「のぼり旗」の文字の反転(裏抜け)を巡る冒険
私は店先などにある「のぼり旗」があまり好きじゃない。というのは、前にも書いたように私は「そこに文字さえあれば条件反射的に読み始めてしまう」人間だからである(参照)。ところが「のぼり旗」というのはかなりの確率で裏返しになっているので、まともに読めないことが多いのだ。
上の写真は近所のドラッグストアの店先にずらりと並んでいたのぼり旗だが、すべて裏返しである。配置した人の神経を疑ってしまうじゃないか。
とくに一番右側ののぼりなんて、つい「日本 シラモ 3JA2」なんて読んでしまい「一体何のこと???」となりそうだが、実は「本日 チラシ SALE」なのだね。マジな話、「日本 大売り出し中」なんて読み違えるのぼり旗も全然珍しくない。
この現象を業界では「裏抜け」と称するらしい。「のぼり印刷ドットコム」というページではこれに関して「片面のみの印刷で両面の効果が得られるため、費用対効果が高い」として、あたかもメリットであるかのように書かれていたりする。
しかしこれって、「のぼり旗」印刷の当事者の都合が前面に出過ぎているとしか思えない。実際には文字の反転でまともに通じにくいというケースが多いからだ。
というわけでこのページには、「裏抜け」の生じない「両面印刷」による「両面のぼり」という解決策も紹介されている。下の画像のように、裏表を別のデザインや文字にすることができるのだそうだ。
ただ、これだとのぼりの生地を分厚くする必要があるし、印刷も 2度になるからコストが高くなるのが問題らしい。道理でそんなのぼり、私はこの年になるまで一度も見たことがない。ほとんどの店は文字の反転なんて全然気にせず、単に賑やかし的な雰囲気さえ出ればいいと思っているようなのである。
というわけで、冒頭の写真のような光景があちこちで見られるわけだ。本当にもう、ストレスだなあ。
【10月 7日 追記】
なんだか気になって自分のブログ内を検索してみたら、この問題については 2019年 10月 9日にも書いていたのだね(参照)。我ながらよっぽど気になってしまっているようだ。
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コメント
今日、たまたま近所のローソンで「のぼり旗」を裏から見ました。
そこで気が付きましたが、表から見ても裏から見ても印刷の鮮明度は全く同じだということです。なかなか凄い技術だなあと感心しました。
これって裏からでも見てくれれば儲けものということで、例え読んでくれなくて賑やかな雰囲気が出ればOKなんですね。
シャレにならないのは蕎麦屋やすし屋の逆暖簾です。オイ、商いする気あるのかよっ て思ってしまいます。
投稿: ハマッコー | 2025年10月 6日 23:50
ハマッコー さん:
>例え読んでくれなくて賑やかな雰囲気が出ればOKなんですね。
結局のところ、そういうことなんでしょうね。
「逆暖簾」というのは、こんな意味があるようです。初めて知りました。
https://kotobank.jp/word/逆暖簾代-476124
蕎麦屋、すし屋で暖簾が裏返しになっているのは、「準備中」とか「オーダーストップ」とかのことが多いようです。
投稿: tak | 2025年10月 7日 07:40