「つり目 = アジア人差別」という感覚を深掘り
今年のミス・フィンランドに選ばれた女性が SNS に投稿した 「つり目」ポーズが大炎上し、「ミス」の称号が剥奪されたというニュースが話題になっている(参照)。せっかくの美女が、ヒドい顔になっちゃってる。
これって「アジア人差別」ということになっているのだが、フツーの日本人にはあまり実感がない。日本人がこんなポーズをしたとしても、とくに「アジア人差別」なんて言われないし、日本の漫画などに登場する中国人が「つり目」で描かれても、ことさら問題にされない。
イーピン |
ラーメンマン |
王騎 |
とはいえ上の画像で言えば、とくに「イーピン」と「ラーメンマン」はヤバい。今どきの欧米でこんなステレオタイプの表現をしたら、炎上じゃ済まないだろう。
さしもの英国発祥の怪人「フー・マンチュー」さえ、この間の事情を雄弁に語っている。本("The Mystery of Dr. Fu Manchu")の表紙が、元々はしっかりと「つり目」で描かれていた(下図の左)のに、前世紀末からはご覧の通り、むしろ「たれ目」(下図の右)に変わってるからね(参照)。
![]() |
![]() |
そんなわけで誤解を怖れずに言ってしまうと、「つり目 = アジア人差別」って、欧米人の「デリケートな独り相撲」みたいなところがありそうだ。薄々思ってるけど、つい悪ノリして大っぴらにやっちゃうと身内から非難されちゃうから、「いい子なら一応避けとこうね」みたいな感じかな。
そもそも最初の動画で紹介したような「極端なつり目」なんて、いくらアジア人でもいない。つまりこれって、白人がつい抱きがちな「私たちって、ほかの人種より見た目がいいよね」という馬鹿馬鹿しい幻想を、最も下品な形で表現しちゃってるのだ。
肌の色にこだわると黒人差別になり、目の形にこだわるとアジア人差別になる。最近は黒人差別がしにくいムードになったから、替わりにこんな形でアジア人に向きがちになってるのかもしれない。
辛辣に言ってしまえば、無意識の領域で「容姿以外に誇れるものがない」と感じているからこそできる芸当である。気の毒に。
だから、欧米人でもマトモな人はこんなポーズはしない。「差別」という以前に、「私ってば、かなりの馬鹿で〜す🎵」と宣言するようなものだからね。
| 固定リンク
「比較文化・フォークロア」カテゴリの記事
- 「歩行者は右側」の規則は江戸時代の慣習と矛盾するけど(2026.02.08)
- Forbes に見る「酒」に関する日米イメージ比較(2026.01.25)
- 外国人にそばを食わせることと、「食の好奇心」(2026.01.22)
- 「つり目 = アジア人差別」という感覚を深掘り(2025.12.18)
- 「アニメのように学校をサボる」ことの国際比較(2025.12.03)

ラーメンマン
王騎








コメント