カテゴリー「芸能・アイドル」の54件の記事

2025年10月 3日

やってくれるじゃないか、ハリウッド!

時事ドットコムが「J・フォンダさん主導で冷戦時代の言論運動復活 米政権を批判」と伝えている。やってくれるじゃないか、ハリウッド。待ってました、ジェーン・フォンダ! ってなもんだ。

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彼女が反体制運動を行うのは何も今に始まったことではなく、半世紀以上前の 黒人解放運動やベトナム反戦運動以来(参照)のことだから、筋金入りとも言える。記事中で触れられている「第1条委員会(Committee for the First Amendment)」というのは、Wikipedia で次のように説明されている。

修正第1条委員会(Committee for the First Amendment)は、1947年9月に下院非米活動委員会(HUAC)の公聴会でハリウッド・テンを支持する俳優らによって結成された活動団体である。

つまり「赤狩りマッカーシー」の時代から米国の反動的保守主義に対抗して結成された組織である。そんな組織が復活せざるを得なかったというのだから、米国って半世紀に一度ぐらいの頻度で政治体制が反動化するのかねとまで思ってしまう。

今のトランプのやり方はひどいもので、「政治信条の自由」なんてほとんど紙くず同然になっているんじゃないかと思うほどだ。ABC テレビのコメディアンのジミー・キンメル氏が司会を務める時事番組が一時中断に追い込まれたのは記憶に新しすぎるし。

ブログや SNS などで自身の政治的信条を発信し続けてきた者の多くが弾圧を怖れ、これまでの記事を削除しているという情報もある。とくに国外追放を怖れる外国籍の米国市民に多いようだ。私はこれまで「行きたい外国」の筆頭が米国だったが、こんな状況ではもはや行きたくなんかない。

こんなブログを書いてることがバレたら、入国審査で追い返されかねないしね(実際問題として私のブログ如きにそこまでの影響力はないとは思うが、あながち冗談とも言い切れない)。

トランプの政策は、はっきり言ってメチャクチャなところが多く、思いつきっぽい政策が破綻を来す寸前で日和って身をかわしたりして、何とか保身していると言っていい。当人はノーベル平和賞を欲しがっているようなのだが、誰が考えても荒唐無稽な話だ(参照)。

このまま化けの皮がとことん剥がれて支持が落ち込んでいけばいいのだが、まだまだ 40%ほどの支持率がある(信じられないが本当だ)というのだから先は長い。その意味でジェーン・フォンダを初めとするハリウッド俳優の動きは情報発信力が強いし話題にもなりやすいので、かなり心強いと思っている。

 

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2025年8月23日

吉本系お笑いって、そんなに強力なコンテンツなのか?

週刊現代が "【松本人志復帰】テレビ局は大慌て…「ダウンタウンチャンネル」の想定外すぎる「ビジネスモデル」" という記事を伝えている。これは月額定額制のサブスクリプションモデルが想定され、スマートフォンや PC、テレビで視聴が可能となるものなのだそうだ。

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「月額定額制」というのだから、毎月決まった額の「視聴料」を納めるのだろうが、吉本系お笑いって、そんなもの払ってまで視たくなるほど強力なコンテンツなんだろうか? ちょっと信じられない気がしている。

まあ、テレビに出てくるお笑いって、大したことのない内容ばかりで、本当に面白いコンテンツって吉本新喜劇の舞台で見るようなものなのだろうから、吉本が直接配信したくなるのもわかるような気がする。しかし一般の視聴者としては、テレビで見る程度で満足してるんじゃあるまいか。

さらに言えば、一般視聴者の大部分はテレビで見る「吉本的お笑い」しか触れたことがないだろうから、月額料金を払ってまで松本人志を見たいと思うものだろうか?

まあ、私はテレビをほとんど見ない人なのでこのあたりのことは本当によくわからない。もしかしたら大ヒットコンテンツになってしまったりするのかなあ。

 

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2024年3月26日

今日は「カチューシャの唄の日」なんだそうだ

突然だが、本日 3月 26日は「カチューシャの唄の日」ということになってるんだそうだ(参照)。1914年(大正3年)のこの日が劇団「芸術座」によるトルストイ『復活』上演の初演日で、劇中で松井須磨子が歌った『カチューシャの唄』が空前の大ヒットとなったことによる。

松井須磨子のオリジナル版『カチューシャの唄』については、6年とちょっと前の 2018年 2月 14日付「松井須磨子の歌、下手っ!」という記事で、上の動画とともに紹介している。この日の記事で既に聴いておられる方は、今ここで改めて再生する必要はない。耳が腐ってしまうかもしれないから。

ただ、この歌は空前の大ヒットとなったため「日本初の流行歌」と位置付けられ、松井須磨子は日本の「歌う女優第一号」と語り継がれるまでになった。「日本初」とか「第一号」という称号は強いもので、演劇史の中で重要なポイントとなっている。何度も言うが、下手だけどね。

それだけに「カチューシャの唄の日記念祭」というのまであり、島村抱月との縁でわが母校の演劇博物館も後援している。本日ではなく今月 30日の公演となっているのは、客入りの点で土曜日の方がいいということなんだろうね。

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その賜物なのか、公演チケットは早々と売り切れてキャンセル待ちになっている(参照)。結構な人気のようなのだ。

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このイベントにフィーチャーされている宝塚女優の朱紫令真というのは「あかしれいま」と読むらしい。すごいなあ。こうしてみると宝塚というのは、フィギュアスケート界なんて遙かに凌駕するほどの「キラキラネーム」の殿堂なのだね(参照)。

 

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2023年7月24日

「芸」というものの、稽古の大切さ

下の YouTube 動画は、「盆踊り太鼓練習 栄太鼓(東京音頭)」というもの。再生すると、日本で一番お馴染みと言っていいかもしれないリズムを聞くことができる。

川向こうの神社でも祭礼が近付き、コロナ禍で自粛されていた盆踊りが久しぶりで復活するらしい。それに備えて氏子が太鼓の練習をする音が聞こえる。

ただ、この太鼓の音、初めのうちはやたら下手くそだった。拍子が安定せず微妙にズレるので、聞いていて気持ちが悪い。

「おいおい、なんなら俺が代わりに叩いてやろうか?」なんて言いたくなるほどで、もしかしたらこれまでやっていたベテランが年取って引退し、慣れない若手に引き継がれたんだろうかなんて思ってしまった。

ところがよくしたもので、1時間以上経つと拍子が復活し始め、最後にはちゃんと大ノリで叩いていた。さすがにプロならぬ身のアマチュアである。3年も遠離っているうちに腕が落ちてしまっていたのだが、徐々に感覚がよみがえったというわけだ。よかったよかった。

こうしてみると太鼓に限らず、「芸」というものの稽古の大切さがよくわかる。突然の所望でもそれに応えて見事な腕前を披露できる芸達者というのは、実は普段から人知れず、ちゃんとした稽古を積んでいるものなのだ。

そう言えば私も、最近はギターを部屋の隅に飾っておくだけという感じなので、たまに弾いてみると悲しいほど腕が落ちているのだよね。

 

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2023年5月18日

澤瀉屋(猿之助の屋号)、かなりヤバい

昼前の TBS ラジオで、市川猿之助が「意識もうろうで病院に搬送」いうニュースが流れた(参照)。これを聴いた途端に「あちゃぁ〜、さっそくやっちまったか!」と思ってしまった。

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というのは今朝一番、 NEWS ポスト セブン のサイトに「【スクープ】市川猿之助が共演者やスタッフに“過剰な性的スキンシップ”のセクハラ・パワハラ「拒否した途端に外された」という記事が掲載されているからである。

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このスクープ記事って、かなり「嫌な内容」なので、ここで改めて書く気にはなれない。上の写真のリンクから飛んで読んで頂ければわかるが、「ジャニー喜多川問題」の延長みたいなところがある。

前にも書いたことがあるが、私は七代目団十郎論で文学修士号を取得したほどなので、実は歌舞伎については結構詳しい。若い頃は三代目猿之助(二代目猿翁=当代の伯父)の舞台は結構観ていたし、「歌舞伎はナマで観たことがない」という人には、澤瀉屋(猿之助の屋号)の舞台はオススメと思ってきた。

ただ、今の猿之助はあまりピンとこない。猿之助は慶応出身で、私が学位を取得したのは早稻田というのは無関係なので、念のためオコトワリしておく。というのは、私の贔屓の三代目も慶応だったからね。

猿之助は今月、明治座の「市川猿之助奮闘公演」の最中なのだが、とりあえず昼の部は中止ということになっており、当然にも夜の部だってできないだろう。でっかい穴になる。(これについては、下の【付記 3】を参照のこと)

ニュースの続報によれば、両親(父は三代目段四郎)は死亡が確認され、当人の容態は確認中だが、遺書のようなものが見つかっているという(参照)。

三代目が再興した澤瀉屋だが、その息子の香川照之も昨年、性加害、酒乱のスキャンダルで問題になったし、甥の四代目がこれでは、ちょっとヤバい。死なずに済んだとしても、代がかわってしばらく経たないと浮かばれないだろう。

といっても、今の猿之助には子がいないことになってるしなあ。こうなったら、團子、頑張ってくれ。

【付記】

「澤瀉屋」は、「おもだかや」と読んでね。念のため。

【付記 2】

「四代目市川猿之助」の「四代目」をラジオのニュースなどで「よんだいめ」と読む(クルマの「4台め」じゃあるまいし)キャスターが目立つが、ちゃんと「よだいめ」と読んでね。ついでに、「七代目」は「ななだいめ」じゃなく「しちだいめ」、「九代目」は「きゅうだいめ」じゃなく「くだいめ」。

【付記 3】

本文で「当然にも夜の部だってできないだろう」と書いてしまったが、代役でやるそうだ(参照)。さすが、歌舞伎!

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【付記 4】

ニュースによれば、猿之助は一命を取り留めたらしい。ただ、段四郎の死について共同通信が「市川さんの父親も死亡確認」なんて見出しで報じたことで、批判が高まっている。仮にも市川段四郎なのだよ。しかもフツーは歌舞伎役者を「市川さん」なんて言わないし、記者と編集部の見識が疑われて当然だ。

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そういえば、本文でリンクしたテレ朝のニュースも「市川さん」なんて言ってるなあ(参照)。

 

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2023年3月30日

半世紀以上一貫した、ジャニーズ系への私のスタンス

President ONLINE に ”ショッキングな沈黙レベル…日本で「もうジャニーズ見ない」「ファン辞めます」の動きが起きない本当の理由” という記事がある。コラムニストの河崎環さんによるもので、"BBC記者が糾弾する「少年への性加害疑惑」という公然の秘密" というサブタイトル付きだ。

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故ジャニー喜多川氏の少年への性加害については、実は私は半世紀以上も前から(というか 60年近く前、つまり子どもの頃から)知っていた。行きつけの理髪店に置いてあった週刊誌で、たまたまそれに関する記事を読んだからである。

私は中学入学以後は床屋には行かなくなっていたから、あれは小学生時代の話で、多分 1963〜4年のことである。何の週刊誌だったかは忘れたが(やっぱり「週刊文春」だったのかなあ)、ジャニー喜多川が配下の少年たちにいろいろ性的な行為をしているとの記事だった。

当時はジャニーズ事務所がその世界の覇権を握る直前だったので、週刊誌もこんな話を辛うじて記事にできたんだろう。ただ、それ以後はほとんど「タブー」となってしまったようだ。

この時の記事は結構リアルなものだったが、私としては別にショックは受けなかった。ただ、子供心にも「ふぅん、やっぱりそんなもんなんだね」と思ったことは確かで、これがジャニーズ系をもっぱら冷めた目で見るようになったことの、そもそものきっかけである。

そしてそれから半世紀以上、この「冷めた印象」こそが私のジャニーズ系への一貫したスタンスとなっている。「やらしいオッサンの子飼い」と知ってしまった以上、どうしたってシリアスな目じゃ見られないからね。

誤解してもらっては困るので一応書いておくが、私は昔から LGBT にはまるで偏見がない。ただ、いい大人が圧倒的な立場を笠に着て年端もいかない少年たちにいろんなことをしちゃうというのは、話が別だろう。

そうした行為は立派な(いや、決して立派じゃないか)「性加害」というものだ。そして、それが業界内では「公然の秘密」だったにも関わらず表向きは全然問題にされずに来たというのは、やっぱりどう考えても「いびつ」な構造である。

このことが、ジャニー喜多川本人が死んでしまってからようやく BBC によってまともに報じられるに至った(参照)。これが欧米だったら大問題になるところだが、日本では不気味なほどの沈黙に支配されている。

冒頭で紹介した記事は、この不思議な現象について掘り下げたものだ。私としては「ようやくここまで来たか」と思うばかりで、悪いけど、個人的にはそれだけのことである。以上。

【2023年 5月 18日 追記】

最近になって、ようやくテレビなどのマスコミでも、この問題を取り上げ始めた。ただ、完全に遅過ぎだよね。

 

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2023年1月23日

大相撲番付の不思議な伝統

Japaaan のサイトに "一横綱一大関は 125年ぶりの異常事態! 大関不在になっちゃったら、誰が大関に?? さらにレアな番付「横綱大関」とは" という 1月 20日付の記事がある。正直言って、この見出しを見ただけでは意味がわからなかった。

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今場所の番付表をみると、ただ一人の横綱照ノ富士が休場で、貴景勝が実質的な最上位。そしてその貴景勝が優勝で幕を閉じたわけだ。ところが番付をみると、東の横綱照ノ富士の地位が「横綱大関」となっている。これって、一体何なんだ?

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Japaaan の記事には、下のように説明されている。日刊スポーツの昨年 12月 27日付にも、同様の説明がある(参照)。

大相撲では横綱は名誉地位みたいなもので、あくまで番付の最高位は「大関」です。大関は東西に最低一人は必ずいなければならないとされており、それが伝統となっています。

ところが今場所は大関が一人しかいないので、こんな具合になる。

まずは横綱が大関を兼任して名乗り「横綱大関」という名称で、番付に登場します。今回は照ノ富士が「横綱大関」となりました(そのため今回は、先場所東の大関だった貴景勝が、照ノ富士が東の大関扱いのために西の大関となっています)。

なるほどね。そういうことだったのか。ということは、貴景勝が横綱に昇進しちゃって新たな大関が誕生しなかった場合は、照ノ富士と貴景勝の 2人が「横綱大関」を名乗ることになるのだという。なかなか面倒くさいことだ。

相撲というのはいわゆる「プロ・スポーツ」とは性格が異なり、多分に「伝統芸能」的な性格ももっている。そんなわけで、すっきりとした理窟だけでは割り切れない決まり事があるわけなのだね。

 

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2023年1月 3日

「演歌」の誕生、零落、復活、そして枯れた熟成

昨年(と言ってもつい 4日前のことだが)、"「あけおめ」とか「メリクリ」とか" という記事で、「演歌」という言葉が「演説歌」の省略形であるということについてちょっとだけ書いた。演歌の発祥は自由民権運動時代のプロテスト・ソング (社会抗議の歌)だったわけである。

その記事で「一番それらしい」として YouTube へのリンクで紹介しているのが、『のんき節』という歌だ。添田啞蟬坊 (そえだあぜんぼう)という伝説の演歌師の作で、ここでは鳥取春陽(『籠の鳥』の作曲者)の歌で録音されている。最も原型に近いと思われるフィドル(バイオリン)での弾き語りだ。

当時の演歌は書生(学生)が街頭で広めたので「書生節」とも呼ばれていて、動画の最初に出てくるレコードのレーベルには「書生唄」と書いてある。ただ昔のこととて右から書く横書きなので、「唄生書」、「ドーコレ トンエリオ」(オリエント レコード)、「節きんの」なんて読めちゃうのがおもしろい。

初期に街頭で弾き語りされていた歌がだんだん広がって人に知られるようになると、当時のことだからまず「お座敷芸」に取り込まれた。街頭からお座敷に入ってしまうと楽器が三味線に変わり、こんな具合に変化する。

そしてこれが、ついにメジャーな「歌謡曲」にまで採り入れられる。春日八郎バージョンはこんな具合だ。

冒頭の『のんき節』を歌っている鳥取春陽作曲による『籠の鳥』も、東海林太郎が直立不動で歌うとこんな感じになる。洗練と言えば言えるかもしれないが、初期にもっていたエネルギーは薄められてしまっている。そんなわけで、私にはむしろ「零落」とすら感じられてしまうのだよね。

さらに「演歌」が「艶歌」と言われる時代になり、それが押し詰まってしまうと、タイトルは同じ「のんき節」でもこんなのが出てくる。氷川きよしには含むところはまったくないが、こんなのを見せられると「せいぜい長生きしておくれ」としか言いようがない。

ただ、時代はちょっと前後するが、元々の意味の「演歌」のスピリット復活とも言えるムーブメントも登場している。火を付けたのはフォークソングの高石友也だ。フィドルではなく、ギター 1本で弾き語りしている。

3つ上の『籠の鳥』と混同されがちだが、『かごの鳥ブルース』という歌もある。実はこれ、高石友也のデビュー曲(1966年)で、作曲者不詳。なにしろ少年院で歌われていた歌というのだから、出自はもろに「フォークソング」だが、半世紀以上前のこととて曲もアレンジもちょっっと「演歌」っぽい。

さらにフォークソングの世界でも「熟成」ということがある。添田唖蝉坊による『あきらめ節』を、晩年に近い(死ぬ 3年前)高田渡がいい具合に「枯れた」味で歌っている。

フィドル 1丁とかギター 1本 とかには、なかなかのパワーがあることがわかると思う。なにしろ、フォークソングの神様扱いされる Woody Guthrie (ウディ・ガスリー)のギターには ”THIS MACHINE KILLS FASCISTS"(このマシンはファシストを殺す)というステッカーが貼ってあったほどだから。

彼がこのメッセージをギターに托したのは、ドイツでヒトラーが台頭していた 1940年代初頭だった。上の動画で歌われているのは、"All You Fascists Bound To Lose"(お前らファシストはみんなポシャっちゃうんだよ)。

彼は冒頭で「このヒルビリーに何ができるか、ファシストたちに見せてやる」と言っている。「ヒルビリー」というのはアパラチア山脈南部のカントリー・ミュージックだが、この歌って、米国の「演歌」だよね。

プーチンに聞かせてやりたい。

 

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2021年12月 1日

『マツケンサンバ Ⅱ』と『テンテコマイ』

碓井ツカサ さんという方(漫画家であるらしい)が、着物での激しい脚の動きの際の布の動き方に関する資料を探していて、『マツケンサンバ』の PV で一気に解決したと tweet しておられる(参照)。

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つい「それって、どんなんだ?」とググってみたところ、下の YouTube 動画に行き当たった。この『マツケンサンバ Ⅱ』は、今年の紅白歌合戦に登場するらしい(参照)が、その発表が 11月 19日だったというので、冒頭の tweet が 11月 20日付ということとのつながりに納得がいった。

実は東京オリンピックの閉会式に取り入れるべきだったなんていう声がネット上で盛り上がっていたらしく、それに NHK が乗ったというのがもっぱらの評判である。いやはや、この世は森羅万象に接点がある。

ちなみにこれ、サンバのリズムの上に艶歌(歌のリズムがアタマ打ち)と「流し目」が危うく共存しているという点で、摩訶不思議なものである。「サムい!」という反応もあるが、これはこれで「新ジャンル」と思っていればいいだろう。

そしてさらに、冒頭の tweet に お菊 さんという方からついた「よろしければこちらも・・・」というレスがまたスゴい。富士急ハイランドの『テンテコマイ』という新アトラクションの PV である。

いきなり三味線で登場するのは、すっかり白塗りなので誰かと思ったが、「平成の女道楽 内海英華」(「うつみえいか」と読んでね)姐さんではないか。ついに「令和のブレイク道楽」に進化してしまっている。

いやはや、世の中というのは、どこでどんなネタが生まれているか知れたものではない。実にもって油断のならぬことである。

 

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2021年11月15日

NiziU の新曲は "Chopstick" (単数形)なのね

3〜4日前から、私の【どうして「箸」のことを "chopsticks" なんていうのか】(2016年 1月 29日付)という記事が妙にアクセスを集めていて、「一体なんでまた・・・?」と不思議に思っていたのだが、やっとナゾが解けた。NiziU というアイドル・グループが、"Chopstick" という新曲を出していたのである。

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私は今年 5月 18日付の記事で、"Sustainable" (サステイナブル)が日本では「サステナブル」でほとんど定着してしまっているのは、2019年に AKB 48 が歌った「『サステナブル』という曲が、「まさに持続可能な決定打となった」と書いている。いやはや、アイドルの力って結構大きい。

"Chopstick" ってどんな曲かと検索したら、YouTube でも視聴できるとわかった。下の画像の「▷」をクリックしていただければ楽しめる。イントロが「二本指でピアノを弾く場面」から始まるのも、なかなかのウンチクである。

これは、"Chopsticks" の語源説に「ピアノの練習における 2本指の快速演奏が、箸の動きと似ているから」というのもあることを踏襲しているのだろう。このプロジェクトに関わった連中、なかなかやるな。

ただ、私としてはこの ”Chopstick” という曲を実際に聞くまでは「箸って "chopsticks" と複数形でないと意味をなさないんだがなあ」と、ちょっとした「残念感」をもっていた。ペアのものでもつい単数形にしてしまうのは、日本人にありがちなミスだからね。

ところが聞いてみて、この歌のタイトルは「単数形」でなければならないという必然性のあることがわかった。こんな歌詞なのである。

Like a chopstick 1本じゃ掴めない
Like a hand to clap 1人じゃつまらない
Like a pretty shoe ちぐはぐじゃ心配
Like a wing to fly 君としか飛べない

箸が 1本だけじゃつかめないし、手が 1つだけじゃ手拍子も打てない。可愛い靴でも片方だけじゃだめで、翼が片方だけでも飛べないというのは、なかなかおもしろいレトリックだ。それに歌も踊りも上手だし、英語の発音も悪くない。うむうむ、本当になかなかやるじゃないか。

で、最後まで残った疑問が「NiziU って、なんと読むんだ?」ってことなのだが、どうやら「ニジュー」と読むようなのだ(参照)。

さらに恐れ入ったことに、Mac で「ニジュー」と入力したら、単語登録したわけでもないのにあっさりと "NiziU" に変換されてしまったのである。いやはや、これって手回しよすぎじゃないか。

というわけで、私は基本的にアイドルの歌ってピンとこないのだが、この NiziU ぐらいにとことんやってくれたら、プロジェクトとして認めざるを得ないと思った次第なので、どうぞ

Yoroshiku4

【同日 午後 17時 30分 追記】

ところで今度は、昨日の夕方頃から「数を数えるのに節を付けるのは、群馬県に限らない」(2017年 5月 ⒏日付)に猛烈な勢いでアクセスが集中した。昨日の 18時過ぎ頃はとくにスゴく、1分に 10アクセス以上だった。

これって、一体何がきっかけだったのか、まだ不明である。心当たりのある方がいらしたら、コメントで教えていただきたいので、重ねて

Yoroshiku4

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