写真で「水平を取る」ということ
下の写真は私のもう一つのブログ『和歌ログ』の今年 10月 24日付(参照)だ。添えられた写真は自分の iPhone で撮った何の変哲もない田園風景だが、実はこの手の写真を撮る場合は「水平を取る」ことに結構苦労したりしている。
つくばの地から西の方角には、日本ではまったく珍しいことに、真っ直ぐ伸びた地平線らしきものが望まれる。それだけに、この構図の写真では、かなり緊張して水平を取っているのだ。まあ、別に地平線の入る構図でなくても、水平を取ることは写真では「基本のキ」なのだが。
「UNIVERSITY OF CAMERA 写真の大学」というサイトにも、「【写真を水平に撮るコツ】水平が大切な理由を解説!|風景写真」というページがある。このページでも「斜めの写真は何か違和感があって嫌ですよね」として、下のような例を載せている。
左下の「傾きあり」の写真は、斜めに生えた木につられてしまった気配も窺わせるわけだが、やっぱり水平線が斜めだと不自然で気持ち悪い。右上の「傾きなし」の写真の方により安心感があるのは、自然の道理である。
ところがこう言っちゃナンだが、「水平」ということにまったく無頓着な素人写真というのが多い。そうしたタイプの人の撮った子どもの運動会の写真なんて、「これじゃ転ぶよね」というほど極端なナナメ写真のオンパレードだ。
あるいは、ナナメにすることで迫力が出るなんて思ってるのかもしれないが、そんなような写真ばかり見せられると、正直なところこちらの頭がクラクラしてしまうのだよね。こうしたタイプの写真を撮る人って、頭の中に「水平」というコンセプトがないから平気なんだろうね。
私はプロのカメラマンと組んで仕事をすることが多いのだが、彼らはいとも簡単そうにしっかりと水平の取れた写真を撮る。そんなのは彼らにとってごく当然のことでしかないのだろうが、私からすると「さすが、プロ!」と言いたくなる技だ。
私も一番上に載せたような写真がひょいひょいっと撮れるようになりたいものだが、実際にはちょっと時間をかけて何枚か撮り、そのうちで水平のマシなものを選ぶという段階から抜け出せないでいる。
最近のコメント