カテゴリー「心と体」の391件の記事

2021年10月 6日

「横浜ヴィーガンラーメンプロジェクト」に拍手

私は肉食を絶って久しい。高校時代の同級生で医者になっている友人から「肉も食わないと体をこわすよ」なんて言われたことがあるが、全然そんなこともなく、至って健康である。たったひとつの難点と言えば、好きなラーメンを気軽に食えなくなったことぐらいのものだ。

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今年 2月 21日付の「肉の入ってないラーメンを食べさせてくれる店」で書いたように、ノーミートのラーメンを食べようと思っても、それに応えてくれる店は本当に少ないのである。とくに私のよく行くエリアではなかなか希少な存在でしかない。

出張などの帰りには東京駅か上野駅にある「T's たんたん」でありつくのが楽しみだったが、最近はコロナ禍のせいで旅が減り、なかなか立ち寄れない。こうなると、肉を使わないラーメンを提供してくれる店がどこの地域にもフツーにあるという状況になることを望むばかりである。

そんなことを思っているものだから、IDEAS FOR GOOD というサイトの "「横浜ヴィーガンラーメンプロジェクト」植物性・地産地消・食品ロス削減を同時に実現へ" という記事に目が止まり、思わず拍手を送りたくなった。これは快挙である。

このプロジェクトの発起人は、RCE 横浜若者連盟の村上柚芽香(むらかみゆめか)さんと中田裕斗(なかだゆうと)さんという若者であるらしい。村上さんが研究のために訪れた北欧では、ビュッフェ形式のレストランでヴィーガン・メニューの方に長い列ができるほどだったことにインスパイアされたようだ。

うぅむ、日本では肉料理に長い列ができて野菜料理はスイスイなので、「北欧は大変だな」なんて逆に複雑な思いになってしまいそうだが、いずれにしても、ヴィーガン料理がフツーに食べられるというのは羨ましい限りである。それを日本でも実現したいというのだから、「エラい!」と褒めてさせてもらう。

さらに地元横浜産の食材を用い、出汁がらや野菜の茎なども廃棄せずにトッピングに使うなどして、地産地消と食品ロスの削減にもアプローチしているというのだから、さらに「エラい!」。つくばの地からも応援したい。

こうした取り組みが、日本中に広まってくれないかなあ。

 

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2021年10月 3日

「ピュアな食生活」と、そのリスクみたいなこと

東洋経済 ONLINE に "「添加物と無縁な生活」 は許されないという現実 「普通のサンドイッチ」 で胃腸がパニック?" という記事がある。このところ「質素生活」についてずっとおもしろいレポートをしてくれている(参照)稲垣えみ子さんが書かれたものだ。

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この記事、とても共感しながら読ませてもらった。というのは、私も稲垣さん同様、一時はかなりピュアな「マクロビオティック」志向をしていたことがあって、食品添加物などとは無縁な生活をした経験があるからだ。

ところがこの稲垣さんもいつの頃からか、「ピュアな健康志向」が少しゆるんできたという。それは「自然食品店で何もかも買うというのは、私にとっては『ピュアすぎる』行動なのだ」という感覚からのようだ。稲垣さんはこんなふうに書いている。

だんだんエスカレートしてくると、普通に売っている食品や、普通の食品を普通に食べてる人が、なんだか「ダメなもの」「ダメな人」のように見えてきてしまうのである。周りはすべて汚れていて、自分だけはピュア。そんな選民思想のようなものにとらわれ始めた。

これはヤバい。かなりヤバい。私もそんなような感じになりかけたことがあるから、とてもよくわかる。というわけで、最近では私の食生活も同様に少しゆるんでいる。

「ピュアな自然食品」にあまりとらわれなくなると、かなり気持ちが楽になる。とはいいながら、やはり自分で食べるものは「添加物 OK、何でもこい!」とはなるわけがない。食品を買う時に必ずパッケージをひっくり返して添加物をチェックするのは、ずっと変わらない。

稲垣さんも結局のところ、「毎日、玄米飯、味噌汁、ぬか漬けですよ」というのだから、フツーの人と比べればかなりピュアな食生活をし続けていることになる。そして私もかなりそれに近い。とくに狙いすぎているわけでもないのに、自然に「ピュアな食生活」が身についてしまっているのだ。

その結果、稲垣さんは大手コーヒーチェーンの野菜サンドなんかを食べるだけで、お腹の調子がおかしくなってしまうらしい。胃腸が「えー! なにこれ! キイテナイヨ!」と言い出して、うまく消化できなくなるのだそうだ。これもよくわかる。私の場合は、外食で腹具合が悪くなったりすることはないけど。

というわけで、稲垣さんは「『ピュアな食生活』は自然食品店に通わずとも、質素な暮らしをしていればものすごくフツーに手に入る」としつつも、それが行き過ぎると、「友達と楽しく食事に出かけた後で、倒れて寝込むということにもなりかねない」と、少しだけ警鐘を鳴らしているわけだ。

ちなみに、上の写真に出ているのは、「100年ものの梅干し」だそうだ。うぅ〜、食べてみたい。

 

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2021年9月26日

総裁選 4候補の「昆虫食」に関する姿勢

日刊スポーツのサイトに ”男児「虫を食べなければいけないんですか」総裁選4候補者に質問” という記事がある。学校で SDGs について学んだという 小学校 1年生の男児が「僕たちが大人になったら、本当に虫を食べなければいけないんですか」と、オンラインで質問したのだそうだ。

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この質問に対する 4候補の回答は、次のようなものだったらしい。

河野氏「そうならないように努力をしています。お肉すきかな。大豆からお肉が食べられるように、実験進めています」

岸田氏「皆で努力すれば虫を食べなくて済む。水や自然を守っていかなければなりません」

高市氏「今でも伝統的に虫が好きな方がいます。栄養もありますよ。工場の中で野菜や果物が育てる仕組み進めています」

野田氏「おばちゃんは昔から虫を食べています。しょうゆと砂糖で煮るとおいしいです。肉や野菜を作る人が増えるよう願っています」

大別して、男性 2候補は昆虫食に否定的だ。河野氏の「そうならないように努力をしています」なんて、昆虫食という文化が忌まわしいことででもあるかのような言い草で、「差別的言辞」として問題視してもいいぐらいのものだ。この人、私が 2018年 12月 12日の記事で書いているように、「ヘボ役者」である。

岸田氏の回答の「皆で努力すれば虫を食べなくて済む」と「水や自然を守っていかなければなりません」というのは、文脈の整合性という見地からすると、全然論理的につながらない。この問題をさっぱり理解していないことが見え見えで、自分で何を言っているかわかっていないようだ。

というわけで、この回答をみただけで、私は「今回の自民党総裁選、男性候補は 2人ともダメだな」と言いたくなってしまう。視野が狭くて、エコの視点が今後の世界の最重要課題となることや、多様な価値観ということを、ちっともわかっていない。

それに対して女性候補は昆虫食に肯定的なだけ、言外に「できれば避けたいよね」というニュアンスが感じられるとはいえ、多様性という視点から言えばずっとマシだ。ただ、高市氏の言う「工場で育てられた野菜や果物」なんてものはあまり食べたいとは思わないので、野田氏の言い方が一番マトモだと思う。

野田氏の場合は、4人の中で唯一森友問題に関する再調査が必要と明言している(参照)だけ、ちゃんとした見識があると思っている。ただ、マスコミ報道では彼女が「泡沫扱い」されているのが、実に気に食わないところである。

世の中ってなかなか理窟通りには行かないものだが、中でも政治というのはとくに、妙な行きがかり優先で動いていくものらしい。本当に付き合いきれない世界である。

ちなみに私個人は、2018年 2月 7日付で「昆虫食、ドンと来い!」という記事を書いているように、虫を食うことに関してはかなり積極的な肯定派である。肉食を止めて久しいので、今となっては牛や豚を食う方がずっと気持ち悪く感じてしまうのだよね。

虫を食うのがイヤなくせにシュリンプを喜んで食うというのも、よくわからない。

 

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2021年9月11日

AB 型は、新型コロナに感染しやすいらしい

東洋経済 ONLINE に "新型コロナ感染率「血液型で異なる」科学的根拠 なぜ「O 型は重症化しづらい」といわれるのか" という記事がある。これ、「血液型による性格診断」なんていうのと違って、科学的にも根拠のある話なのだそうだ。

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具体的な話はリンク先の記事に飛んでもらえば詳しく書いてあるので、文系人間の私としてはここで改めてくどくど書くことはしないが、次のような話が紹介されているのである。

世界で権威ある週刊総合医学雑誌とされる『ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)』の電子版(2020年6月17)にも、血液型と感染率を遺伝子レベルで研究した論文が掲載されています。新型コロナ感染・重症化と遺伝子との関係を調べたところ、O型の遺伝子を持つ人の重症化リスクは他の血液型より低く、A型の人は重症化リスクが高くなる可能性が見られたとのことでした。

というわけで、私としては「へえ!」と思ったわけだが、問題はここから先だ。「O 型は他の血液型と比べて感染率も重症化率も低く、反対に、A 型と AB 型は高い傾向がある」とあり、さらにまとめると、こんなようなことになる。

  • A 型の人は抗 B 抗体を持っている。このため、B 型の血液型物質を持った微生物には感染しにくい
  • B 型の人は抗 A 抗体を持っている。このため、A 型の血液型物質を持った微生物には感染しにくい
  • O 型の人は抗 A 抗体も抗 B 抗体も持っている。このため、A 型と B 型微生物には感染しにくい。また、両方の抗体を持つことで、免疫力が 4つの血液型でいちばん強い
  • AB 型の人は抗 A 抗体も抗 B 抗体も持っていない。このため、感染症全般に弱い。抗体の量も生まれつき少ないので、免疫力がもっとも弱い。

免疫力の強い順に言うと「O 型 → B 型 → A 型 → AB 型」ということになるらしく、おまけに O 型はたとえ感染しても重症化しにくいらしい。

おいおい、AB 型の私としては立つ瀬がないじゃないか。ちなみに私の妻は O 型で、免疫力がもっとも強いということになっている。道理で今回のコロナ禍でも案外呑気に構えている。

で、両親が AB 型と O 型の組み合わせだと、その子どもは「何でもあり」ということになりそうな気がするが、実際に生まれるのは A 型と B 型がということになっている。ウチの 3人娘も、長女と三女が A 型で、次女が B 型だ。

稀に Cis-AB 型というタイプだと、AB 型と O 型が生まれることもある(参照)ようだが、ウチはフツーの教科書通りである。

ということで、我が家は妻と次女の免疫力が高く、父親の私が最低ということのようなのだ。でもまあ、いずれにしてもワクチンの 2回接種を先月半ばに終えたことだし、あとはフツーに気をつけながら呑気に暮らしていけばいいだろう。

 

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2021年9月 9日

マスクへの抵抗感

今年 7月 28日付の「ウィルスとマスク着用の、かなり面倒なお話」という記事で、西洋人、とくに米国人はマスクをしたがらないというようなことを書いた。ところが最近では、それも変わって来ているらしいのである。

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NATIONAL GEOGRAPHIC のサイトに「米国人の "マスク嫌い" に変化、コロナ後も定着するか」というニュースがある。これには正直驚いた。何しろ私は、医者以外の米国人がマスクをしているのを見たことがないもので。

実は私自身、マスクは好きじゃない。息苦しいし、とくに夏は暑苦しさも加わって大変な思いをする。早くコロナ禍が収束してマスクをしなくてもいい世の中になってほしいものだと念願しているが、あの米国人のマスク嫌いに変化が現れているというのだから、世の中どう転ぶかわからない。

記事では「米国で新型コロナウイルスの感染者が出始めたとき、米疾病対策センター(CDC)は当初マスクをしないよう国民に呼びかけた」としている。「医療従事者のためにマスクを節約しよう」ということだった。ところがマスクの感染予防効果が確認されると一転して、マスク着用を推奨し始めた。

当初は、米国でマスクを着用していると気味悪がられたという。皆がマスク着用者から遠離ろうとしたというのだ。ところが今では、米国人の多くはマスク着用に慣れて、抵抗が薄れてきているという。まあ、南部の保守派の中にはいつまでも抵抗してマスクをしたがらない層があるらしいが。

世の中、変われば変わるものである。実際のところ、マスクに関する抵抗は、もはや米国人一般より私の方が強いかもしれない。

世間ではコロナ予防効果の高いマスクを求める風潮が強まっているというのだが、私が人前に出るときにマスクを付けるのは、正直言って「格好だけ」である。2度のワクチン接種も済ませたことだし、できるだけスカスカで息苦しくないマスクで勘弁してもらっている。

まあ、公式的にはリスクの大きいケースではワクチン接種を完了していてもマスクを付けることが推奨されるというので、仕方なくきちんと着用してはいるのだが。

 

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2021年9月 5日

「死に目に会う」より大切なこと

東洋経済 ONLINE の先月末日付に ”「死に目に会う」を重視しすぎる日本人の大誤解  亡くなる前に「一番大切なこと」はほかにある” というタイトルの記事がある。医療法人ゆうの森理事長で、たんぽぽクリニック医師の、永井康徳氏によるものだ。

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記事中に、永井氏の「死に目に会う」ことに関する講義を聞いた、父の死に目に会えなかった経験をもつ研修医の、次のような感想が紹介されている。

「永井先生の講義を聞いて、『亡くなる瞬間に誰かがみていなくていい』という言葉にハッとしました。私自身、そばにいてあげられなかったことをずっと引きずっていたのです」

私自身は、自分の父と母のどちらの死に目にも会えていないが、そのことによるトラウマ的な感慨はまったくもっていない。それは私が山形県庄内の田舎を遠く離れて関東での暮らしをしていたことと無縁ではないと思う。

母は 2007年の 5月、父はその 4年後の 2011年 10月に亡くなったが、駆けつけた時にはどちらも病院のベッドで冷たくなっていた。

身内の容態の急変を聞いて、どんなに急いで帰郷したとしても 8時間ぐらいかかってしまう頃だった(今でもそれほど変わっていないが)のだから、元々「親の死に目には会えないもの」と思っていた。

そして親も、それは当然と思ってくれていたようだ。父が死ぬ前、最後に会った時に「俺ももう長くないだろうが、死に目に会おうなんて、無理なことは考えなくていいからな」と言ってくれたのを覚えている。

永井氏は記事の中で次のように述べておられる。

私は、死を間近にした患者さんにとって、亡くなる瞬間に立ち会うことよりも、「穏やかに楽に逝けること」がもっとも大切だと思うのです。こうした考え方が広まれば日本の看取りの文化が変わり、自宅での看取りが増えていくのではないかと考えています。

まさにそうだと思う。私も今のところやたら元気とはいいながら、既に 69歳にもなったのだから、あと 10年ぐらい生きて、このブログの「10,000日連続更新」を済ませた頃には、とっととあの世に行きたいと思っている。子供たちに「死に目に間に合うように」なんて言うつもりはまったくない。

永井氏によると日本人の 8割は病院で死ぬのだそうで、この割合は圧倒的に世界一なんだそうだ。死ぬ前に入院なんかしてしまったら、病院側としてもできるだけ長く生かそうとしてしまい、余計な治療まですることになるのだろう。

私としては、病院で何本もの管を繋がれながら無理矢理生かされた挙げ句にやっと死ぬなんて、考えるだけで嫌になる。昔から諦めのいい方で、1分 1秒でも長く生きることが幸せだなんて思うのは、完全に「煩悩の産物」だと思っている。

年をとって体が衰えた曉には、ある程度のところでその衰えた体からスルリと抜け出す方が、楽で幸せというものだろう。衰えた体の中で苦痛と不自由さに耐えていろという方が、ずっと残酷だと思ってしまうのだよね。

 

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2021年8月19日

2回のワクチン接種を終えても、マスクは必要らしい

東洋経済 ONLINE に ”デルタ株対策「やっていいこと」と「ダメなこと」 マスク、外食、電車、接種完了者へのアドバイス” という記事がある。「接種完了者へのアドバイス」というのだが、やはりいろいろ気をつけなければならないことだらけのようで、ちょっと嫌になる。

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まずはっきりと意識しなければならないことは、「ワクチンの効果は 100%ではない」ということのようだ。そんなことは元々わかってはいたが、「予防接種でつくられた抗体は防波堤のようなものだと考えてほしい」と専門家に指摘されると、「防波堤を越える波もある」と明確に意識されてしまう。

そしてデルタ株というのは、防波堤を越える波を生み出す「ハリケーンに近い」ものなのだそうだ。うぅむ、こりゃ、「ワクチンを 2回接種したから、マスクはしなくてもいいよね」と、簡単に言うわけにいかない。

とはいえ、ワクチン接種の効果はそれなりにあって、ワクチン接種者が感染(ブレークスルー感染)する確率は低く、「入院や死亡に至るケースも極めてまれ」とされている。

仮に「デルタ株によるブレークスルー感染で入院することになったとしても、接種済みの患者は未接種の患者に比べ、酸素補充が必要になる確率は圧倒的に低く、ウイルスが体内から消えるまでにかかる時間も短い」ということのようだ。ありがたいことである。

ただ、ワクチン接種済みであってもマスク着用が薦められるケースは多く。記事には次のようにある。

屋外の混み合っていない場所で、他者との間に十分な距離(少なくとも約1.8メートル以上)を確保できる場合にはマスクを着ける必要はない。これが大方の専門家の一致した見解だ。屋外であっても満員のコンサートに行くのはリスキーだが、それでも行く場合はマスクを着けよう。

「ワクチンを接種したかどうかわからない人と屋内にいる場合には(あなたが接種済みであっても)マスクの着用をお勧めする。とくに短時間であっても 1メートル程度しか距離がとれない場合とか、同じ部屋で長時間過ごす場合には、マスクを着けた方がよい」

ワクチン接種済みの人から同じく接種済みの人に感染する可能性もあり得るらしい。ワクチン接種によって自分は感染しなくても、ウィルスを持ち運んで、他に感染させてしまうリスクはあるわけだ。まったく面倒な話である。

結局のところリスクの大きいところでは、やはりマスクを着用する方がいいということらしい。しかも N95 や KF94 といった高性能な医療用マスクが望ましく、それが入手できない場合は「マスクを二重にするのが賢明」とまで言われている。

要するにワクチンの 2回接種を終えても、まだまだマスクは必要ということのようで、鬱陶しさはしばらく続くわけだ。

 

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2021年8月11日

「事故に遭ったよう」なコロナ感染というのがある

丹波新聞に "「事故に遭ったよう」 東京出張後にコロナ発症の男性 「特別なことしなくてもうつる」と警鐘/兵庫・丹波市" という記事がある。

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この男性は先月中旬に丹波市から東京に出張し、19日に戻って 22日から咳が出始めた。23日の検査で陽性と判明して、丹波市内の病院に 2週間入院、8月 5日に退院した。「都内では外食せず、用心していた。どこでもらったのか分からず、事故に遭ったようなもの」と語っているという。

記事には次のようにある。(「外食せず」と言っているのにファストフード店に入っていて、マスクを外したというんだから、テイクアウトでもなかろうことについては、ここでは敢えて深く追求しない)

東京で立ち寄ったのは、ホテル、コンビニ、ファストフード店。人がいるところでマスクを外したのは、客のまばらなファストフード店と、新幹線の車内の喫煙コーナー(定員2人)ぐらいだった。

この男性は 39度の高熱が出て味覚と臭覚がなくなったものの、入院後 4日目で咳と熱が収まり、重症化はしなかった。ただ 2週間も病院のベッドで酸素の管に繋がれているのがうっとうしかったという。

この男性は丹波という土地在住だったので病院に余裕があって入院できたが、都内では重症でないと入院するのが困難というのだから、状況はかなり逼迫しているということになる。

世の中には「若い人は感染しても重症化せず、知らないうちに治っていて自然に免疫力がつくので安心」なんて、呑気なことを言う人もいるが、この記事の男性は 30代だが、一時は 39度の熱が出て、味覚障害で固形物が喉を通らなくなったというほどだ。油断はならない。

さらに言えば、自分は気付かないうちに治ってしまうことがあるとしても、それだと知らぬ間にウィルスを拡散させる可能性がより高まるのだから、迷惑千万だ。いずれにしても最大限の注意が必要というのは言うまでもない。

ちなみに、この男性は「どこで(ウィルスを)もらったのか分からず」ということになっているようだが、私が記事から受ける印象では、「新幹線車内の喫煙コーナー(定員 2人)」というのが怪しい気がする。

ただ、喫煙コーナーは換気が行き届いているだろうからどうかなという気もしたので調べてみたところ、"喫煙室でタバコ吸う人があまりに危なすぎる訳 「3密」の条件が当てはまり感染拡大が懸念" (東洋経済 ONLINE 2020年 4月 16日付)という記事が見つかった。

喫煙室や喫煙コーナーというのは思いのほか換気がよくないらしく、しかも「定員 2人の喫煙コーナー」で、1人だけで吸ったとしても、前にそこにいた感染者がマスクを外して息を深く吸ったり吐いたりしたことで壁などに付着したウィルスは、最大 9日間生存するらしい。こりゃ、かなり危ない。

一方、PRESIDENT Online では、内閣参与の飯島勲という結構エラい人が "「タバコ喫煙者はコロナ感染から守られる」決定的証拠 タバコが救う人間の命” (2020年 7月 31日付)なんて文章を寄稿していて、その中で喫煙者はコロナ感染リスクが低いと主張し、自分はタバコを止めないと表明している。

この人は「人に迷惑はかけない」という吸い方をされているらしいから、それはもう「どうぞ、ご勝手に」と言うほかない。

ただ、喫煙者でも「どこでもらったかわからない」みたいな形で感染してしまうこともあるとわかった以上、喫煙のおかげで「コロナ感染から守られる」なんて言ってないで、どうぞご用心。まあ、この人は今は多分「タバコ吸ってる上にワクチン 2回打ったんだから、自分は大丈夫」と思っているだろうが。

【この問題に関して、参考になると思われる記事】

新宿つるかめクリニック  ~新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と喫煙~ (2021年 2月 15日付)

喫煙者における新型コロナ感染のリスクを評価した査読付きの研究は現在のところありません。逆に、新型コロナウイルス感染症患者の現在喫煙率が低いとする報告が多くなされています。例えば、Simonsらのメタアナリシスでは、中国における新型コロナ患者の喫煙率は数%であり、中国の成人喫煙率27.7%よりもずっと低率と報告されています。しかし、このメタアナリシスの対象論文の多くは喫煙率調査が不完全であると指摘されています。また、フランスにおける新型コロナ患者の喫煙率に関する論文でも、フランスの新型コロナ患者の「現在毎日喫煙率」は4.4%であり、フランスの平均毎日喫煙率25.4%よりもかなり低くなっています。しかし、この論文では毎日喫煙者、時々喫煙者、過去喫煙者、生涯非喫煙者が不自然な割合になっており、コロナを発病したため入院直前に禁煙した者を過去喫煙者としている可能性が指摘されています。新型コロナ感染に対する喫煙のリスクは今後の報告が待たれます。

(要するに、コロナ感染者における喫煙者の比率が低いというデータは、まともな統計としての見地からするとかなりアヤシいところがあるので、鵜呑みにするのはどうかな?というお話)

CLINIC FOR 新型コロナと喫煙の関係性について、医師が解説します。 (2020年 12月 30日付)

今現在わかっていることには、喫煙者は非喫煙者に比べて新型コロナ感染時に、人工呼吸器を装着する必要があるようになる、あるいは死亡してしまう危険性が3倍以上になると言われています。

 

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2021年8月 6日

ワクチン接種完了で、感染リスク「半減」だそうだが

Gigazine に「ワクチン接種を完了した人は新型コロナへの感染リスクが半減するという研究結果、他者への感染リスクを低める可能性も」という記事がある。これを読んで、2回接種完了した私自身の感染リスクって「せいぜい『半減』程度なのかよ!」と、ちょっと複雑な思いになってしまった。

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もっとも、元記事の方は "Coronavirus infections three times lower in double vaccinated people" (ワクチン接種した人たちの間では、コロナ・ウィルス感染が 3倍低い)とあるから、そこは「言葉の綾」みたいなことで、「一応は安心していいけど、気を緩めすぎちゃダメよ」ってことなのだろう。

私は先月 28日の「ウィルスとマスク着用の、かなり面倒なお話」という記事でも「他者への感染」についてちょっと気にしている。今回の記事によれば「ワクチン接種完了者は平均して検出されるウイルス量が少ない」ので、自分から感染させるリスクも軽減されるようだ。

これは率直に言うと、自分が感染するリスクが減るというよりも気が楽になる情報だ。自分が死ぬ分には自分で諦めればいいだけだが、自分が広めたウィルスのせいで他人が死んだり重症になったりしては、どうにも夢見が悪いからね。

さらに「ワクチン接種完了した人は、必ずしもマスクをしなくてもいい」との状況に移行するための材料にもなりやすい気がして、個人的には期待したい。マスクはもう、うんざりだ。

ちなみに、ワクチン接種を完了しても感染してしまうことを「ブレークスルー感染」というらしい(参照)。これを防ぐためにファイザー社は、3回目の接種をする「ブースター・ショット」というのを呼びかけたのだが、世界保健機関(WHO)はこれに慎重な態度だ(参照)。

先進国ばかりが 3回接種するというのは、ワクチン供給不足に拍車をかけてしまうことになるので、そこは途上国に配慮せよということのようだ。理解できる話である。これに関しては、日本は「半分途上国」みたいなものだし。

というわけで、個人的には既にかなり気が楽になったものの、コロナ対策のあれやこれやはまだまだ続くということのようだ。やれやれ。

 

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2021年7月28日

ウィルスとマスク着用の、かなり面倒なお話

Gigazine の昨日付に 「新型コロナワクチンを接種したらマスクをしなくても OK なのか?」という記事がある。元記事は "Should fully immunized people wear masks indoors? An infectious disease physician weighs in" という記事だ。

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元記事の見出しは訳すと「きちんと予防接種した人は屋内でマスクを着用すべきか? 感染症専門医が意見を述べる」というもので、この疑問にカリフォルニア大学サンフランシスコ校の薬学教授、Peter Chin-Hong 氏が答えている。

私は 7月 23日付の ”ユニクロ「エアリズムマスク」で夏を乗り切るか“ という記事で、「日本全体のワクチン接種率が高くなって、マスク着用をうるさく言われなくなるのを待つだけだ」「次の夏前にはマスクから解放されたい」 なんて書いているが、実はこれ、よく調べるとかなり面倒な話のようなのだ。

昨年初め頃、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、「病気の場合はマスクを着用し、病気でない場合は病気の人を看病していない限りマスクを着用する必要はない」としていたし、世界保健機関(WHO)に至っては「ガーゼやコットンなどの布製マスクの使用は推奨されない」なんて言っていた(参照)。

WHO は昨年 3月に出した文書でも「マスクの効果は大したことがない」みたいなことを書いていて(参照)、私としても「WHO って、かなり乱暴なこと言うなあ」と思った記憶がある。しかしその後は米国でも何度も指針が更新され、だんだん着用の方向に向いてきた。

その後はワクチン接種が進むにつれて文言上はちょっと緩み、今年 3月 9日、CDCは「新型コロナウイルスワクチンの接種を受けた人同士ならば、マスクを着用せずに屋内で過ごすことが可能」とするガイドラインを公開。これ、我が家の現状でもある。

しかし新規感染者数が再び増加し始めると、7月 15日にはロサンゼルス郡が、ワクチンの接種状況に関わらずマスクを着用することを求める決定を下すなど、マスク着用を促す動きが再び活発化。まさに「行ったり来たり」で訳がわからない。

今回の Gigazine の記事で Peter Chin-Hong 氏は、「アメリカ国内での COVID-19 による入院者数と死亡者数が管理可能であり、医療崩壊に陥っていない限りは、新型コロナウイルスワクチンの接種者に対してマスクの着用を義務づける必要はないでしょう」と締めくくっている。

ところが一方で、ワクチン接種が済んだ人でもマスク着用は続けるべきだとの主張もある。ワクチンを接種しても自身が感染・発症しにくくなるだけで、ウィルスを媒介する可能性は残っているというのがその理由で、日本の厚労省はこの立場のようだ(参照)。

実証的な見地からの話はなかなかよくわからないが、見えてきたことはメンタリティとして、「日本人はマスクに抵抗がないが、西欧人は着用したがらない」ということだ。日本は一貫して「マスクしましょう」で進んできているが、米国は何かプラス要因さえあれば「しなくていい」と言いたがる。

これだけは傾向として確実に言えそうなので、マスクに関する情報は、このバイアスを意識して聞く必要があると思う。

 

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