カテゴリー「経済・政治・国際」の749件の記事

2022年10月 2日

菅さんの弔辞の「使い回しネタ」がバレてコケた件

 安倍元首相の国葬にはほとんど興味がなかったから、菅義偉氏の弔辞なんてニュースで 4〜5秒チラッと聞いただけだった。「感動した」とか「菅を見直した」とかいう声が上がっていたようだが、私としてはフツーに「そんなの、スピーチライターが書いたに決まってるじゃん」と思っていた。

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仮にも「国葬」と銘打ってるんだから、あの原爆記念日のスピーチ原稿を途中で読み飛ばして気付きもしなかった(参照)人物に、弔辞を「すべてお任せ」できるわけないじゃないか。今回はもらった原稿でよほどしっかり事前練習してきたのだろう。原爆記念日の方は軽く考えて、練習してなかったみたいだが。

いずれにしても、こうした席での話にスピーチライターの介在しないはずがないのである。そんなのは世の常識だ。かくいう私も昔、いろいろな業界行事での「理事長挨拶」の原稿を書いていたしね。

と、昨日までは単にそう思っていただけなのだが、LITERA の ”菅義偉が国葬弔辞で美談に仕立てた「山縣有朋の歌」は使い回しだった! 当の安倍晋三が JR東海・葛西敬之会長の追悼で使ったネタを” という記事を読んで、思いっきりコケてしまった。つい感動してしまってた人たちは、なおさらだろう。

弔辞に出てきた「山県有朋の歌」の話が、当の安倍晋三が故葛西敬之 JR東海名誉会長の葬儀の翌々日(今年 6月 17日)に Facebook で触れていたことの「使い回し」だと判明したというのである。そのエビデンスも、あっさりと確認できてしまった(参照) 。

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これ、書いた当人が既にこの世にいないのだから、少なくとも当面は削除されようがない。

もしあっさり削除されるようだったら、代わって書いていた誰かが慌てて削除したと思うほかないだろう。いずれにしても、彼の Facebook には自身の映った写真やビデオがこれでもかというほど臆面もなく多用されていることもあり、ゴーストライターがいたとみる方が自然な感じがする。

ちなみに、テレビ朝日のニュースショーで、弔辞に「電通が入っている」と発言して後に謝罪撤回した玉川徹氏に、あの三浦瑠麗氏が噛みついて、「安倍チームには(中略)極めて有能なスピーチライターたちがいたことを知っていれば・・・」と tweet している(参照)。

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彼女の発言についてはほとほとうんざり気味だから、もう触れないつもりでいたのだが、今回はとくに当事者に極めて近い筋からの(半ば墓穴気味の)有力証言として、敢えて取り上げてみた。

要するに彼女は、今回の弔辞はわざわざ電通なんかに頼るまでもなく、いつものお抱えスピーチライターたちに任せたんだってことを言いたいのだね。なるほど、納得できる。だからこそ、手持ちネタがカブっちゃったってわけだものね。

それにしても菅さん、「盟友」の Facebook を全然読んでいないのがバレバレだね。そもそも彼自身の Facebook なんて、スタッフ任せの「業務連絡」ばっかりだし(参照)。

 

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2022年9月27日

安倍国葬で「世論二分」という取り上げ方への違和感

7月 20日付の "国葬当日は、SNS などで「非国民宣言」をしよう" という記事を書いていたのだが、私は今日はいろいろな用事に追われ、改めて高らかに「非国民宣言」をするまでもなく、葬儀とは無縁の忙しい一日を過ごしていた。一段落付いてふと気がつけば、もう夜の 8時じゃないか。

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そう言えば、仕事の途中、クルマで移動しながらカーラジオを聞くと、どの番組も何だかんだ言いながら「国葬」の話で持ちきりで、まったくつまらなかった。上の画像は日テレ NEWS からのコピーだが、タイトルは "国葬「反対論」拡大で世論を二分 国民の納得得られず・・・背景は?" というものだ。

まさに今回の国葬のハイライトは、この「世論を二分」ということだったのだろう。国葬賛成派の中には一般献花の列に 4時間も並ぶ者もいた(参照)という反面、国葬会場周辺では反対派が盛んに気勢を上げていたのだから(参照)。

で、私はと言えばそれらの動きとはまったく関係なく、ひたすら静かに「一日非国民」でいたわけである。

まあ、「非国民宣言」していたほどだから、国葬には全然賛成していないのだが、だからと言って「国葬反対」を声高に叫びながらデモをする気にもなれなかった。個人的には、あんなふうなデモをするのはスマートなやり方じゃないと思う。反対なんか叫ぶより、無視する方がずっとマシだ。

国葬に賛成するも反対するも、その根拠は元首相の右派的政治姿勢に賛成か反対かということに帰するところが大きいようなのである。しかし私は、その点には違和感を覚えるばかりなのだよ。

というのは、私は過去に元首相に関する否定的な記事を何本も書いていて、検索すればいくらでも読めるのだが、そのほとんどは彼の政策批判なんかじゃない。むしろ彼の首相としての「知性の欠如」に呆れるという風情の記事が多いのだ。例えば、これとか、これとか・・・。

そんなわけで、正面切って「国葬反対」なんて叫ぶことさえ気恥ずかしいというのが本音なのだよね。悪しからず。

 

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2022年9月26日

国民のおよそ半分は、バカか売国奴で、極左暴力集団?

有本香という人の tweet(参照)に、「すんげぇ 屁理屈!」と感動してしまった。『奥様は魔女」なんていう昔の米国ドラマを持ち出してまでのぶっ飛んだ見当外れは、後世に至るまで屁理屈のお手本にしたいぐらいの出来である。

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ただ、この手のやり口は「炎上商法」との推測もあるので、問題の記事の掲載誌である「月刊 HANADA」という雑誌に関しては、当然ながら買わずに済ませたい。華々しい広告を眺めると、なるほど、左下に「 国葬反対派は極左暴力集団」というタイトルがデカデカと載っている。

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彼女の記事の右側には「日本を蝕むアベガーというカルト」という別記事のタイトルがあり、さらにその右には 「アベガーに鉄槌!」という大昔の学生運動みたいな横断幕的表示がある。この横断幕の右上の問答記事は「国葬反対派はバカか売国奴」なんて素晴らしいタイトルで、つい見とれてしまうほどだ。

ちなみに「アベガー」というのは初めて目にする言葉だったので Wikipedia で調べると、次のように説明されている(参照)。

アベガーとは、安倍政権やその首班であった安倍晋三に対し、主に Twitter などの SNS 上で過激に批判する勢力及び個人を意味するインターネットスラングである。アベノセイダーズともいう。

こんな具合だから、主に右派の間で好んで使われるスラングなのだと思われる。道理でこれまで知らなかったわけだ。てことは、この雑誌の記事も、お仲間同士で「そうだ、そうだ、その通り!」と盛り上がるためのものなのだろうね。

ただ現実を見れば、国葬反対派は国のおよそ半分はいるのだから、この雑誌ってば「国民の半分はバカか売国奴で、しかも極左暴力集団」と決めつけているわけだ。私としては「自分は真ん中よりやや右」ぐらいに思っているのだが、もっと遙かな右から見たら「極左」になっちゃうのだね。

というわけで、別に「キーキー」言ったりはしないけど、ちょっとだけ「変ね。笑」ぐらいの感覚で呟いておきたくなってしまったので、悪しからず。

【同日 追記】

広告によれば、ドナルド・トランプは口ばっかり「最愛の晋三」なんて言ってる(らしい)けど、国葬には来ないのだね。まあ、来られても迷惑だから、いいけど。

そういえば、トランプが来日した 2019年 5月の 【"Flatter" 「媚びへつらう」という言葉の意味】という記事で触れてることだが、ワシントンポスト紙がこの訪日について次のように書いている。それで「親愛なる・・・」になったのかも。

Perhaps no world leader has been as assiduous in flattering President Trump’s ego as Shinzo Abe.

拙訳:わがままなトランプ大統領にせっせと媚びへつらうのに、安倍晋三ほど綿密に行き届いた世界首脳はおそらく誰もいない。

 

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2022年9月25日

元首相の国葬が、元女王の国葬より金がかかる件

BBC NEWS ジャパン に ”「なぜ安倍元首相の国葬費用はエリザベス女王より高い?」、日本で話題に” という記事がある。ただ実際には「日本で話題に」というほどじゃなく、私も ”Abe funeral: Japan asks why state event is costing more than the Queen's” という元記事で初めて知った。

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元記事のタイトルは、直訳すれば「安倍の葬儀: 国葬がなぜ女王のものより高く付くのか日本は問う」ぐらいのもので、決して「日本で話題に」とは言っていないから、日本版記事の見出しはほんのちょっと「盛った」感がある。ただ、せっかく盛ってくれたのだから、もう少し話題にしてもいいだろう。

英国の国葬費用は明らかにはされていないが、13億円ぐらいだったとみられ、一方、安倍元首相の国葬は概算16億6000万円とされている。しかし、過去のいろいろな例を見てもこの程度で済むとは思われず、一説には 40億円かかるだろうなんていう見方もあるらしい。

巷では、国葬を請け負うイベント会社(あの「桜を見る会」もやっていた)ムラヤマの「中抜き体質」とか、そもそも国葬には反対意見の方が強いとか、いろいろなことが言われて批判が高まっている。エリザベス女王の国葬の雰囲気とは大きな違いだ。

顔を見るだけでも嫌な気分になる保守派の重鎮は「みんな黙って手を合わせて見送ればいい」なんてことを言っている(参照)が、「なぜ国葬なのか?」という疑問に一言も答えていないのだから、政治の世界の言い草じゃないよね。要するに、お仲間たちにしか通じない雰囲気論である。

そもそも「黙って手を合わせる」だけのことにそんなべらぼうな金がかかるというなら、「明後日は非国民でいる」という方が心穏やかに生きていられるというものだ。

 

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2022年9月19日

岸田内閣の支持率が、やたら落ちてるようで

岸田内閣の支持率低下が著しい。昨日付で報道された内閣支持率調査に関するニュースを見ると、共同通信社調査では「支持」が 40%(参照)、日本経済新聞調査では 43%(参照)。さらに惨憺たる結果なのが毎日新聞調査の 29%で、「不支持」 はその倍以上の 64%となっている(参照)。

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こうした支持率低下の要因は、例の事件で自民党と統一教会の癒着が注目されたことと、その余波で安倍元首相国葬への反発が強まったことだろう。それさえなかったら、岸田内閣の支持率は「決して高くはないが、それほど低くもない」という状態で推移してきてるんじゃあるまいか。

振り返ってみると 7月 10日の参議院選挙直前の 7月 8日に、あの安倍銃殺事件が起きてしまった。選挙そのものはドサクサ紛れの「同情票」やら「お悔やみ票」なんて妙な現象のおかげで大勝したが、その直後から一転して「統一教会スキャンダル」に見舞われる。

岸田さん、せっかく選挙に勝ったんだから、この時点で毅然とした態度で腕力を振るえばよかった。しっかりとした調査を行い、統一教会色の濃い古狸たちを強引にでも干してしまえば、一定の「指導力」を印象付けることができたはずなのだ。

昔の小泉さんだったら、おそらくそうしただろう。これで党内の反発を買ったとしても、その代わりに国民の大きな支持が得られる。ところがこの人、お行儀が良すぎるのか、そんな荒技をするだけの度胸がなかったようだ。

どっちつかずの日和見的姿勢から脱することができず、党内に配慮しすぎてか、自分の口から「国葬を行う」なんて口走ったために、一気に失望と反発を買ってしまった。この人、どうも瞬発的な判断ができないみたいなのだね。

平和で安定した情勢だったら案外いい仕事ができたかもしれないが、揺れの大きな世の中の指導者には向いていない。悪い時に首相なんかになってしまったもので、まことにお気の毒様である。

 

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2022年9月12日

世界各国の国葬というもの

今朝の NHK ラジオで、「各国の国葬ってどうなっているの? 気になって調べてみました」という情報が流れた。NHK って、ほんのたまにだが、こうしたおもしろいテーマを取り上げてくれる。

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この放送では、米国、英国、オーストラリア、韓国、中国、南アフリカの 6か国の国葬について取り上げられていた。

まず、米国では国葬に関する法律はないが、慣習として行われているという。基本的に大統領の経験者は国葬となるが、何と言っても「国家元首」だったのだから納得できる。ただ、ウォーターゲート事件への関連のため任期途中で辞任したリチャード・ニクソンは国葬にならなかった。

英国の場合は「王室や特別な功労者を対象に行われ、議会の承認が必要」としている。戦後ではウィンストン・チャーチルが国葬となった。

王室の場合は慣習でほとんど無条件に国葬となるようだが、それでも国費を使うからには一応の議会承認は、当然必要と考えられており、納得できる論理だ。内閣決定でいつの間にか国葬になってしまった今回の日本のケースには、その意味でも首を傾げしまう。

ちなみに残るオーストラリア、韓国、中国、南アフリカの 4カ国の国葬については、NHK の記事を参照していただきたい。なおここでは、 NHK では取り上げられなかったフランスの場合も調べてみた。

Wikipedia の「国葬」の項目によれば、フランスの国葬対象者は ”第5共和制からは大統領。ならびにフランス国民教育省の「式典令」に従い、国家に特段の功労があったものを対象とする” とある。最近では、シャルル・アズナブール(2018年)、サミュエル・パティ(2020年)が国葬となっている。

サミュエル・パティは 2020年のコンフラン=サントノリーヌのテロ事件で犠牲となった中学校の先生で、授業中にイスラーム教預言者ムハンマドの諷刺画を生徒に見せたことへの報復として、イスラーム過激派のテロで殺害された。こうした人を国葬で弔うというのは、いかにもフランスらしい(参照)。

また、ジャマイカではボブ・マーリーが国葬になっている。これは本当にスゴい!

というわけで、私はいずれにしても 7月 20日の記事に書いた通り、9月 27日の国葬の日には非国民でいると決めているので、

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2022年9月10日

Amazon が今もフロッピー・ディスクを取り扱う理由

昨日の記事の末尾でお役所の世界に残る因習についてチラリと触れたのだが、その最たるものが、21世紀の世の中でなお「フロッピー・ディスク」による書類提出を、法令として定めていることだろう。BBC が「日本は旧式のテクノロジーにこだわることで有名」なんて言っているらしいし。

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フロッピーディスクを行政手続きから撲滅へ -- 河野太郎デジタル大臣が宣言」という記事のタイトルは、「今さら感」たっぷりである。別に「撲滅」なんかしなくても、事実上ほとんど消えちゃってるのだが、こと行政の世界ではゾンビの如く生き延びているらしい。

河野大臣は 8月30日の定例会見で、「今ごろフロッピーディスクはどこで買えるんだ」と述べた(参照)というが、その前に、「今ごろ FDD(フロッピー・ディスク・ドライブ)の付いた PC なんて、どこで買えるんだ」と言って欲しかった。ディスクだけあってもしょうがないからね。

行政との関わりの深い企業や団体は、お役所への書類提出(だけ)のために FD を買い溜めしてあり、時代物の「外付け FDD」を使い回したりしてるんだろう。Amazon などが今でも FD と FDD を取り扱っている(参照)のは、その需要(他には思いつかない)に応じるためなのかもしれない。

とにかく、行政手続きの際にフロッピーディスクなどの提出を求める法令が 1900条項も存在するというのだから、心底驚いてしまったよ。最近はそうした業務から縁遠くなっているので、まだそんなことやってたとは知らなかった。

それだけの数の法令で定められているのだとしたら、一つ一つの改定作業だけでもかなり大変だろう。それは逆に言えば、大変な手間をかけて、そんな馬鹿馬鹿しい法令を作ってきたということでもある。

お役人って忙しい人は忙しそうだが、暇な人は暇なんだろうなあと思ってしまう。しばらくの間は、馬鹿な法令を撤廃して web 上のしっかりした窓口を作るために、暇な人にもそれなりに忙しくなってもらうしかなかろう。

ただ、普段暇な人が直接やっちゃうとろくなことにならないので、そこは申し訳ないけど、忙しい人にも関わってもらわないとね。

 

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2022年9月 2日

三浦瑠麗氏の「合理的思考」とやらの中身に驚く

「デイリー」に "三浦瑠麗氏 統一教会への反発に使用される「反日」に警告「影響は今後尾を引くことに」" というニュースがあり、これを読んでも三浦氏が何を言いたいのかさっぱりわからないので、Twitter の彼女のスレッド に飛んで見た。発端は下のような tweet だったらしい。

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これ、素直に読めば、リベラル派が統一教会批判をするに際し、反日」という言葉を多用しているのは、おかしいんじゃないかという指摘に読み取れる。この一連の tweet で、彼女はさらに次のようにまで言っている(参照 なお、引用部分の太字は tak-shonai による)。

相手を批判したいがばかりに『反日』という言葉を使ってしまった影響は今後尾を引くことになるでしょう。

この言葉がさまざまなところへバックファイヤーすることを予想できない人びとの存在は、わたしの合理的思考の範囲を超えています

こうした発言は、彼女の単純な思い込みによるんじゃなかろうか。というのは「統一教会の反日性」に関しては、実際にはむしろ、「本来『反日的』である統一教会に対し、それとは相容れないはずの日本の保守勢力がほとんど無警戒だったこと」への疑問を示す論調の方が目立つからだ。

吉崎エイジーニョ氏(彼がいわゆる「リベラル派」であるかどうかは確認がとれていないが)の "統一教会問題まだある論点 教団の「反日思想」" などがその好例だ。

リベラル派の多くは、決して「統一教会は『反日』だからけしからん」と批判しているわけではなく、むしろ「選挙に勝つために、実は反日である統一教会の手を借りてきた自民党のお粗末な『ご都合主義』」を批判しているのである。こんな単純なことが、どうしてわからんかなあ。

自民党は統一教会の「反日性」には意識的にか無意識的にか明らかに目をつむり、ひたすらその「反共体質」(そのくせ、北朝鮮とは親密)に乗っかって優遇してきた。つまり、この問題におけるリベラル派による批判の対象は「統一教会の反日性」ではなく、「自民党の矛盾」なのである。

そしてその矛盾の結果が、今日の混乱した状況だ。「バックファイアー」ということで言えば、既に今、しまくっているわけである。

彼女の tweet に関してはこれ以上書いてもおもしろくもなんともないし、馬鹿馬鹿しい。というわけで、もうこれでおしまい。

 

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2022年8月 2日

「命が狙われて初めて政治家って言える」の皮肉な意味

橋下徹氏が「安倍さんの死は納得いかない」と語っている記事を見つけた(参照)。半月前のインタビュー記事で、タイトルに ”安倍元総理に言われた「命が狙われて初めて政治家って言える」の意味とは” というのがあるが、橋下氏的にはこの点で「納得いかない」と言っているようなのだ。

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ちなみに今回の銃撃事件を「暗殺」と言う人がいる(参照)が、これには個人的に違和感を覚えていた。日本語の「暗殺」は、主に政治的な理由で要人を殺害することを指すとされている(参照: 広辞苑/大辞林/大辞泉)が、今回の銃撃事件は「政治的な理由」というよりは「恨み」によるものとみられるからだ。

一方、英米のニュースでは、今回の事件をストレートに ”assassination”(直訳で「暗殺」)と報じている場合が多い。New York Times の見出しも ”Shinzo Abe, Former Japanese Leader, Is Assassinated"(日本の前指導者、安倍晋三、暗殺さる)というものだ。

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ちなみに英語の "assassination" の語義は、ネット上の辞書で調べたところでは「重要人物を殺害すること」といった語義説明で、とくに「政治的理由」とは書かれていない(Longman  Cambridge)。日本語の「暗殺」とはほんの僅かながら、ニュアンスが違うようだ。

もっとも実際問題としては、暗殺される対象は政治家が多いので、Cambridge の ”assassin”(暗殺者)の語義説明では「有名な重要人物を、通常は政治的理由または金銭的取引として殺害する人」となっている(参照)。金で暗殺を請け負う場合もあるのだね。「プロの暗殺者」ということだ。

ここで改めて、冒頭で触れた「命が狙われて初めて政治家って言える」という言葉に戻ろう。安倍元首相の今回の「命の狙われ方」って、「政治的理由」というより「恨み」によるものだったという点で、少なくとも「(国葬に相応しい)大物政治家的」ではなかったという印象をもってしまうのだよね。

ところが、ここでさらに「どんでん返し」が起きるから面倒なことになる。田中良紹氏の「安倍晋三元総理とは何者だったのだろうか」(この記事、オススメしておく)などの内幕情報まで視野に入れてしまうと、今回の銃撃事件の意味合いが変わってしまうのである。

山上徹也容疑者の行為って、当人の直接的な意図や動機から離れて一人歩きしてしまい、実は結果的に「ちょっとした暗殺」になったとも言えそうだ。つまり「命が狙われて初めて政治家って言える」という安倍元首相本人の言葉は、かなり皮肉な意味をもってしまっているわけだ。

まったくもって彼の死の意味は、「政治的意味/個人的恨み/命の重さ」という各観点からしても皮肉過ぎるぐらいのものだろう。

最後に蛇足ではあるが、「命が狙われて・・・」というのは、フツーの日本語では「命を狙われて・・・」だよね。これは「云々」を「でんでん」と読んでしまう人(参照)と、弁護士を職業とする人の日本語力の問題だが。

 

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2022年8月 1日

「国葬反対」の声は、意外なほど大きくなっている

安倍元首相の銃撃事件のあった早々、政府が「国葬」を決めた直後は、私のようなへそ曲がりを除いては「国葬反対」とするのは少数派だったような印象だが、ここに来て反発の声が大きくなっているようだ。

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共同通信は、"安倍晋三元首相の国葬に「反対」「どちらかといえば反対」が計 53.3%を占め、「賛成」「どちらかといえば賛成」の計 45.1%を上回った" と伝えている(参照)。政権支持率までがた落ちしているのだから、参院選直前とは様相ががらりとかわっている。

鹿児島が地元の南日本新聞ではより鮮明な調査結果が報道されていて、国葬に「反対」が 56.5%、「どちらかといえば反対」が 15.7%で、合計すると 72.2%になっている。「賛成」14.0%、「どちらかといえば賛成」9.1%を足しても 23.1%だから、圧倒的な差だ(参照)。

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これって、やはり統一教会問題が影響しているのだろう。事件直後は具体的報道が自粛されてるんじゃないかという気までしていたが、どっと報じられるに至って、これまで隠されていた部分がかなり見えてきた。

政府としては当然ながら、統一教会との公式なつながりを否定しているが、個々の議員や派閥(とくに安倍元首相の清和会)ベースの結びつきは思っていた以上にひどい(参照 1参照 2)。これではいくら「霊感商法」などが問題になっても、警察やマスコミは本格的には手を出しにくかっただろう。

ただ、マスコミとしてはこれまで書きにくかった話が手持ちでいくらでもあるから、今後こうしたニュースはタガが外れたようにどんどん出てくるだろう(参照)。こうしてみると先月の参院選の結果は、まるで「当て逃げ」みたいなものだ。同じ「勝ち組」の維新の会も、統一教会まみれみたいだし(参照

国葬反対派の私は 7月 20日の時点で、国葬当日は「非国民」になる宣言をしている(参照)のだが、この様子では「隠れた非国民」がかなり多くなりそうだ。

 

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