「譲られる側」と思ってもいいのだが、思い返してみても電車内で席を譲られたことなんてほとんどない。まあ、見かけだけは若く見えてしまうのでしょうがないと思ってはいるんだけどね。

最近はさすがに年を考えて 60代の頃ほど気軽に席を譲ることはなくなったが、それでも見るからに危なっかしそうなジイさんやバアさんが乗ってきて座れずにいるのを見ると、いたたまれなくなって席を譲る。譲らないわけにいかないじゃないか。

ところが譲ってから改めて周囲を見ると、20代ぐらいの若者が平気な顔で座り続け、スマホでゲームなんかしている。70代には見えないかも知れないが、60代には十分見えるだろう私が席を立つのを横目で見ても、バツの悪そうな顔すらしない。

この国では「老人には席を譲るもの」という意識が極めて低いようなのだ。あるいは「席を譲りたい」と思いはしても、周囲の目を妙に気にして「恥ずかしい」なんて思ってしまい、実際の行動に至らないというパターンも多いみたいなのだ。

しかしこれってかなりおかしな話で、私の意識としては、近くに座れないでいる老人がいるのに図々しく座り続けている方がずっと恥ずかしいんだがなあ。この方がずっと「まとも」な感覚だと思う。

多くの日本人って、大勢の中で「率先行動」するということにかなりの抵抗を感じてしまうようなのだね。こんな場合、「恥ずかしい」という意識が妙な免罪符として機能するみたいで、しかもこの免罪符がかなり有効ときてるのだからますます「お恥ずかしい話」である。

【3月 14日 追記】

この問題についてもう少し考察を深め、「席を譲るって、どんな種類の「恥ずかしさ」なのか?」という記事にしてみたので、よろしく。

 

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2025年3月10日

北海道沖 千島海溝を震源とする巨大地震の可能性

明日は東日本大震災から 14年目になる。私の住む茨城県つくば地区も大揺れに揺れた(参照)のを、昨日のことのように思い出す。そんな折、「北海道沖 千島海溝 巨大地震起こしうる程度までひずみ蓄積か」という気になるニュースを NHK が伝えている。

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静岡県沖の南海トラフを震源とする「東海地震」の危険性については、マスコミでも幾度となく対策が呼びかけられているが、北海道沖とか千島海溝を震源とする地震に関してはこれまでほとんど報じられなかった。だから私も今回の記事がほとんど初耳である。

観測を行った東北大学などの研究グループによれば、この海域では「ひずみ」の蓄積がすでにマグニチュード 9クラスの巨大地震を引き起こしうる程度まで進んでいる可能性があるのだという。つまり、とんでもない大地震がいつ起きてもおかしくないというのだ。

この海域を震源とする巨大地震は 400年前の 17世紀に発生したと考えられているのだが、現在は当時とは比較にならないほどこの地域の人口が増えているので、発生したら大変な被害が想定される。

この地域には知り合いも少なくないので、かなり心配だ。それにしても日本という国は、この問題に関してはどこに住んでいても気の休まる時がない。

 

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2025年3月 9日

「屋根修理」の詐偽が、また増えてきているらしい

SUUMO のサイトに昨年末の記事だが「屋根のリフォーム詐欺が急増!手口や身を守る方法は?通報や相談、契約解除についても解説」というのがある。一時コロナの影響かあまり聞かなくなっていたのだが、最近になってまた増えてきているらしい。

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これ、「屋根のリフォームを勧めて、ずさんな工事や高額な請求を行うなどの詐欺」のことで、私も過去に 2度書いたことがある。

近頃、悪質勧誘が増えている(2021年 3月 7日付)
悪徳業者による「屋根修理詐欺」にご注意(2022年 2月 9日付)

2021年の方は、玄関のベルに出てみると若い兄ちゃんがいて、「お客様、以前に火災保険を利用して台風被害による屋根の修理をされましたよね」「私、その時に担当させていただいた〇〇という者ですが、この度独立いたしまして、よりお得な保険のご紹介に参りました」なんてことを言ったというものだ。

確かに火災保険を利用して台風で傷んだ屋根の修理をしたことはあるのだが、それはその 10年以上前のことで、こんな若い兄ちゃんが担当していたわけがない。見え見えの嘘ではあるのだが、こちらが保険で屋根修理をしたことが外部に漏れているようなので、ちょっと恐ろしくなった。

さらにその翌年の場合は、「明日から向こうの道の住宅工事で、トラックが道に停まってご迷惑をおかけするかも知れませんので、ご挨拶に来ました」なんて、もっともらしいことを言う。ところが話はそれでは終わらない。

「ところで、ご近所の方が言ってたんですが、お宅の屋根が壊れているみたいなので、ちゃんと点検しましょうか?」なんてことを言い出すのである。ところがどう見ても壊れているようには見えないのでそう告げると、話は馬鹿馬鹿しい方向に発展する。

「いや、素人目にはわからなくても、我々、屋根屋の目線で見るとわかるんです。それにしても、ヒドいことになってますね。一体いつからあんな状態なんですか?」「よろしければウチの専門スタッフが屋根に登って写真を撮らせていただきます。その写真をご覧になればわかりますよ」なんて言い出す。

そもそも「素人目にはわからない」ことが「ご近所の方」にわかるわけないし、屋根に登って撮った写真で初めてわかるようなことを「いつからあんな状態なんですか」なんて聞くのもアタマがおかしい。

こんな連中に下手に屋根に登らせたりなんかしたら、その場でわざと壊して写真を撮るに決まってる。アブナくてしょうがないから、「もう二度と来るな」と言い渡して、ピシャリとドアを閉めた。

というわけでこれを読まれた諸兄も、こんなような詐偽には十分にご注意を。

【3月 11日 追記】

この問題は先月末から NHK が集中的に追ったらしく、以下のように 3本の記事を報じている。

【詳しく】悪質リフォーム 業者がわざと屋根を… (2月 28日)
工事業者名乗りリフォーム代 210万円詐取か 2人逮捕 東京 (3月 7日)
悪質リフォーム業者 “統括”ら 4人逮捕 建設業法違反の疑い (3月 11日)

 

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2025年3月 8日

睡眠時間が短いと、「死亡率」が増加するって?

レバテック LAB というサイトに "「7~9時間睡眠」維持できないと死亡率最大 29%増? 4万人超の睡眠時間 5年分を調査した結果【研究紹介】" という 3月 5日付の記事がある。ただ「死亡率最大 29%増?」なんていうが、人間は元々死亡率 100%だから、それ以上の増加はあり得ないと思うがなあ。

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この見出しがあまりにもミステリアスなので本文を読んでみたところ、こんな表現になっている。

健康的な睡眠時間を維持していた参加者に比べて、最適でない睡眠パターンの参加者は全死因における死亡リスクが最大で 29%高かったことがわかった。

29%高かったのは、「死亡率」なんかじゃなく「全死因における死亡リスク」じゃないか。最近、ニュースサイトの記事タイトルを付ける編集者の質がやたら落ちてるような気がする。

いずれにしてもわかりにくい表現だがニュースとしては、死亡につながるいろいろなファクターがある中で、実際に死ぬリスクが 3割近く高まると言いたいようなのである。繰り返しになるが、人間いずれは死ぬんだけどね。

睡眠時間についていえば、私も「7~9時間睡眠」なんてまったく維持できていない。せいぜい 4〜5時間で、ほんのたまに 9時間ぐらいの「寝だめ」をする。

まあ、妙なことを気にしすぎるのが一番健康によくないから、こんなところで生きて行ってみよう。

【3月 9日 追記】

そういえば、先日クルマを運転しながらラジオで「一般社団法人 日本ショートスリーパー育成協会」代表理事という人の話を聞いたのを思い出した。この人、マジで 1日に 45分ぐらいしか寝ないんだそうだ。

これって、いくらなんでも極端すぎる気がするなあ。個人的にはもうちょっとベッドの中でウダウダしていたい気がする。

 

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2025年3月 7日

「世界一小さな公園」というのだが

カラパイアというサイトに「静岡県のミニミニ公園が世界最小でギネス世界記録に! 世界からも注目が集まる」という記事があるのだが、冒頭に下のような写真の付いた記事なので、「おいおい! 箱庭を『公園』と称するのは反則だろうよ!」と一瞬マジでムカついた。いくら何でもあり得ない。

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ところが実際の「世界最小の公園」というのは下の写真のようなのだ。約 50cm四方で、面積は約 0.24平方m。人が 1人立てばいっぱいになってしまうほど小さくて、名前も付いていないのだが、静岡県駿東郡長泉町ではちゃんと「公園」として認定されているというのである。

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だったら、上の「箱庭写真」は「反則」どころか「デタラメ」じゃないか。こんなもので無駄に人を惑わしちゃいけない。

今回ことさらムッときてしまったのは昨日、愛知県立新川高校に関する記事に何の断りもなく愛知県庁舎の写真を 3枚も使うという、マスコミとしてあり得ないデタラメにムカついた直後(参照)ということもあるのだろう。

ギネスブックに登録されることになった長泉町には「おめでとう」というほかないが、こんなような記事にしてしまったカラパイアには、「ちょっと考え直した方がいいよ」と言うほかない。

まあ、箱庭の背景のボカシ方とか、結構苦労しているのも見えるから、どうしてもこの写真を使いたかったという気持ちもわからないではない。だったらもっと下の方で、完全に「洒落」として掲載すれば笑ってあげることもできたのに。

ちなみにこんなのが話題になってしまうと、安易に 40cm 四方ぐらいのものを作って「ウチの公園の方が小さいから、世界一!」なんて言い出す自治体が出てこないとも限らない。しかしそんなのは「悪趣味な二番煎じ」として呆れられるだけから、よい子のみんなは真似なんかしないようにね。

 

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2025年3月 6日

卒業した高校の通知表なんて要らないし

CBC ニュースに「卒業式で通知表を配布し忘れ 高校 3年生 304人に…先生も生徒も気付かず 愛知・清須市の県立高校」なんていう記事がある。新川高校という高校の担当教師が通知表をプリントし忘れ、2月 28日の卒業式で生徒に渡すことができなかったのだが、それに誰も気付かなかったんだそうだ。

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夕方になって渡しそびれたことに気付いた学校側が授業支援アプリを使い、卒業生に「学校まで受け取りに来て欲しい」とのメッセージを送ったところ、4日朝までに 75人に通知表を渡すことができたという。しかし残る 200人あまりについては、まだ渡し切れていないらしい。

これに関しては、担任の教諭が個別に電話して受け取りに来てくれるよう依頼しているというのだが、聞くだに疲れる話である。そもそも卒業した高校の通知表なんかもらっても、嬉しくもありがたくもないからね。

せっかく高校と縁が切れて清々しているところで「通知表を取りにおいで」なんて電話をもらったら、「やなこった!」となっても全然不思議じゃない。私だったら「要らないから、テキトーに処分しといてください」と応えるだろう。

実際問題としては、最後まで受け取りに来てくれない卒業生の通知表は、書留か何かで送ることになるのだろうか。今の書留郵便料金は 1通 480円というから、200通以上送ったら 10万円を軽く超えることになる。年度末ギリギリで、予想だにしなかった臨時出費だ。

それにしても通知表を渡し忘れたなんて話より驚いてしまったのは、写真で見る新川高校って、なんと 6階建てで、ちょっとしたデパートなんかよりずっと立派だってことだ。まるで御殿みたいに威圧的ですらある。何だか、行きたくない気持ちもわかるなあ。

【同日 追記】

nomibito-shirazu さんのコメントのおかげで判明したのだが、この記事で紹介されている写真は新川高校ではなく愛知県庁舎で、重要文化財に指定されているほどのものなんだそうだ。

ただ、記事ではこの庁舎の写真が何の断り書きもなく 3枚も紹介されている。これはヒドい。CBC の報道姿勢を疑ってしまうよね。地方局だから、見ればたいていの人はわかるはずなんて思ったのかも知れないが、インターネットでは日本中、世界中に紹介されてしまうのだよ。

 

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2025年3月 5日

「ねるねるねるね」というモノのミステリー

さとこ国立公園さんという方の「ねるねるねるねを初めて食べるケニア人の反応が面白い」という YouTube 動画がなかなか興味深い。この方、ケニアをベースにいろいろな活動をされている(参照)ようで、注目しておいていいと思う。

この動画は「ねるねるねるね」というものを初めて食べるケニア人の反応を紹介したもの。しかし私は何しろこの「ねるねるねるね」というものをまったく知らなかったので、反応としては実物を目の前にして匂いまで嗅いでいるケニア人よりさらにプリミティブにならざるを得ない。

そもそも「ねるねるねるね」って食い物なの? というところから入らないと話が始まらないので調べてみると、Wikipedia ちゃんと「ねるねるねるね」という項目があるじゃないか。

「1986年よりクラシエ株式会社 フーズカンパニー(旧カネボウフーズ・ベルフーズ→クラシエフーズ)から発売されている菓子」とある。40年近く前から販売されていて、その筋では「知育菓子」というカテゴリーで知られているというのである。

そんなことならウチの三人娘の幼かった頃に多少は我が家にも入ってきてもよかったのだが、まったく縁がなかったなあ。

さらに調べると、「ねるねるねるね ぶどう味 作り方動画」というのが見つかった。ざっとこんなようなものであるという。

見れば出来上がりはかなり毒々しいまでの色になっているが、使用されているのはすべて天然由来の添加物で、合成着色料は使われていないらしい。とにかく知ってる人にとっては作り方なんてあまりにも当たり前のことのようで、それだけに最初に紹介した動画では手元はほとんど映っていない。

この世というのは深層部はおろか、ポピュラーな分野に至るまでなかなかうかがい知れないことが広がっているもので、下手すると自分だけが知らないなんてことが少なくないようなのだ。ゆめゆめ油断がならない。

ただこれって、「食べてみたいか?」と聞かれたら「別に・・・」と答えるしかないなあ。そりゃ、よっぽど腹が減っていてほかに食うものが見つからなければ食うけど、あまり腹の足しにはなりそうにないしね。

 

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2025年3月 4日

戦前のカレンダーからわかってくること

能栄さんという方が「旅館にあった昭和18年のカレンダー」という画像入りの tweet をしておいでだ(参照)。古色蒼然としたいかにも戦前のものというイメージだが、よく見るとなかなか面白い要素に満ちている。

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これは昭和 18年 1月のカレンダーなのだが、まず嫌でも気付くのが、カレンダーの左端が金曜日になっていることだ。「金、土、日、月、火、水、木」の順に並んでいる。

いくら何でも、戦前の日本では 1週間の始まりが金曜日だったなんてことはないだろうから、これは 1月 1日が金曜日ということに合わせた結果なんだろう。とすれば、2月と 3月は左端が月曜日となり、4月は木曜日ということになるのだろうか。

何だか面倒な気もするが、当時は 1週間が生活のベースとなるサラリーマンより農民の方がずっと多かったから、別に奇異でも不便でもなかったのかもしれない。

それから、1月 5日が祝日となっていることにも注目だ。この日は戦前「新年宴会(しんねんえんかい)」として、宮中において新年の到来を祝う宴会を行う祝祭日とされていたという。これ、現代にも残されていたら、年末年始の休みがちょっと延びることになるかもしれない。

ちなみにこのカレンダー、横書きの部分は数字部分を除けば、すべて右からの表記となっている。これは戦前の話だから当然のことだが、根本的なことを言えば、これは「横書き」というよりは「各行が 1文字の縦書き」というココロなのである。

さらに、右側の枠外には「明治 年号換算 七十六年」「大正 年号換算 三十二年」と表記されている。昭和 18年と言えば明治生まれや大正生まれの人も現役世代として生きていたのだろうから、あってもいいような気もするが、別になくても構わない。

ただ私は最近、「令和〇年」なんて言われてもピンとこないので、もっぱら西暦の方を多用するようになっている。もしかしたら、このカレンダーの「明治七十六年」なんてのは、明治生まれの人にとっての「西暦代わり」みたいな役割を果たしていたのかもしれない。

何しろ「昭和十八年」という表記の横にあるのが「西暦」ではなく「皇紀二千六百三年」という文字なのだから、明治や大正の年号換算の方がピンときやすかったのだろう。いや、もしかしたらこの当時は皇紀にかなり馴染みがあって、余計な心配は無用だったのかもしれないが。

いずれにしてもカレンダーの上に描かれている海軍旗は、軍国主義の台頭した時代ということを如実にうかがわせる。最近のカレンダーにはこんなデザインがないだけ幸せだ。

このカレンダーの製造元である「七十七銀行」というのは、今でも健在である。「日本銀行代理店」なんて表示に驚いてしまったが、よく調べると、この制度は今も存続しているみたいで、七十七銀行はその業務をずっと続けているみたいである(参照)。

 

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2025年3月 3日

つくばの里に雪が降る

天気予報では「午後には雪が舞うかも知れません」なんて言っていたが、「どうせチラッと舞うぐらいで、積もったりはしないだろう」とタカをくくっていた。ところが 2時を過ぎた頃から「チラッと」どころではない様子になり、裏の土手は白くなってしまったのである。

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道路にはまったく積もっていないので交通機関への影響はほとんどないだろうが、それにしても「この辺りでもまだ雪って降るんだ」と再確認させられてしまった。もう 3月とはいえ、今年の冬はなかなか馬鹿にできない。

ただ、昔と比べればこの程度の雪はほんの可愛らしいものである。私がこの土地に引っ越してきたのはほぼ 40年ほど前のことになるが、当時はかなりの積雪になるのが珍しくなかった。

下の写真は 15年近くの前の多分 2〜3月頃に撮影したものだが、雪かきをしないとクルマが駐車場から出られないほどになっている。

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思い返してみると、5〜6年前までは家の前の道路を雪かきしていたが、最近は全然していない。まともに積もることがないので、必要ないのだ。大きな雪かきシャベルも物置にしまいっぱなしで、多分今年も使わずに済むだろう。

明後日は仕事で横浜に行かなければならないのだが、この分だと交通機関がストップしてしまうなんてこともなさそうだ。

 

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2025年3月 2日

トランプの「稚拙なやりたい放題」に、早くもほころび

米国トランプ大統領の矢継ぎ早のわけのわからない振る舞いだが、まともに考えればあんなやり方が長く通用するはずがない。共同通信が "トランプ大統領は「マフィア」 米有力紙が社説で批判" という記事を報じているほどだ。

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「米有力紙」というのはワシントンポストで、3月 1日付の社説として、トランプ大統領のゼレンスキー大統領に対する振る舞いは、映画「ゴッドファーザー」の主人公でマフィアのボスである「ドン・コルレオーネのようだった」と批判したという。確かにそう言われても仕方がないよね。

何しろ米国民の圧倒的多数は「ロシア嫌い」である。第二次世界大戦後の「米ソ対立」以来の「アカ嫌い」がずっと続いているのだから、こればかりは急には変わりようがない。ところがトランプはプーチンと一脈通じてしまい、あからさまな「仲良し」ぶりなのだから違和感あり過ぎだ。

こうした行き方に対しては身内の共和党内部からも批判が出始めているようだ。当然といえば当然である。

穏健派のマカウスキ上院議員は1日、トランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の首脳会談の終了後、「政権は同盟国から離れ、ロシアのプーチン大統領を受け入れようとしているようだ。吐き気がする」と、SNS で痛烈に批判したと伝えられる(参照)。

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さらに、CNN が「解雇に不満の米連邦職員、ロシアと中国が採用に動く」という情報筋の話を伝えており、かなり危険なニュースと受け止められている。なにしろ CIA などを辞めた人物がロシアと中国に雇われてしまったら、機密情報筒抜けになってしまいかねない。

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トランプの「稚拙なやりたい放題」は、既にボロが出始めていると言ってもいい。これが米国だけの問題で済めばいいのだが、全世界に悪影響を及ぼすのは必至だから、しばらくの間、世界は馬鹿馬鹿しい混乱に付き合わなければならないのだろう。

 

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2025年3月 1日

クルマを使うか、電車やバスを使うか、それとも歩くか

ちょっと前の記事ではあるが、日本経済新聞が「車を使わぬ高齢者、駅やバス停徒歩圏にないと鬱 1.6倍」と伝えている。公共交通機関へのアクセスを維持・改善することは、高齢者のうつ対策に寄与する可能性があるというのだ。

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国内ではバス会社の赤字に伴い、路線の廃止・減便が続いているが、これは自宅近くに公共交通機関が少ない高齢者の社会参加の機会や歩行時間の減少を招き、うつ病の発症につながりやすくなる。調査では「高齢者のうつは認知症や死亡につながるため、公衆衛生上の大きな課題だ」とされている。

ちなみに、普段からクルマを利用している場合はうつ病になるリスクが小さいらしい。閉じ籠もりがちになるというのがヤバいのだろうから、気軽にいろいろなところに出かけられるというのは大きなメリットになるわけだ。

ただ、高齢者の運転は事故のリスクが大きい。うつになるリスクと交通事故に遭うリスクのどちらを重く見るかが問題になるだろう。

私自身は現在 72歳で、いつもクルマであちこちに出かけている。多分あと 10年はこのままイケるだろうが、いつまでも続けられるという保証はない。さらに言ってしまえば、クルマの運転ができなくなるぐらいだと、バスを利用することだって辛くなるだろう。

こうなったら最終的には、歩いてあちこちに出かけられるように足腰を鍛えておくというのが一番ということになりそうだ。やれやれ。

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