とんでもなく和訳しにくい英文
はてなブックマークに「ほとんど全ての日本の大卒者がこのレベルの英文を15秒以内で正しく和訳できない現実」というスレがあって、どんなかと思って行ってみたら、とんでもない英文だった(参照)。英語でメシを食っていたことのある私でも、15秒で和訳なんて「到底不可能」だ。
この英文、とりあえずテキスト化しておこう。こんなのである。
The guy whose actual paid job it is to try to get those in power to think about a higher power got about as ticked off as a polite Southern gentleman of faith is allowed to get.
試しに数えてみたら、単語の数だけで 37語だ。英語を習うと、フツーは「一文は 15〜20語以内で書くと読みやすい」と教わる。それのほぼ 2倍で、しかも途中にコンマが一つもないんだから、とりあえず「ほぇ〜」となってしまう。
その上、"those in power" の次に "think about a higher power" なんて、わざわざ "power" という単語を重ねたり、やたらもったいぶった文体のくせに "get" や "got" を多用したりして紛らわしくしているのは、悪意の現れとしか思えない。他の言い方をする方がずっとわかりやすいのに。
自分で翻訳してまともな日本語にするという作業は、30秒でイヤになった。Google に翻訳させると、こんなふうになるという。
権力者たちに高次の存在について考えさせることを本業とする男は、礼儀正しい南部の信仰深い紳士として許される限りの怒りを露わにした
ふむふむ、確かに誤訳ってわけじゃないが、とにかくまどろっこしい日本文だ。しかしそれは、元の英文がまどろっこしいんだからしょうがない。そもそもの話として、この男の本業(actual job)ってフツーに言ったら何なのかすら見当が付かないし、はっきり言って自分で訳す価値のある英文じゃない。
最低限の話として、文の前半と後半は意味的な繋がりが薄く、一文に収める必然性がまったくない。どうみても 2つに分けるべきだろう。
さらに細かいことを言えば 7語目の "it" は余計で、ない方がわかりやすい。わざわざわかりにくくするために入れたとしか思われない。
紹介した tweet には、和訳しにくいのは「日本語との隔たりが一番の原因と思う」なんて書かれているが、そんなレベルじゃない。要するにこれって、「こんな悪文を書いてはいけません」と言うためのサンプルとして作成されたに違いない。
いずれにしても、英語学習は止めない方がいいと思うのでよろしく。
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コメント
"whose actual paid job" の後にitが入るのは文法的におかしい気がするんですよね。
投稿: 山辺響 | 2026年4月29日 18:45
山辺響 さん:
そうですよね。
本文では「 "it" は余計で」と書きましたが、文法的な誤りですよね。
投稿: tak | 2026年4月29日 20:58
…whose job it is to…というのは、少なくとも口語的にはよく使う表現なんですよ。悪文であるのは間違いないですが(^^)
最近のAIはけっこう大胆に意訳というか原文の構文を離れることもあるので、そのうち「彼は職業として〇〇しているような人物であるにも関わらず、〇〇としての一線を踏み越える寸前まで怒りを露わにした」くらいに訳するようになるんじゃないでしょうか。
投稿: きっしー | 2026年4月30日 12:25
きっしー さん:
>…whose job it is to…というのは、少なくとも口語的にはよく使う表現なんですよ。
そのようですね。ただ、この文は鬱陶しいです ^^;)
>そのうち「彼は職業として〇〇しているような人物であるにも関わらず、〇〇としての一線を踏み越える寸前まで怒りを露わにした」くらいに訳するようになるんじゃないでしょうか。
そのように訳せばわかりやすいですね。ただ、それならば原文もそんな感じで書いてもらいたいところですが、ただこの場合は、そうして繋がりも必然性がないので、どう言ったらいいものか (^o^)
投稿: tak | 2026年4月30日 16:16
きっしーさんの訳し方は素晴らしいと思います。
想像するに、actual paid job は、裁判官とか司法関係ですかね。政治家(those in power)に対して、それを上回る法の力を知らしめる立場、みたいな…?
投稿: 山辺響 | 2026年4月30日 19:31
山辺響 さん:
>想像するに、actual paid job は、裁判官とか司法関係ですかね。
私は、マスコミ関係者かなと思ってました。
投稿: tak | 2026年4月30日 19:54