カテゴリー「旅行・地域」の286件の記事

2021年10月21日

久しぶりで旅ができそう

久しぶりの出張が決まった。来月中旬に大阪に行くことになったのである。東海道新幹線に乗るのが 1年 4ヶ月ぶりになると気付いて、我ながら驚いている。

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ここ 20年ぐらいは、月に 2〜3度は日本各地に出かける仕事が入っていたのだが、コロナ禍のせいで激減し、昨年 1月からの出張を振り返ると、関東圏で日帰りした以外では下に示した10回だけだ。平均すると例年の 5分の 1 以下の頻度である。

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このほか 3月に、「旅の禁断症状」を和らげるためにプライベートで飛騨に旅している(参照)が、これを含めても今年に入ってからは 10ヶ月でわずか 4回。 フツーなら「結構行ってるじゃん!」と言われそうだが、風来坊の私としては、こんなにまで旅が少ないのは高校を出てから初めてだと思う。

それにコロナ禍に配慮して、たまに出張に出てもほとんど寄り道もせずに帰るから、まったく味気ない。昨年 3月末の網走出張で「せっかくこの季節に来たんだから、このまま帰すわけに行かない」と強く勧められ、流氷見物をした(参照 1参照 2)のが唯一の例外である。

ここに来てコロナ禍がやや下火になったので、ようやくまともに「旅らしい旅」ができそうな雰囲気になった。とはいえ、今回はたかだか 2泊 3日ぐらいのちゃっちいものではあるが。

今度の旅では、大阪での仕事の本番の前後どちらかに、京都にでも立ち寄って秋の古都を味わってみようと思う。京都はこれまで何十回も行って見るべきところは見尽くしてしまっている気もするが、見落としてしまっているスポットがあるかもしれない。

さて、どんなところに行こうか。楽しみ、楽しみ。

 

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2021年8月30日

『鉄道唱歌』に出てくる「愛宕の山」の姿

「汽笛一声新橋を・・・」で始まる『鉄道唱歌』を初めて知った子どもの頃は、都から遠く離れた山形県庄内の地に住んでいたので、「愛宕の山に入りのこる 月を旅路の友として」という歌詞は、遙か西の多摩の山々を望んでのものと思い込んでいた。

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長じて上京し、「東京都港区愛宕」なる地名が存在すると知ったが、すぐには『鉄道唱歌』に出てくる「愛宕の山」とは結びつかなかった。とくにその辺りは慶応大学の地盤なので、早稻田大学に通った身としては近くの「箱根山」には馴染んでも、「愛宕山」にはまだ登ったこともない。

やがて知らされたのは、『鉄道唱歌』に出てくる「愛宕の山」とは、まさしく港区愛宕にある「愛宕山」のことで、標高 25.7m、東京 23区内の天然の山としては最高峰ということだった。一方、早稻田の近くの「箱根山」は標高 44.6m で、山手線内の最高峰だが、人造の「築山」なのだそうだ。

私は 10年前の和歌ログで、この愛宕山の下を潜るトンネルの歌を詠んでいる。

愛宕山隧道抜くる向ふには江戸の景色も今は見えざり

上に掲げた Google Map ストリートビューの「愛宕山三角点」のあたりを拡大してみると、下のようになる。「鎮守の森」というには小規模すぎるが、一応緑に囲まれた屋根が愛宕神社の社殿だ。山手線から眺めていても、大抵は何も気付かないうちに通り過ぎてしまうのだが。

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この画像からだと三角点は神社の社殿の中にあるように勘違いしそうだが、観石万歩というサイトの「二等三角点愛宕山」というページを見ると、愛宕神社の弁財天社の左手前にあるとわかる。なるほど、確かに「山」には違いないようなのだ。

ちなみに「愛宕神社」という神社は全国至る所にあるが、ほとんどは「火伏せの神様」が祀られており、東京港区の愛宕神社も「火に関するもの、防火、防災」の御利益があるとされている(参照)。

このコロナ禍が収まったら、一度東京に出て愛宕山と箱根山の縦走(?)をしてみてもいいかもしれない。来年の春頃になるかなあ。

そういえば我が茨城県でも笠間市に愛宕山と愛宕神社というのがちゃんとあり、自転車で登る「ヒルクライムの名所」となっている。私も既に 8回以上登っている(参照)。こっちの方は、秋になったらまた自転車で登ってみようと思う。

笠間の愛宕神社は「日本三大火伏神社」と言われているが、この件については 6年とちょっと前に書いている(参照)ので、よろしければお読みいただきたい。

 

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2021年8月24日

京都人の「ぶぶ漬け」とコーヒー

Togetter で話題の京都弁クイズに「コーヒーを飲んでいいのは 1つだけ。さてどれ?」というのがある。MBS テレビ番組の「ちちんぷいぷい」の 1コーナーで出てきたものだそうだ。

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京都弁の質問は、以下の 4つ。

A: コーヒー飲まはりますか?
B: コーヒーでよろしい?
C: そない急がんでもこーひーなと一杯あがっておいきやす
D: ノド乾きましたねコーヒーでもどないです?

いずれもコーヒーをすすめているように聞こえる言い方だが、実際に「それじゃあ、ごちそうになります」と言ってコーヒー飲んでいいのは、B の「コーヒーでよろしい?」なんだそうだ。ちなみに私は、簡単に正解できた。

これまで、多分 30回以上京都に行っていて、京都人との直接の付き合いも結構あるので、例の「ぶぶ漬けでもどうどす?」と同じ感覚とわかった。京都人に「ぶぶ漬け」(お茶漬け)をすすめられたら真に受けちゃだめで、「そろそろ帰らなきゃ」と思わなければならないというのは有名な話である。

上述のクイズでいえば、B だけが「何か飲ませてくれる」というのが既に前提になっていて、その「何か」が「コーヒーでいいか? それとも他のものが飲みたいか?」と聞いているニュアンスが感じられる。というわけで「じゃあ、コーヒー、いただきます」と言ってもよさそうだとわかる。

もっとも、私はいくら京都人と付き合いがあるといっても、「ぶぶ漬けでもどうどす?」なんて聞かれたことはないし、これ、あくまでも「おもしろいネタ」ということと思っていた方がいいと思う。この Togetter の質問も「あくまでネタです」と但し書きがあるしね。

 

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2021年8月15日

香港人、逃げろ!

昨日、押し入れの中の整理をしていたら、片隅から雑誌 "BRUTUS" の古いバックナンバーが何冊か出てきて、その中に 「自由港 香港よ、永遠なれ」という特集のある 1984年 6月 15日号があった。あれから 37年経った今、「自由港 香港」は、昔物語になろうとしている。

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1980年代から 90年代にかけて私は仕事で何度か香港に行っていて、香港の街も人も、大好きだった。夜になると耳をつんざくような喧噪の大衆レストラン(参照)で、関東料理の絶品に舌鼓を打っていた。そんなわけで、香港の特集されたこの号をしっかりと取っておいたのだろう。

そして昨日、改めてページをめくってみて、香港の空気はあの頃と一変してしまっているのだろうと、悲しくなってしまった。

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私は香港の当時の若手ファッション・デザイナーたちと親しくしていて、よくインタビューしたりしていた。そして話す度に中国本土からの脅威について話題になっていたことを覚えている。

「なるべく早めに、香港を脱出すべきじゃなかろうか」と私が言うと、彼らの多くは「中国の脅威は感じるが、自分は香港が大好きだから、なるべく離れたくない」と語っていた。しかし今、彼らの多くは既に香港脱出をしてしまったか、少なくとも脱出計画中だろうと思われる。

朝日新聞が昨日付で「香港の民主派団体が次々と解散 警察が国安法で摘発圧力」という記事を伝えている。

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私がよく香港に行っていた頃は、香港の中国への返還が現実化し始めていたが、返還後も香港の自治は維持されるという見通しが主力を占めていた。それだけに、最近の中国の強圧的な態度は、当時の予想の最悪のレベルに近いものだ。

それだけに、私は「香港人、逃げろ」と、ますます声を大にして叫びたい気持ちになっている。

 

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2021年8月13日

日本という国の「西高東低」的構造

東洋経済 ONLINE のサイトに ”「関東/関西」大抵の人が知らない地理感覚の起源 フロンティアは東にあり!「西高東低」の歴史” という記事がある。筆者の本郷和人さんという方は東京大学史料編纂所教授で日本中世史が専門というだけあって、説得力のある内容である。

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この記事は次のような言葉で始まる。

私たちは、小学校のころからずっと、日本という国について「1つの言語を使う、1つの民族が、1つの国家を形成し、長い伝統を紡いできた」と教わってきました。近年でも、そうしたイメージで日本を語る政治家がいらっしゃいます。

(中略)

この問いを考えていくうえで、まず押さえるべき視点は「日本とは、もともと西高東低の国だった」ということ。

「1つの言語を使う、1つの民族が、1つの国家を形成」というテーゼについては、私は幼い頃から「それ、違うよね」と感じていた。だって、私が日頃使っていた庄内弁は、ラジオから聞こえてくる「日本語」と比べたら、ほとんど外国語なのだもの(参照 1参照 2参照 3)。

庄内弁がどうしてわかりにくいかと言えば、それはいわゆる現代の「共通語」の訛りではなく、日本語の「古語」が元になって異次元的なほど訛っているからなのだ。

そしてその「古語」の系譜は関西の方に脈々と伝わっているが、それなりにバージョンアップされた上で、現在の「関西弁」になっている。しかし庄内弁から津軽弁にかけての地域は、「訛った古語がそのまま残った」ようなものなので、現在の「日本語」からはかなりかけ離れてしまったわけだ。

同じ東北でも、太平洋側は関東言葉の訛りなので、成り立ちがかなり違う。今住んでいるつくば周辺から福島、宮城に北上すると、その「無アクセント」加減(「箸/橋」「雨/飴」「柿/牡蠣」などの区別が付かない)がそっくりであることに感心してしまうほどだ

話は東洋経済 ONLINE の記事に戻るが、本郷氏は関西地方が古代日本の中心であったことに関して、大陸と最も近い北九州から瀬戸内を経由して引っ込んだあたりが、「安全」という視点から最も妥当ということだったのではないかと指摘されている。これも納得できる話だ。

そういうわけで、古代日本の中心は今の「関西」であり、そこからフロンティアを東へ東へと移動させてきたわけだ。そしてどんどん移動させても、今の東北は「地の果て」だったわけである。それで「出羽」と「陸奥」の 2つの国しかなかったわけだ。

2013年 11月 4日付の「旧国名をしっかりモノにしてみたい」という記事で、私は次のように書いている。

なにしろ東北方面は、太平洋側の「陸奥(むつ)」と日本海側の「出羽(でわ)」の、2つしかない。畿内からみれば地の果てというわけで、明治になる前はこんなチョー大雑把な区分けで済ませられていたのである。

(中略)

東北の大雑把さに比べると、西日本は今の府県よりもずっときめ細かく分けられていて、覚えにくくてたまらない。とにかく今の大阪府という狭い地域に、「摂津」「河内」「和泉」という 3つの国が存在していたのだ。

というわけで、庄内生まれの私は、日本の「西高東低」感覚を、学問的に学ぶ以前から「身体感覚」みたいにわかっていた。そして「辺境」の地で生まれ育ちながら、いろいろなメディアを通して「中央」の文化を、ほぼ「異国文化」的な感覚で取り入れてきたという実感がある。

 

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2021年7月 9日

北陸、信州への旅から帰った

7日の朝に出発したクルマでの北陸、信州への旅から、本日 3時過ぎに戻った。当初の目論見では信濃路をゆっくり楽しんで夜遅くに帰り着けばいいと思っていたのだが、土砂降りじゃないとはいえ雨が降ったり止んだりの不安定な天気だったので、一般道をゆっくり辿って帰ってきた。

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晴れ男の私にしては珍しいほど天気がぐずついたが、仕事の内容上、屋外の写真が必要なタイミングではしっかりと上がってくれたので、ギリギリ面目が保たれた。そういえば前に信州で仕事をした時も天気が大変だった記憶があるので、自分のブログを辿ってみたところ、13年前に行っているのだった。

2008年 6月 22〜24日という梅雨時で、自分の書いた記事を読むと、やはり天気にはあまり恵まれていない。ただ、この時は 1日で済む仕事のために贅沢して二泊三日の旅程を組んでいたようで、ずいぶん楽しんだ記憶が蘇ってきた。

初日に善光寺参りをした時には、しっかりと雨が上がっている(参照)が、翌日は長野県内に大雨洪水警報が発令されるほどの大雨になっていた。ただそれでもしっかりと戸隠神社と諏訪神社を廻っていて、アメリカ人ヒッチハイカーのアイザック君を拾って信州蕎麦を食わせたりしている(参照)。

そして仕事の本番の 3日目はしっかりと晴れて、必要な写真はバッチリと撮れたし、木曽街道の宿場巡りもしている(参照)。まあ、晴れ男の面目は果たされたと言っていいだろう。

今回の旅も、アルプスの景色がほとんど見えなかったことと、初日のホテルの印象(参照)を除けば、コロナ禍の中では、楽しい旅ができたと言っていい。必要なタイミングではしっかりと雨が止むというのも、いつものことだしね。

ただ、前回は 二泊三日のうちの 1日(というか、半日)だけが仕事という余裕たっぷりの旅だったが、今回は仕事が 2つ入っていたし、北陸と信州との移動もあったから、時間がタイトだったのが残念だ。信州は何度行ってもいいところだから、次はまた、余裕のあるスケジュールで訪れてみたい。

説明しそびれていたが、今日の写真は千曲川を渡る橋から撮った風景。天気さえ良ければ絶景のはずなのに。

 

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2021年7月 8日

「なんだかなあ感」漂った APA ホテルの一夜

2泊 3日の富山、長野出張の第一夜は、APA ホテル。私は 4年前 1月の記事に書いたようなわけで、このホテルは前々からできるだけ避けているのだが、クルマで来ているので、直前に駐車場の広そうなホテルを検索したらここしかなさそうだったため、つい予約してしまったのである。

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フロントの女の子が新米らしく、チェックインで余計な手間を取ってようやく部屋に入ると、デスク上のラックに写真のような本が並んでいる。"Apple Town" というのはこのホテルの雑誌らしいが、Mac、iPhone、Apple Watch のユーザーである私としては、ちょっと複雑な気分である。

手前にある『理論 近現代史学 本当の日本の歴史』というのは、「社会時評エッセイ 2020-2021  誇れる日本 日本復活への提言」なんてサブタイトルが付いていて、なんだかスゴい「理論」のようだし、右側のはアパグループ代表 元谷外志雄という人の写真が表紙で、ちょっとアブナそうな印象すらある。

つい怖いもの見たさで ”Apple Town” という雑誌を開いてみると、冒頭記事は「アパグループ創業 50周年記念」と、上の写真左下の本の出版記念パーティの特集記事だ。下のように、ここで祝辞を述べた人の写真も載っていて、まあ、いかにもそれらしい顔ぶれである。

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左下、ウェディングドレス・デザイナーの桂由美さんは話してみればいい人なので、こんなパーティなんかに出なくてもいいのにと思ってしまうが、まあ、だいぶお歳でもあるし、いいか。例の桜田義孝衆議院議員も祝辞を述べたようだが、セリフ間違えずに言えただろうかと心配になる。

さらに言えば部屋のトイレの水の勢いも弱すぎて難儀するしで、設備的にも雰囲気的にも、「なんだかなあ感」の漂う一夜だった。夜が明けて朝食会場で提供されていたコーヒーも、はっきり言ってめっちゃマズかったし。

というわけで悪いけど、このホテルはできるだけ避けようと改めて思った次第である。

 

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2021年7月 4日

『おてもやん』の歌詞は、実は凄みがある

いろいろな都合で郷里の熊本に帰っていた妻の親友が、このほどまた関東で暮らすことになり、このコロナ禍が収まったら久しぶりに会う約束をして楽しみにしている。熊本と言えば私も出張で何度も行っているが、「おてもやん」という民謡を思い出してしまうのだ。

熊本市内には「おてもやん像」というのがあって、私も 14年前の出張の時に写真に撮り、下のように和歌ログの記事にしている(参照)。

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これ、改めて検索してみると一つだけではなく、市内のあちこちにあるらしい(参照)。おてもやんは、それだけ市民に親しまれているのだろう。

『おてもやん』という歌は印象的なので、最初の方は私も歌うことができるが、かなり濃い肥後弁なので意味となるとよくわかっていなかった。それでこの際だからと調べてみたところ、意外なことまでわかったのである。

ググった結果行き当たったのは、"『おてもやん』は熊本民謡として愛されている! 歌詞の意味が深い?" というページ。一面的な紹介に留まらず、諸説ある部分などはきちんと広く説明してあるので、信頼できると思う。

まずこの歌についてだが、元々は『熊本甚句』という花柳界のお座敷歌だったという。『おてもやん』というタイトルは、そもそも固有名詞(女性の名前)と一般名詞(「下働きの女性」を意味する「テマ」が訛った)の 2つの節が有力らしいが、一般名詞としても肥後の女性全般を指すとの説もあるらしい。

固有名詞としてみると、富永登茂(とみながとも 1855~1935)という女性がモデルであるらしく、この場合は訛って「チモ」と言われることが多いという。それがまた「おてもやん」になったというわけである。

詳しいことはリンク先を読んでいただければわかるが、最も驚いたのは「嫁入りしたこつぁしたばってん/ご亭どんが ぐじゃっぺだるけん/まあだ 杯ゃせんだった」という部分だ。

私は「嫁入りしたことはしたが、亭主がグジャグジャ面倒なことを言うから、三々九度の杯はまだ交わしてない」ぐらいの意味かと思っていたのだが、「ぐじゃっぺ」というのは「痘痕(あばた)で酷い」ということらしい。

亭主の顔に天然痘の痕があって不細工だから、正式には杯をかわしていないというのだから、下手すると差別問題になりかねない歌詞である。というわけでこの部分は、テキトーに流して歌う方が無難なのだろう。

いやはや、思っていたよりずっと凄みのある歌詞である。

 

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2021年6月 6日

うどんとそばの文化圏で "もうひとつの境界線"

にゃんこそば さんという方が「うどん屋・そば屋の分布を描いてみたら東日本・西日本の"もうひとつの境界線"が現れた」と tweet しておられる。麺好きの私にとっては、なかなか興味深い話で、かなりの労作でもある。

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私としても常々感じてはいたが、麺の世界では「東日本/西日本」という単純な分け方はできないようなのである。日本全国を表示する拡大図は、下のようになる(クリックで拡大される)。

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なるほど、いわゆる「西日本」でも、山陰地方や九州の大分県、鹿児島県にはそばの優勢な地域が多い。一方、東日本でも埼玉県や秋田県にはうどんの優勢な地域が目立つ。秋田の「稲庭うどん」は絶品だしね。

なお、この図は NTT 「タウンページ」をデータ元としているので、そばとうどんの両方を提供する店でも「〇〇うどん店」というような名称だったら、うどんの店としてカウントされている。つまり「店主の裁量次第」というところがあるわけだが、それでも大雑把な傾向はつかめると思う。

何となく、山間部の地方だと「そば文化圏」になってしまうような印象である。「讃岐うどん」を擁するうどん王国の香川県のすぐ隣の愛媛県の西部は山がちなところで、「伊予そば」で知られる。そうかと思うと新潟平野もしっかりと薄緑色で、そば文化圏に色分けされているのはおもしろい。

この図では、わが出身県の山形県は圧倒的にそば文化圏とされていて、帰郷の際には途中でぶっとい田舎蕎麦を味わうのを楽しみにしている。「あらきそば」「原口そばや」「一松」などの絶品そばについては、私もブログで書いている。

ただ、我が故郷の庄内平野ではうどんもしっかりと健闘している。なにしろ「麦切り」なんて名前で、独特のうどんがあるぐらいだ。江戸時代の西廻り航路のおかげで、上方文化が結構入って来ていることも関係があるだろう。

そして日本の全都道府県に旅している私の印象としては、うどんもそばも各地域に独特のものがあって、それを食うのが楽しみだ。同じうどんでも、博多と讃岐ではかなり印象が違うし、5月 31日にとりあげたばかりのきしめん(参照)も、独特の食感で嬉しい。

さらに「ラーメン」という項目を加えると、様相はまたまた変化してくる。富山から日本海に沿って新潟、山形県庄内、秋田、津軽などは、実は「ラーメン文化圏」と言っていいようなのだ。北海道も「札幌ラーメン」「旭川ラーメン」などで知られるように、ラーメンが強い。(下図はクリックで拡大される)

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私の生まれた酒田市もラーメン店だらけで、「三日月」「満月」「新月」など、「月」のついた屋号の老舗が多い。酒田のラーメンは「中華そば」という方がしっくり来るかな。

私としても基本的に麺好きだからラーメンも好きなのだが、近頃は肉を絶っているので、食う店がとても限られてしまっている(参照)のが残念だ。

 

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2021年5月31日

頑張れ、きしめん!

東洋経済が "名古屋「きしめん」が絶滅の危機に瀕しているワケ" という記事を紹介している。きしめん好きで味噌煮込みうどんにはちっとも感動しない者としては、「味噌煮込みうどんにご当地料理の座を奪われた」というサブタイトルまで気になってしまう。

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昔、ウールや毛織物関連の仕事をしていた頃は、ほとんど毎月のように名古屋に出張していたから、きしめんはよく食べていた。名古屋地元の連中に「それより味噌煮込みうどんを食べてみろ」としきりに勧められ、一度だけ夕食に試してみたがまったくピンと来なかったので、結局きしめんに戻っていた。

「なごやめし」をプロモーションしている方面の方々には申し訳ないが、私としては「名古屋ではきしめん以外に食うものがない」とまで思っている。まあ、何にでも鶏肉が入ってしまうということもあるが、これは肉食を止めるずっと前から思っていたことだ。

それだけに、今回の記事は気になった。「味噌煮込みうどんにご当地料理の座を奪われた」というのは、「そんなの、もってのほか!」とまで思ってしまう。この間の事情を、記事に登場する「市内の麺類食堂店主」は次のように語る。

「きしめんと味噌煮込みうどんを出したときのお客さんのリアクションが違うんです。きしめんは反応が薄いのですが、味噌煮込みうどんのグツツという音とビジュアルに盛り上がるんですよね」

うぅむ、確かに味噌煮込みうどんは目の前に出された時のインパクトが大きい。しかし、はっきり言ってそれだけのことだ。個人的な印象だが、実際に食ってみると「何これ? 決してまずくて食えないってわけじゃないけど、リピートはあり得んわ!」となる。値段だってきしめんより高いし。

インパクトだけのものより、奥の深いものの方がいい。息長く愛することのできるのは、圧倒的にきしめんだ。それだけに、「絶滅の危機に瀕している」というのは聞き捨てならない。

「きしめんは駅ホームの立ち食いが一番おいしい」なんて言われていて、名古屋駅構内のきしめん専門店で食うよりも新幹線ホームの立ち食い店がおいしかったというのは、3年前の 3月に書いた(参照)。ただ、「本当に本当に旨いきしめん」というのはまだ食べていないような気がする。

今はコロナ騒ぎでなかなか旅に出られないが、またあちこちに出張できるようになったら、名古屋では是非この記事で紹介されている "麺類専門店「星が丘製麺所」" まで足を伸ばし、「本当に本当においしい、本物のきしめん」を食べてみたい。

頑張れ、きしめん!

 

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