カテゴリー「グルメ・クッキング」の212件の記事

2024年5月 3日

「将門煎餅」という堅い堅い堅い煎餅

近頃「将門煎餅」というものを食っている。日本三大怨霊の一人、平将門の本拠だった茨城県坂東市にある将門煎餅本舗という店の作っている煎餅で、県西から県南にかけての名物として土産物にもされているようだ。スーパーなどの店頭でもよく見かける。

2405031

実はこれ、この土地に引っ越して来た 40年前頃にもどこかから戴いたことがあって、口にするのはそれ以来のことである。決して自分で買ってまで食おうとは思わなかったのだ。

というのは、最初に食った時にその堅さに音を上げてしまったのである。「せっかくの頂き物なのだから」と必死に食ったのだが、私としたことが 1日に 1枚食うのがやっとで、2袋(1袋 14枚入り)を完食するのに 1ヶ月ぐらいかかった。

決して不味いというわけじゃない。いや、むしろ旨い。とても旨い。しかし何しろ堅くて歯が立たない。1枚ごとの個包装なので袋に入れたまま小さく割ってから頬張るのだが、口の中で噛むのも一苦労で、1枚食えばアゴが疲れてしまう。

それ以来「アレって、旨いことは旨いんだけどねぇ・・・」と言いながら遠ざけていたのだが、このほど再び頂き物として我が家のテーブルに登場してしまったのである。「うひゃあ、大変なことになったなあ!」と思いながら袋を見ると、そこには「薄焼」と表示してある。

前に食ったのは「厚焼」だった気がするので、「おお、薄焼というのもあるのか、それだったら食えるかもしれん」と、袋から取り出してみたのだが、いわゆるフツーの「薄焼煎餅」の倍ぐらい厚い。要するに自分のところの「厚焼」と比べれば多少薄いというだけのことのようだ。

それだけに、口に入れればやっぱり堅い。ただ、40年前に食った厚焼よりは、口の中でガリッと噛み砕けるだけまだ何とかなる。

そして食えば旨いので、1日に 2枚食ってしまった。これなら 2週間で完食できる。40年前の厚焼だったら考えられないことである。ちなみに妻は半分試してみただけでギブアップしてしまった。

将門煎餅本舗のサイトに行ってみると、驚いたことに「薄焼」「厚焼」のほかに「極上厚焼」というものまである。厚焼でもあれだけ難儀したのに、極上厚焼なんていうのは一体どんなことになってしまうのだろう。

240503

検索してみたところ食べログに青田波さんという方の「厚くて、硬くて、旨い。極上厚焼」という口コミがあり、将門煎餅の本店まで行ってやっと買い求めた時の会話がこんな風に書かれている。

私、「極上厚焼と他の煎餅はどう違うんですか?」

お店の人、「厚くて、堅いです。」
「この煎餅でなくては、というお客様がいらっしゃいます。」

むむむ、「この煎餅でなくては」なんていうのは、相当マニアックな顧客だろう。地元で生まれて幼い頃からこれを食って育ったら、なまじの堅さの煎餅では満足できない体になってしまうのだろうか。

というわけで摩訶不思議な魅力の煎餅で、さすが将門の名を冠しただけのことはある。何しろ店の所在地が坂東市岩井というのだから、堅いのも当然か。

 

| | コメント (2)

2024年5月 2日

肉のようだけど肉じゃないものの存在意義って?

WIRED に「植物性代替肉のブームが終了。価格、排出量削減、そして味に立ちはだかる課題」という記事がある。。代替タンパク質を推進する非営利団体の Good Food Institute によれば、米国での植物性代替肉と海産物の売上が この 2年間で 13%減少したというのだ。

240502_20240430142501

米国でベジタリアンが減ってしまっているのかと思ったが、実はそういうわけではないようだ。記事によれば 2018年から 21年の間に、米国における植物性の代替食品の総売上は 48億ドルから 74億ドルへと 50%以上の増加を見せたが、これはコロナウィルス感染症のパンデミックの影響らしい。

当時、パンデミックによる食肉処理場の閉鎖が相次いだため肉の供給が激減し、消費者は肉を使っていないハンバーガーやソーセージ、海産物を試すようになった。こうした事態を背景に、2020年には代替タンパク質業界に 31億ドルの投資資金が集中したと伝えられる(参照)。

しかしコロナ禍が収まってしまうと肉が元通り安定して供給されるようになったので、人々の多くは「本物の肉」に回帰したということのようなのである。「肉のようだけど肉じゃないモノ」では、満足できなかったわけで、31億ドルもの投資をした人たちには「お気の毒様」と言うほかない。

当ブログでも 2022年 6月 8日付で "「代替肉市場」が拡大しているらしいが" という記事を書いているのだが、これってやっぱり一時的な現象だったというわけだ。

ちなみに今世紀に入ってから肉をほとんど食わずに「ペスカテリアン」(魚介系は食う)となっている私は、この記事で次のように書いている。

だいぶ前から肉を食わなくなった私としては、「食いたいけど我慢してる」というわけでは決してないので、そうした「肉の代わりみたいなモノ」を買ってまで食いたいとは全然思わない。

周囲には「肉食を止めた」と宣言したものの、それなりに工夫して調理した「肉の代わり」みたいなものを食っているヒトもいる。肉を使ってないハンバーグとか、餃子みたいなものだ。

私としては、肉を止めたのならいっそ潔く「肉みたいなモノ」も止めとけばいいのにと思ってしまうんだがなあ。そんなの作るのは面倒くさいし。

 

| | コメント (0)

2024年4月11日

私にはピザの耳を残すなんて、発想すらないんだが

HUFFPOST の 4月 9日付に ”もしかしてピザの "みみ" 残してる…? 「衝撃的な結果に猛反省」ドミノ・ピザの対策は…” という記事がある。ドミノ・ピザの実施したアンケ−トによると、「ピザを食べるとき、耳まで食べるか」という質問への「食べない」という回答が 9%だったのだそうだ。

240411

昨年のアンケート結果の 12%に比べれば状況は少しだけ改善しているというのだが、それでもピザの耳を「食べない」という人が 1割近くいるというのは驚きだ。私なんか食べ残すなんていう発想すらないからね。

ピザ耳を食べない人の理由としては「食べる習慣がない」「おなかがいっぱいになる」「味がない」などがあげられたという。しかし私に言わせれば、こんなの理由にならない。

「食べる習慣がない」というなら、今日から悔い改めて食べることを習慣にすればいいし、「おなかがいっぱいになる」なら、S サイズを注文すればいい(参照)。そして「味がない」なんていうのは舌がバカなので、ちゃんとした味覚を鍛えるためにもしっかり食うべきである。

そもそもピザ耳を食べないことによる「食品ロス」はかなりのもので、「12%の人がピザ耳を食べない場合、ドミノ・ピザが年間に販売する Mサイズピザの耳部分で試算すると、その総量は約300トン」ということだ。世界に恥ずべき数字である。

ドミノ・ピザは「衝撃的な結果に猛反省」とコメントしているが、私に言わせれば「猛反省」すべきなのはドミノ・ピザの側じゃなく耳を残す客の方である。「何でもいいから、とにかく全部食って帰れ!」ということなのだ。

2404112

ちなみにドミノ・ピザは「ピザ耳食べる派 100%を目指して企業努力を続けます」としており、その一環として 5月26日まで、耳の部分をツイストし、チーズなどを包み込んだ3種類の「チーズツイスト」を販売しているという。上の写真を見れば、確かに耳の部分の切れ目でチーズが糸を引いている。

これなら耳を残す客は確かに減るだろう。しかしこのキャンペーンが終わってフツーのピザに戻った途端に失望して耳を残したくなるという逆効果につながりかねない。ナイーブな(この場合は本来の「子どもっぽい」という意味)客を甘やかすと、ろくなことにならない。

日本人というのはトーストでも耳を残すというみっともない食い方が目立つ。食い物を粗末にするにもほどがあるというものだ。

【4月 12日 追記】

そういえば、16年近く前に「食べ残しを捨てりゃいいってものでもない」という記事を書いたのを思い出した。現役でいろいろな仕事をしていた時期なので、ちょくちょく業界のパーティなどに出席していたのである。

 

| | コメント (12)

2024年4月 8日

グレープフルーツへの、ちょっとした「反感」

 私の妻はグレープフルーツが好きで、毎日ヨーグルトに浸したりして食べているが、私は滅多に食べない。柑橘類は皮が簡単に指で向ける「みかん」(伝統的なやつ)以外は面倒に感じてしまい、ナイフを使って食べるなんて途方もない気がしてしまうのだ。

2404081

スーパーの棚にはグレープフルーツの「ルビー」と「ホワイト」というのが区別されて並んでいる。よく見れば「ルビー」の方がやや色が濃い気がするのだが、ゴチャゴチャに混ぜられたらもう区別できないぐらいの違いでしかない。

ただ、妻に言わせると「中身は完全に色が違うわよ」というのである。なるほど、上の写真を見てもルビーは確かに赤っぽく、妻は「ルビー派」のようだ。

「色が違うだけ?」と聞くと、「味も栄養も違うのよ」という。ルビーの方が味が濃く、栄養価も高いのだそうだ。上の写真からリンクされる「【グレープフルーツ】ホワイトとルビー、美容や健康に気を使う場合はどちらがおすすめ?栄養士が解説」というページにも、そのようにある。

私が若かった頃は、グレープフルーツと言ったら「チョー贅沢フルーツ」だった。贈答用のメロンとはいかないまでも、高くておいそれとは買えないものだったのである。

それがある時期から急に値段がこなれて「庶民の口にも入るもの」ということになった。ちょっと調べてみたところ、それは 1971年の「輸入自由化」がきっかけだったらしい。私が大学に入った年だ。

ただいくら値段がこなれたと言っても、ビンボー学生だった私としてみれば「気軽に買って食うもの」とはなかなか思われなかった。フツーのみかんの方がずっといい。

私が今でもグレープフルーツに馴染めないのは、「高級フルーツ」と言われていた時代の「反感」めいた感覚が残っているからかもしれない。いくら安くなっても、一度意識の奥に刻み込まれたイメージはなかなか変えられないのである。

それに、輸入品ばっかりというのも気に入らない。自然食派の私は「地場で採れたものが一番」と思っているので、無理にイメージを変えようとも思わないのだよね。

 

| | コメント (4)

2024年4月 7日

東大学食の PANES HOUSE って店、ヒドいね

正直言って、東大には(受験してないんだけど)ちょこっとコンプレックスがないわけじゃない。ウチの次女が一緒に暮らしてるパートナーも、ナンと東大卒だしね。ただ今回ばかりは りゅーや さんという東大生(だろうと思う)の tweet(参照)を見て、「東大、行かなくてよかった!」なんて思ったよ。

240407

東大の学食に新しくできたハンバーガー屋のメニュー、こんなもんで「10分待たされた上に 1000円」とは、いくら何でも悲惨すぎるだろう。ワセダの学食よりヒドいメニューを、生まれて初めて見た。

そのうえ、カニ さんという人がこんなような核心を突いた tweet をしてくれた(参照)ので、その悲惨さがさらに浮き彫りにされてしまってる。

2404076

見た目があまりにも違いすぎるので、初めは無関係な tweet かと思ったほどだが、ちゃんと見れば無関係どころか、まさに「これ」である。ITALIAN TOMATO という企業の系列らしい VIGORE と PANES HOUSE という店が東大本郷中央食堂にオープンしたとある(参照)ので、間違いないだろう。

2404075
(オープン・セール期間が過ぎても、こちら に魚拓あり)

ポスターの写真と実物とが、同じものとは到底思われないほど違いすぎるよね。りゅーや さんの tweet は 4月 5日だから、1日から 7日までの「オープン記念」セール真っ最中だったはずなのに。

なるほど、ハンバーガー屋なのに ”PANES HOUSE" (イタリア語と英語の折衷で「パンの家」)という店名にしたわけだとも思ったが、やっぱりこれでは洒落にならない。

他人事とはいえ「東大もナメられたもんだよね!」と、ちょっと義憤に駆られてしまった。さらに言えば、「オープン記念」のセール価格がこれだとしたら、下北沢の店ってこれで 1,000円を遙かに超える値段なんだろうか?

そう思ってこの店のサイトで "MENU" を表示させてみると、値段が表示されてないんだよね。ぼったくりとは言わないが、私の感覚として「この店、避けとこう」と思う理由になるぐらいには十分にアブナい。高級寿司店じゃあるまいし。

2404078

店側としては「東大に出てる店よ」と言われることによる PR 効果を狙ったのかもしれないが、実際には「東大で(さえ)ガッカリされちゃった店よ」ということになってしまった。しっかり対応しなかったら、下北沢の本店の方までヤバくなっても知らないよ。

それにしてもワセダのまわりは安くておいしい店が集積していたから、こうした心配はなかったなあ。繰り返すが、学食はヒドかったけど。

 

| | コメント (0)

2024年3月19日

「今川焼き」の呼称の、アナーキーなまでのバラエティ

しんやさん という方の「俺の名前を言ってみろ」という画像付きの tweet に驚くほどのバラエティ溢れるコメントが付いている。おやき、今川焼き、回転焼き ・・・ その他いろいろ。十分にフォークロアのテーマになってしまいそうだ。

240319

私の生まれた山形県庄内では「おやき」が主流だったが、大学入学で上京していろいろなバリエーションに接し、「おやき」はむしろマイナーっぽいと知った。今後どの名称を使用すべきかちょっと悩んだ結果、とりあえず「今川焼き」でいくことに決めた覚えがある。

このスレッドが立って 10時間後ぐらいに、長澤大生さんという方のヘビーなコメントが登場した。22種類もの(24個あるが「きんつば」が 3回出てくるので)名称を一人で挙げている(参照)。それにしてもよくご存知で、ずいぶんあちこちに転校、転勤しまくったんじゃなかろうか。

2403192 

ところが実態はこんなものでは済まないらしい。関西方面では「御座候」というのがかなりメジャーなのだそうで、日本全国を旅しまくって全都道府県での一泊以上滞在の経験を誇る私も、そんなの初めて知った。まさに「蛇の道は蛇」(言うまでもないが「じゃのみちはへび」と読んでね)である。

ちなみに大阪ガスのサイトに「御座候?大判焼? 地域で違う「回転焼」の呼び名のナゾ」というページがあるのを発見した。大阪のガス屋さんというのはなかなかやるもので、冒頭に次のような解説がある。

回転焼は、どうやら江戸時代に江戸の今川橋付近にあった店が売り出した「今川焼」というお菓子がルーツなんだそう。その後、全国各地にこのお菓子が広まっていった際にたくさんの呼び名が生まれていったようです。

なんと、今川焼きの発祥は江戸時代なのだね。もうちょっと新しめのものなのかと思っていたので、認識を新たにした。さらに名称の傾向を示した下のような地図まで掲載されている。

2403193

これ、岸江信介・奈良大学教授の調査資料をもとに作成されたというから、決してテキトーなものじゃないはずだが、我が山形県は全国で唯一の「あじまん」主流圏ということになっている。庄内でメジャーな「おやき」が無視されてしまってるのはかなり残念だ。

実際、「あじまん」なんて言い方はこの歳になるまで知らなかったよ。同じ県内での呼称を知らなかったんだから、大阪での「御座候」を知らなかったのは無理もない。

この記事によれば、「御座候」の元祖は兵庫県姫路市にある「株式会社御座候」なのだそうで、昭和 25年にそれまでの回転焼きからの差別化を意図して名乗ったものだという。戦後の混乱期から高度成長期を経て、関西で広まったのだと思われる。

こうしてみると、今川焼きのさまざまな呼称は各地域の店が独自のネーミングをすることでバリエーションが限りなく拡大したとみればいいようだ。ぶっちゃけ、「言ったもん勝ち」である。

インターネット上の一部では「ベイクドモチョモチョ」との呼称に統一しようなんていう冗談まで出ているらしいが、ここまで来てしまったらこのアナーキーなまでのバラエティこそが「固有の財産」と考えるのが妥当だろう。こうしたケースでは混沌は混沌のまま放っておくのが一番だ。

 

| | コメント (6)

2024年3月15日

福建省の人たちって「人肉」の干物を食うのか !?

【戦慄】中国でとんでもない肉が売ってたwwwwwww」という書き込みがあるので、どんなのかと行ってみたら、人海RenHai さんという方の「姉さん、事件です」という画像入り tweet が紹介されているのだった。

2403151

この食品のラベルにある「福建人肉干」という表記に驚き、元の Twitter に行ってみても、確かにこの tweet は存在する(参照)ので、どうみてもガセネタじゃなさそうだ。それで「福建人肉干」のキーワードでググってみると、139万件という驚くほどのページがヒットしてしまった(参照)。

しかもテキストだけじゃない。こんな風な、「福建人肉干」を使った晩餐までさらりと画像入りで紹介してあるじゃないか(参照)。信じられないことに、ずいぶんポピュラーな食材として認識されているようなのだ。

2403152

ただ、この記事のタイトル「晚饭报复社会」というのを Google 翻訳にかけると「夕食時に社会に対する復讐をする」となってしまう(参照)。仇敵を殺してその肉を食ってしまうとでも言うのだろうか? 謎が謎を呼ぶばかりだ。

とにかくこの件に関しては、中国語のページばかりなのでほとんどわからない。漢字で書かれてるんだから意味ぐらいは取れるだろうと思うのは、幻想でしかないと痛感した。

仕方がないからテキトーに「网易首页」というニュースサイトらしきところで取り上げている「广东人在超市买到 “福建人肉干”」というページに行ってみると、なんと、たまたま今回の tweet で話題になっているトピックを取り上げたものだった。使われている写真からしても、そうとしか思われない。

2403153

このニュースの最初のセンテンスを Google 翻訳にかけてみたところ、こんなような日本語に訳された。

最近、広東省出身のリーさんは衝撃的な秘密を発見しました。スーパーに行ったとき、彼女は突然、美しく包装されたジャーキーのパッケージが棚に並んでいるのを目にしました。そこには「福建ジャーキー」とはっきりと書かれていました。

Google としても AI なりに気を使ったのか、「福建人肉干」の部分は「福建ジャーキー」とボカした訳になっている。そしてリーさんはそれを買って家で食べたというのだが、さすが「四つ足なら机と椅子以外何でも食べる」と言われる中国人だけのことはある。(いや、人間は 2本足か)

少し躊躇しつつも、美味しい食べ物の誘惑には勝てなかった。(中略)とても美味しかったが、福建省人肉の味かどうかは分からなかった。(中略)一口食べると、口の中は香りと無限の後味で満たされました。

「人肉って、そんなにおいしいのか ⁉」と思ってしまいそうだが、長くなりすぎてもナンだからこのあたりで結論をバラそう。これ、決して「人肉」なんかじゃなく「豚肉」なんだそうだ。なんでこんな表記になったのかは、記事の末尾で次のように説明してある。

リーさんが出会った福建ジャーキーの正しい区分けは「福建、ジャーキー」、つまり福建省の人々が作ったジャーキーを意味します。なぜこの言葉が誤解を招くかというと、商人の語学力が低すぎて表現が不明確だからです。

元の漢字に沿って具体的に言えば、「福建人肉干」は「福建の/人肉の/干物」じゃなく、「福建の/人々が作った/肉の干物」ということのようなのである。要するに区切り方の問題なのだが、いやはや、それにしても人騒がせな表記だよね。

 

| | コメント (4)

2024年3月12日

名古屋人があまり「きしめん」を勧めたがらないのは

一昨日に続いて名古屋ネタである。2023年 5月 16日付「名古屋では、新幹線ホームのきしめんがサイコー!」で、名古屋人は味噌煮込みうどん、土手煮、ひつまぶしなど、いろいろな「名古屋めし」を食わせたがるのに、なぜか「きしめん」だけは積極的に勧めてこないというようなことを書いた。

230312_20240310185601

こちらが率直に「味噌煮込みうどんなんかより、きしめんが食べたいんです」と所望しても、彼らは「まあ、あれも名古屋の食い物ではあるんですけどね・・・」みたいな、何だか奥歯に物の挟まったような言い方をするばかりなのである。これは私にとって「名古屋の七不思議」の筆頭格だった。

ところが最近、PRESIDENT Online の 2023年 2月 18日付 ”名古屋人が家で食べるのは「うどん」だった・・・深刻な「きしめん離れ」が進んでいる本当の理由” という記事のおかげでこの長い間の謎が解けてしまったのである。要するに、名古屋人自身がきしめん離れしているようなのだ。

記事によれば、きしめんは手間がかかる割に儲けが少ないので、名古屋の飲食店は完全にうどんにシフトしてしまっているというのである。そのためほとんどの飲食店はきしめんをメニューから外すか、残しても手抜きみたいなものしかできなくなってしまった。

それにともなって名古屋人自身も飲食店ではもちろん、自宅においてさえもきしめんから遠離ってしまったため、よそからの訪問者に勧めるほどのモチベーションが薄れてしまったようなのだ。なるほど、「奥歯にもののはさまったような言い方」しかできないのも道理である。

それにしてもきしめんの地元できしめんが廃れつつあるというのは、考えるだにもったいないと言うほかない。そうした中で新幹線ホームの立ち食いきしめん屋「住よし」は、今の世で貴重なまでの「きしめんの牙城」として燦然と輝いている。

願わくは住よしさんには末永く健闘してしていただきたい。そうでないと、名古屋に行った際の「最後の楽しみ」(あるいは「唯一の楽しみ」と言ってもいい)がなくなってしまう。

 

| | コメント (2)

2024年1月23日

「ホルモン」と「放るもん」を巡る冒険

火星うなぎくらげ さんという方が「ホルモン買ったらまさかの人間まで入ってた」という tweet をしておいでだ。「人間まで」というのは、「佐藤」(多分「砂糖」の誤変換)のことだろう。

240123

ただ私としては、添えられた写真の方に大きなインパクトを感じてしまった。これまで「ホルモン」というものに関する明確なイメージをもっていなかったので、「ホルモンって、こういうものだったのか!」と初めて納得したのである。

じゃりン子チエ」というマンガがあって、このチエちゃんちの家業が「ホルモン焼き屋」なのだが、私はこのマンガのファンのくせにずっと「ホルモン」というのがどんなものなのか、きちんとわかっていなかった。まさか内分泌系の「副腎皮質ホルモン」とかを抽出して焼いたってわけじゃないだろうし。

2401232

その昔、雑誌か何かに「牛や豚の内臓のこと」と書いてあったのだが、それだけではぼんやりとしかわからない。「ホルモン焼き」という名称は関西でよく見聞きするが、関東や東北ではあまり馴染みがないし、私はいつの頃からか肉を食わなくなったので、ますますわからないままできたのである。

ところが今回、火星うなぎくらげ さんの tweet と、添えられた自己レスの写真を見て「へえ、こういうものだったのか!」と初めて「ホルモン」というものの正体を見たような気になってしまった。なにしろ「原材料名」として「牛小腸・大腸」と明記してあるのだから、間違いない。

さらに「ホルモン焼き」でググっても、最近はいろいろな画像が豊富に検索されるようになっていることに驚いた。こんな感じである。大阪の道頓堀辺りを歩けば「ホルモン」という看板だらけなのだから、こんなに豊富なこなし方があるのも不思議ではない。

2401233

ちなみに何でまた牛や豚の内臓を「ホルモン」と言うようになったのかは、だいぶ前に関西弁の「放るもん(捨てるもの)」から来たというのを聞いたことがある。ただ私の直感としては、この説はできすぎで、ちょっと眉に唾付けて聞いとく方がいいという気がしていた。

改めて調べ直してみると、「語源由来辞典」というサイトに次のようにある(参照)。

牛豚の内臓の「ホルモン」の語源には、関西弁で「捨てる物」を意味する「ほおるもん(放る物)」に由来する説。

生理的物質の「ホルモン(Hormon)」にあやかり、栄養豊富な内臓を食べ、活力を与えるイメージで名づけられたとする説がある。

かつては、関西弁の「ほおるもん」の説が有力とされていた。

しかし、戦前には、牛や豚の内臓以外に、スッポンなどのスタミナ料理も「ホルモン料理」と呼ばれていたことが分かってきた。

そのため、現代では生理的物質の「ホルモン」に由来する説が有力と考えられている。

これに関しては Wikipedia の「ホルモン焼き」の項にも同様の説明があるので、納得しておこう。やっぱり「放るもん」は後付けの洒落だよね。

 

| | コメント (2)

2024年1月17日

大阪のホテルの朝食に、たこ焼きが踊る

大阪出張の仕事を終えて、新幹線で帰宅の途中である。昨日の夕方に家を出て夜の 10時過ぎにホテルに入り、今朝は早起きして仕事をこなしていたので、家に着いたらすぐに風呂に入って寝てしまいたい。そんなわけで、本日は新幹線車内からササッと簡単に更新させていただく。

240117 

上の写真は、昨夜から泊まったホテルの朝食に出ていた「たこ焼き」である。客がそれぞれ好きなモノをとってテーブルで食べるというビュッフェ・スタイルなのだが、朝食メニューにたこ焼きがあるなんてさすが大阪である。

ただ考えてみれば、大阪のホテルにはこれまで何十回も泊まったことがあるが、朝食にたこ焼きが出てきたなんて、これが初めてだ。このホテルの朝食担当者は、よほどたこ焼きが好きなんだろうか。

で、今この写真をアップロードして、「しまった、ほんの 2〜3秒でいいから、動画に撮っとくんだった」と後悔しているところである。というのは、このたこ焼き器、ビミョーにプルプル振動していて、それに合わせて個々のたこ焼きがまるで踊っているようにコロコロと回転しているのだ。

この仕掛けで焦げ付かないようになっているのだろう。あるいは大阪では決して珍しくもなんともないのかもしれないが、私はこんなのは初めて見たのでちょっとだけ感動してしまい、しばらく見とれていたのだった。

ただ見とれていただけで、取って食べようという気にはならない。トレーに取るのは、いつもの朝食らしいメニューばかりである。そして見ていると、周囲の宿泊客もそんな感じで、たこ焼きを取って自分のトレーに乗せる客なんて一人もいない。

たこ焼きはただ妙に可愛らしくプルプル振動しながら、いつまでも空しく回転しているばかりなのだった。生粋の大阪人の多くは、朝食にたこ焼きが出ていたら喜んで食べるのかなあ。

 

| | コメント (0)

より以前の記事一覧