「告白」 … 今どきの恋愛事情
幸か不幸か、妻との関係が決して悪くないので、それにあぐらをかいたまま、この 30年近くも「恋愛」ということに関しては、アンテナを尖らせていなかった。
しかし、漏れ聞くところによると、今どきの恋愛事情は、ずいぶん面倒なことになっているらしいのである。
最近、「告白」という言葉がやたらと飛び交うのだが、これはどうも「恋愛業界用語」化しているらしく、要するに恋愛対象の相手に「好きです」とオフィシャル(?)に宣言するという意味で使われているようなのだ。
「エキサイト 恋愛結婚」 によると、今どきは恋愛における「告白」ということの重要性が非常に増大しているらしい。下記のように、とくに女性にとっては、正式な「告白」というセレモニーがないと、「付き合っている」という実感がないようなのだ。(参照)
Q. 「付き合ってる」と言えるのはどこから?
3回以上デートしたら 18票 2.4%
告白があってから 613票 82.3%
手をつないだら 12票 1.6%
キスをしたら 27票 3.6%
お泊りしたら 34票 4.5%
その他 40票 5.3%
ある意味、デートだの、手をつなぐだの、キスだのお泊まりだのは、あったとしても、それほど重要なファクターじゃないということだ。まあ、わからないでもないけど。
女性の場合ほどに圧倒的数字ではないが、男性においても「告白があってから」 というのが 3分の 2以上を占めている。(参照)
問題は、それだけではない。「告白」だけでも不十分と認識されているケースも出てきている。大手小町というサイトに、次のような 「質問」 が寄せられている。(参照)
相手から告白をされ、両思いであることがお互いに分かりました。
でも、告白のときに「好きだよ」と言っただけで「付き合おう」とは言われていません。
手をつないだり、ご飯を食べに行ったりはしたのですが、これは付き合っているのでしょうか?
これに対する反応としては、「付き合っていることにはならない」というものがかなり多い。「中学生とか高校生ならともかく、両思いだからって、付き合っている事にはならないと思います」なんていうのが典型的だ。
ふぅん、最近の恋愛というのは、かなり「きちんとした手続き」というのが重視されているのだな。「好きだ」という告白だけでは足りず、「付き合ってください」というオファーの確認までが求められつつあるようだ。
この問題について、最近の若い子たちとじっくり話したことがないので、あまりステロタイプなことを言ってもナンセンスになるだけだろうけれど、それでもなんとなく「マニュアル化された恋愛」なんて、オジサンじみたことを言ってみたくもなろうというものである。
私なんぞは、どうにも説明できない心情とか、宙ぶらりんな状況とか、自分でもコントロールできない思いとか、突き進みたい欲求と後戻りしたい欲求の相剋とか、そんなような、あいまいなものを全部含めた連続的なプロセスを、「恋愛」 というのだと思っていた。
これでも昔はいろいろあったのだけれど、こんなに面倒な手続きが求められるのだったら、恋愛だの「モテ」だのから身を引いてしまう「オタク」の心情も理解できそうな気がする。
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