押収大麻 20トンの屋外焼却で、ちょっとしたことに
ググットニュースが「押収大麻20トンを野外焼却、町中が "ハイ状態" に… トルコで衝撃的な事態発生」という話を伝えている。燃やした大麻の量は金額にすると約 372億円分というから、トルコって結構スゴいことをする国だよね。
ただこの記事、ちょっと曖昧なところがある。冒頭では「トルコ南東部ディヤルバクル県ライス(Lice)地区で、押収された大麻約 20トンを警察が焼却処分したところ、住民が意図せず "ハイ" な状態に・・・」とあるのだが、次のパラグラフでは「憲兵隊は(中略)、市街地近くで野外焼却を実施」とある。
焼却処分を実施したのは「警察」なのか「憲兵隊」なのか、一体どっちなんだ? いろいろ検索して元記事の英語版と思われるものを見つけたのだが、焼却処分に携わったのは "the authorities" と表記されているだけで、これってフツーは「当局」と訳されることが多いんだがなあ。
「警察」と訳したまではまだ理解できるが、どうしてここで「憲兵隊」が出てくるのかわからない。この翻訳者はたまたま軍事関係のニュースか何かを訳した直後で、それとごっちゃになったりしたのかなあ。
いずれにしても、記事冒頭では「住民が意図せず "ハイ" な状態に」とあるが、実際には「住民およそ 2万5000人がめまいや吐き気、幻覚などの症状を訴え」、さらに「子どもたちの中には、体調を崩し病院に運ばれるケースも」とある。実際は「ハイ」というより「バッド・トリップ」だったようだ。
それにしても、わざわざ "LICE" の文字状に並べて燃やしている写真を見ると、大量のシラミ(シラミは英語で "louce" だが、複数形だと "lice")を燃やしているように勘違いしてしまいそうだよね。めまいや吐き気をもたらしたのも無理もない。
ちなみに、燃やしたのは大麻であって「お米(rice)」じゃないのでよろしく。多くの日本人は "lice/rice" を区別して発音できないから(参照)、米価が何かと話題の今どきは下手すると大変なことになってしまいそうだ。
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コメント
アヘン戦争前夜にアヘンを燃やしたときも大変だっただろうなあとちょっと漁ってみたら。
>林則徐らはこれを6月3日から6月25日までかかって現地で処分した[31][32]。焼却処分では燃え残りが出るため、専用の処分池を建設し、アヘン塊を切断して水に浸した上で、塩と石灰を投入して化学反応によって無害化させ、海に放出した[33][32][注釈 1]。この時に処分したアヘンの総量は1,400トンを超えた[34]。
>[注釈 1]処分中、石灰との反応により処分池の塩水は煙を上げた[33][32]。処分は公開で行われ、煙を上げる光景は絵にも描かれた[32]。この煙を上げる絵などから、後年、この処分について、「焼却」と誤り伝えられることもあった[32]。
1400トンもすごいですが、何で聞きかじったか覚えていませんがてっきり焼却だと思ってました。takさんの言葉をお借りして「いかに齢を重ねても、人生の未知の分野は限りなく広い」ですなあ。
投稿: らむね | 2025年5月15日 06:07
らむね さん:
私もてっきり「焼却」と思っていました。
それにしても、英国もヒドいことしたもんですね ^^;)
投稿: tak | 2025年5月15日 09:28