ゲートボール人口が激減しているわけ
2日続いた「高校生の処分ネタ」から、急に高齢者ネタに飛ばせてもらう。中国新聞の「ゲートボール人口激減 山口県で全盛期 1万人超が 138人に なぜ?」という記事が目を引いたためだ。
山口県ゲートボール協会の中田理事長(77)によれば、同協会の会員記録が残っているのは 1997年度以降のことらしく、その 97年度の会員数が公式記録としては最高の 5,764人だったのだそうだ。それが今春は 138人にまで落ち込んだというのだから、かなりの凋落ぶりである。
ただ理事長の記憶としてのピークは 80年代で、「当時は 1万人をはるかに超えていた」と話している。この人、今 77歳というのだから、30歳代からゲートボールをやってるのだろうか。さすが理事長を務めるだけあって、「早熟なゲートボール・プレイヤー」のようだ。
山口県にとどまらず全国的に見てもゲートボールの退潮は明らかで、98年度は日本中に約 68万人の会員がいたが直近は 3万 5千人なのだという。30年足らずで 95%減というのだからどう見ても半端じゃなく、消滅した地域団体は少なくないようだ。
激減の理由について中田理事長は、 「(ゲートボールが)『高齢者スポーツ』の象徴になったことがあだになった」「全世代で楽しめ、頭も使う競技なのに若い世代になかなか広がらなかった」とコメントしているという。
ただ、「高齢者スポーツの象徴」というなら、高齢者自体はどんどん増加している(私までその一人になってるし)のだから、普通に考えればそれに連れてゲートボール人口も増加して当たり前で、減少する方がおかしい。理由はもっとほかに求められてしかるべきだろう。
考えられるのは、ゲートボールというスポーツの印象が「殺伐たるもの」になりかけていた時期があったことだ。このスポーツ、詳しいルールは知らないのだが、なんでも「相手の妨害をしてなんぼ」というものであるらしい。
妨害がしつこ過ぎるとルール上では問題ないのだが、相手が感情的に「そこまでやるか!」となってしまい、喧嘩につながるという話をそこらじゅうで聞いたものである。年を取ってキレやすくなったりしてるから、かなりヤバい。
喧嘩だけで済めばまだいいが、殺人事件にまで発展してしまった例もある(参照)。さらにチームのリーダー的なじいさんがやたら威張って口うるさい指導に走りがちで、廻りが引いてしまうということもあると聞く。
これでは熱が冷めるのも当然だ。高齢者の興味は今、喧嘩の多いゲートボールから離れ、平和なグラウンド・ゴルフに向いているらしい。年は取っても流行り廃りというのはあるのだね。
ちなみにこの記事、中国新聞のサイトでは有料記事で、全文を読むには会員にならなければならないのだが(参照)、Yahoo! のサイトだと無料で読めてしまうというのがおもしろい。
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コメント
さらにチームのリーダー的なじいさんがやたら威張って口うるさい指導に走りがちで、廻りが引いてしまうということもあるらしい。
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たぶん、サラリーマンをある程度の地位で退職したオヤジが加齢とともに頑固オヤジになって周囲に偉そうに接してるんでしょうね。
頑固ジジイはもう手に負えなくて矯正不可能ですからゲートボールへの参加者が減少したんでしょう。
ゲートボールのルールは分かりませんが妨害してなんぼのゲームだとしたらゲームそのものに問題がありそうですね。氷の上で石を滑らすカーリングとかいうゲームみたいなもんでしょうか。こちらはやる場所も年齢も限られているし費用も掛かるのでトラブルにはならないのでしょう。
公園を長時間占拠して子供が遊べなくなる例もあるようです。https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1323748693
投稿: ハマッコー | 2025年5月29日 21:24
ハマッコー さん:
ゲートボールは一時流行り過ぎたためか、プレーヤーのとくにジイさんたちが傲慢になってしまったんじゃないかと感じます。
それにしても、リンク先の話はヒドいですね。「何様のつもりだ!」と言いたくなります。
投稿: tak | 2025年5月30日 06:51