りり®︎5y🚗+1y1m🚙@ririri__21 さんというややこしいハンドルネームの方が「洗濯機爆発して家壊れたんだが」と tweet しておられる。「防水シーツ」なるものを洗ったところ、洗濯機が爆発し、築 4ヶ月の家の壁が壊れたんだそうだ。気の毒に。

そもそも「防水シーツ」なるものが初耳だったのでネットで検索してみたところ、こんなページが見つかった。どうやら「子どものおねしょや吐き戻し、ペットの粗相、介護などで寝具を汚してしまう心配を軽減」する商品らしい。それで 1枚でも「シート」ではなく「シーツ」なわけね。

ただ、寝具のシーツが防水だなんて、ムレムレになって寝心地悪そうな気がするなあ。あんまりイメージがよくない。
そう思って検索してみたところ、こんなページがあった。見たところタイトルと画像の関連がさっぱりわからないが、まあ細かいことは気にしないで読んでみよう。

このページには「蒸れない防水シーツを選ぶ3つの目安」という記述があって、こんな感じで説明されている。

「一般に『防水シーツは蒸れる』と言われる場合、その防水シーツは撥水加工のモノであることが多いです」と書かれている。しかしこれは厳密に言えばムチャクチャな話で、「防水」と「撥水」は、似て非なるモノだから、きちんと区別しなければならない。
こちらのページでも明確に説明されているように、「防水加工」とは水を通さない加工で、「撥水加工」とは水をはじく加工である。「撥水加工」の場合、はじききれないほど激しく濡れてしまったり、撥水が経年劣化してしまうと、水が繊維素材にしみ込んでしまう。
上の図の「撥水生地」は表面で水分をはじいているが、「防水生地」の方は水分を吸収するものの下までは通さないというようなイメージで語られている。いったん吸収するので「蒸れにくい」んだそうだ。しかし常識的には「吸収してしまうんじゃ、『防水』じゃないじゃん!」てことになるんだが。
件の記事はさらに「吸水性の高い生地の防水シーツを選ぶ」などと矛盾しまくった表現を続けているが、よく読むと吸水素材と防水素材をラミネートした二層構造ということを言ってるようなのだ。シーツの上の面は吸水性があるが、下の面が防水膜になっていて、その下までは通さない。

シーツの直接体にあたる面を防水してしまうと不快感があるからということなんだろうが、裏表を間違えて敷いたら逆効果になるよね。
そして記事は最後に「防水膜に透湿性があることを確認する」ということで結ばれている。

要するに、いわゆる「透湿防水素材」を選べということのようなのである。水の分子は通さないが水蒸気は通すという微少な穴の表面加工を施した素材のことで、登山用の雨具などではかなり普及している。この方面では米国 WL ゴア&アソシエイツ社のゴアテックス(Gore-Tex)が有名だ。
だったら初めから「透湿防水素材のものを選ぶ」と言えば話が早かったのに。ただ、シーツみたいなソフトなタッチの求められる素材でレベルの高い透湿防水加工ってできるのかなあ。かなり疑問だ。
そしていくら「透湿防水素材」だったとしても、それをシーツに使うというのは疑問だ。赤ん坊や介護老人の「おもらし」がオムツの外に漏れてしまったら、表面にオシッコがしみ込むことに変わりはないから、どうせ洗わなければならないのだし。
その上、洗ったら洗濯機が爆発するおそれまであるというんだから、アブナくてしょうがないじゃないか。買ってしまった人は、こちらのページを参考にしながら十分にご注意を。
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