1979年の「省エネファッション」というもの
共同通信の「あのころ」という写真ページで、"「省エネ」ファッション展 46年前の 6月 2日" という記事がちょっとした話題になっている。新宿の百貨店(私の記憶では伊勢丹だったはず)で開かれた「省エネルック」というファッション展のものだ。さすが半世紀近く前の雰囲気に満ち満ちている。
記事には「半袖の紳士用スーツ約 90種など、夏の冷房温度の引き上げに対応する商品がそろったが、特設コーナーでの売れ行きはいまひとつ」だったとある。音頭を取った江崎通産相(前列右端)が従来の暑苦しそうなスーツ姿だったというのも、当時は面白半分に批判されていたと記憶している。
「言い出した張本人が着ないでどうする」ということだったのだが、半袖ワイシャツの上に半袖ジャケット着てネクタイ締めるなんて、いくら変わったファッションが流行った 70年代とはいえ「滑稽」の二文字を身にまとっているようなものだった。
もっともその両隣のおっさんはちゃんとその「滑稽な」ベージュっぽい半袖スーツを着ている。フツーに街で着ている人なんて一度も見たことがないが、この時ばかりは「浮世の義理」というものだったのだろう。政治家とか役人の考えることなんてこの程度のものというのは、今も昔も変わらない。
ステージ上のモデルが着てるのも、いかにも新宿っぽいというか歌舞伎町っぽいというか、こんなの着て会社に行ったら浮きまくるみたいなやつだ。というわけで今世紀に入ってからは、こんなお役人発想の「省エネファッション」なんかよりポロシャツなどが「クールビズ」として市民権を得てる。
もう 10年前になる 2015年 6月の記事(参照)でも書いているのだが、真夏でもスーツとネクタイで汗だくになっているのは営業マンぐらいのもので、「そんな格好を見るとこっちまで暑苦しくてたまらなくなってしまうから、上着だけでも脱いでおくれ」と声を掛けたくなってしまう。
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