カテゴリー「経済・政治・国際」の663件の記事

2021年2月27日

「異分子を認めない」という体制

HUFFPOST の "「憲法は同性婚の法制化を禁止していない」衆議院法制局が示す → それでも国は「想定していません…」" という記事に注目した。そして思わず、同じく HUFFPOST の “地毛なのに黒染め「校則」強要、大阪府に賠償命令。元女子生徒「不登校になった」” という記事を連想した。

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片方は政府、片方は学校の問題だが、共通するのは「異分子を認めない」あるいは「異分子は埒外に去れ」という考え方である。

LGBT も 黒くない地毛も、単に「趣味か体質の些細な違い」に過ぎないのだから、ちょっと我慢して「世の中のフツー」に合わせろ、さもなくば、それを武器にして一生はみ出し者として生きろという乱暴な話だ。

同性婚の法制化に関する憲法解釈というのは、頭が化石の自民党の爺さん連中にとっては考えるのも鬱陶しいぐらいの問題だろうが、今となっては避けては通れない。上述の記事は、この件に関する質問への衆議院法制局の回答は、かなり回りくどい言い方だが次のようなものだったと伝えている。

 「憲法24条1項と同性婚の関係については、論理的にいくつかの解釈が成り立ち得ると考えますが、結論から申しますと、少なくとも日本国憲法は同性婚を法制化することを禁止はしていない、すなわち認めているとの『許容説』は、十分に成り立ち得ると考えております」

禁止されておらず、要望は明らかにあるのだから、国として検討を開始しない理由はないはずなのだが、政府は「憲法は同性婚を想定していない」と繰り返すのみである。「想定していない」ことの「主語」は「憲法」ではなく、人、つまり「自民党の爺さん連中」に他ならないのだが。

同性婚問題に関しての政府の答弁は、さすがに曖昧にぼかすことを意識しているが、「茶髪」に関する一部ブラック校のやり方はストレートにひどい。「黒染めが不十分だ」として、授業への出席や修学旅行への参加を認めないこともあったというのだから、これはまさに人権問題だ。

ことは髪の毛の色だけでない。私が中学生の頃には生活指導の教師が全校生徒を集めた朝礼で、「なぜ長髪を禁止するかと言えば、クラスに長髪の生徒(どうやら私のことらしい)がいると、教育が成り立たないからだ!」と言い放った。

私はその場で「その程度のことで成り立たなくなるようなチャチな教育なら、してもらわなくて結構!」と反論したが、それに対してはついにノーコメントだった。当時、職員会議では「あいつとまともに議論で渡り合うと面倒なことになるから」と、無視することになっていたらしい。

自民党のオッサン連中の多くは「日本は単一民族だからいい」とか「黙っていても通じ合える」とかいう幻想を本気で信じ込んでいるようなのだね。それでふと気付いた時には、相互理解がとてつもなく困難な社会になってしまっているではないか。

 

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2021年2月18日

二階幹事長の「何もわかってない感」も、またすごい

自民党の二階幹事長が役員連絡会で、党所属の女性国会議員を5人程度ずつ、党の幹部会議にオブザーバーとして出席してもらうことを提案したと伝えられた。「どういう議論がなされておるかを十分ご了解いただくことが大事。それをご覧に入れよう」ということだそうだ(参照)。

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これに対し、Jizi_t さんが "「何言うてんの? この爺さん」以外の理解ができない" と tweet しておられる(参照)。まさに私も同感だ。

この爺さん、例の森喜朗発言でオリ・パラのボランティア辞退が相次いだ時にも「関係者の皆さんは瞬間的に協力できないとおっしゃったんだと思うが、落ち着いて静かになったら、考えも変わるだろう」などとほざいている。

今どきこんな発言をしたらどう受け止められるかということを、全然わかっていない。「森喜朗は『何もわかってない感』がすさまじい」(参照)と言われたが、それは森一人だけでの話ではない。

二階幹事長が想定している会議というのは、「党としての方針を機関決定する総務会や、党幹部らが情報共有を図る役員連絡会など」であるらしい。

こうした会議に女性が正式メンバーとして加わるのが当然であれば、わざわざ「発言権のないオブザーバー」として参加させて、会議の内容を「ご覧に入れよう」なんて言う必要はまったくない。つまりこれは「発言権のないオブザーバーとしての立場以外での女性の参加はない」と言っているに等しい

もっとはっきり言えば「女性には発言権を与えない」ということに他ならず、「女性が多くなると会議が長くなる」以上の女性差別発言と言うほかない。これが森発言以上に問題視されないのはおかしい。

自民党幹部というのは、こうしたメンタリティの爺さん連中で占められている。今回の森喜朗の後任候補を決める「秘密会議」では橋本聖子・五輪相に一本化されたというのだが、これにしても「後任は女性にしときさえすれば聞こえがいい」ということでしかないのだろう。

 

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2021年2月 7日

「悪くもないのに謝ってやってるんだ」と思ってる人

オリ・パラ大会組織委員会の森喜朗会長の例の「女性がたくさん入っている会議は時間がかかる」という失言問題に関しては、わざわざ触れるのも馬鹿馬鹿しいぐらいだが、一応ちょっとだけ書いておく。本当に馬鹿馬鹿しいけど。

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この失言に関してはさっそく自ら撤回したわけだが、そのココロは、「撤回した方が早い」というだけのことのようだ。2月 4日夜のテレビ出演で(下の【注】参照)自らそう言っている(参照)というのだから、ちょっとビックリだよね。メンタリティの問題としては、こっちの方がずっと大きな「失言」だろう。

森喜朗という人は昔から、失言の多さでは定評がある。調子に乗って言わなくてもいいことをペラペラしゃべるクセがあって、都合の悪い話をなんとかごまかして切り抜けようと、苦し紛れに口走ったことのちょっとした言葉尻をつかまれるというのとはわけが違う。

その場を盛り上げようというサービス精神みたいなものでしゃべっちゃうので、当人としては内心「どうだ、うまいこと言えてるだろ」ぐらいに考えているからタチが悪い。今回の「失言」にしても、確実に「仲間うちの気持ちを代弁してやったんだ」ぐらいに思ってる。

というわけでこの問題では、森喜朗 1人を責めるだけではあまり意味がない。彼の背後で頬被りをしている「お仲間」も責められなければならないのは当然だ。

そんなわけで彼は一応 2月 4日に形だけは「深く反省」したと記者会見したわけだが、「悪くもないのに謝らなきゃいけないんだから、たまらんよね」というのが本心に違いない。だから発言を形だけ撤回したのみで、自説が間違っていたと認めたわけでは決してない。

だからこそ性懲りもなくその夜のうちに「撤回したほうが早い」などと強がりを言っていたわけだ。「女性が多いと会議の時間が長くなる」と口走った当人だけに、「男らしく、さっさとけりをつけてやったんだ」と言わんばかりである。

ということなので、このジイさんに対して正攻法で攻め込んでもお話にならない。「自分で掘った穴に一生ハマり続けてなさい」と放り出しておくしかないのである。何とかは死ぬまでなおらないというから。

さらに言えば、本来ならその同じ穴に一緒にハマらなければならないお仲間がくさるほどいるはずなので、そこまできちんと報道してもらいたいぐらいのものである。

【注】

冒頭の画像からリンクされる HUFFPOST の記事では、「森会長は 2月 5日に発言を撤回・謝罪したが・・・」と書かれているが、これは 2月 4日の誤りである。

【2月 11日 追記】

本日、森氏は東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の会長を辞任する意向を固めたと報道された。

2月 4日の会見では結構ヘラヘラしていたので、「この人、国際的にどんなにシリアスに問題視されてるか、理解してないな」と感じていた。これまではどんな失言をしても、国内問題としてなあなあで済んでいたが、今度ばかりは話の次元が違うということに、ちっとも気付いていなかったわけだ。

ところがそれから約 1週間経ち、さすがに「これじゃ、もたない」とようやく身にしみたようだ。感度が鈍すぎである。

 

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2021年2月 4日

「三重県議会の汚点」報道を巡る冒険

朝日新聞が昨日付で "性的少数者の招致は「議会の汚点」 県議の投稿巡り提訴" と伝えている。三重の稲森稔尚という県議が、県議会の差別解消を目指す特別委員会で、性的少数者を代表する参考人として意見を述べた男性に関して「三重県議会の汚点となる参考人招致」と tweet したという。

210204よくわからない話なので、どんな tweet なのか検索してみると、こんなもんだった。朝日新聞の記事では「県議会の特別委員会に参考人として出席した男性」の名前までは触れられていないが、元ツイに実名が出ている。

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それは「芙桜会」という性的少数者団体の代表理事、近藤聡さんという方である(参照)。

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で、今回の問題となっているのは、昨年 10月 14日に三重県議会で開催された「差別解消を目指す条例検討調査特別委員会」という会議だ。この委員会の模様は YouTube にも上げられているので、つぶさに(というか、下記の如く "つぶさすぎるほど")見ることができる(参照)。

このビデオはトータル 4時間 8分 5秒と表示されていて、一瞬「げっ、長え!」とたじろいでしまうが、3回にわたる「休憩」のブルー画面が無駄に延々と続く時間が長く、実質は半分以下の 2時間足らずである。どうして休憩時間の部分をカットしなかったのか、はっきり言って気が知れない。

上の稲森議員の tweet の元ツイに登場する場面は、この元のビデオの最初から 1時間 20分経ったあたりからの 2分 20秒間なのだが、伊賀市がいわゆる「パートナーシップ制度」を導入していることをよほど誇りたいらしく、かなり恣意的に切り取られているのが見え見えだ。

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この委員会での近藤さんの発言をビデオの通しで聞けば、当然にも賛否はいろいろあるだろうが、なかなか筋の通ったものである。プレゼン資料はネット上に公開されているので(参照)、これを見ながらビデオ音声を聞くと勉強にもなる。「汚点」という言葉がどこから出てきたのか、さっぱりわからない。

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上で触れた「パートナーシップ制度」というものも、冷静にみれば問題の根本的解決に決定的な貢献をしているわけではないことが、客観的によく説明されている。

ざっくりと言えば、近藤さんの発言は「政治的視点」を超えた当事者としての実感から発するものであり、それと比較するとビデオ中の稲森議員の発言には自身の政治的立場への固執が感じられる。この問題に関する彼の釈明 tweet には、その固執ゆえの誤解、曲解、言いがかりが目立つし(参照)。

近藤さんはプレゼンの後半で、「LGBT 運動家やその支持・協力者からの当事者への攻撃」がみられることを大きな問題と指摘している。そして今回のケースで、図らずもそれが浮き彫りにされた。稲森議員の「汚点」tweet は、まさにその典型例である。

「なるほど、真摯なプレゼンをした結果、こんな風に『汚点』と罵られたりすることまであるのね」というのが、よくわかった。世の中には「多様性の肯定」のできない人がいるのである。

念のために触れておくが、単純図式的に言えば近藤さんは LGBT 運動の中でも政治的にはちょっと右派で、稲森議員は左派の立場なのかもしれないなというのはうかがえる。それで稲森議員が過剰反応したという可能性も考えられるが、この問題で右派だの左派だのいうのは不毛だと思ってしまうのだよ。

【最後に狂歌を一首】

見解を異とする者をことさらに汚点と云ひて責むる議員よ

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2021年1月30日

香港市民の英国脱出について

英国政府は香港国家安全維持法への抗議として、香港市民向けの特別ビザの申請受付を 1月末から開始している(参照)。香港に留まっていては身の危険すらある香港市民の英国市民権取得につながるものだ。

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私はこれまで、この問題に関して何本かの記事を書いている。ざっとあげるとこんな感じだ。

香港の自由を守る運動に心の底から共感 (2014/11/25)
香港の自由を守る運動と、ベルサーチの Tシャツ (2019/08/15)
香港の自由を求める闘いにエールを送る(2019/09/01)
死ぬなよ、香港!(2019/11/25)
死に体を乗り越えろ、香港!(2020/07/03)

とくに最後の 2本は、香港の民主派に対する中国政府の締め付けが熾烈なものになったことについてのもので、彼らが英国に逃れてからさえリスクが消えないことを危惧したものだ。

香港は 1997年に英国から中国に返還されたわけだが、それに先立つ 1984年の「英中共同声明」によって、香港の「高度な自治」は返還後 50年間にわたって保証されるとされていた。しかしそれについては初めから誰もまともに信じていなかったし、その心配は既に現実のものになっている。

私は 1980年代から 2000年頃にかけてアパレル業界の国際的な動きを追った時期があって、この時に香港の多くのファッション・デザイナーや業界人たちと交流をもった。彼らは本当にいい連中で、香港でも東京でも一緒に楽しく食事したりしていた。

中国への返還の問題に関して「いつでも脱出できるように準備しといて」と私が言うと、彼らの多くは「香港の街を愛しているから、できることなら離れたくない。ずっと香港で仕事を続けたい」と語っていた。

その気持ちは痛いほどよくわかるが、それは理想論というものである。今やそんなことを言っていられる時期じゃないのは明らかで、できるだけ早く香港を脱出すべきだろう。既に英国亡命を果たした者も少なくないらしいし。

具体的なヘルプは何もできないが、彼らが新天地で自由を失わずに生きることを、心から願う。

 

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2021年1月17日

ソーシャルメディアに総スカンをくってるトランプ

昨日はトランプが完全に「終わっちゃってる」ことについて書いたが、それは彼が米国中のソーシャルメディアから総スカンを食ってアカウントを停止されていることでもわかる。NewSphere は「ソーシャルメディア締め出し、発言の場を失うトランプ氏」と報じている。

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トランプは Twitter が大好きだったようで、前々からあることないこと好き放題に書き込んでいた。昨日触れた「トランプは任期一杯までもつんだろうか」というほぼ 4年前の記事を書くきっかけになったのも彼の悪趣味な tweet で、こんなものだ。

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My daughter Ivanka has been treated so unfairly by @Nordstrom. She is a great person -- always pushing me to do the right thing! Terrible!

私の娘のイヴァンカはノードストロームにとても不当な仕打ちを受けた。彼女は偉大な人間で、いつも正しいことをするよう私をプッシュしてくれる! 恐ろしいことだ!

これは米国の大規模チェーン百貨店のノードストロームが、彼の娘イヴァンカの展開する(デザイナーだったというわけじゃない)アパレル・ブランド "Ivanka Trump" の取り扱いを中止したことを罵ったものだ。これを Twitter にない thumbs down sign(いわば「いいね」の反対)付で紹介した。

この背景には反トランプ派の不買運動もあるとはいえ、よくまあ、こんな感情的なイチャモンを大っぴらに書けたものだ。ちなみにこれを最初に読んだ時、トランプが「恐ろしい」と言ってるのは、イヴァンカの「プッシュ」のことだと思っちゃったのだが。

オランダのフロニンゲン大学のサイトの記事は、「この書き込みは米株式市場への影響という点では無意味だったが、心理的影響は今後あり得るかも」としている(参照)。つまりこんなことを書くのは、私企業の活動への政治的介入にほかならないということだ。

実際のところ、イヴァンカのファッション商品は「トランプ支持派のオバサンたち」が喜んで買うだけで、本来のターゲットの若いキャリア層には支持されなかったようだ(参照)。それで翌年、イヴァンカはこのブランドの中止を自ら選択している(参照)。

要するにイケてなかったんで、売れなかったわけだね。まともな神経してたら、トランプの娘の名の付いた服を着て街を歩くなんて、恥ずかしくてできない。

いずれにしてもこの程度の tweet で済んでいれば、まだそんなに大きな問題にはならなかったが、ここに至って大統領選挙が「不正選挙」だったとしつこく言い張ったり、「議会に集結せよ」と呼びかけたりということになると、これはもう見過ごせないレベルである。アカウント停止もやむを得ない。

トランプは今回の事態を「言論の自由の侵害」と言っているらしいが、言論の自由は本来、政府が国民に対して保証するものだ。Twitter をはじめとする SNS 運営企業が、トランプの連続的な問題発言が自社の方針にも公共の利益にも著しく反すると判断するのを妨げるものではない。

Twitter としても「トランプの御用メディア」と思われるのは真っ平ご免ということだろうから、ノードストロームが ”Ivanka Trump” の取り扱いを止めたのと変わらない。

 

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2021年1月16日

トランプはやっぱり、任期一杯までもたなかった

トランプの米国大統領としての任期は、公式的には 1月 20日までだが、米国国務省のサイトには 1月 11日、一時的なミステイクとされたとはいえ、かなり小気味よくも「ドナルド・J・トランプの任期は 2021年 1月 11日午後 7時 49分に終わった」と表示された(参照)。

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ちなみに私は 4年近く前の 2017年 2月 10日、つまりトランプが大統領に就任して 1か月経たない段階で、早々と「トランプは任期一杯までもつんだろうか」という記事を書いている。記事の末尾には「この大統領は任期一杯までもたないんじゃないかという気がしてきた」とまで記した。

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で、今日は何が言いたいのかというと、「ほぉら、やっぱりもたなかったでしょ!」ってことだ。あの記事は、ヒットだったよね。実質的には既に「完全に終わっちゃってる」わけだが、国務省までフェイク・ニュースとはいえ、それに追い打ちをかける形となっているのだから。

これまでの大統領だったらもっと早い段階で「敗北宣言」を出し、「実質的な終わり」を平和的に演出していたわけだが、トランプはそれを拒んで「議会乱入事件」という惨状を招いた。つまり「任期一杯までもたない」どころか、もっと酷いストーリーになってしまったのだ。

ということは、私の 4年近く前の記事は当たってはいたものの、生やさしすぎたかもしれないってことだ。「ヒット」ではあったが、「シングルヒット」程度である。

現実は時として想像を超える。

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2020年12月18日

「選択的夫婦別姓」は、はっきり「賛成」と言っておく

世の中は「新型コロナウイルスによる感染症」と「選択的夫婦別姓」の問題でもちきりだ。後者の方に関しては近頃ちっとも書いていないので、また少しは書いておかなければならないだろうと思い始めたところである。

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「選択的夫婦別姓」に関して私が最初に触れたのは、10年ほど前の "「夫婦別姓」には消極的反対の私" (2010/9/15 付)という記事だった。強硬な保守派みたいに「絶対ダメ」と言っていたわけじゃなく、リンク先に飛んでみてもらえばわかるように、こんなふうにおずおずと反対していた。

個人的にはどうでもいいが、社会全体への影響という視点で、夫婦別姓によって生じたきしみの妙なとばっちりを浴びるのはまっぴらご免なので、「消極的反対」の立場を取っている。

10年以上前の世の中は今よりちょっとウェットなところがあったので、個人的にも家族問題の悩みでいろいろ相談されることがあった。そんな経験から、苗字の違いなんてことで悩んじゃう子どもの問題なんかに巻き込まれるのは嫌だなあと思っていたのである。これは当時の実感だった。

ところがこの頃から、世の中の空気が目に見えて変わってきた。この記事を書いてしばらく後に結構ドライな雰囲気になったのを感じたため、"夫婦別姓でもいいじゃないか" (2015年 12月 7日付)なんてことで、次のように述べている。

私はこの問題についてかなりグズグズな態度を取っていて、5年前には「消極的反対」という立場だったが、3年近く前に「消極的容認」ということにチェンジした。

こんなように結構日和見な態度を見せてきたわけなのだが、一貫した前提としては「夫婦別姓でも個人的には全然構わないんだけどね」というのがある。要するに根っこの部分は「同姓でも別姓でもどちらでも OK」ってことで、よく考えれば「選択的夫婦別姓」の主張と根本的には違わない。

で、さらにこの 5年間の間に「選択的夫婦別姓を望む人がこれだけ増えたのなら、きちんと法的に認めればいいじゃん」と思うようになった。「消極的容認」だったのが、「積極的賛成」に近くなってきている。

そんなわけで 2年前には "「夫婦別姓」は、保守派にもメリットがあるだろうに " という記事まで書いている。この記事は、保守派の言うように「親子で姓が違っていては、家族の一体感が損なわれる」という主張が、実はかなりテキトーなものであるというお話だ。

公的にきちんと認めてしまえば、それで悩む子供は逆に減るだろう。曖昧にしておこうとするから、よくないのだ。

というわけで「選択的夫婦別姓」の問題に関しては、「tak-shonai は、10年前はちょっとビビり気味だったけど、今は積極的賛成」と受け取っていただいて OK と、明確に表明しておく次第である。

ちなみにこの問題の関連で、安倍晋三という人の本音が「お妾さん積極肯定」で、「本妻ならつべこべ言わずに、夫の姓を名乗れることを幸せに思え」ぐらいの意識なのだろうということが、昨年夏の段階ではっきりわかった。問題はこんなような発言である。

安倍首相が参院選の応援演説で「お父さんも恋人を誘って...... お母さんも昔の恋人を探し出して、投票箱に足を運んでいただくよう......」と発言した

これについては ”お父さんの恋人は現在進行形、お母さんの恋人は過去形” (2019/7/18 付)という記事で書いているので、ぜひ読んでいただきたい。時の首相としての、この愚かしすぎる発言には、1年以上経った今でも腹が立つ。欧米だったら辞任ものだ。

 

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2020年12月14日

ドルが「$」で、円が「¥」であることについて

世界には「通貨記号」というものがあり、これで言うとドルは「D」とかじゃなく「$」で、円も「E」なんかじゃなく「¥」ということになっている。のみならず英国のポンドも「£」と書く。どうみても単純な話じゃない。

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なんでそんなことになるのか、若い頃に調べたことがあった気がするが、ほとんど忘れてしまっていた。最近になった改めて調べたところ、ドルに関しては上の図のような話だったと思い出した(参照)。新大陸を発見したスペインがそこから豊富に流入する銀を用いて大量の銀貨を作ったのが発端だという。

スペインのペソ銀貨が世界中で流通した後、アメリカでも新たに通貨を作ります。これがドルで、名前はスペインのペソ銀貨(通称、スペイン・ドル)から取って、「ドル」と命名されました。

そんなわけで、ドルもペソも通貨記号として「$」を使うということになった。ペソも「$」だということは今では案外知られていないが、元々はこちらの方が本家本元だったのだね。ちなみにメキシコ・ペソは隣がドルの大国だけに、区別する意味で「M$」と表示されることが多いらしい。

そして円が「¥」であることに関しては、上述のページで次のように説明されている。

さらに、中国や日本の「元」や「円」といった通貨は、ペソ銀貨の丸い形から自国の通貨名に「丸い形」を意味する「元」や「円」といった名前を付けた、とのこと。

いやはや、ペソは新大陸だけでなく中国や日本の通貨単位の呼称にまで影響を与えていたというわけだ。往時のスペインは、それほどの大国として世界に君臨していたのである。

ただ、「円」が「E」ではなく「¥」になったことの理由は諸説あって定かではない。日銀のサイトには 3つの説が紹介されている(参照)。

ちなみに若い頃は、「円」は旧仮名で「ゑん」だから "yen" ということにしたんだろうなんて、軽い気持ちで思い込んでいた。しかしよく考えてみれば「ゑ」は「ヤ行」ではなく「ワ行」の文字だから、強いて英文字表記するとしたら "wen" になってしまう。アブナい、アブナい。

さらに英国のポンドが「£」であることについては、次のように説明されている(参照)。

欧米で使われる重さの単位「ポンド」(英語読みは「パウンド」)ですが、表記は lb となります。これは、古代メソポタミアでは穀物の重さで単位を決めていましたが、ラテン語ではそれを量る秤を「Libra(リブラ)」、重さのことを「Pounds」と言ったのが、英語になったときにごちゃまぜになったからのようです。

のみならずイタリアのリラもそっくりの「₤」となっているのは、これが理由らしい。単に "lira" の頭文字だからってことじゃないようなのだ。

いやはや、通貨記号というのはなかなか一筋縄ではいかないものである。げに世の中でゼニ金の話ほど面倒なものはない。

 

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2020年11月28日

選挙ポスターに「ひらがな表記」が多いのは: その 2

昨日の "選挙ポスターに「ひらがな表記」が多いのは" の続きである。これまで私は、選挙ポスターにひらがなを使うのは、ある種「正統からはちょっとだけ外れた便宜的手法」と捉えていた。大物でない(つまり、あまり名の売れていない)候補者は、とりあえずわかりやすいひらがなを使うのだろうと。

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その意味では、現総理大臣の菅さんなんかも、2014年 12月の選挙(神奈川 2区)でこんな感じだったのもわかる。この掲示板のポスター、3人とも見事にお揃いで苗字をひらがなで表記していて、気持ち悪いほどである。

ちなみについ最近、「菅首相の名前、フルネームで言える?」と何人かに聞いてみたところ、ちゃんと「菅義偉(すがよしひで)」と言えたのは半分以下だった。「"すがなおと" だっけ?」なんてマジの大ボケもあったし、選挙区は秋田と思い込んでいる人も少なからずいて、菅首相、悲しいほどに影が薄い。

しかし先代が大臣(総理大臣を含む)まで務めたような大物世襲議員は、既に十分名前が売れているのだから、あえてひらがな表記なんてしなくて済むのだろうと思っていた。ところが実際には必ずしもそんなわけではないというのは、下の 2人のポスターを見てわかった。

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地元の選挙区では、この 2人の名前を知らない人なんていないだろうが、選挙ポスターとなるとしっかりひらがなを使いたがるもののようなのだ。これはもう「得体の知れない不思議なメンタリティ」と言うほかない。

「選挙民にはひらがなの方が通じがいい」と思っているのだととしたら、それはある意味「迎合」というより、有権者を見下す潜在意識の表れなのかもしれないね。

 

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