« 押収大麻 20トンの屋外焼却で、ちょっとしたことに | トップページ | 都道府県別のインバウンド・ランキング »

2025年5月15日

米国の「サマーキャンプ」というもの

山口慶明さんという米国在住の方が Togetter に「アメリカの『サマーキャンプ』という制度は、実はアメリカの格差や教育問題と密接に結びついていて闇が深い」と書いておいでだ。下にその一部を画像で示したが、小さくて読みにくい場合はクリックすればオリジナルのページが別画面で表示される。

250515

リンク先を読んでいただければわかるが、米国の子どもが行く「サマーキャンプ」というのは、ちっちゃなテントを設営してバーベキューなんかしてる日本的イメージとは、次元の違うものなのだ。いわば「エリート育成所」みたいなものらしいのである。

私はこの書き込みを見て、即座に高石ともやの『小さな箱』を思い出してしまった。米国の中産階級を皮肉った歌である。中産階級と言っても、医者、弁護士、会社の重役などもいるのだから、日本の「中堅サラリーマン」などとは比較にならないほど豊かな階層を指すのだが。

この歌の3番目の歌詞(4行目)は、もろに Togetter の書き込みそのものだ。

ビールを飲んで ゴルフをして
可愛い子どもがいて その子どもは
きちんと 学校へ通って
夏が来ればキャンプに行き そして大学へ行き
そして箱に入り ちっちゃな箱はみんな同じ

歌のタイトルにもなっている「ちっちゃな箱」というのは、米国のロサンジェルスあたりの丘の上に立ち並ぶ中産階級の家々のこと。くどいようだが、決して「つつましい家」なんかじゃない。日本の感覚からすると、むしろ「豪邸」に近いぐらいだ(ただ、塀はないけど)。

この歌のオリジナルはマルヴィナ・レノルズ(Malvina Reynolds)の "Little Boxes" で、高石ともやの訳詞は原詩にかなり忠実だ。彼女の代表作「雨を汚したのは誰?(What Have They Done to the Rain)」は、かなり多くのシンガーがカバーしているし、このおばさん、かなり骨のある人だった。

米国の「サマーキャンプ」のコンセプトって、トランプの時代になっても変わらないんだろうなあ。彼の熱烈支持層であるプア・ホワイトにしてみれば、ほとんど関わりのない世界だし。

 

|

« 押収大麻 20トンの屋外焼却で、ちょっとしたことに | トップページ | 都道府県別のインバウンド・ランキング »

経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 押収大麻 20トンの屋外焼却で、ちょっとしたことに | トップページ | 都道府県別のインバウンド・ランキング »