カテゴリー「グルメ・クッキング」の170件の記事

2022年4月23日

アメリカと英国の定番スナック菓子

我が家には 2種類の必需品的なスナック菓子がある。一つは私が過去記事で何度か触れたナビスコの「プレミアム・クラッカー」(代表的な記事は、こちら)、もう一つは妻の必需品、マクヴィティの「ダイジェスティブ・ビスケット」だ。

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この 2種類のスナック菓子、近所のスーパーではなかなか手に入らない。プレミアム・クラッカーは、ヤマザキが日本でのライセンシーとして製造販売していたが、2016年の契約終了以後は「モンデリーズ・ジャパン」という会社が日本での展開を行っている。

そしてここからが問題なのだが、今のプレミアム・クラッカーはイタリアで製造されたものをモンデリーズ・ジャパンが輸入販売しているので、ヤマザキが国内で製造販売していた頃よりも明らかにおいしい。要するにヤマザキって会社は、営業力はあっても商品力は落ちるのだよね。

というわけで、私は今、プレミアム・クラッカーはネット販売を通じて入手している。

そして妻の贔屓であるダイジェスティブ・ビスケットはスコットランド発祥で、英国の誇るスナック菓子である。”Let It Be” で、ジョージ・ハリスンがスタジオに持ち込んだのをオノ・ヨーコがつまみ食いして、ジョージが激怒したというのは知る人ぞ知る実話だ。

このビスケットも以前はどこのスーパーでも手に入ったが、最近はあまり見られなくなってしまっので、やはりネット販売を通じて入手している。

日本のスナック菓子市場というのは大手メーカーの営業力に支配されていて、彼らによる目新しさを追った新製品が売り場の大半を占めている。その結果、プレミアム・クラッカーやダイジェスティブ・ビスケットなどの、昔から定評ある定番品が劣勢に立たされているようなのである。

欧米で暮らす日本人の知り合いは、「日本のお菓子の市場はめまぐるしく変わりすぎて、わけがわからない」と言う。欧米ではお菓子の新商品なんて滅多に出てこなくて、ずっと同じ定番品しかないのだそうだ。つまり親から子、孫に至るまで同じお菓子を食って育つというわけだ。

私と妻は「それでこそ」と思ってしまうのだが、フツーの日本人はそれでは満足しないらしい。実はそのせいで、「本当においしい定番品」から遠離ってしまう結果になっているのにね。

ちなみに、プレミアム・クラッカーはコーヒーとよく合い、ダイジェスティブ・ビスケットの方は紅茶に浸して食べるのが一番おいしいと言われている。我が家では私がアメリカ好みで妻はヨーロッパ趣味と、明らかな棲み分けが出来てしまっているのだよね。

 

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2022年4月14日

新聞社が「イナゴをチョコレートにした」というお話

「新聞社が昆虫食ビジネスに挑戦」というので、どんなことなのかと思ったら、信濃毎日新聞社が、社員の手作業で捕獲したイナゴをチョコレートのトッピングにした商品を、数量限定で販売するのだそうだ(参照)。

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商品パッケージは上の写真のようなもので、パッケージの上の方に開いた窓から、チョコレートがチラリと見えている。全体像がわからないので別の写真をあたってみると、こんなようなもののようだ。フェア・トレード・カカオのタブレット・チョコに、イナゴが 8匹モロに乗っかっている。

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個人的には、子どもの頃から「イナゴの佃煮」に馴染んでいるので全然平気で食べられると思うが、フツーにチョコ好きの女の子なんかは、かなり抵抗を感じてしまうんじゃなかろうか。大好評であっという間に完売みたいなことになるとは思われない。

記事には、「チョコレート一面にぎっしりとイナゴを敷き詰めることも考えたが、大量に捕まえられず断念した」とある。確かにぎっしりと敷き詰められている方が、むしろ抵抗なく食べられそうだ。この程度だと、一匹一匹の個体がモロに強調されるよね。

信濃毎日新聞社では、「佃煮だけでない、昆虫の新たな食べ方を国内外に提案していく」としている。ただ私としては興味はそそられものの、価格が税込み 2,000円というのでは、実際に買って食べてみようとまでは思わないなあ。

それから余計なことかも知れないが、記事の見出しの「社員が手づかみで捕獲した・・・」という言い回しには、ちょっと違和感を覚える。広い田んぼに出てイナゴを「手づかみ」で捕るなんて、決して不可能というわけではないが、どう考えても難しくて効率悪すぎだ。

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実際には、記事に添えられたこの「減農薬栽培の田んぼでイナゴを捕る太田シェフ」というキャプションのある写真を見ればわかるように、やっぱり捕虫網を使ったもののようである。

この見出し、虫捕り経験のない「今どきの編集者」が付けたんだろうね。

 

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2022年3月21日

解釈がチョー難しい、ラーメンのキャッチフレーズ

近所のラーメン屋の店頭に、とても気になるキャッチフレーズの書かれた幟みたいなものが、開店当初から飾られている。「一度じゃまだまだ二度目で納得 三度食べたらやめられない」というものだ。

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このフレーズ、解釈がチョー難しい。個人的には「一度じゃまだまだ」という部分に引っかかりを感じて、「食ってすぐには納得できないというなら、そんなもの食べなくていいや」と思ってしまうのだ。印象的なキャッチフレーズが逆効果になって、この店には一度も入ったことがない。

ただ、見方を変えることも可能だ。「この店のラーメンの本当のおいしさを理解するには、二度は食べてみなければならない」と解釈することもできるだろう。

とはいえ、もしかしてそれほどまでに奥深く玄妙な味だったとしても「三度食べたらやめられない」というのが、またわからない。「そんな面倒なことになってしまうんだったら、三度までは決して食べたくない」と思ってしまってもおかしくなかろう。

私としてはさらに、数年前に肉食を止めてしまったので、チャーシューが付きもののラーメンからはずっと遠離っている。ということは、この店に入ってラーメンを食う機会は一生ないということだ。ましてや「三度食べたらやめられない」という経験をする可能性もゼロである。

というわけで、この不思議なキャッチフレーズで表現されるラーメンがどんなものかは、全然わからないのである。いずれにしてもこのフレーズ、「わからな過ぎ」だ。

 

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2022年3月19日

「高級食パン」と「情報」に関するお話

東洋経済 ONLINE に ”平気で「食パン」を買う人が知らない超残念な真実  「しっとり」「甘くておいしい」本当の理由は?” という 3月 17日付の記事がある。

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40年以上にわたって天然酵母使用の自家製パンを食べ続けている(参照 1参照 2)ウチでは、この記事にある「超残念な真実」なんてとっくに知っている。「高級パン」とやらの「しっとり感」はマーガリンを、「甘さ」は糖分を、それぞれたっぷり使って出されているだけで、健康にいいわけがない。

私はそれよりむしろ、”平気で「食パン」を買う人” ってどんな人なのかを知るために、この記事を読んでみたくなったのである。すると、こんなようなことが書いてある。

私が不思議で仕方がないのは、「ご飯は糖質が多いから」「和食は砂糖を使うから」といって避けるのに、高級食パンは並んでまで買って喜んで食べるという、その消費者行動・消費者心理です。

(中略)

「朝は忙しいから、食パンが便利なんだよ」と言う人もいるでしょうが、その場合は、それによって、大人も子どもも「隠れ油分」「隠れ糖分」を同時に摂取しがちなことを、よく「知って」食べてほしいのです。「便利さ」「手軽さ」を追求することには、「メリット」だけでなく「デメリット」もたくさんある、ということです。

なるほど、太らないために糖質を含む和食を避けたり、忙しい朝は食パンがいいと言ったりしながら、知らず知らずのうちに糖分、油分をたっぷり摂取することには無頓着な人がかなりいるということだ。そうした人たちが、並んでまで高級食パンを買うのだから、「情報不足」というのはコワい。

今、ウクライナに攻め入っているロシアの国内では、まともな情報がほとんど流されておらず、多くのロシア人はウクライナで虐待されている同胞を救うための派兵なのだと信じているという。ロシア政府による「情報操作」の産物だ。

ただ、こうした政治的な「情報操作」には腹を立てても、自分の口に入る食べ物に関する情報不足にはあまり気付いていない人たちが、喜んで高い金を出して不健康なパンを買っているというわけなのだね。

まさに、生きていく上で重要なのは「まともな情報」である。

 

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2022年2月16日

ファストフードを避ける最大の理由は「罪悪感」

Gigazine に "人々がファストフードを避ける最も大きな理由は不健康だからではなく「罪悪感」" という記事がある。なお、この記事で報じられた調査は、「ファストフード」の範囲を「ハンバーガーとフライドポテト」に絞ったものということを念頭において読み進めてもらいたい。

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この記事では、調査対象を、週に2~3回ファストフードを食べる「常連消費者」と、2週に 1回未満しか食べない「非常連消費者」に分け、その回答を分析したとしている。

ところが、常連消費者がファストフードを避ける最大の理由は「食品安全上の懸念」とわかったという記述に続く、以下の文がおかしすぎる。

これに対して、非常連消費者がファストフードを避ける理由には、「時間がない」「旅行中」「家に食べ物がない」「ストレスを抱えている」などといった偶発的な状況下にあることが挙がりましたが・・・(以下略)

これ、とんでもなく矛盾した表現である。「時間がない」「旅行中」「家に食べ物がない」「ストレスを抱えている」といったことは、非常連消費者が「ファストフードを避ける理由」にならないじゃないか。むしろ「仕方なくファストフードを食べてしまう理由」と言う方がしっくりくる。

あまりにもおかしすぎるので、"sience allert" というサイトにある "The Main Reason People Avoid Fast Food May Not Be Unhealthiness, Study Finds" という元記事にあたってみたところ、やはり誤訳であることがわかった。元記事の文章は以下の通り。

The first factor was their reported tendency to consume fast food in 'accidental situations' somewhat beyond their control – such as in moments of time pressure, when traveling, running out of food at home, or in times of stress. 

ざっと訳すと、「彼らが意のままにならない状況においてファストフードを食べてしまう主な理由は、時間的プレッシャー、旅行中、家に食べ物がなくなった、時間ストレスなどだ」ということになる。ほぅら、やっぱり完全に誤訳だよね。

こんなふうに意味が反対になってしまうまでの誤訳が文中に現れると、話が混乱してしまい、その先まで読み進む気がしなくなってしまう。本当に気をつけてもらいたい。

ここでようやく本題に戻るが、非常連消費者がファストフードを避ける最大の理由は、ファストフードを食べることに「罪悪感」を覚えてしまうことと、避けることによって「達成感」が得られることのようだというのである。うむ、これ、何となくわかる気がする。

私自身、肉食を全面的に止めるずっと前からハンバーガーは避けてきたが、仕方なく食べてしまったりすると、自分自身の「食」に関するポリシーに反してしまったことによる「罪の意識」みたいなものを感じていた。そして食べずに切り抜けると、「やったね!」なんて思っていたものである。

「食」の志向というのは、論理的というより観念的な要素の方が大きいようなのだね。

 

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2022年2月10日

博多ラーメンの「臭み」の正体とは?

みんなの経済新聞」というサイトがあり、日本各地の経済情報を伝えていて、なかなかおもしろい。始まりはあの「シブヤ経済新聞」であるらしい。

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このネットワークの中の「高田馬場経済新聞」が、今年 1月 18日付で ”「博多ラーメンはなぜ臭いのか」 高田馬場のラーメン店主が追求、スープから枯草菌” というニュースを伝えている。ちなみに「枯草菌」の読み方は「かれくさきん」ではなく「こそうきん」であると、 Wikipedia で確認した(参照)。

私は 2018年 8月 24日から 26日まで、二泊三日で佐賀と博多に出張したが、その際に「 博多の繁華街に漂う生臭さの正体」(26日付)という記事の中で次のように書いている。

佐賀の街を歩いていた時から、何となく生臭いというか、もっとひどい形容をしてしまえば「ウンコ臭い」というか、あまりいい感じではない臭いがすると思っていたのだが、博多に移動して、その臭いの元がはっきりと特定できた。九州のラーメンは博多ラーメンを筆頭に「豚骨スープ」が多いため、ラーメン屋からその独特の臭いが漂っているのである。

この時はラーメン屋の「豚骨スープ」が臭いの元としているのだが、さらにその元を辿ると「豚骨そのもの」というわけではないようなのだ。「高田馬場経済新聞」は、そのあたりのことに詳しく触れている。

記事によれば、スープに「豚の頭を使っているので、口に餌に含まれる枯草菌が残っていたと考えられる」というのである。餌に枯草菌が含まれており、それを食べた豚の口の中に残るというのだ。なるほど、豚は歯を磨かないからね。そしてこの枯草菌こそが、あの臭いの元らしいのである。

私は 2018年の記事で「あまりいい感じではない臭い」と書いているが、世の中には「あの臭い」を出したくて苦心するラーメン屋さんも少なくないのだね。もしかして私も肉食から離れていなかったら、「臭い博多ラーメン」に惹かれていたかもしれない。

ちなみに枯草菌というのは、納豆菌とも共通する種類の細菌だという。なるほど、独特の臭みがあるわけだが、最近の納豆の臭いはかなりおとなしくなった気がする。とはいえ、納豆に慣れない外国人はそれでも驚いてしまうようだが。

 

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2022年1月27日

給食における「納得感」と、フードロス軽減

東洋経済に ”強制せず給食完食!「納得感」を生む「食育」のコツ” という記事がある。「食事の楽しさを知ればフードロスもなくなる」というサブタイトルに惹かれて読んでみた。

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この記事は「フリーランスティーチャー」という変わった肩書きの田中光夫さんという方へのインタビューという形式で紹介される「フリーランスティーチャーの視点 ~ココがヘンだよ 学校現場~」という連載記事の 1つということも知り、さらに興味を抱いてしまった。うむ、おもしろそうだ。

何しろ学校現場に関しては私としてもずっと「ヘンだ、ヘンだ」と思い続けてきたので、このタイトルを見ただけで興味がかき立てられる。さらに給食は一度も残したことのない子だったから、この個別の記事に関しても読まずにはいられなかったわけだ。

私は、「給食を残す」ということが理解できないままに成長してしまった。子どもの頃は昼時になれば「腹が減ってしょうがない」という状態になっていたから、どんなに不味い給食でも目をつぶって腹に入れてしまわなければ、とにもかくにも体がもたなかったのだ。

そんなわけだから、私は「給食が食べられない」という子の気持ちを理解できず、「よくまあ、食べずに我慢できるな!」と思うばかりだったのである。「食べなければ我慢できない」という食欲旺盛な子ばかりではないとわかったのは、自分自身に子どもができてからのことだ。

「食事は残さず食べるのがいい子」という一般的な価値感の中では、小食で完食が苦痛な子にとっては「食べずに済ませる理由」というのが必要になる。それで「魚は嫌い」とか「豆は嫌い」とか、言いやすいところから言い出すことになり、それが「好き嫌い」として固定化されてしまう。

それどころかこの記事では、食べたことのない料理が出ると「どんな味かわからないから」というのが「食べない理由」になるとまで書いてあるので驚いた。文字通りの「食わず嫌い」ってやつで、「できれば食べずに済ませたい」という子がよほど多いみたいなのだ。

ところがこの「好き嫌い」とか「食べたくない」とかいうのは多くの場合、「気分の問題」に過ぎない。この「気分」さえ変えれば「食べてみたい!」になるのは自然の道理だ。

田中さんは「食べること」を決して強制せず、自然に食べ物への興味が湧いて「納得感」が生じるように仕向けることで、この「気分の問題」を解決されている。詳しい内容はリンク先の記事に書いてあるので、ここでは繰り返さない。

この記事を読んで改めて自分の子ども時代のことを振り返ってみると、昼時になると「腹が減ってしょうがない」というより、「食うのが楽しみ」というとてもプリミティブな「納得感」があったのだと理解できた。「納得感」がフードロスも減らすのである。

あの恐ろしくまずい「脱脂粉乳」を目をつむって胃の中に流し込むことができた(参照)のも、この「納得感」があったからこそである。「納得感」は強い! 食事の問題だけでなく、人生全般でポジティブな姿勢を保つこともできる。

ただ私の場合、「肉食」についてはどうしても「納得感」を持てないので(その理由は、こちら)、しっかり納得の上で止めている。

 

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2022年1月 3日

雑煮のバリエーションが見えるインターネットの威力

フードライターの白央篤司という方が Twitter で「みなさんのお雑煮を見せてくださいませんか」と呼びかけた(参照)ところ、全国から次々に画像が集まっている。それが togetter で地域別に分類整理されて見やすくなっているのがとてもおもしろい(参照)。これはインターネットの威力と言っていいだろう。

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私は 16年前の 1月 5日に "「正しい餅」は、丸餅でなきゃ" という記事を書いている。一般的には東日本は角餅、西日本は丸餅とされているが、私の生まれた山形県庄内地方は、東日本では珍しい丸餅文化圏である。この件で、進士素丸さんの tweet に面白い地図がある(参照)。

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この地図では、山形県酒田市は で表示され、全国でも珍しい(奈良と九州にはポツポツあるが、東北では唯一)「丸餅を焼く」文化圏ということになっている。同じ丸餅でも、西日本では焼かずに「煮る」のが主流のようだ。

大雑把に言うとこの地図上では、「角餅を焼く」東日本は黒っぽく、「丸餅を煮る」西日本は白っぽく見える。というわけで、焼いた丸餅をすまし汁で食うという酒田は、両者のクロスオーバー文化といえる。

白央篤司さんの呼びかけに寄せられた写真で私にとって一番「お馴染み感」があるのは、さすがに「山形県沿岸部」にお住まいの、きになるこ さんの tweet にあるもの(参照)。私の実家でも、元旦にはこんな風に色取りどりのおかずが付いた。

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さらに個人的にそそられたのは、石川県にお住まいのお二人の丸餅雑煮(参照 1参照2)。添えられるのが「刻み葱だけ」とか「三つ葉と柚子だけ」とかの、潔いほどのシンプルさだ。さすがに金沢文化圏、よほど出汁をおいしく取るのだろうね。

驚いたのは、香川県でずらりと並ぶ「餡入り餅の白味噌仕立て」である。あんこの入った餅を雑煮にする地域があるなんて、生まれて初めて知った。日本は狭いようでも広い。

日本の全都道府県に行ったことのある私でも正月にはおとなしくしてるから、多様な雑煮には接していなかった。こうしてみると「たかが雑煮、されど雑煮」と言いたくなるほどのバリエーションで、長く守っていく価値がある。

 

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2021年12月31日

カーシャ/むきそば/年越蕎麦

「はてなアンテナ」からのリンクで、ジェーニャさんという方の「蕎麦」についての tweet (参照)にアクセスしてみた。彼女は日本でプロの声優をしているロシア人なのだそうだ。

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この tweet には「ソ連育ちエピソード」として次のようにある。

一番手に入って安かった食糧は、蕎麦の実。
そればかり食べて、私にとって、貧乏の味。好きな人もいるけど、私は仕方なくそれを食べていたので、好きじゃないし懐かしくも思わない。
だから、ここだけの話、日本の蕎麦も少し苦手(美味しいとは思うけど!)うどんの方が好き❤️

大の蕎麦好きの私としては、「日本の蕎麦も少し苦手(美味しいとは思うけど)」という部分で、ちょっと複雑な気分になった。「不味い」と言ってないだけ救われるが、食べ物の嗜好というのは、気分の問題に大きく左右されるのだね。

ところで、この tweet に添えられた写真は、ロシアの蕎麦料理で「カーシャ」というものなのだそうだ。ググってみると、石田ゆうすけさんという方の「蕎麦の実でつくるロシアのお粥カーシャとは?」というページに遭遇した。こんな風に書かれている。

モチモチした食感にソバの香り。これはこれで悪くないが、麺の蕎麦を食べ慣れている僕にはほんの少し違和感があった。

ところが、カーシャが大好きだという日本在住のロシア人翻訳家に「日本の麺の蕎麦はどう思う?」とたずねると、こんな返事だったという。

「なぜわざわざ粉にして麺なんかにするんだ?バカじゃないのか?ソバに全然合わないあんなつゆにつけて。ほんとサイアク。俺は日本蕎麦なんて絶対食べない。まずすぎる。ソバは粥だ」

食べ物の嗜好に関する「気分の問題」というのは、極端に走るとこんな風に「カーシャ・ナショナリズム」なんて言いたくなるほどになる。日本にも「米のメシ・ナショナリスト」みたいなのがいて、外国で 3日過ごすと禁断症状が出てきたりしてるしね。

そういえば、我が郷土、山形県の酒田にも、蕎麦を粉に挽かないで食べる文化がある。「むきそば」という蕎麦のおかゆみたいなものだが、冷たい汁で食うので、ロシアのカーシャ(見た目は暖かそう)とはかなり違う風合いだと思う。

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これ、私も酒田の生まれなので何度か食ったことがある。ただなんとなく料亭の「お通し」みたいな上品すぎるイメージで、「確かに美味しいけど、蕎麦はやっぱり麺でツルツルッとすすりたい」と思ってしまうのだよね。ジェーニャさんの日本の蕎麦に関する印象の、裏返しみたいなのがおもしろい。

とはいいながら、「むきそば」を思い出したら久しぶりで食ってみたい気がしてきたし、「カーシャ」というロシア流そば粥も、機会があれば試してみたい。私は「麺の蕎麦ナショナリスト」ってわけでは決してないので、いろいろなバリエーションがあるのはいいことだと思う。

というわけで、今日は大晦日。夜になったら「年越蕎麦」をいただくことにしよう。

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今年一年、ご愛読ありがとうございました。この年を気持ちよく締めくくって、さらによいお年をお迎えください。

 

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2021年12月24日

「りょう君のジョロキア」使用レポート その 2

今年 9月 12日付で ”激辛「ブート・ジョロキア」を試してみた” という記事を書いた。ここでその後のレポートをしてみたい。

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辛モノ好きの私にとって、このブート・ジョロキア(私の購入したものは「リョウ君のジョロキア」という商品名)はとても満足のいくもので、既に手放せなくなってしまった。何しろ「しっかりと辛い」のだから、言うことなしである。9月 12日の記事でも、次のように書いている。

私はフツーの「鷹の爪」を使った七味唐辛子だと、1杯のスープに 20回以上振りかけて、ようやく満足する辛さとなる。そして「舞妓はんひぃ〜ひぃ〜」だと、それが 4〜5回ぐらいで済む。

ところがこの「りょう君のジョロキア」だと、ほんの 1振りで十分な辛さになる。つまり、フツーの鷹の爪の 20倍以上、「舞妓はんひぃ〜ひぃ〜」の 4〜5倍は辛いということだ。

1振りで十分というのは、とてもありがたい。フツーの「鷹の爪」を使った七味唐辛子だと、とにかくたくさん振りかけないと満足できないので、スープやうどんなどの表面が真っ赤になってしまい、周囲の者に呆れられてしまう。それがジョロキアだと目立たないので、さりげなく辛さを楽しめるのだ。

さらに言えば、コスト・パフォーマンスもいい。「りょう君のジョロキア」は Amazon で 1瓶 1,700円(参照)なので、「たかが辛み調味料 1瓶にしては高すぎる」と思われるかもしれない。10本セットで 1,222円の 「S&B 七味唐からし」(参照)と 1瓶あたりで比較したら、約 14倍の値段だ。

しかし上で述べたように、フツーの「鷹の爪」を使った七味唐辛子だと 20回以上振りかけなければ満足できないが、ジョロキアは「ほんの 1振り」で済むので、使用量が約 20分の 1 で済む。結局は得になるってことで、決して高い買い物じゃない。

ただ。気をつけなければならないこともある。「ほんの 1振り」で済むということは、加減を間違えて 2振り以上かけてしまうと、さすがに辛過ぎるということだ。私にとって「辛過ぎる」というのは、フツーの日本人にとっては「耐えられない辛さ」ということになる。

そうしたこともあり、私は 9月 12日付の記事で次のように書いてしまったのを訂正したいと考えている。

「りょう君のジョロキア」が切れてしまったら、今度は世界第二位の辛さの「トリニダード・モルガ・スコーピオン」を試してみようと思う。

現在のところ、ブート・ジョロキアの辛さは世界第 3位で、その上に トリニダード・モルガ・スコーピオンというのがあり、さらに最辛はキャロライナ・リーパーというものらしい。このあたりのことは、今年 9月 4日付の「ハバネロより辛いトウガラシがあるとは!」という記事に詳しい。

このあたりのことをよく考えてみると、 "「1振りで十分」以上の辛さのものなら「半振り」で済む” という単純な理窟は通らない。実際の食卓で「香辛料を半振り」かけるなんていうのは、加減が難しくてこなしようがないじゃないか。つまり、「手に負えない」ということになる。

というわけで、"トリニダード・モルガ・スコーピオン」を試してみようと思う" というのは撤回することにした。とりあえずはジョロキアの辛さで満足なので、これで十分である。

 

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