駅のホームの「ベンチの向き」、自殺対策も?
6年近く前のちょっと古い記事だが、ダ・ヴィンチというサイトの "駅のホームの「ベンチの向き」が変わってきた理由" というのが興味深い。駅ホームのベンチが線路に向けて平行ではなく、垂直の向きで設置されていることが多くなってきたというのである。
こうした設置の仕方は関西方面に多いという印象があったのだが、最近では関東でも徐々に増えてきたようだ。紹介した記事によれば、"酔っ払い客の「ホームから線路への転落」を防止するのが目的" ということになっている。
線路へ転落する事故は、ホームすれすれのところをフラフラ歩いていて落ちるというよりは、ベンチから立ち上がって一直線に電車のドアに向かったつもりが、電車の到着直前であることに気づかず転落してしまうケースが多いためだという。
なるほどね。従来のベンチの向きだと、酔っ払った状態でベンチから立ち上がり、そのままフラフラ歩いて行ったら、ホームから落ちてしまったり電車に轢かれてしまったりする可能性がある。ただこれは「酔っ払い客」ばかりとは限らないだろう。
私は深刻な神経衰弱から立ち直った知人の話を聞いたことがあるのだが、彼は症状が最もひどかった時期に駅のホームで「飛び込み自殺」をしかけたことがあるという。
「朝の通勤時にようやく駅まで辿り着いても、ずっとホームのベンチに座り込んだまま立ち上がれないんだよね」と、彼は振り返る。「ところが、いつの間にかフラフラと歩き始めていて、ホームの端で入って来た電車に飛び込もうとしている自分に気付くんだ。そこでハッとして踏みとどまってた」
彼は今ではすっかり元気になって、自分の過去を客観的に語ることもできるのだが、ひどかった頃にはこのように、明確に意図しないまま自殺しかけたことが 2〜3度あったのだそうだ。
「世間では『同じ自殺するにしても、周りに迷惑のかからない方法でやってくれ』なんて言う人がいるけど、自殺する当人にしてみれば、そんなことまでは到底気が回らないんだよ」と、彼は言う。
というわけで、ホームのベンチの向きを変えることは自殺防止にもある程度の効果を発揮しているんじゃないかなあ。鉄道会社はそこまで明確には言わないけれど、「酔っ払い対策」ばかりじゃないのは確実だと思っている。


















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