カテゴリー「旅行・地域」の343件の記事

2024年6月 9日

京都の「オーバーツーリズム問題」を考えてみる

現代ビジネスが "住民が市バスに乗れないほど観光客が殺到、舞妓さんを執拗に追いかける者も… 京都が苦しむ「オーバーツーリズム」の現状" という記事を伝えている。前々から噂には聞いていたが、住民が市バスに乗れないほどというなら、それは確かに大きな問題だろう。

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私は個人的に、関西方面への出張の度に京都に寄り道して神社仏閣巡りなどをするのを楽しみにしている。最近は確かに外国人観光客の姿が増えている印象があるので、祇園などのいかにも混雑しそうなスポットは避けて、地下鉄で郊外まで行って静かな寺などを訪れることが多い。

2ヶ月ほど前も姫路への出張の帰りに京都に立ち寄り、この時は時間が足りなかったこともあって、珍しく京都の中心街を歩いて、手ぬぐいの博物館なんてのを眺めてから家路に就いた(参照)。ただこの時は、雨の降るウィークデイだったこともあってか、それほどの混雑ではなかったがなあ。

そもそも私は、京都での移動は地下鉄を利用することが多い。京都駅前のバス乗り場は確かにうんざりするほどの人混みになっていることがあるが、地下鉄はそんなに混まないし、バスより迅速に移動できるので、どうしてみんな地下鉄に乗らないのか不思議でしょうがないほどだ。

率直な印象を言わせていただけば、京都というのは一大観光地の割には、人混みを分散させることが下手だ。駅構内、駅前などでは、目立つところにある JR 指定席券売り場は長蛇の列だが、少し歩けばスカスカの売り場があったりする。このあたりの案内が、かなり不親切に感じることが多い。

そもそも京都人というのは、必ずしも「親切」ではなかったりする。大昔からこの「不親切」で十分にやってこれたのだから、今さら急に「親切になれ」と言っても無理なのだろうが、混雑を分散させるということに関しては「不親切」を通り越して「下手」の領域にあると思う。

祇園などでは「一見さんお断り」などの「来るな」というアピールはしているようだが、街を挙げて「ほかにも行くところがいくらでもあるよ」という案内をする必要があるだろう。

ただそうした案内が行きすぎると、これまであまり外国人が行かなかったようなスポットにも人が押し寄せて、私のような「静かな穴場好き」はうんざりしてしまうかもしれないが。

 

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2024年6月 6日

新潟に移動して、庄内のポスターを見る

今日は新潟の三条市に出張で来ている。もっとも今日は単に移動日で、つくばの地をクルマで出て上越新幹線の燕三条駅前のホテルにチェックインしただけなのだが。

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バス、JR 電車、新幹線を乗り継ぐと 3時間 50分ぐらいかかるのだが、クルマで高速道路を使うと 4時間かかる。クルマの方が 10分余計にかかるのだが、乗り換えの手間がかからないだけ楽だ。

さらに、今回は試しに高速道路を使わずに来てみたところ、5時間半で着いた。6時間ぐらいかかるかと思っていたのだが、案外早く着くものだ。

いつも思うのだが、「移動の楽しみ」という観点からすると高速道路での移動というのはつまらない。一般道、しかも大きな幹線道路を避けた移動の方がずっと面白みがある。

ホテルの駐車場にクルマを入れて燕三条駅を覗いてみると、庄内の観光キャンペーンポスターが貼ってある。左側は遊佐町にある「丸池様」で、「様」の敬称が付くのは、「丸池神社」の御神体だから。池は湧き水だけで満たされていて、鳥海山の山頂にある鳥海湖と水脈がつながっているという説もある。

そして右は、「酒田のラーメン」をフィーチャーしたもの。昨年 10月の日本ご当地ラーメン総選挙」で日本一に輝いたことを受けている。私はこの栄冠に輝いて3日後の 10月 12日に、父の 13回忌で酒田に行って食べる幸運に恵まれたのだった(参照)。

自然の美しさととおいしいラーメンが好き人は、ぜひ庄内に旅してみていただきたい。

 

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2024年6月 5日

東京とマニラの違法建築、スケールが違いすぎる!

Twitter に相次いで、東京とマニラの違法建築の写真が載った(参照 1参照 2)のだが、そのスケールの違いに絶句するほどだ。東京なんてまったく可愛いらしいモノと言うしかない。

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写真の左側が東京駒込で見たという事例で、tweet 主の Hiroki TOMINAGA さんは一級建築士だけに「勇気!としか言えない違法増築」とおっしゃっている。ところが「ドヤ街探訪家」であられるニュー伊吹さんの tweet にあるマニラの事例はその何倍もスゴい!

「増築の上に増築さらに仕上げのバラックと全部乗せ状態で確実にトップヘビーw 盗電でクロスしまくる電線はご愛嬌」という tweet そのままで、よく崩れ落ちないものだと感心してしまう。さらに「盗電」のためという電線の複雑な絡まり具合を見ると、よく火事にならないものだと思う。

駒込の例では屋根の上に乗っかっている部分はこぢんまりしたものだが、マニラの場合は上に行くほど大きくなって、まさに「トップヘビー」状態。一番上の面積は、1階部分の倍以上あるよね。

フィリピンというところだって日本同様に、地震は多いはずで、最近では昨年の 11月と 12月に大地震があってかなりの被害が発生している(参照)。それでもこんなようなスゴい増築をするというのは、「勇気」なんてもんじゃなく「無鉄砲」のレベルというほかない。

何だかんだ言っても、日本というのはかなりモデレートな国である。

 

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2024年6月 3日

裏磐梯の奇景を楽しむ

今日は本当に久しぶりで妻と二人で旅行に来ている。目的地は福島県の裏磐梯だ。

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一昨年の 10月にも来ているのだが、最大の眼目だったスカイライン沿いの「浄土平」が雲の中に入って景色が見えなかった(参照)ため、その雪辱戦みたいな意味で来たわけだ。今回は天気に恵まれて、しっかりと楽しむことができた。

ここは 1893年の一切経山の噴火でできたもので、赤茶けた山肌のところどころから火山性のガスが噴き出し、自動車は窓カラスを閉じて通行するようにとの注意書きがある。

「日本のアリゾナ」と言われるほどの荒涼とした景観は、「絶景ロード」と言うに相応しい。これで 1年半越しの願いが叶ったことになる。

というわけで、今日はいろいろ巡って疲れたので、これにて失礼。

 

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2024年5月11日

徳山から姫路に移動して

山口県徳山での仕事を終えて、新幹線で姫路まで戻ってきている。明日はここでもう一つの仕事だ。途中、広島を通り過ぎたときに広島球場で野球の試合が行われているらしい光景が見えた。カープファンの赤い帽子が目立つ。

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ネットで調べてみると、この時間帯は広島対中日の試合が終了に近付いていたか終了直後だったらしいことがわかった。結果は 4 - 0 で中日が勝ってしまったらしい。ありゃりゃ、カープファンは荒れるだろうなあ。今日の宿泊地が広島でなくてよかった。

やっと着いた姫路では、駅から大通りの真っ正面に姫路城が見える。なかなか壮観だ。

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姫路城に関しては思い出してみれば、2015年 10月 10日に、鳥取からの帰路、姫路で列車を乗り換えるのを機に、天守閣まで登ったのだった(参照)。よって、今回はパス。

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昨日の朝からかなりバタバタして西日本まで来たので、結構疲れてるし、明日もまたいろいろこなさなければならないので、今日は早めに風呂に入って休ませてもらうことにする。

おやすみなさい。

 

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2024年4月25日

再び、日本の人口減少についてあれこれ

今月 14日に「人口減少の日本、もう「消滅した星」だそうな」という記事を書いてから 10日目の昨日、民間の有識者グループ「人口戦略会議」が、全国の 744自治体に「消滅可能性」があると発表し、いきなり具体的な話になってしまった(参照)。

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この 744自治体というのは、2050年までに 20代から 30代の女性が半減し、「最終的には消滅する可能性がある」とみられる市町村で、全自治体の約 4割というのだから、結構な比率である。

私は日本全国のあちこちに行っていろいろ取材する仕事をしてきたので、前にも書いたように日本の全都道府県で一泊以上したという経験をもつ。行った先には山の中の小さな集落もあり、バス停で降りると周囲の家の表札がほとんど同じ名字なんていうところもあった。

そうした集落は老人夫婦だけの世帯がやたら多く、若い層がいたとしても日中は仕事に出ているので、日が暮れるまでは本当にジイさんバアさんばかりの世界である。そしてこの老年世代が死んでしまったら、空き家だらけになってしまう。

総人口が数千人なんていう村は本当に人影まばらで、「よくまあ、村役場が維持できるものだなあ!」とさえ思ってしまう。現実としては維持できなくなる前に近隣と合併するしかなく、最近の市町村合併はそうした緊急の必要性に迫られてのケースも多いはずだ。

下のグラフは総務省の「我が国における総人口の長期的推移」というページの冒頭にあるものだが、日本の総人口は 1868年の明治維新から 2004年までの 136年間で、約 3.8倍に増えていることがわかる。これは江戸時代前期(江戸幕府成立〜享保改革)の約 130年で 2.5倍という記録をはるかに凌ぐ。

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(クリックで元のページにリンクして拡大される)

2004年以後の日本の総人口は減少基調に転じており、14日の記事で述べたように 2011年からは 13年連続の減少となっている。今後は 2050年までに 人口が 1億人を切り、2100年には 4,771万人(高位推計では 6,407万人、低位推計では3,770万人の幅がある)まで減少するとみられる。

この数字は明治維新時の 3,300万人よりは多いものの、当時は年齢別人口構成がきれいな「ピラミッド型」だった。昨今は「逆ピラミッド型」なのだから、状況がまったく異なる。日本中が田舎の村のように年寄りばかりの世界になるということだ。

今年 1月に発表された人口戦略会議の、2100年までに人口 8,000万人を目指すという方針にしても、この時点ではベースとなる 2100年の人口予測を 6,278万人と、このほど示された数と比べると 1,500万人も楽観的に見ており、ノー天気にさえ思えてしまう。

ちなみに私の故郷、山形県の庄内地域にある 4つの自治体(酒田市、鶴岡市、遊佐町、庄内町)も、当然の如くすべて消滅可能性リストに含まれてしまっている(参照)。こうなったら 4つが合併するほか存続の道はないだろう。

その曉には新市名はおそらく「庄内市」となるだろうが、この表記のまま「しょうがないし」と読まれかねない。そうなったら私の名前も "tak-shoganai"とマイナーチェンジしなければならないね。

 

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2024年4月20日

水道水の美味しい県はどこだ?

パナソニックの PR TIMES が【水道水に関する全国調査】の結果を報じている。「水道水をそのまま飲んでいる人が最も多いのは青森県。水道水が美味しいランキングも発表。約半数が直接飲むのに抵抗を感じつつ、料理にはそのまま使用」という、結構突っ込んだ内容だ。

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この調査によると、「住んでいる地域の水道水が美味しいと感じるランキング」の第 1位は鳥取県で、2位は富山県、3位は同率で新潟県、山梨県なんだそうだ。日本の全都道府県で一泊以上の経験をもつ私としても、概ね異議はない。

ただ、私の生まれ育った山形県もかなり美味しいと言わせてもらう。この調査でも「水道水がきれいと感じる」「料理に水道水をそのまま使う割合が多い」の 2部門で全国 1位となっているほどだから、間違いはない。

ちなみに私は 40年前に現在の居住地茨城県に引っ越してきた時、まずは水のマズさに閉口した。我が家の地域の水道水は地下水を使っているらしく、井戸水と同じように「夏は冷たく、冬は温い」と感じるのだが、飲んでみると「うぅむ、雑味たっぷり!」と言うほかなかった。

山形県で生まれ育ち、引っ越し前に住んでいたのが多摩水系のおかげで東京都内では水道水が比較的マシな多摩地区だったこともあるのだろう。茨城県南部の水は実感としてかなり落ちる。

引っ越して来てすぐに浄水器を購入し、洗い物や風呂以外の用途では必ずこの浄水器を通った水を使うことに決めた。さらに最近では直接飲むのはミネラルウォーターということが多い。

ただ、単に「おいしい水」と言ってもそれはかなり「感覚的なもの」なので、客観的な数値に置き換えることは困難だ。というわけで、近い時期に行われた別の調査では、結果がビミョーに違ったりしている。

2023年 9月に公開されたホワイトループ(東京都渋谷区)の調査結果では、水道水の満足度が高い都道府県の 1位は「長野県」(満足度 86.7)だった。以下「青森県」(満足度 83.3)、「鳥取県」(同 80.0)、「熊本県」(同 77.8)、「新潟県」(同 75.9)、「山梨県」(同 75.0)と続く。

この調査では山形県の満足度は 57.1 で 22位。茨城県が 47.5 で 29位というのだから、「おいおい、順位で 7つ、ポイントで 10ポイントしか違わないなんて、そりゃちょっとないだろう!」と言いたくなってしまった。

念のため調査の詳細をみると、パナソニックの調査対象は各都道府県 100名の計 4,700人なのに対し、ホワイトグループの方は「インターネットによる調査で、対象は10~60代以上の男女1613人」と 3分の 1程度なのだから規模的に比較にならない。

これでは人口の少ない県だと、アンケートに応じたのは 20人に満たないぐらいのものなんじゃなかろうか。ここはパナソニックの方をより信用することにしよう。

ただ「水道水のおいしい都道府県」と言っても、同じ県内でも地域によって水系が異なることが多いので単純に比較はできない。東京都でも多摩と下町では全然違うし、茨城県でも県北に行くとかなりマシだったりする。

ちなみにパナソニックがこうした調査をするというのは、「蛇口直結型浄水器」というのを製造販売しているからなのだろう。我が家のもパナソニックだしね。

 

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2024年3月15日

福建省の人たちって「人肉」の干物を食うのか !?

【戦慄】中国でとんでもない肉が売ってたwwwwwww」という書き込みがあるので、どんなのかと行ってみたら、人海RenHai さんという方の「姉さん、事件です」という画像入り tweet が紹介されているのだった。

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この食品のラベルにある「福建人肉干」という表記に驚き、元の Twitter に行ってみても、確かにこの tweet は存在する(参照)ので、どうみてもガセネタじゃなさそうだ。それで「福建人肉干」のキーワードでググってみると、139万件という驚くほどのページがヒットしてしまった(参照)。

しかもテキストだけじゃない。こんな風な、「福建人肉干」を使った晩餐までさらりと画像入りで紹介してあるじゃないか(参照)。信じられないことに、ずいぶんポピュラーな食材として認識されているようなのだ。

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ただ、この記事のタイトル「晚饭报复社会」というのを Google 翻訳にかけると「夕食時に社会に対する復讐をする」となってしまう(参照)。仇敵を殺してその肉を食ってしまうとでも言うのだろうか? 謎が謎を呼ぶばかりだ。

とにかくこの件に関しては、中国語のページばかりなのでほとんどわからない。漢字で書かれてるんだから意味ぐらいは取れるだろうと思うのは、幻想でしかないと痛感した。

仕方がないからテキトーに「网易首页」というニュースサイトらしきところで取り上げている「广东人在超市买到 “福建人肉干”」というページに行ってみると、なんと、たまたま今回の tweet で話題になっているトピックを取り上げたものだった。使われている写真からしても、そうとしか思われない。

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このニュースの最初のセンテンスを Google 翻訳にかけてみたところ、こんなような日本語に訳された。

最近、広東省出身のリーさんは衝撃的な秘密を発見しました。スーパーに行ったとき、彼女は突然、美しく包装されたジャーキーのパッケージが棚に並んでいるのを目にしました。そこには「福建ジャーキー」とはっきりと書かれていました。

Google としても AI なりに気を使ったのか、「福建人肉干」の部分は「福建ジャーキー」とボカした訳になっている。そしてリーさんはそれを買って家で食べたというのだが、さすが「四つ足なら机と椅子以外何でも食べる」と言われる中国人だけのことはある。(いや、人間は 2本足か)

少し躊躇しつつも、美味しい食べ物の誘惑には勝てなかった。(中略)とても美味しかったが、福建省人肉の味かどうかは分からなかった。(中略)一口食べると、口の中は香りと無限の後味で満たされました。

「人肉って、そんなにおいしいのか ⁉」と思ってしまいそうだが、長くなりすぎてもナンだからこのあたりで結論をバラそう。これ、決して「人肉」なんかじゃなく「豚肉」なんだそうだ。なんでこんな表記になったのかは、記事の末尾で次のように説明してある。

リーさんが出会った福建ジャーキーの正しい区分けは「福建、ジャーキー」、つまり福建省の人々が作ったジャーキーを意味します。なぜこの言葉が誤解を招くかというと、商人の語学力が低すぎて表現が不明確だからです。

元の漢字に沿って具体的に言えば、「福建人肉干」は「福建の/人肉の/干物」じゃなく、「福建の/人々が作った/肉の干物」ということのようなのである。要するに区切り方の問題なのだが、いやはや、それにしても人騒がせな表記だよね。

 

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2024年3月13日

日本初の「修学旅行=長途遠足」を巡る冒険

Yusuke Suzuki さんという方の ”「日本初の修学旅行到達の碑」というのがあった” という tweet を見つけた。この石碑、銚子駅前にあるという。

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石碑に書かれた文章は以下の通り。

明治19年、東京師範学校の生徒 99名による長途遠足が、日本最初の修学旅行であり到達の地が銚子であると、公益財団法人全国修学旅行協会編纂の「修学旅行の変遷と意義」に記されている。長途遠足の趣旨は、兵式操練の演習のほか、実地に就いて学術を研究する事を目的としている。同年 2月15日、徒歩にて東京を出発、習志野、佐倉、成田、佐原(これより船行)を経て、20日午前 8時、銚子唐子村に到着した。21日には海浜に出て、ドレッグ・トロールの使用法、海藻乾燥法の実修をした。帰路は八日市場、東金、千葉を経て 25日帰京 11日間の行程を終了した。

この碑にはスタート地点に関して「徒歩にて東京を出発」としか書かれていないが、当時の師範学校は文京区湯島聖堂の地にあったらしい(参照)ので、往路はそこを出発して佐原まで歩き、その先は船で銚子まで、多分夜通しで利根川を下ったもののようだ。

湯島聖堂から佐原にある観光船乗り場(水の里佐原)までの道のりを調べると、当時の道はよくわからないが、2月 15日に出発し、習志野、佐倉、成田を経由すると約 100km ぐらいになる(参照)。19日の早いうちに佐原に着いたとすると、丸 4日とちょっとで往路 100kmを歩いたのだろう。

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かなり大雑把に見れば 1日当たり約 25km ほど歩いたわけだが、これは箱根駅伝で言えば丸の内から鶴見中継所のちょっと先ぐらいまでにほぼ相当する。

一見ゆったりしたペースのように見えるが、目的が「兵式操練の演習のほか、実地に就いて学術を研究する」ということにあったのだから、途中でいろいろな演習や見学をし、さらにせっかくだからと成田不動尊へのお参りなどもしたかもしれない。そう考えれば、結構な健脚ペースである。

さらに復路は銚子から 約 130km を 4日間ずっと徒歩だったわけだから、1日当たり 30km 以上歩いたことになる。往復合計約 230km を丸 9日間で歩いたわけだが、当時は東海道五十三次を徒歩で旅していた江戸時代からそれほど経っていないだけに、日本人はこのくらいフツーに歩けたのだろう。

翻ってごくフツーの現代人がいきなり 230km 以上(箱根駅伝の往復よりまだ長い)の距離を歩き通そうなんて言ったら結構な無茶になるから、時代の隔たりを感じてしまう。昔と比べると、日本人の歩く力はかなり落ちているようだ。

この tweet を見た時は、「そうか、『遠足』の語源はここにあったのか!」なんて思ったが、実は語源はもっと古いようだ。Wikipedia に ”「遠足」の語は、遠方に行く・足を延ばすの意味で江戸末期には用いられていた” とあり(参照)、明治 19年に至って学校行事の名称に適用されたのだろう。

なお、手持ちの三省堂『携帯新漢和中辞典』で調べても「遠足」というのは出てこないから、おそらく漢語ではなく日本で作られた熟語なのだろう。

ちなみに今の世の中でクルマを使ったら、11日かければ本州の全都府県を経由して一周できるだろう。ただこの歳でそれをやろうとしたら、結構キツいかもしれないなあ。そもそも 11日間というまとまったスケジュールを取るのもほぼ不可能だろうし。

 

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2024年3月12日

名古屋人があまり「きしめん」を勧めたがらないのは

一昨日に続いて名古屋ネタである。2023年 5月 16日付「名古屋では、新幹線ホームのきしめんがサイコー!」で、名古屋人は味噌煮込みうどん、土手煮、ひつまぶしなど、いろいろな「名古屋めし」を食わせたがるのに、なぜか「きしめん」だけは積極的に勧めてこないというようなことを書いた。

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こちらが率直に「味噌煮込みうどんなんかより、きしめんが食べたいんです」と所望しても、彼らは「まあ、あれも名古屋の食い物ではあるんですけどね・・・」みたいな、何だか奥歯に物の挟まったような言い方をするばかりなのである。これは私にとって「名古屋の七不思議」の筆頭格だった。

ところが最近、PRESIDENT Online の 2023年 2月 18日付 ”名古屋人が家で食べるのは「うどん」だった・・・深刻な「きしめん離れ」が進んでいる本当の理由” という記事のおかげでこの長い間の謎が解けてしまったのである。要するに、名古屋人自身がきしめん離れしているようなのだ。

記事によれば、きしめんは手間がかかる割に儲けが少ないので、名古屋の飲食店は完全にうどんにシフトしてしまっているというのである。そのためほとんどの飲食店はきしめんをメニューから外すか、残しても手抜きみたいなものしかできなくなってしまった。

それにともなって名古屋人自身も飲食店ではもちろん、自宅においてさえもきしめんから遠離ってしまったため、よそからの訪問者に勧めるほどのモチベーションが薄れてしまったようなのだ。なるほど、「奥歯にもののはさまったような言い方」しかできないのも道理である。

それにしてもきしめんの地元できしめんが廃れつつあるというのは、考えるだにもったいないと言うほかない。そうした中で新幹線ホームの立ち食いきしめん屋「住よし」は、今の世で貴重なまでの「きしめんの牙城」として燦然と輝いている。

願わくは住よしさんには末永く健闘してしていただきたい。そうでないと、名古屋に行った際の「最後の楽しみ」(あるいは「唯一の楽しみ」と言ってもいい)がなくなってしまう。

 

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