「男の育休」と「頭で考える」ということについて
まいどなニュースに 【「お前の仕事は誰がするんだ?」育休取得を渋る上司を覆した元国家公務員男性の “ひと言” が話題 「至極当たり前な返しで素晴らしい」】という記事がある。なかなか興味深い話題だ。
この元国家公務員男性の「ひと言」というのが何だったのか、答えは当人の tweet にある。「お前の仕事は誰がするんだ?」と言った上司に対し、「それを考えるのが上司の仕事です」と答えたというのである。当然至極の話だが、今の日本では大拍手ものなんだろうね。
というわけで、この至極当然の返しをした男性は今、専業子育て主夫をしているようなのだが、「まったく後悔してません」と言い切っておられる。立派なことである。
彼が職場を辞めたことについては、「休業取得後の職場復帰は全く経験したことのない業務の別の部署」だったこともあるようだが、直接的な理由として、自身で次のようなことを挙げている。
- 当時我が家は共働きで、妻も公務員で育児休業中でした。まず前提として私の頭の中にあるのは『子供たちの将来ほど投資するのに楽しみなものはない』ということです。
- そんな中、私が育児休業を終えて仕事に復帰してからしばらくして、ふと思ったのは『今後妻が職場復帰し共働きとなったときに、私たち夫婦の考える理想とする育児ができるのか?』でした。
- こういった考えのもと、私の方が妻より早く定年を迎えることやそれぞれの勤務環境について熟考し、夫婦共働きを解消し私が専業となることを決心いたしました。
なるほど、理解できる論理である。これが理解できないという人は、きっと頭で考えない人だ。頭で考えるとつい論理的な展開になってしまいそうだから、恐れをなして考えることを拒否する。
そして考えないから、表向きには旧来の因習を支持するが、本音としては不平たらたらで酒を呑んでごまかすということになる。このタイプの人は世の中にとても多い。
これからは「産後パパ育休」という制度を本音でしっかりと活用しなければならないだろう。そうでないと少子化が進むばかりで、社会的損失につながる。頭で考えれば、このくらいのことは容易にわかる。
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