そりゃ「美しい妹」なんて言わんわな、フツー
インドを訪問中の高市総理にインドのモディ首相が「美しい妹」と言ったとか言わなかったとかの問題は、結局のところ通訳の誤訳の産物とわかったと報じられている(参照)。そりゃ「美しい妹」なんて、言わんわな、フツー。
ところでこの「誤訳」については「同時通訳のミス」と報じらており、上述のテレ朝ニュースもこんなようになっている。
これについて木原長官は、モディ首相は実際には「閣下、私の妹である高市総理」と呼び掛けていたと説明し、高市総理の発言は日本政府が契約した同時通訳が「美しい妹」と訳したことを受けたものだと明らかにしました。
官邸幹部はヒンディー語から英語、さらに日本語へと二段階で訳したことがミスの原因ではないかとの見方を示しています。
私は当初、モディ首相はインドの知識階級のほとんどがそうであるように、英語で話したものとばかり思っていたのだが、どうやらそうではなかったようなのだ。彼は英語が十分に堪能なのだが、公式な場面ではヒンディ語で話す人であるらしい。
というわけで、この二人の会談はモディ首相がヒンディ語で話し、高市総理が日本語で話すという形で行われたので、その間の通訳はヒンディ語〜英語〜日本語という二段階を経ていたことになる。結構鬱陶しい会談だったわけだ。
ちなみに二段階の通訳を「同時」に行うなんてちょっとした離れ業で、少なくとも「時間差通訳」ってことになると思うがなあ。まあいずれにしても、高市氏が英語をフツーに理解できていれば、誤解は防ぐことができただろう。
モディ首相が「私の妹」という意味のヒンディー語で呼びかけたのは会談の冒頭のことらしい。英語に訳された時点で "my sister"(私の妹)となるから、初っぱなでこれがちゃんと聞こえてさえいれば、"beautiful sister"(美しい妹)なんて言ってないと理解できたはずだ。
しかし残念ながら、彼女は自身のプロフィールに、松下政経塾を出た後に「米国連邦議会 Congressional Fellow(金融・ビジネス)」を体験したと書いている(参照)割には、英語がお下手なのだね。それは先日のトランプとの会談の様子を見てもバレバレだ。
というわけで、彼女はこんな単純な言葉の誤訳をモロに信じて内心舞い上がってしまったようなのである。
ただそうだったとしても、終わった後の会見の席にまでそれを持ち出して「先ほど、私のことを『美しい妹』と呼んで下さいました」なんて言うのは、ちょっと無邪気すぎるよね。こういうのって、フツーは謹むと思うがなあ。
もしかしてちょっとしたサービスのつもりで「多少盛った訳」をしたのかもしれない通訳としても、これには少なからずアセったことだろう。
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コメント
翻訳・通訳業界にいた者としては(私は通訳はできませんが)、これは、政治家の悪事がバレたときの定番「秘書が…」と同じで、通訳のせいにしているだけだろうと推測しています。
同時にせよ逐次にせよ、余裕のない通訳の現場で、元の発言に含まれる言葉や意味を拾いきれないことは多々あるにせよ、「盛る」ことは、不可能とは言わずともかなり無理があると思いますよ。
投稿: 山辺響 | 2026年7月 8日 17:28
山辺響 さん:
>元の発言に含まれる言葉や意味を拾いきれないことは多々あるにせよ、「盛る」ことは、不可能とは言わずともかなり無理があると思いますよ。
なるほど。
とすると、「もしかして」はなくて、高市さんがつい何となく口走ってしまったってことですかね。
いやはや。
投稿: tak | 2026年7月 8日 17:33