「私は『自分の都合』で選挙をする女です」という首相
毎日新聞に "高市首相、過半数割れで辞任約束も「続けさせて」と懇願" という見出しの記事がある。これを見た時には、思わず「何それ?」と聞きたくなってしまったよ。
その記事は、福島県二本松市でこの人が昨日行った衆院選の応援演説について、こんなふうに伝えている。
「自民と日本維新の会で過半数割れをしたら私は内閣総理大臣を辞めるという約束をした。でも続けさせてください」と訴えた。これまで与党の獲得議席が過半数(233議席)に届かない場合「潔く退陣する」と述べていたが、政権継続への強い思いがにじんだ形だ。
首相は「総裁選は 2回しくじり、(首相に)なった時は衆院も参院も少数だった。自民以外の党にも無所属の議員にも頭を下げて首相になり(政権は)不安定だ。はっきり行き詰まっている」と強調。(中略)予算や法律の審議が始まる前に(信を)問うてみなければ、だましだまし『首相にいさせてください』と言ってるようなものだ」と理解を求めた。
なんだか回りくどい言い方だが、要するに勝手な泣き言じみた話にしか聞こえない。支持率なんか多少高くても、政局運営の足しにはならないのだね。
そもそも与党が衆院選で過半数に届かなかった場合は「即刻退陣」すると明言したのは、他ならぬ自分で、しかも前日である 26日の日本記者クラブ主催の党首討論会でのことだ(参照)。
あるいは「昨日はあんなことを言ってしまいましたが、どうか辞任しなくても済むように、過半数以上当選させてください」というココロなのかもしれない。しかしそうだとしても、そんなのは「自分の都合」でしかないよね。応援演説で泣き言交じりに言うようなことじゃない。
つまり今回の演説は、「私は『自分の都合』で選挙をする女です」と言ってるようなものだ。このくらい図々しくなければ、政治家は務まらないのかも知れない。
それは、そもそもこんな時期に衆議院を解散してしまうということでも十分に窺われることだしね。いずれにしてもこの人って、選挙は下手っぽい気がする。
【1月 30日 追記】
ここでは「自分の都合」なんて書いたが、世間では今回の解散を「究極の自己都合解散」なんて言ってるようなのだね。
「究極の自己都合解散」危ぶむ声も 熟慮する首相、対中関係も要因に(朝日新聞)
【2月 1日 追記】
この人、「遊説中に腕痛めて治療」のため、本日午前の NHK の党首討論番組への出演を中止したんだそうだ(参照)。腕を痛めても声ぐらい出せるだろうに。
ただ最近は、統一教会関連でかなり「都合の悪い」ニュースが報じられたりしてるからね。なるほど。
| 固定リンク
「経済・政治・国際」カテゴリの記事
- 第二次トランプ政権自体が、超長〜いレイムダック?(2026.03.14)
- 「強制労働」って、日本にも結構あるよね(2026.03.13)
- ガソリン 1リットル 200円超えとなったらイタいなあ(2026.03.10)
- 来春の統一地方選では「中道」なんて機能しない(2026.03.07)
- 米国主要メディアの政治的な立ち位置って・・・(2026.03.04)










コメント
どう考えても、負けても続けさせて、ではなく、だから、勝たせてという意味だと思いますよ。私は消費税減税にも国旗損壊罪にも反対ですが、毎日新聞等の高市さげ報道は目に余り、結局それがSNSのマスコミ批判に拍車をかけることになります。
今までの解散で自己都合でないものはないし、それが日本の制度です。しかし、一度変えた英国が、それで立ち行かなくなり、又、もとに戻したことを考えると議院内閣制を続けるかぎりやむ得ないことかもしれません。大統領制にしても、トランプを選んでしまうと4年間変えることが出来ないことを考えると、度々選挙して負けると退陣するという日本の選挙が民意を測るという点ではベターかもと思ったりします。
投稿: basara10 | 2026年1月29日 10:20
basara10 さん:
まあ、私の本文でも "あるいは「昨日はあんなことを言ってしまいましたが、どうか辞任しなくても済むように、過半数以上当選させてください」というココロなのかもしれない" と書いてますけどね 。
「何それ?」と思ったのは、直接的には毎日新聞の見出しにについてではあったわけですが、自分で余計なことを言っての翌日ということもあり、そんな風に書かれてしまう当人のレトリックにも問題があったかなと。
確かにこれまでの解散も「自己都合」ではあったわけですが、今回はとくにその色が濃い気がしているわけです。
「投票日当日が猛吹雪になって、鉄壁支持層の年寄り達が選挙に行けなくなっても知らないよ」と言いたくなってます。
いずれにしても「中道」というのは、高市以上に「余計なこと」ですので、与党は勝利するでしょうけどね。
投稿: tak | 2026年1月29日 19:09