カテゴリー「ニュース」の644件の記事

2024年4月 3日

ドイツで大麻が解禁されたというのだが

CNN が「ドイツで娯楽目的の大麻使用解禁、歓迎の市民熱狂」というニュースを伝えている。ドイツは私が最初に行った外国だし、若かった頃なら「へぇ、いいなあ!」なんて思ったかもしれないが、今となっては「ふぅん、それがどうした?」程度のものだ。

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何しろ 24歳でタバコを止めてから 47年経つ(禁煙のきっかけは こちら にチラッと書いてある)し、たとえ今後ドイツに行って「もう違法じゃないんだから」なんて勧められたとしても、やんわりと断るだろう。肺の中に余計なケムリを入れるなんて、もう生理的に不愉快でしかない。

ただ今回の大麻解禁はさすがドイツらしく、理に叶ったものと言えるだろう。CNN は次のように伝えている。

ラウターバッハ保健相は1日、「真の依存症を助け、子どもや若者の使用を防ぎ、闇市場と闘う方がいい」とX(旧ツイッター)に投稿した。

これまでのようにただ禁止するだけでは現実的な対応をしにくいし、米国の禁酒法時代とまではいかないまでも違法取引を増やすだけになる。

大麻解禁国は 2018年に合法化したカナダを含め、今回のドイツで 6か国目となる。それに米国などの州単位での合法化も含めれば今や結構な地域になっているし、ヨーロッパでは形式的には違法のままだが「刑事罰なし」(実質的な解禁)という国もかなりある(参照)。

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(2023年 11月 14日現在の状況  クリックで別画面に拡大表示)

日本では政府が音頭を取って「大麻は危険な麻薬」みたいなキャンペーンを張っているが、実際のところはそれほどスゴいもんじゃない。近頃あちこちの大学アメフト部の「大麻汚染」が報じられたが、それでも体力とアタマをしっかりと使うゲームを高度な水準でこなしていたのだしね。

体とアタマへの悪影響という点では、酒の方がずっと大きいだろうと思う。さらに非合法とされる大麻を国内でも案外入手しやすいと伝えられる現状(参照)からして、かなりの闇取引があるのだろうとの懸念まである。

日本政府が大麻をことさらに排除したがるのは、1960〜70年代にかけての「極めて政治的な時代」に、カウンター・カルチャー派が「マリファナは反体制のシンボル」みたいなイメージを作って以来のことなんじゃなかろうか。

下の画像は「ヒッピー」(hippies)より政治的にとんがった「イッピー (Yippies)」を率いていたジェリー・ルービン(Jerry Rubin)の『DO IT 革命のシナリオ』(1971年・刊、田村隆一・岩本隼共訳)の一部。言うまでもなく「ポット」はマリファナの隠語である。

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のっけから「マリワナは人を神にする」なんてあるが、実際は決してそんな大それたものじゃないことが今や明らかだ。それは今回のドイツを含めた解禁国や地域が、大麻の使用を「娯楽目的」と言い切っている現状をみても如実にわかる。まさに「毒気を抜かれた嗜好品」である。

大麻は下手に厳しく取り締まれば取り締まるほど、たまたまちょっと試してみただけの者まで「反社会的存在」に祭り上げられてしまうことになる。それでジェリー・ルービンは「ポットを永久に禁じておくべし」と、彼独特の反語的言い回しで大麻の力を実質以上に増幅させようとしていたわけだ。

ということで、私は個人的には大麻に関して敵でも味方でもないのでよろしく。以上。

 

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2024年3月22日

「窓側が上座」だなんて、やっぱりガセネタだった

ファイナンシャルワールドというサイトの 3月 18日付に ”新幹線で「窓側指定席」を予約したのに、「通路側」の人が「真ん中」の肘掛けを使っていました。この場合、「指定席代」を一部でも請求できるでしょうか…?” という記事がある。新幹線の「真ん中の肘掛け」は窓際席のものと言わんばかりだ。

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そもそもこの記事のタイトルになっている質問自体が非常識でゴーマン過ぎると感じるのは、私だけじゃないだろう。新幹線に限らず、座席の間にある肘掛けは座席の区切りであり、どちらかの席の専有物というわけじゃないはずだ。

ところがこの記事には、こんな記述がある。

新幹線の座席における、肘掛けを使用するルールとしては、基本的に窓側の人が使えると決められています。その理由は、新幹線の座席では窓側の席が「上座」とされているからです。

これには驚いた。そんなルールがあるとは、この歳になるまで聞いたことがなかったからである。この記事にはさらに、こんな記述まである。

3人席の場合も一番窓側の席が上座となり、通路側の席になるにつれて下座となります。右手に窓がある座席の場合は、上座の人が左側にある肘掛けを使い、左手に窓がある座席の場合は、窓際の人が右側にある肘掛けを使うことが可能です。

それで「上座である窓側の指定席を予約すれば、左右両方の肘掛けを使えます」ということになり、「通路側の人が真ん中の肘掛けを使っている場合は、肘掛けの使用ルールに反していると見なせるでしょう」なんてことなんだそうだ。

「おいおい、そりゃないだろう!」と言いたくもなるではないか。同じ座席指定料金を払っているのに、裏でこっそり「上座」とか「下座」とかのランク付けをされてるのではたまらない。

そう思っていたところ、3日後の 21日付で弁護士ドットコムニュースというサイトに ”新幹線の「真ん中肘掛け」は「上座の窓側が使える」ルールは本当か 紹介したネット記事に批判集まる” という記事が載った。

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この記事には、「JR東海は弁護士ドットコムニュースの取材に、そのようなルールも事実もないと否定した」と明確に書かれている。ほうら、やっぱりね。「窓側が上座」だなんてガセネタだったじゃないか。

ただ、このガセネタを真に受けた人が、実際に新幹線の中で「肘掛けを使えるのは窓側に座っている俺だけだ!」なんてムチャクチャなことを言い始めて余計なトラブルになる可能性がある。その意味で、こんな無責任な記事を書いた記者の罪は重い。

ファイナンシャルワールドなんてサイトは、ほとんど気にしたこともなかったのだが、今後は「要注意サイト」として意識しておくことにしよう。

弁護士ドットコムニュースでは「R東日本にも問い合わせており、回答があれば追記する」としているが、22日午前 8時 30分の時点ではまだ追記はない。ただ、おそらく「窓側が上座」だなんて回答はないだろう。

そんなルールがあったら、「通路側座席の指定料金を安くしろ!」という訴訟がもちあがり、大変なことになる。

 

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2024年3月 8日

高校での居合道指導で真剣を使ったって?

奈良県生駒市の県立高校で、剣道部の顧問が日本刀(真剣)を使った指導を行って生徒の太股を刺してしまっていたというニュースには、かなり驚いてしまった。初心者の体に刀が届いてしまうような間合いでは、常識以前の問題として真剣を使うことなんてないはずなんだがなあ。

この事件では、学校に真剣を持ち込むことを禁止するという規定のなかったというのが問題になっているようなのだが、そんなことまでいちいち想定していたら、「禁止項目」だけで分厚い百科事典みたいな書類になってしまうだろう。だからこそ「常識以前の問題」としてしっかり認識しておく必要がある。

私が以前にやっていた合気道(実はこれでも黒帯なのだよ)では、杖術と剣術の稽古もする。もちろん道場内で真剣を使うことはほとんどなく、もっぱら木刀での型稽古だった。ちなみに木刀の素振りは今も時々してる。

合気道での剣術の稽古は居合道にかなり近いものだったので、「剣道」のような実践形式での打ち合いはしない。稀に向かい合ったとしても、それは「間合い」の感覚をつかむためなので、かなり慎重に行う。

今回の事故で、指導した教師は「当たるとは思っていなかった」と言っているというが、慎重さに欠けていたと言うほかない。熟練者同士だったら当たらなくても、初心者は時として常識にない動きをするから、当たるはずのない剣の当たってしまうことだってあるのだ。

今回の指導は剣道部と空手部の部員を対象にしていたというのだが、もしかして剣の間合いをわかっていない空手部員が、常識にない間合いにまで近付いてしまったのかもしれない。「間合いを制する者は剣を制す」というぐらいだから、逆に言えば間合いを間違えたら自分が死んでしまいかねないのだ。

こんな場合、ものすごく公平(悪公平?)に見れば両者が悪いということになりそうだが、これは部活というケースなのだから、指導者の配慮が足りなかったとするのは当然の結論だ。

こんなこともあるのだから、高段者による指導とはいえ、学校の部活に真剣を持ち込むのは避けるべきだったと言うほかない。とにかく実感として、木刀での型稽古でさえつい熱が入り過ぎると結構コワいことがあるのは確かなのだから。

【同日 (念のため)追記】

冒頭で紹介した ANN のニュース動画、8秒目あたりからの居合道実技の場面だが、刀を振り下ろすと小気味よいほどの「ヒュッ!」という音がする。あまりにも見事な音なので、後から付け足した効果音じゃないかと疑う人がいそうな気までしてしまった。

しかしこれって効果音なんかじゃなく、熟達者が真剣を使ってやると本当にこうした風切音がするものなので、そのあたりよろしく。木刀だとここまで見事な音は出ないので、つい憧れてしまうよ。

 

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2024年3月 7日

高級腕時計を借りてまで身に付けたいか

"腕時計シェア「トケマッチ」元代表に逮捕状 ドバイ逃亡か 横領容疑” というニュースで、「腕時計シェア」なんていう商売のあることを初めて知った。世の中、私の感覚ではほとほと理解に苦しむことってあるものだ。

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何がわからないといって、オメガだのロレックスだのというご大層な腕時計を持ちたがる気持ちがわからないし、そんなのを所有するほど経済的余裕のある御仁がそれを他人に貸し出してシェア料をもらいたがるというみみっちい心情もわからない。

あるいは、悪いパパにプレゼントしてもらった時計を貸し出すオネエチャンが多いのかもしれない。その手のオネエチャンというのは、複数のパパに同じバッグをおねだりし、一つだけ残してあとは質に入てもバレないようにしてるというほどだから、腕時計をレンタルに出すのも厭わないのだろう。

そして借り賃を払ってまでそんなものを身に付けたがるというのは、さらにわからない。なにしろ私の個人的価値観としては、高級腕時計というのは「悪趣味」の代名詞みたいなものだから。(あくまでも「個人的価値観」なので、ブランド時計の好きな人、ゴメンね)

私は 7年半近く前の 2017年 11月以来 Apple Watch を購入しており、その時の事情はこの月の 2日付「Apple Watch を買ってしまった」という記事で懺悔してある。それまで愛用していた安物の腕時計を紛失してしまったので、出張前に急遽誂えたのだ。

それまで使っていた安物の腕時計に関しては、なくしてしまうほぼ 10ヶ月前の「高級腕時計をもつ意味」という記事に写真入りで紹介してある。このタイトルの記事に安物の腕時計を登場させているのは、「ブランド物をもつ意味がわからない」ということを綴るためだった。

この安物腕時計にはまったく不満がなかったから、こんなことでもなかったらずっと使い続けていただろうと思う。ただ Apple Watch の便利さに馴染んでしまった今ではもはや逆戻りはできないが、それでもやたら高い高級腕時計とは比べものにならないほどリーズナブルなものだ。

ちなみに web で「高級腕時計 なぜ高い」というキーワードで検索してみたところ、カリトケマガジンというサイトの「ブランド腕時計はなぜ高いのか」という記事がヒットした。「カリトケ」というぐらいだからまさに腕時計シェア屋さんのページのようで、次のようにある。

高級腕時計が高価である理由には、時計そのものの素材やムーブメント、そして消費者側が判断するブランド力やトレンドといった複数の要因があるのです。高級腕時計は確かに価格が高いのですが、それゆえに資産価値があり、長く使用することができるというメリットもあります。

ふぅむ、世の中には腕時計ごときに資産価値なんかを求める人が少なくないのだね。ただ、借りちゃうというのは資産価値に関係ないから、要するに「単なる見栄」としか思われない。

それにしてもこの業界の社名って「トケマッチ」とか「カリトケ」とか、あんまり上品じゃないネーミングが多いようだ。ほかにも「ウォッチレント」とか「レントケ」とか、直截的過ぎて笑っちゃうような名前が検索された。

これだけあるってことは、借りてまで高級腕時計を身に付けたい需要って少なくないのだね。私なんかそんな面倒で鬱陶しいものは、たとえくれると言われても御免蒙りたいと思ってしまうほどなのだが。

 

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2024年2月25日

刑務所の隠語 NG は法務省による「言葉狩り」

朝日新聞の 2月 22日付に ”散髪は「ガリ」、身柄は「ガラ」… 刑務所などで隠語NGに 法務省” という記事がある。この記事は朝日新聞の公式サイトに行くと「有料記事」と表示されて、最後の 81文字を読むには有料会員にならなければならないようだが、まあ、そこまで惹かれる記事でもないから、いいや。

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この記事の中盤には次のようにある。

たとえば、散髪は「ガリ」、身柄は「ガラ」、食事を入れる器は「物相(もっそう)」、食後に食器をさげることは「空下(からさ)げ」などと呼んでおり、意味が分からない人との間で「コミュニケーション不全の原因となっている」「排他性を促進している」といった指摘があった。

(中略)

そこで、「ガリ」や「ガラ」など 35の言葉は施設内で慣習的に使われてきたが、一般社会では使わない不適切な言葉だとし、今月 9日付で使わないことにした。

はっきり言ってよくわからない話で、私には違和感たっぷりである。どこの世界にも「隠語」とか「独特の業界用語」とかいうのがあるものだが、「一般社会では使わない不適切な言葉」だからという理由で排除するなんて聞いたことがないがなあ。

刑務所職員同士(多分受刑者も使うんだろうけど)で使っている隠語というのだから、「意味がわからない人」相手に使うわけじゃないだろう。時として外部とコミュニケーションを取りたかったら、その時は隠語を避ければいいだけの話だ。それぐらいの使い分けができないはずがない。

それに「排他性を促進している」なんていうが、刑務所って「誰でも歓迎! おいでをお待ちしてます」なんて「受容性」を売り物にするようなところじゃない。多少の「排他性」があっても、それはそれでいいじゃないか。

というわけで、これって一種の「言葉狩り」なんじゃないかと思ってしまった。法律用語でもない俗な言葉の世界に、法務省が介入してどうするというのだ。「文化」の醍醐味というのは重層性にあって、決してお行儀のいいファクターだけで成り立っているものじゃないのだよ。

とはいえもちろん、言葉が酷いというより、言葉によって表される内容自体が酷いというような場合は、単なる「言い換え」なんかで済まさず、その内容自体を改めるべきだろう(本稿末尾の【備考】参照)。

それから揚げ足を取るわけじゃないが、食事を入れる器を「物相」というのは別に刑務所の隠語というわけじゃない。昔からかなりフツーに使われてきた言葉である。

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確かに刑務所に入ってしまうことを「物相飯を食う」なんて言うようになったということもあるようだが、これを一律に「不適切な言葉」なんて決めつけたら、大変な地震に遭ったばかりの輪島の人たちに失礼というものだ。

言葉知らずが言葉狩りするって、かなりアブナい。

【備考】

エス🫰称呼番号877番 さんという方による「刑務所用語集」というページに、「ビックリ箱」という言葉が紹介されている。

【ビックリ箱】 :
面会や移送の時に待機したり着替えたり 微罪の時はこの箱に入れられ小一時間ほど刑務官たちから罵詈雑言と人格攻撃のオンパレードで刑務官の息抜きにも使われている 本来の用途は受刑者の会話や合図などを防ぐため。

もし「人格攻撃のオンパレード」なんてことが本当にあるのだとしたら、それはもはや「言葉の問題」じゃない。「醜悪な行為」自体を即刻廃すべきだろう。

 

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2024年2月17日

大阪万博を通して見える不思議な現象

毎日新聞が「万博費膨らみ大阪府・市 836億円超 今後 10年赤字 当初予算案」というニュースを伝えている。万博関連で発生する大赤字の穴埋めなどに 10年かかるというのである。まあ、これで得する土建屋とか広告代理店とかのセクターはハッピーなんだろうけどね。

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それにしても不思議な現象である。大阪周辺に限った調査でも 3人に 1人しか行きたいと思っていない(参照)イベントの開催を無理矢理推進している大阪維新の会が、選挙となるとどういうわけかやたら高い支持を得てしまうのだ。

そしてこのイベントに関しては、自民党まで不思議な執着を見せているというのも不思議な現象である。昨年秋に菅元首相が「国を挙げて取り組むべき」なんて寝言を言っているが、所詮寝言だけに意味がわからない(参照)。

こんなものに「国を挙げて」取り組んでもしょうがないだろうに。いずれにしても、維新の会というのは自民党とかなり通じちゃってるというのが透けて見えてしまう話だ。

現代ビジネスが ”プーチンなみの「支持率 7割超え」…!? なぜ維新は「大阪人だけ」をこんなにも熱狂させているのか” と報じている。こんなに極端ではないにしろ、国政も似たようなところがある。岸田内閣の支持率がわずか 25%(参照)なのに、自民党政権は安泰なのだから。

どうもこの国では、個々の政策や政権が支持できなくても政党は支持するという、摩訶不思議な傾向があるようなのだね。

不満はいろいろあっても、大きな変化は望まないということなのか。あるいは表面的に大きな変化と見えることがあっても、中身は全然変わらないということが見透かされているのか。まあ、この両方の合わせ技なんだろうが。

それにしても維新の会という政党は、保守のようで革新のようで、絶妙なまでに訳のわからない立ち位置だよね。

 

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2024年2月 2日

大阪万博って、すっかり ”アウト・オブ・トレンド”

KYODO が ”万博「行きたい」、33%に減少 2年連続下落、大阪府・市調査” というニュースを伝えている。大阪府と大阪市が府内 4千人と府外 2千人を対象に実施したインターネット調査の結果で、「行きたい」と答えた人の割合が 1年前の調査から 7.4ポイント減少したという。

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大阪府民で万博に「行きたい」と応えたのは、アンケート全体のポイントより少しはマシとはいえ 36.9%しかいないという。ところがともに維新の会所属の吉村府知事と横山市長は、「ここまできたら、もう引っ込みがつかない」みたいな感覚で万博を推進しているようなのだ。

このイベントには大阪府と大阪市が合計 1,112億 7,000万円もの費用を投ずる(参照)と伝えられ、さらに国の負担も 1,647億円になる(参照)という。どちらも当初の見通しを遙かに超えてしまっているのはこうしたことではほぼお約束みたいな展開とはいえ、まったく付き合いきれない。

というわけで、大阪府民としても 6割以上は「万博には付き合いまへん」と言ってるわけだ。

万博と言えば、前回の大阪万博のあった 1970年の夏、私は翌年の大学受験に備えて「大学の下見」に行くという名目で上京した(宿泊は親戚の家に世話になった)。そして東京との往復キップとほんの少々の持ち合わせしかないのに、ついでとばかりにヒッチハイクで京都まで行ってしまったのだった。

親には「関西に行く」とだけ電話したので、てっきり万博に行くものと思われていたようなのだが、実際にはそんなものボイコットし、一歩手前の京都の街で、当時全盛だったカウンター・カルチャーを満喫していたのだった。夜はドヤ街や京都駅の待合室で寝ていたなあ。

さらに時代は下り、1985年の「つくば科学万博」の時には、会場がすぐ近くということもあって、当時まだ幼かった 3人の娘の「遊園地替わり」みたいなつもりで 2度だけ連れて行った覚えがある。

ただこの時も長時間行列するような人気パビリオンは一切無視して、子供だましのアトラクションで遊ばせるだけだった。元々「遊園地替わり」というつもりでしかなかったし、実際の印象もそんなようなものだったからね。

というわけで、私は「万博」というものにほとんど興味のない人間なのである。今どきはほかでいくらでもいろいろな体験ができるし、大抵の情報はインターネットでゆっくり仕入れられるのだから、混雑する会場なんかに足を運んで疲れて帰る意味なんてさらに薄れている。

それでもまあ、「行きたい」って人が 3分の 1 ほどはいるみたいなので、「どうぞお好きに」と言うばかりだ。ただ、その程度のイベントにかける費用としては、莫大すぎる気がしてしまうなあ。

会期が過ぎたら取り壊してしまうという木造大屋根「リング」とか、何とかいう名の公式キャラとかも、かなり違和感たっぷりだしね

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2024年1月30日

桐島聡を名乗った男の暮らしぶりに関する対照的な報道

桐島聡を名乗った男が昨日末期胃がんで 死亡したという。40年もの間どんな暮らし方をしていたんだろうと考えていたところ、彼の生前の暮らしぶりに関して対照的な 2つの報道が見つかった。見出しを見ただけで「いかにも産経新聞と東京新聞らしいことだなあ」と納得の溜息をついてしまったよ。

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産経新聞の記事の見出しは "桐島聡容疑者名乗る男「ガリガリ」「どこで寝てる?」 困窮、部屋は乱雑" というもので、こんな感じである。

「もうガリガリ。口からはよだれも出ていた」。会社員が声をかけても、男は「うー」とうなるばかりで、会話にはならなかった。

男が住んでいたという自宅は物置小屋のような建物で、6畳ほどの室内には弁当の空き箱や段ボールなどが乱雑に置かれ、散らかっていたという。

これは今年 1月初旬の話というから、体がかなり弱ってからのエピソードだろう。相当に悲惨なイメージである。

ところが東京新聞の方の記事はこれとは対照的だ。見出しからして "「桐島聡」名乗る男が死亡…真相明かすことなく 約40年暮らした藤沢市のバーで「うーやん」と親しまれていた" と、どこかあっけらかんとしており、「月 1回程度、音楽好きが集まるバーに顔を出していた」と伝えている。

バーのオーナーの男性(66)は「1960〜70年代のロックやブルースが好きで、店でライブをする時は『イェイ、イェイ』と体を揺らして盛り上げてくれた」と振り返る。

市内の別のバーでは「うーやん」と呼ばれており、週1〜2回来店しては赤ワインを好んで飲んでいた。20年ほど前には、夏に店が主催する70〜80人規模のバーベキューにも毎年のように参加していたが、最近は店にも来ていなかった。

気楽な独身オッサンといったイメージである。胃がんを患う前はそれなりに生活を楽しんでいたとも思われるのだ。

まあ、確かにそうでもなかったら 40年間もの潜伏生活は続けられないだろう。ちなみに「1960〜70年代のロックやブルースが好き」というのは私も同じで、つい「同世代感覚」を覚えてしまったよ。

で、この 2本の記事のどっちが本当の姿なのかと言えば、どっちも本当なのだろう。要するに「終わりよければすべてよし」とはいかなかったわけで、やはり「因果応報」の法則は裏切ることができなかったのだね。

 

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2024年1月29日

やればやるほど反発食らって逆効果というお話 2題

朝日新聞が ”ルーブル美術館「モナリザ」にスープかける 環境活動家 2人が実行か” という記事を伝えている。「健康で持続可能な食料への権利」を訴えることが目的」というのだが、この人たち、こんなことをしても得られる理解より反発の方がずっと大きいってことに気付いていないのが残念だ。

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欧米では環境活動家による「芸術テロ」が目立つ。Newsweek は一昨年 11月の「なぜ環境活動家は一見無関係の名画を標的にするのか? 彼らなりの論理とは」という記事で、彼らが芸術作品を狙うのは「名画というものが、極めて『資本主義的な存在』だから」として、次のように述べている。

ゆがんだ発想ではあるが、名画には何十億円ものお金をかけるのに、なぜ美しい自然に対してはお金をかけないのか、というのが活動家の論理と考えられる。

ただ、ここではっきりしておかなければならないのは、「資本主義的」であるのは名画などの芸術作品そのものではなく、それらを歪んだ形で珍重し、取引する人間心理である。ということは、攻撃対象にすべきなのは芸術作品ではなく人間の方だ。

「芸術テロ」は彼らの主張を世の中に受け入れさせる効果よりも、大きな反発をくらうという逆効果の方が明らかに大きい。さらに言えば作品の修復にはかなりの費用がかかるのだが、「うまくやれば、その金を環境対策に回すことだってできたのに」という考え方だって成立する。

つまり「やり方が下手くそすぎる」ってことだ。そんなことを考えていたところ、Twitter で「タマホーム」という住宅会社の下手くそな対応がバズってしまっているという話題が目に止まった(参照)。

タマホームの住宅展示場で不細工なネジクギが出ているのを写真に撮り、tweet した こしあん さんという人のところに、タマホームから「あの tweet を消せ」と電話があり、放っておいたところ家にまで押しかけて来てグチャグチャ言われたので、怖くなって削除したという話である。

というわけで、下の画像で示した tweet は一応削除されたのだが、インターネットの常で、既に画像コピーで一挙に広まっちゃってる。何しろ私までこうして使えてるほどなのだから、当人が消したところで収まりがつくはずがない。

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当人が一応 tweet を削除した経緯は、下のようなことらしい(この tweet 自体も削除されているのだが、やっぱりコピー拡散で残ってる)。

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タマホームとしては軽い気持ちで「なかった話」にしちゃえると思ったのだろうが、逆に一気に広まってしまったという顛末だ。「やればやるほど世間の反発食らって逆効果」ってのはよくあることなので、心しておきたいところだよね。

とくに「芸術テロ」は止めてくれ。私だって環境保護のアクティビティには細かいところで結構関わっているつもりだが、美しい自然環境と同じくらい芸術も好きなのだよ(決して資本主義的にではなく)。

【同年 2月 9日 追記】

この記事で触れたタマホームの件についてはかなりヒドい続報があるので、「例のタマホームの件、かなりムカついた」というタイトルで書かせていただいた。タマホームという会社のブラック度の高さには本当にムカつくので、血圧の高い方は一度深呼吸してからお読み頂きたい。

 

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2024年1月24日

10億円当たったと言われて 125万円払い込むって・・・

世の中には信じやすくて舞い上がりやすくて、しかも金払いのいい人がいて、妙な詐欺の被害に遭うのは大抵そんな人だ。能代市の 40代女性は「10億円当たった」というメッセージを受け取り、その金を受け取ろうとして、言われるまま 80回以上にわたり 125万円払い込んでしまった(参照)という。

この事件の発端は、スマホに「10億円が当たった」という URL 付きのメッセージが届いたことだという。こんな類いのアヤシ過ぎるメッセージは私にも時々届くが、当然にも即刻削除だ。

そんなスパム・メールに添付された URL なんてアブナ過ぎだから、決してクリックしちゃいけない。ところが今回のニュースになってしまった女性はすっかり信じてしまい、添付の URL をクリックしてアヤシいサイトにアクセスしたらしいのだ。そもそもこの時点で昨今の常識を知らなすぎだ。

こうして「10億円受け取るための手続き費用」として指示されるままに、コンビニから電子マネーを送金してしまったという。80回以上で 125万円というのは、1回平均約 15,000円ってことだろう。

そもそも「手続き費用として 15,000円送れ」ということからして変なのに、延々と 80回以上も繰り返して(3ヶ月ぐらいかかっただろう)ようやく「おかしい」と気付くのはいくらなんでも「遅すぎ」だ。この人、絵に描いたような「信じやすくて舞い上がりやすくて、しかも金払いのいい人」である。

問題は、この女性が 125万円ぐらいは「軽い気持ち」で払い込むことができたのか、あるいは「10億円もらうためなら」と、なけなしの金を使い果たしてしまったのかということである。さらに最悪なのは、すぐに返済できると思って借金までしたなんてケースだ。

ただ「10億円もらってすぐに返すから」なんて言って借金を申し込んだりしたら、確実に「気は確かか?」とたしなめられるだろうから、手持ちの金だったと考えるのが自然だろう。せめて「そんなの、手持ちのホンの一部よ」ってなことだったら、少しは救われるのだが。

それにしても、こんなような「信じやすくて舞い上がりやすくて、金払いのいい人」が現実に存在するからこそ、詐欺メールはなくならないんだろうなあ(・・・と呟き、遠くを見つめて溜息をつく)。

 

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