たばこが原因の火災増加と、現代人の「直火」感覚
47 NEWS の "横浜で「たばこ」火災増加中 時間差で発火「吸い殻ごみ箱に捨てないで」" という記事に注目してしまった。横浜市内で今年 1、2月の火災発生が前年同期比 68.8%%増の 184件にのぼり、出火原因の最多が 39件(同62.5%増)の「たばこ」だったのだそうだ。
つまり横浜市では、たばこが原因の火災が 3日に 2回発生しているということになる。これだけ喫煙者が減っているのにたばこによる火災が増えているというのは、ちょっと驚きだ。
ちなみに見出しにある「時間差で発火」というのは下記のようなことだ。すぐには燃え上がらないというのがかえってコワい。
火の付いたたばこの表面温度は約 200~300度。火種は小さく、そのままではすぐに炎が上がることはないものの、ごみ箱などに捨てられて火種が布や紙などに触れ続けることで温度が上がり、発火してしまう。
下の YouTube 動画は、2年前に新潟市消防局が公開したもので(参照)、吸い殻の不始末が火事につながることが如実に示されている。
最近は喫煙者の減少とともに、たばこが火災原因となることについてはあまり話題になってこなかった気がするが、再びこうしたことが取り上げられるようになっているのはかなり問題だ。喫煙者の吸い殻の後始末がかなりぞんざいになってしまっているのだろうか。
一方、最近になって「山火事」のニュースが増えている(参照)が、乾燥した時期に安易に焚き火をすることで大きな山火事になったりする。現代生活では「火そのもの」を直接取り扱う機会が減っているので、たばこや焚き火などを含む「直火」に関する現実感が薄れてしまっているような気がする。
その結果として取り扱いがぞんざいに(あるいは「下手くそに」)なってしまっているのだとしたら、かなりコワいことだよね。
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コメント
この記事を読んで、時間差で発火といえば、昔、小説か何かで、紙マッチに火のついたタバコの吸い口の方を挟んでおいて、火がだんだん吸い口の方に近づいていってマッチに引火して大きな火種になる、みたいな話を読んだなぁと思い出しました(確か、放火して逃げる時間を稼ぐ、みたいな文脈だったと思います)。
そして、「あれって『紙マッチ』でいいのだっけ?」と思い検索したら、「ブックマッチ」と呼ぶらしいですね。そして今は製造されていない、と。
https://www.dailyshincho.jp/article/2022/06011101/?all=1
投稿: 山辺響 | 2025年3月26日 15:16
山辺響 さん:
へえ、上手い手を考えるものですね。あれ、「ブックマッチ」と呼ばれるとは初めて知りました。
考えてみると、ブックマッチだけでなく、マッチそのものを触ったことが、ここ数年ないことに気付きました。
投稿: tak | 2025年3月26日 19:20