カテゴリー「ニュース」の629件の記事

2023年12月 1日

IOC に札幌を見限ってもらい、スッキリしたかも

時事通信が「札幌見限った IOC = 38年冬季まで候補地確保へ」というニュースを伝えている。日本オリンピック委員会(JOC)の対応が IOC をひどく失望させてしまったようで、冬季オリンピックの開催地としての札幌は 2038年まであり得ないってことになったようなのだ。

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こんなニュースが流されてしまったら、昔の日本だったら大問題になってしまっただろうが、今回の場合は多くの人がかえってスッキリしたんじゃないかと思う。「IOC よ、見限ってくれてありがとう!」ってなもんだ。

とにかく今どきの日本国民の多くは、札幌に限らず日本でオリンピックをやって欲しいなんて望んでいないのだ。それは大阪万博にしても同様であることは、今年 10月 8日付の「大阪万博を巡る冒険」という記事で書いている。国民は「金はもっと役に立つことに使ってくれ」と言いたいのだよね。

それは何も日本だけではなく、世界的な傾向でもある。BBC News Japan の「なぜオリンピック招致から撤退する都市が相次いでいるのか」という記事には、カナダ、カルガリーの市民が 2026年の冬季オリンピック開催を「ありがとう。でも結構です」と、きっぱり拒否した経緯が示されている。

こうなったら札幌としても「2038年以後も、もう結構ですから」との意思を示しておけば面倒が減るのにと思ってしまうが、JOC はその後に向けて招致活動を続ける方針なんだそうだ(参照)。彼らにとっては放り出したらメシの種がなくなってしまうから、「やぁめた」とは言えないんだろうけどね。

一方、大阪万博は「みっともない開催」に向けて突き進んでいる。「国際博覧会担当大臣」として、350億円もかけて木造の日よけ(「リング」なんて称してる)を作るという発言で炎上している(参照)自見英子さんも、気の毒な役回りにハマっちゃったものだ。

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実は彼女が筑波大学の学生だった頃、何かのイベント関連で直接話をしたことがあり、当時は「なかなかよくできたお嬢さん」という印象だったんだがね。親を継いだとはいえ、政治家なんかになるもんじゃない。

ちなみに下世話な話で恐縮だが、この人、学生時代からファッション・センスがもっさりしていたが、それは今も変わらないようなのだね。

 

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2023年11月18日

「チャーハン症候群」というのがあるらしい

集英社オンラインに ”【5日前のパスタを食べた20歳の学生が死亡】電子レンジの再加熱での殺菌効果も期待できない「チャーハン症候群」の恐怖” という記事があるので、「5日前のパスタなんか食べるヤツがいるのか?」と思って読んでみたら米国の話だった。いやはや、本当に「何でもあり」の国だね。

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「チャーハン症候群」は米国では ”fried rice syndrome” と呼ばれ、話題になったきっかけは iHeart の "20-Year-Old Dies Of 'Fried Rice Syndrome' After Eating Leftover Pasta"(放置されたパスタを食べた後に「チャーハン症候群」で 20歳が死亡: 9月 20日付)という記事らしい。

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ふむふむ、米国の元記事に添えられた写真はいかにも毒々しくて、確かに当たって死んでも不思議なさそうに見える。一方、日本語記事の写真は、記事内容にそぐわないほどおいしそうな出来たてとしか思えないよね。

この「チャーハン症候群」というのは「セレウス菌」という菌によって引き起こされるという。我が国でもこの菌による食中毒は報告されており、主にチャーハンやピラフ、焼きそば、スパゲッティなどの米飯・麺類の調理食品がアブナいようだ。

症状としては我が国では嘔吐が多く報告されているが、NIID 国立感染症研究所の「セレウス菌感染症とは」という文書では、いずれも軽症だったとされている。ただこの菌は耐熱性(90℃60 分の加熱に抵抗性)の芽胞を形成し、芽胞状態になると加熱やアルコール消毒でも殺菌しづらいという。

それだけに「タチの悪い菌」と言えるわけで、次のような注意が必要とされている。

  1. 一度に大量の米飯やめん類を調理し、作り置きしないこと。
  2. 穀類等が原料の食品は、調理後保温庫で保温するか、小分けして速やかに低温保存(8℃以下)すること。

最近は暖房によって室温が高くなる傾向があるので、冬だからと言って安心はできないということだ。まあ、5日前のパスタを食べるなんて常識を遙かに超えた食い方をするんでもない限り死んだりはしないだろうが、注意に越したことはない。

 

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2023年11月16日

「大麻グミ」のセールス・プロモーション、失敗?

「大麻グミ」という言葉がネット・ニュース上を踊りまくっている。今月 3日、これを食った 20代の男女 4人が体調不良で病院に運ばれ、翌 4日には小金井市の「武蔵野はらっぱ祭り」で 40代の男性が配っていたグミを男女 5人が 食べたところ、体調不良を訴え搬送されたという(参照)。

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そもそも「大麻グミ」ってどんなものなのか、ググってみたところこんなようなものが見つかった。決してオススメできないのでリンクは敢えて切っておく。

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「武蔵野はらっぱ祭り」での件に関しては TBS の別のニュースによれば、「グミを配った男性は警視庁に対し『食べると元気になると思い、他の人にも食べてほしいと思った』と話している」のだそうだ(参照)。しかしよくまあ、そんなアヤシいものを配られてホイホイ食べる気になれるなあ。

「大麻グミ」のキーワードでググればほかにも類似品がいろいろ見つかるが、総じて 10粒で 5,000円〜9,000円と、やたら高い値段が付いている。つまり、フツーのオッサンが「他の人にも食べてほしい」なんて軽い気持ちで配りまくれるようなものじゃない。

こうした類いのグミは、”HHCH” (ヘキサヒドロカンナビヘキソール)という成分を含むというのが謳い文句になっている。これは大麻に含まれる幻覚成分 ”THC”(テトラヒドロカンナビノール)に似せて作られた合成化合物なのだという。

THC の方は有害物質として法律で規制されているが HHCH の方は規制対象外なので、これを含む食品の販売は、一応今のところは違法じゃない。これが重要なポイントだ。

今回のケースは想像するに、これらの「大麻グミ」製造の関係者が、祭りの場を借りて妙なセールス・プロモーションを試みたんじゃなかろうか。「いずれ規制対象になって販売できなくなるだろうから、その前に駆け込みで売れるだけ売っとこう」という魂胆だろう。

口コミで広まって販売が増えれば、儲けものということだったのだろうが、案に相違して食った人間の腹具合がおかしくなってしまい、ハッピーになる前に病院に搬送されるなんていう結果になってしまった。

このセールス・プロモーション、どうやら失敗に終わったようだ。しかし逆に、「怖いもの見たさ」で買っちゃうヤツも出てくるかな?

 

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2023年10月17日

「ど根性スイカ」とやらを珍重したがる都会人の意識

御堂筋の中央分離帯で育った「ど根性スイカ」は、おそらく今シーズンの日本で最も注目されたスイカだろう。これ、大阪市によってプランターに移し替えられて市の施設に保管された後、「市民に公開することも検討」されているんだそうだ。何とまあご丁寧なことだ。

YouTube の動画で見れば何のことはない、単なる小玉のスイカである。こんなものは珍しくもなんともないが、御堂筋の中央分離帯という場所で育ったということが、とても大きな「差別化ポイント」なのだろう。

しかしそれを持ち帰り、御堂筋の中央分離帯でないところで市民に公開した時点で、それは「単なる小玉のスイカ」に戻ってしまい、面白くもなんともなくなってしまう。それに加えて、放っておけば腐ってしまうから扱いにも困るだろう。

どうしてこんなところでスイカが育ってしまったのか、そのいきさつは「不明」ということだが、フツーに考えれば郊外の畑でスイカの実を突ついたカラスが御堂筋まで飛んで来て、ポトリと落とした糞の中に種があったのだろう。スイカ畑から御堂筋までは結構な距離だろうが、そう考えるのが自然だ。

いや、もっと下世話な推理をすれば、クルマの中でスイカを食いながら、窓の外にププっと吐き散らした種の一つが根付いて育ったのかもしれない。もしかしたら「あの時、俺がププっとやった種がこんなことになったのか!」なんて、心密かに思ってる人がいるかもしれない。

というわけで、こんな全国ニュースになるまでに注目されてしまったスイカだが、いずれにしてもあっという間に忘れ去られてしまうだろう。だったら「市民に公開」なんて余計なことを考えずに、さっさと食えばいいのに。

あるいはここまで来てしまうと、市の職員が食ってしまったら公道で生産された農作物の「窃盗罪」みたいな法的問題が発生してしまうんだろうか? 「減俸 3ヶ月の処分」なんてことになったりしたら、お笑いである。

 

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2023年10月 8日

「大阪万博」を巡る冒険

菅前首相が東京MXテレビの討論番組「田村淳の訊きたい放題」とやらに出演し、2025年大阪・関西万博は「国を挙げて取り組むべき」とし、膨らむ建設費に関しては「誠実に説明を」と発言したのだそうだ(参照)。どうみても上滑りな話である。

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そもそもこの大阪万博開催の決定したのは 2018年の話で、当時の菅氏は第四次安倍内閣の官房長官だった。そりゃ、「大阪万博は国民の関心も薄いし、まあテキトーに・・・」とは言えないよね。

ちなみに、開催決定時の日本経済新聞の記事の見出しは「2025年 大阪万博が決定、55年ぶり」というものだった。「55年ぶり」の意味は、記事では「大阪では 1970年以来 55年ぶりの開催」ということになっている。

ここで確認しておくが、これは 2005年に開かれた「愛知万博」からだと 20年ぶりで、さらにこの前には 「沖縄海洋博」(1975〜76年)、「つくば万博」(1985年)「花と緑の万博」(1990年)なんてのもあった。で、1990年の「花と緑の万博」の開催地は、ほかでもない大阪だった。

このイベントは Wikipedia によれば「博覧会国際事務局(BIE)認定の国際博覧会」だったのであり(参照)、さらに Wikipedia の BIE の項目によれば「博覧会国際事務局によって承認された博覧会のみが、国際法上「国際博覧会(万博)」を名乗ることができる」とある(参照)。

ということは、「大阪では 1970年以来 55年ぶり」というのは、立派な(?)「誤報」である。要するに関係者やマスコミでさえ 1990年の万博なんていわゆる「特別博」とはいえ、意識から消えてしまっていたようなのだ。この分だと 2年後の万博だって、何年も経たないうちに忘れられるだろう。

その程度のイベントの会場建設費の問題に関して、記事は次のように伝える。

会場建設費は 18年の誘致決定時は 1250億円だったが 20年に 1850億円へ増額された。政府関係者によると、資材価格や人件費の高騰などで再度の増額は避けられず、最大で総額 2350億円にまで膨らむ可能性があるという。

インフレというわけでもないのに 7年で 2倍近くにまで膨らんでしまうというのは、民間企業主催のイベントでは考えられない。そして記事は次のように続く。

タレントで司会の田村氏に「増額についての説明は尽くされているのか」と問われ、「ようやく動きだしたところ。誠実に取り組んでほしい」などと回答。

これ、ちっとも「回答」になってないよね。菅氏の口から出る言葉なんていつもこんなようなもので、受け取る方が勝手に「ソンタク」するだけである。ただ今回の場合、「ようやく動きだしたところ」なんて言うのはいくら何でも寝ぼけ過ぎだし、そんな話に誰が「誠実」に取り組むというのだ。

個人的には「つくば万博」は近所だったので、子供たちの遊園地代わり(実際、その程度の印象だった)に連れて行った覚えがあるが、他はまったく行っていない。今度のも、行こうなんて発想すらない。

 

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2023年10月 7日

クマの「駆除」への抗議電話ということ

秋田県美郷町が、人里に現れて作業小屋に閉じこもっていたクマ 3頭を「駆除」(要するに「殺処分」)したことで、県や町に抗議が殺到しているという。AERA も ”「責任者の名前を言え!」 クマ 3頭駆除に秋田県や町に抗議殺到 長時間電話で職員に疲れ” と報じている。

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7月に北海道で牛 60頭以上を襲ったヒグマ「OSO18」の駆除の時も、役場には抗議が殺到したらしい。正直に言えば私もこうしたニュースを聞けば、少しは心が痛む。いくら「危険な動物」であったとしても、「命の尊さ」にはかわりがないからだ。

しかしながら、これはとんでもなく難しい問題である。「かわいそう」などの感情論や、一面的な見方の「命の尊さ」という論理での抗議は、反対方向からの感情論や論理(襲われる人間の方がかわいそうとか、クマが人や家畜の命を奪うこともあるなど)とぶつかるだけになってしまう。

視野を広げれば、アフリカのサバンナでは太古の昔から今に至るまでライオンがシマウマを襲って食っている。シマウマは草を食って生き延びるが、ライオンは他の動物を殺してその肉を食わなければ生き延びられないのだから、ライオンに「お前も草を食え!」と言っても始まらない。

「それとこれとは別問題」などと言わないでもらいたい。繰り返すが、「命の尊さ」にはかわりがないのだ。

今回のような問題では「殺してしまわずに、山奥に放せばいいではないか」という人もいるが、一度人里に降りて楽に食料を得ることを知ってしまったクマは、再び降りてくることが多いとも言われる。その度に同じ繰り返しになってはたまらない。

地元の人たちにしてみれば、「駆除」のおかげで少しは安心して暮らせるようになったのである。そのことを思えば、役場の業務が進まなくなるほどやたらな抗議電話をするのは考えものだ。感情的過ぎる電話となれば、なおさらである。

AERA の記事には、次のようなくだりがある。

「責任者の名前を言え!」などと乱暴な言葉で対応を迫る人も。対応した職員の言葉が気に入らなかったようで、「バカにしているのか!」などと怒りはじめ、クマとは無関係な職員の言葉遣いへの苦情に転じて電話を続ける人。電話先で泣き続ける人……。

はっきり言わせてもらえば、「よほど暇な人たち」である。強いて言えば、動物の命を奪ったことにそれほどヒステリッに抗議するなら、自分も牛や豚の肉を食うのをやめなければならない。

またまた繰り返すが、「それとこれとは別問題」とは言わないでもらいたい。家畜である牛や豚を殺して食うのはいいが野生動物であるクマを殺すのはダメというのは、「殺して食うための命と、殺してはならない命」を分けているということで、ずいぶんゴーマンな論理である。

ちなみに私は肉を食うのをやめて数年になるが、今回のようなことに関する抗議電話で役所の仕事の邪魔なんかしないよ。

 

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2023年9月21日

「ゼッテリア」の名称には、素直に笑わせてもらった

ロッテ HD がロッテリアを手放したいうニュースは知っていたが、昨日付の "ゼンショー HD に売却されたロッテリア、新ブランド「ゼッテリア」1号店オープン" という記事は、久方ぶりの「見出しだけで笑えるニュース」だった。

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最初の「ゼ」の文字については、当事者的には「ゼンショーの『ゼ』ではなく、看板商品『絶品バーガー」の頭文字」と言ってるらしいのだが、どうにもこうにも「後付けのこじつけ」っぽいよね。ぜってぇ(絶対)にそうじゃないというなら、いっそ「ゼッピ二ア(ZEPPINNIA)」にすればよかったのに。

ゼンショーの展開する外食チェーンというのは「すき家」にしても「はま寿司」にしても、決して「その分野の代名詞」的な店というわけではないのだが、「気付いてみれば結構あちこちで増えている」みたいな印象である。ということは、この「ゼッテリア」にしてもそんな感じになるのかもしれない。

いや、既に「ロッテリア」はそこら中にあるから、そうなるのに長くはかからないだろう。

同社の広報は「既存店舗の名称を変更するかは未定」としているようだが、どう考えても新店舗を作るよりは既存店の名称変更で行く方が楽なのだから、そのうちにあちこちの「ロッテリア」が「ゼッテリア」に変わるのだろう。二枚看板のままより統一する方が、マーケティングも楽だし。

「ゼッテリア」のメニューに関しては、グルメ Watch の「ゼッテリア田町芝浦店、メニュー全貌を紹介!」という記事に詳しい。看板メニューは「店舗の名称にした」というぐらいだから、「絶品バーガー」というものらしい。

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これって、肉食を止めた私にとっては「別にどーでもいい」という類いのニュースではある。ただ、こうした店ばかりが増えて、肉を食わない者が安心して入れる店が減ってしまう現状では、どうしてもちょっと気になってしまうのだ。

ちなみにゼンショー系の「すき家」には牛丼以外に「うな丼」(ただし季節限定)とか「海鮮丼(まぐろが主体)」などのメニューもあるようなのだが、10年前に「当面、ウナギとマグロは食わないことにする」という記事を書いている身としては、この店では「鮭定食」以外には食うものがないなあ。

というわけで実際に入ったことは一度もないが、出張先などでよっぽど食うものに困った時の「緊急用」として候補に挙げてあるので、ゼンショーさん、よろしく。

 

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2023年9月14日

ハロウィーンの馬鹿騒ぎが「カッコ悪過ぎ!」になる日

昨日、妻に付き合ってショッピングモールに行ったところ、多くの店で「ハロウィーン」向けのセールをしており、とくに 100均の力の入れ方がハンパなかった。1ヶ月以上も先のイベントでこんなことになるというのは、ハロウィーンが日本の定番イベントになったということなんだろう。

そんなわけで「今年も渋谷で馬鹿騒ぎが繰り返されるのか」なんて思っていたところ、当の渋谷区長が「ハロウィーンで渋谷に来ないで」と呼びかけていると知った。上の YouTube 動画は、TBS ニュースで取り上げられたものである。

そういえば私はもう 5年前になる 2018年 10月 29日付で、「ハロウィーンのバカ騒ぎと 1970年頃までのクリスマス」という記事を書いている。昨今のハロウィーンの騒ぎが、半世紀前のクリスマスの浮かれ具合と共通しているとしたものだ。

戦後まもなく、西洋の風習である「クリスマス」というのが日本にも本格的に入ってきたわけだが、当初はそのちゃんとした意義がほとんど理解されていなかった。日本の大人たちにとってのクリスマスとは、子どもへのプレゼントさえ準備してしまえば、あとは享楽的に楽しむべきイベントだったのである。

それでオッサンたちはクリスマス・イブには会社帰りにキャバレーなんかにどっと繰り出し、一晩中ホステスとチークダンスしたり変な紙帽子をかぶって飲んだくれたりしていたのだった。当時の日本人にとっての西洋文化って、「派手な享楽」を意味していたようなところがある。

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上の写真は withnews というサイトに紹介された、1955年 12月 24日に撮影されたものである(参照)。今の目からみるとかなりダサダサの光景だが、元記事には「昨今のハロウィンの渋谷が、脳裏をよぎりました…」とある。なるほど、今はオッサンが若者に変わっただけかも。

この写真の年、私は 3歳だったが、その後も物心つくまでずっと、オッサンの世界のクリスマスってこんな感じだったようだ。当時家にはテレビがなかったが、冬休みに映画館で見るニュース映像(当時の映画館はニュース・メディアでもあった)に、こんなような浮かれ騒ぎが映し出されていたものだ。

クリスマス・イブって「聖なる夜であって、享楽的なものじゃない」とようやく少しずつ認識され始めたのは、最初の東京オリンピックが開かれた 1964年頃だったと思う。この頃、日本経済は戦後復興からの反動で不況に入りかけ、それが正気を取り戻すきっかけになったようだ。

それから 1970年頃までかかってようやく、日本の社会ではクリスマスの「馬鹿騒ぎ」が下火になった。クリスマス本来の趣旨が日本中に行き渡るまで 15年以上もかかったわけだ。同様に考えれば、ハロウィーンの馬鹿騒ぎが沈静化するにも 15年以上かかるかもしれない。

ハロウィーンが日本で盛んになったのは 2010年ぐらいからだったという印象がある(参照)。ということは、沈静化するのは 2025〜26年よりも後と思っていいんじゃなかろうか。あと 3〜4年で馬鹿騒ぎが廃れ、子供たちが近所でお菓子をもらう日ということに落ちついてくれればありがたい。

あるいは、今は情報化社会だから昔よりずっと早く理解されるはずだと言う向きもあるだろう。しかし「ハロウィーン」というのはある意味とりとめがなくて、「イエス・キリストの誕生日」という明確な意義のあるクリスマスよりずっと理解しにくいイベントだから、このくらいかかっても不思議じゃない。

で、今回の渋谷区長の発言が「ハロウィーンの馬鹿騒ぎ、カッコ悪過ぎ!」という風潮に突入する契機になってくれればいいと私は期待するのだが、はたしてそううまく運ぶかどうか。3〜4年後の秋になってもこの記事を書いたことを忘れていなかったら、ちゃんと検証してみたいと思う。

 

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2023年9月13日

「ハバネロ」より辛いトウガラシはオススメしない

2年ほど前に「ハバネロより辛いトウガラシがあるとは!」という記事で、世界一辛い「キャロライナ・リーパー」というものについてちょっとだけ触れた。私はフツーのトウガラシの何十倍も辛い「ハバネロ」を主原料とした「舞妓はんひぃ〜ひぃ〜」を愛用しているのだが、さらにその 5倍以上辛いらしい。

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このキャロライナ・リーパーを使った激辛スナックを食べた 14歳の少年が数時間後に死亡したという、かなりアブナいニュース(参照)がネット上で注目を集めている。米国マサチューセッツ州での話だ。

ちょっと余談だが、このトウガラシの名称は先にカタカナで知ってしまったので、元の英語は ”Carolina leaper" (キャロライナのぶっ飛び屋)なんだろうと思っていたのだが、実際は "Carolina reaper" なんだそうだ。日本語では ”L” と ”R” の区別が付けられないのでこの辺りが厄介だ。

”Reaper” は直訳すれば文字通り「刈取り機/刈取り人」だが、「死神」という意味もある。手に持った大きな鎌で人間の命まで刈り取ってしまうというとココロなんだろうが、何とそれが現実になってしまったわけだ。

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私は一昨年、世界で 3番目に辛いトウガラシの「ブート・ジョロキア」というのを購入してかなり満足していたのだが、結局は「舞妓はんひぃ〜ひぃ〜」に回帰している。というのは、ジョロキアは確かに少量でしっかりと辛いのだが、手元が狂ってドバッとかけてしまうと、さすがに辛すぎるのだよね(参照)。

そこへ行くと、「舞妓はんひぃ〜ひぃ〜」なら多少多く振りかけてしまっても充分に(私個人の)許容範囲内だから問題なく食えて(私個人には)リスクが小さい。そんなわけで「キャロライナ・リーパー」はもちろん、世界で 2番目に辛いという「トリニダード・モルガ・スコーピオン」の購入も控えている。

「舞妓はんひぃ〜ひぃ〜」の原料である「ハバネロ」は現在のところ世界で 4番目に辛いという位置付けなのだが、4番目で充分だ。それ以上辛いのは、他人にもオススメしない。

ただ、広い世界を見渡せば上には上の「命知らず」がいるもので、キャロライナ・リーパーの生みの親 Smokin’ Ed が主催したチャレンジ・コンテストで、ニューヨークに住むフードファイターが、60秒で 22個のキャロライナ・リーパーを完食したのだそうだ(参照)。

この動画を見てもよい子は決して真似しないようにね。

 

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2023年9月11日

ヨガの瞑想を「集団殺人」と思い込んでしまい・・・

AFP BB News の "「集団殺害」の通報…実はヨガ教室 英" というニュースに笑わせてもらった。何人もの人が床に脱力状態で横たわりじっと動かないという場面を見たら、西洋人は直感的に「死んでる」と思ってしまいがちなのだろうね。

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元ネタは AFP(フランス通信社)の記事のようだが、私はフランス語は全然ダメだし、そもそも英国の話なので英語の記事を検索したところ、あちらでは結構な話題のようで多くの記事が見つかった。ここではとりあえず The Gardian の記事に沿うことにする。

要するに、集団で横たわって瞑想しているヨガのクラスをガラス越しに見た公共メンバーの一人がてっきり「集団殺人」事件と勘違いして通報したため、警察が駆けつけたという話である。警察は、この通報を ”good intentions" (善意)によるものだとしていて、まあ、善意じゃ仕方ないよね。

動的なエクササイズは見慣れていても、静的な瞑想なんてことに馴染んでいない西洋人には、複数の人間が横たわったままじっと動かないという光景が、非日常的どころかとてつもなく異常な印象を与えてしまったのだろう。文明の違いというのは、結構な勘違いにつながる。

ちなみに冒頭で紹介した AFP BB News の記事は、このヨガ・クラスの会場を「シーサイドカフェ(The Seaside Cafe)」と伝えているが、これは誤りで、正しくは「シースケイプカフェ(Seascape Cafe)」。

この Seascape Cafe は事件の翌日、Facebook に「夕べけたたましいサイレンを聞いた方は、どうぞご安心ください」と写真付きで投稿し、ことの顛末をユーモア交じりに説明している(参照:初めに表示される日本語は下手すぎる自動翻訳なので、オリジナルのデキストを表示させるのがオススメ)。

ちなみに、文中の "We are not part of any mad cult or crazy clubs" (我々は狂ったカルトやクレイジーなクラブの構成員ではありません)というのが泣かせてくれる。英国でもカルトは問題なのだね。

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このカフェは ”Seascape Cafe” の名の通り美しい北海に面する天文台の建物内にあるということで、とてもいいメディテーションができそうな環境だ。結果的にこの「事件」は、むしろ効果的な宣伝になったかもしれない。

最後にちょっとだけおちょくっておくが、AFP が「シーサイドカフェ(The Seaside Cafe)」と伝えてしまったのは、狂信的な集団自殺をも思わせる勘違いが発端だけに "Suicide cafe" (自殺カフェ)という連想に引きずられたのかもしれないね。気持ちはわかるし、私もやっちまいそうだ。

 

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