「外国を罰する」と言って自国民を罰してるトランプ
CNN の「関税で諸外国を罰すると語るトランプ氏、実際に罰せられているのはほぼ米国人」というニュース・タイトルはかなり傑作だ。とくに後半部分は、もろに言えてる。
元記事のタイトルは "Trump says he’s punishing foreign countries. He’s mostly punishing Americans" で、書いたのは CNN の Allison Morrow というシニア・ライター。オリジナル・タイトルの後半部分は「彼はほとんど米国人を罰している」と、英語らしく直接的な言い方だ。
客観的に見ても思いつきみたいな関税政策のせいで、米国民は高い自動車を買わなければならなくなるし、他の輸入品についても同様だ。そのおかげで米国内での生産が増えるなんて見方をする人もいるが、それも楽観的すぎる。
先月 18日に 「米国アパレル業界は、国内生産回帰なんて無理」という記事で書いたように、生産業が疲弊した米国でそんなに急に増やせるわけがなく、コトはアパレル業界ばかりではない。それに米国が外国からモノを買わなくなれば諸外国も米製品を買わなくなるから、経済が縮小する。
常識的に見れば今回の関税政策にはいいことなんてないのだが、トランプとしては国民に忍耐を求める一方、「歴史的な投資と繁栄をもたらす」なんてノー天気なことを言っている(参照)。今のところトランプ支持層は「きちんと」だまされてくれているようだが、いくらなんでもそのうち目が覚めるだろう。
なにしろニューヨークでは既に卵 1個の価格が 1ドル以上(150円)という水準に達しているらしいから、この先ますます大変だよね。
昔は米国という国に「住みたい」とまで思ったこともあるが、今はまったく思わない。
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