「みんな」を代表するのは、自民党だけという政治状況
先月 29日(と言っても、わずか 3日前だが)「中道改革連合、さっさと解体してもらいたい」と書いたように、立憲民主党の解体は既に進んでいるようだ。読売新聞も今日付で "誤算だった立民の変心、「急ごしらえの合流」限界露呈…与党「選挙互助会だったことを自ら証明」" と冷たく報じている。
立憲民主党と公明党としては、単純な足し算で自民党に次ぐ有力な野党を誕生させ、二大政党制に近づけたかったのだろうが、紹介記事の見出しにもあるように「急ごしらえの合流」で、何しろ唐突過ぎた。こんなことではうまくいくわけがない。
この国がほとんど「自民党の一党独裁」に近く、野党がまともに育たないことには、何か理由があるはずだが、それがさっぱりわからなかった。しかし冒頭で紹介した記事の 3日前、【英語の主語は ”I” で、日本語の主語は「みんな」】という記事を書いたことで、おぼろげながら見えてきたような気がする。
日本の有権者のうち、いつも自民党に投票する人の多くは疑いもなく、「自分は『みんな』の中の一人」と信じているのだ。「他のみんなとは明らかに違う独自の存在」とは思っていないから、いつも当然のように「みんなと同じ自民党」に投票する。
このあたりがおもしろい心理で、とくに積極的な理由があるわけではないのだが、いつも決まって「みんなと同じ自民党」なのだ。ほかの党に投票すると、何となく自分で自分を仲間はずれにしてしまうような気がするのかもしれない。
で、「自分はほかの『みんな』とはちょっと違う」と思っている少数派の有権者の受け皿は、以前はまがりなりにも立憲民主党だった。というわけで、日本中の「ほかのみんなとはちょっと違うと思っているみんな」という少数のお仲間と同様に立憲民主党に投票し、なんとなく精神的安定を得ていたのである。
ところが今回の立憲民主党と公明党との合同で、「ほかのみんなとはちょっと違うと思っているみんな」が安心して投票できる政党がなくなってしまった。「ついこないだまで自民党と組んでいた公明党と一緒になられたんでは、ちょっとなあ」というわけである。
というわけで、日本人の多くが何となく、しかし強力な帰属意識をもっている「みんな」という存在を代表する政党は、今や自民党しかなくなってしまったのだ。まったく困ったものである。
多くの日本人が「一口に『みんな』と言っても、その中身ってピンからキリまでかなり違うよなあ」と気付き、「そうか、違っちゃってていいんだ」と思ってくれないと、この状態は変わらない。
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コメント
一時期、その名も「みんなの党」というのがありましたね。英語名称が Your Party で、そのセンスはなかなか良いなと思いましたが、そうか、「みんなの中の一人と思いたいYou」の党だったのか。
投稿: 山辺響 | 2026年9月 1日 18:24
山辺響 さん:
実質はなかなかそうはならなかったですね ^^;)
投稿: tak | 2026年9月 1日 21:32
野党が育たない理由。
それはもう、野党が国民の方を向いていなくて、与党の重箱を突くような事ばかりしてるにつぎないと思います。
ちったー、国民の為になる法律を提案してみろってんだ!
と思います。
ま、自民が為になる法だけを施行してるとは思いませんが…
投稿: Senna | 2026年9月 1日 22:24
→Sennaさん、
ご参考までに、たとえば最新の今年2月18日~7月25日の特別国会において、提出された法案38本のうち22本が野党によるものです(参政・みらいは野党にカウント)。そのうち否決されたものは3本。それ以外は本会議にかけられることもなく、閉会中審査の扱いになっています。
まぁ、それらが「国民の為になる法律」かどうかは、個別に精査しないといけませんが。
提案者を見ていくと、意外に(?)国民民主党が活発ですね。
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_annai.nsf/html/statics/housei/html/h-shuhou221.html
あと、重箱の隅をつつくようですが、自民党は法を施行しません。
投稿: 山辺響 | 2026年9月 2日 08:40
Senna さん:
私、はっきり言って、国会ってあんまり大したことしてないなあと思ってます。
裏で決まってることを追認するセレモニーの場って感じで ^^;)
>ま、自民が為になる法だけを施行してるとは思いませんが…
「施行」を「提案」とすれば意味が通りますね (^o^)
投稿: tak | 2026年9月 2日 09:14
山辺響 さん:
>提案者を見ていくと、意外に(?)国民民主党が活発ですね。
へぇ! って感じですね。
>そのうち否決されたものは3本。それ以外は本会議にかけられることもなく、閉会中審査の扱いになっています。
数が多けりゃいいってもんじゃないんですね ^^;)
投稿: tak | 2026年9月 2日 09:16
→山辺響 様
へぇ~そうだったんですね。
全然知りませんでした。勉強になりますm(_ _)m
> あと、重箱の隅をつつくようですが、自民党は法を施行しません。
確かに言われてみれば…
投稿: Senna | 2026年9月 2日 16:55
野党が提案した法案は、たいてい審議が後回しにされて閉会中審査になってしまいますね…。その意味で、委員会・本会議といった実際の審議以上に重要なのが議院運営委員会での折衝なのだろうと思います。
あと、意外なのが、あの(?)共産党でさえ、法案の半分くらいは「賛成」しているというデータです。まぁつまり、政府・与党も、立場を問わず賛成すべき法案をそれくらいは提出しているという意味ですが。
投稿: 山辺響 | 2026年9月 3日 08:04