Courrier Japan の「タックヘイブン」って何だ?
Courrier Japan の記事の "出来上がるのは新種の汚い資本主義「米国はいま、トランプ政権下で史上最大のタックヘイブンに変貌している」" という見出しに驚いた。冒頭の画像を見れば「タックスヘブン(tax haven)」のことを言ってると想像できるんだが、いくらなんでもちょっとね。
初めは単に見出し部分だけのタイプミスかと思ったのだが、本文も 1行目からしっかり「タックヘイブン」になってるのだから、これはもう確信犯なんだろう。
考え得るのは、自動の文章校正システムか何かが英語で名詞を形容詞的に用いる場合は常に単数形になるという文法をヘンテコに適用したんじゃないかということだ。つまり「タックス」を「タック」の複数形みたいに誤解した結果、「タックスヘイブン」の「ス」を取っちゃったとか。
確かにいろいろ入った「おもちゃ箱」でも "toys box" とは言わずに "toy box" と言うし、「犬の遊び場」も "dogs yard" ではなく "dog yard" だ。日本では「メンバーズルーム」という表示をよく見かけるが、カタカナならいいが "Members Room" とやっちゃうとやっぱり奇異に見える。
そんなわけで自動校正システムも過剰反応しちゃったのかもしれないが、そもそも税金は "tacks" なんていう複数形じゃなくて元々 "tax" なんだから、"tack haven" なんてことにしちゃわけがわからなくなる。
自動校正システムも気をつけて使わなければならないという教訓になるかもしれない。というわけで、ここで論じたのはトランプの政策の是非なんかではなく、あくまで「タックヘイブン」という妙な言葉に関する話なので、その辺りよろしく。私はこういうことになると気になってしょうがないのだよ。
ついでに書き添えておくが、"haven" のカタカナ表記も「ヘイブン」じゃなくて「ヘブン」の方が自然だよね。「青空」も「ブルー・ヘイブン」なんて言わずに「ブルー・ヘブン」が一般的だし。
【同日追記】
さすがにどこかから(あるいは内部からか?)指摘を受けたようで、元記事の見出しはいつの間にか「タックスヘイブン」に修正されていた。
しかし、当初の間違い画像はしっかりこの記事の冒頭にあるので、しらばっくれることはできないよ。
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