トランプ離れの中でも「熱烈支持者」が動じないのは
Bloomberg が "遠のく「黄金時代、米景気減速でトランプ離れも ー 責任転嫁は裏目に" というニュースを歌えて伝えている。「米景気減速でトランプ離れも」というのは当然の成り行きだが、「熱烈支持者は動じず」というサブタイトルがちょっと気になってしまうよね。
トランプは包括的な上乗せ関税が米経済を復活に導くとして、国民には「短期的な痛み」に耐えることを要求していたのだが、どうみても「短期的」では済みそうにないことが見え見えになってきた。国内での支持率は 39%にまで低下している。
これに関して私は先月 29日の記事で「まだ 4割近くの支持率があることの方が驚きと言いたいぐらいだ」と書いているが、要するに「熱烈支持者は動ぜず」ということのようなのである。人の心というのは本当に様々だ。
ちなみに上の画像にある「解放の日」(Libration day)というのは、トランプが「上乗せ関税」関連を導入した 4月 2日ののことなんだそうだ。ちっとも「解放」になんかなってないのだから、いい気なものである。
この「解放の日」以後の経済低迷については、当の共和党の世論調査担当員であるウィット・エアーズ氏までが「多くの米国人の目には、この経済の責任は完全にトランプ氏にあると映る」と述べている。
興味深いのは、反トランプ派のサイト「ザ・ブルワーク」を運営するサラ・ロングウェル氏の指摘だ。
2020年の大統領選でバイデン氏を支持し、24年の選挙ではトランプ氏に投票した人を中心に、トランプ氏は有権者の支持を失いかねない状況にあると同氏は指摘する。特にトランプ氏支持に乗り換えた有権者は、商才を兼ね備えたトランプ氏や共和党が物価を下げ、景気を良くしてくれると期待していたためだ。
「商才を兼ね備えたトランプ氏」というのは幻想に過ぎなかったことが、早くも明らかになったわけだ。当然だよね。
それでも同氏は「トランプ氏の支持者の中には、政策が成果を生むまで待ち、経済状況がどれほど悪化してもトランプ氏を支え続ける層が存在する」と語る。なかなか頑迷な支持層が存在するわけだ。これについては、斎藤元彦兵庫県知事とも共通しそうだ。
この点の解釈には、"「最初は『最悪な奴やな』と思っていたけど」支持者はトランプ信者と瓜二つ… 斎藤元彦が兵庫県知事選挙で「まさかの勝利」を手にした理由」" という文春オンラインの横田増生氏の記事が参考になる。
要するにこの二人の支持者には、「見たいものしか見ない、聞きたいことしか聞かない」という共通点があるようなのだ。これ、かなりアブナい話である。
やっぱり人は、時には見たくないものも見なければならないし、聞きたくないことでも聞かなければならないのだ。
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コメント
「見たいものしか見ない、聞きたいことしか聞かない」
このことは私が常日頃から肝に銘じていることです。
このような人をたくさん見てきました。人は一度信じてしまったことを否定するには相当な勇気がいります。自身の「信仰」を強化するものを捜しまわります。例えそれが砂粒ほどのものでも彼らは見逃しません。
「やっぱり人は、時には見たくないものも見なければならないし、聞きたくないことでも聞かなければならないのだ」
これに尽きますね。そして 君子豹変 しなければならない。
投稿: ハマッコー | 2025年5月 2日 13:36
ハマッコー さん:
>そして 君子豹変 しなければならない。
言えますね。時にはこれが本当に必要です。
投稿: tak | 2025年5月 2日 15:28
就任100日を経過したそうですが、NHKの放送でのニューヨークの マイケルさんとやらの第一声が笑えました。
https://plus.nhk.jp/watch/st/g1_2025050217852?playlist_id=17467c2f-a31e-4dc3-8069-b8c6780192b0
(ブラウザを選ぶのがなんともなページですが)
あと1360日もある と言うのか あと1360日我慢すればと言うか ですね。
投稿: Sam.Y | 2025年5月 3日 09:40
Sam.Y さん:
あと 1360日も我慢するのか! という感じです ^^;)
投稿: tak | 2025年5月 3日 11:47