カテゴリー「言葉」の799件の記事

2025年6月11日

Courrier Japan の「タックヘイブン」って何だ?

Courrier Japan の記事の "出来上がるのは新種の汚い資本主義「米国はいま、トランプ政権下で史上最大のタックヘイブンに変貌している」" という見出しに驚いた。冒頭の画像を見れば「タックスヘブン(tax haven)」のことを言ってると想像できるんだが、いくらなんでもちょっとね。

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初めは単に見出し部分だけのタイプミスかと思ったのだが、本文も 1行目からしっかり「タックヘイブン」になってるのだから、これはもう確信犯なんだろう。

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考え得るのは、自動の文章校正システムか何かが英語で名詞を形容詞的に用いる場合は常に単数形になるという文法をヘンテコに適用したんじゃないかということだ。つまり「タックス」を「タック」の複数形みたいに誤解した結果、「タックスヘイブン」の「ス」を取っちゃったとか。

確かにいろいろ入った「おもちゃ箱」でも "toys box" とは言わずに "toy box" と言うし、「犬の遊び場」も "dogs yard" ではなく "dog yard" だ。日本では「メンバーズルーム」という表示をよく見かけるが、カタカナならいいが "Members Room" とやっちゃうとやっぱり奇異に見える。

そんなわけで自動校正システムも過剰反応しちゃったのかもしれないが、そもそも税金は "tacks" なんていう複数形じゃなくて元々 "tax" なんだから、"tack haven" なんてことにしちゃわけがわからなくなる。

自動校正システムも気をつけて使わなければならないという教訓になるかもしれない。というわけで、ここで論じたのはトランプの政策の是非なんかではなく、あくまで「タックヘイブン」という妙な言葉に関する話なので、その辺りよろしく。私はこういうことになると気になってしょうがないのだよ。

ついでに書き添えておくが、"haven" のカタカナ表記も「ヘイブン」じゃなくて「ヘブン」の方が自然だよね。「青空」も「ブルー・ヘイブン」なんて言わずに「ブルー・ヘブン」が一般的だし。

【同日追記】

さすがにどこかから(あるいは内部からか?)指摘を受けたようで、元記事の見出しはいつの間にか「タックスヘイブン」に修正されていた。

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しかし、当初の間違い画像はしっかりこの記事の冒頭にあるので、しらばっくれることはできないよ。

 

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2025年5月24日

「まんじりともせず」とはどういう意味か

昨日「肌寒い」の読みなんていう言葉の問題を取り上げてしまった勢いで、今日は「まんじり」について書かせていただく。この言葉、"buncul"(文化庁広報誌「ぶんかる」)2015年5月 1日付にあるように、誤用の多い代表的日本語みたいなのだ(参照)。

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平成 25年度の「国語に関する世論調査」の中で「まんじりともせず」の意味を尋ねたところ、「じっと動かないで」という誤解答の割合が 51.5% で,正解の「眠らないで」の 28.7% を 23ポイントも上回ったのだそうだ。

この報告書には「まんじりともせず」の使用例として、以下の 3つの文学作品が挙げられている。

女房は一夜まんじりともせず,烏からすの声を聞いたそうである。(泉鏡花「夜釣」明治44年)

殆(ほとんど)夜中まんじりともせずに,寝返りばかり打っていた。(芥川龍之介「秋」大正9年)

一夜まんじりともしないで踊りつづけ暁あけ方近くには疲れきって舞台に俯伏うつぶしたまま前後不覚に寝入ってしまった。(大倉燁子「鷺娘」昭和21年)

泉鏡花の例で言えば「じっと動かないで」でもあまり違和感がなく、誤った解釈をしてしまいやすい。しかし続く 2例でそんな解釈をしたら、「じっと動かないで寝返りばかり打っていた」とか「じっと動かないで踊り続け」などと、とんでもない矛盾に陥ってしまう。

ただいずれにしても、最近は「まんじりともせず」なんて言葉を使うことはめっきり減ってしまった。私自身、「まんじりともしないで〜」という言い方をこれまでの人生で 2〜3度したぐらいのものだろうと思う。

その意味で、「やぶさかではない」という言葉も似たところがあり、"誤用率高し!「やぶさかではない」の本当の意味は?" という記事があるほどだ。

この言葉、本来は「~する努力を惜しまない」「喜んで~する」「積極的に~する」という意味なのだが、巷では「〜するのも必要ならば仕方がない」というような意味合いで用いられることの方が多くなっているようなのである。

いずれにしても「まんじり」とか「やぶさか」とかいう言葉を単独で用いることが滅多にないこともあり、それぞれの単語の意味合いがまともに伝わっていないというのが致命的な要因なのだろう。

 

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2025年5月23日

「肌寒い」の読みは、”はださむい” か ”はだざむい” か

昨夜から山梨県昭和町のホテルに宿泊し、今日は帰ればいいだけの予定だったので、あちこち寄り道しながらゆったりと帰ってきた。クルマの旅は、長距離だと運転が疲れるとはいえ、融通の利かせやすいのがありがたい。

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途中、カーラジオで YBS(山梨放送)を聴いていたのだが、「はみだし しゃべくりラジオ キックス」という番組で「肌寒い」という言葉についてのウンチクが語られていた。この言葉は、最近のように半袖などで肌を露出するような季節でないとそぐわないというような話だった。

ただ、この番組の本日のパーソナリティ、山田 ルイ53世 という芸人が、「肌寒い」を一貫して「はださむい」と発音していたのが気になってしまった。私としては "今の世の中では「はだざむい」と濁る方が一般的なんじゃないかなあ" と思ったのである。

ただ名詞的に「肌寒」という場合は「はださむ」と濁らずに発音するので、本来の読みは「はださむい」なのかもしれず、どっちが正しいのかわからない。この時は国道を運転しながら聴いていたので iPhone でネットを検索するわけにもいかず、かなりモヤモヤしてしまったのだった。

帰宅してから調べてみると、NHK のサイトに「語形のゆれ・表記・意味の解釈が分かれる語の扱いについて」という文書が見つかった。「第1461回放送用語委員会(東京)2022 年10月7日」によるもののようだ。

この文書の P77 にあるのが「肌寒い」に関するもので、上の画像がそれだ。昔は「ハダサムイ」という濁らない読みの方が一般的だったが、昨今では濁る方が 67%と多数を占めるようになったため、NHK としても「ハダザムイ」を第一推奨形とするようになったらしい。

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ただ、年代が上がるほど「ハダサムイ」派が多いようなのだね。1999年の調査によれば、60歳以上では「ハダサムイ」派が 53% と過半数になっている。今の 40〜50代より若い層になると圧倒的に「ハダザムイ」派が増えるようなので、1960年代から 80年代にかけてが大きな分岐点だったようだ。

ちなみに「肌寒」というと俳句の世界では秋の季語なので、半袖の季節であればいいってわけでもないようなのだ。言葉というのはこだわり始めるとなかなか難しい。

さらに「奥深い」は「オクフカイ」なのか「オクブカイ」なのかなんてのもあり、これも今では「オクブカイ」が第一推奨形なんだそうだ。

この他にもいろいろな言葉が論じられていておもしろいので、ざっと読んでみることをオススメしておく。

 

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2025年5月 9日

いかに齢を重ねても、人生の未知の分野は限りなく広い

X(旧 Twitter)で、たちばな TOKYO BUNNYS CLUB さんという方が「一生に一度の記念品にこだわる人は将来ゴミ屋敷確定やぞ」と tweet しておられる。父親が彼女の使っていたベビーベッドやらちっちゃい椅子やらを捨てられない人らしく、それらで一部屋埋まってるんだそうだ。

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そんなことやってたら娘が 3人(それぞれもう独立しているが)の我が家なんて、一部屋が埋まるどころじゃ済まないだろう。しかし実際は大抵あちこちに「お下がり」としてあげまくったから、そんなことにはまったくなっていない。

私も妻も、子どもの使っていたものを手放せないようなセンチメンタリズムとは無縁の性格ようで、まことに至福の至りではある。ただそれはそうと、今日の記事の重要ポイントはむしろここから先なのだ。

上の画像で示した tweet に「お前の娘はもう BBA なんやぞって誰かおしえてやってくれ」という一文があるが、当初は彼女が大学の経営学部か経済学部を出て「経営学士」になってるんだという話かと思ってしまった。

フツーの常識では BBA ってのは Bachelor of Business Administration の省略形で、世間で(とくに米国なんかで)それよりありがたがられるのが MBAMaster of Business Administration:経営学修士 ) ってわけだからね

しかしそう解釈してしまうと、そこはか以上の違和感が生じてしまう。いや、別に経営学士でも一向に構わないし、もしかしたら実際にそうなのかもしれないが、この文脈でそれを前面に押し出したところでナンセンスでしかない。実際は別の意味で使っていると考えるのが自然のような気がする。

というわけでググってみると、どうやら こんなこと らしい。いやはや、「ババア」とは思いっきり意表を突かれた。

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この項目には「2012年 3月 27日更新」とあるから、私はこの用法をまったく知らないままで少なくとも 13年以上生きてきたことになる。となると、自分自身はモロに JJY(ジジイ)ってことか。常に日本標準時(JST)を発信してくれているありがたい無線局という意味じゃなく。

いかに齢を重ねても、そしてどんなにちょっとしたことでも、人生の未知の分野は限りなく広い。先月末には「 "Happee Birthdae" って、私が知らなかっただけ」という記事を書いてもいるし、「わし、な〜んも知らんもんね」と思っている方が事実に近いし、何より楽なのだよね。

 

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2025年4月24日

”Happee Birthdae” って、私が知らなかっただけ

X(旧 Twitter)でケーキ店のショーウィンドウらしき画像が話題だ(参照)。価格表示が "¥28" とか "¥38" で日本円と勘違いしそうだが、これは中国人民元の表示である。どちらも "¥" で表示されるのでややこしいが、中国の "¥1" は日本の 20円以上と思えばいいから決して安物じゃない。

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アヒルやガチョウみたいな形をしたケーキに「可愛い」というコメントが多数付いている。ただ 4月 20日の記事にも書いたように、字さえあれば読んでしまいがちな私としては、左上の丸いケーキの方が気になってしまった。どう見ても "HAPPEE BIRTHDAE HARRY" とある。

中国では "Happy Birthday" をこう綴るんだろうかなんて一瞬思ったりしたが、まさかそんなはずはあるまい。それに、Harry って一体誰なんだ?

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解決のヒントになったのは、この tweet に付けられた  "What is the story behind all the happy birthday Harry cakes" というコメントだった。このケーキにまつわるストーリーがあると示唆してくれている。

というわけで調べてみると、これは「ハリー・ポッター」シリーズの第一作目に出てきたもので、11歳の誕生日を迎えたハリーにルビウス・ハグリッドが贈ったケーキに書かれていた言葉なんだそうだ(参照)。タリーズ・コーヒーでも取り扱ってたなんて、この方面に疎い私はちっとも知らなかったよ。

というわけで、いくら 70歳を過ぎてからでも世の中の各方面に向けてきちんとアンテナを張っておかないと、こんなところで頭の中に「?」が 3つも 4つも出現して点滅するほど戸惑ってしまうと思い知らされたのだった。まだまだ頭は柔らかくしとかないとね。

【5月 9日 追記】

"BBA" って言葉に "Bachelor of Business Administration:経営学士の省略形じゃない用法があったなんて、まったく知らなかったしね。

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2025年4月 6日

「威嚇」という言葉の意味は? そして読み方は?

「威嚇」という言葉の意味は「威力をもっておどすこと」で、「牙をむいて威嚇する」「威嚇射撃」などの用法がある(参照)のだが、世の中には「ちくわ」の塩分量が思いのほか多いと知って「威嚇の声」を上げてる人がいる(参照)。うぅむ、ちくわなんかをおどしてどうするつもりなんだろう。

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ちょっとだけ考えて気付いたのは、この人「威嚇」という言葉の意味を間違えてるんじゃなかろうかということだ。もしかしたら「驚き」というような意味と思ってるのかもしれない。それだったら「驚愕の声」と言ってもらいたいところだった。

さらにこの言葉の厄介なのは、間違った読み方をする人も案外多いということだ。かなり前のことだが「大声で『いせき』する」なんて言ってる人がいて、こちらは一瞬「大声で移籍する?」なんて文字まで浮かびながら意味が掴めなかった。少し経ってから「威嚇する」と言いたいのだと分かったのだが。

ググってみると、「威嚇っていかくってよむんだ∑(°∀°) いせきだとおもってた、、、←」という tweet が見つかった(参照)。「嚇」という字が「赤」を 2つも重ねているので、つい「せき」と読みたくなってしまう気持ちもわからないじゃないけどね。

こんなことを書き連ねているが、下手すると自分も思わぬところで妙な言葉遣いしていないとも限らない。せいぜい気を付けよう。

 

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2025年4月 1日

「コンダラ」って、本来は「コンダーラー」なんだが

知識共有サイトの Quora に「あなたが衝撃受けた、純日本語だと思っていたら外来語だった言葉はなんですか?」という質問があり、その回答の一つに「ネットでも有名な『コンダラ』です」というのがある(参照)。

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往年のヒット・アニメ『巨人の星』のテーマソングの歌い出しは、当初「思い込んだら 試練の道を・・・」という純日本語と受け取られていたが、それが誤りで、実は「重いコンダラ」なのだと知れ渡るまでにはかなりの時間がかかったというのだ。

ただ細かいことを言わせてもらえば、私はこの「コンダラ」という表記にはかなりの違和感を覚えてしまう。あくまでも「コンダーラー」が妥当だ。

そもそも元の英語スペルは "condarler" である。"condarl"(コンダール:整地する)という動詞の語尾に "er" が付いて「整地するための道具」ということになったのだから、カタカナ表記は「コンダーラー」が自然だ。

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念のため、下の YouTube 動画をクリックして改めて歌を聞いてもらいたい。ちゃんと「お、も、いぃ〜コンダァラァ、試練のみぃちぃを〜」と聞こえるはずだ。「コンダラ」というのは、「思い込んだら」という当初の誤解に引きずられた誤表記と言っていい。

というわけで、Tシャツのこんなローマ字表記はやめてもらいたい。"Heavy Condarler" で、わかる人にはちゃんとわかるのだから。

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この記事が、きちんと辞書を引く習慣を身に付けるための一助となれば幸いである。

【4月 2日 追記】

毎度おなじみのエイプリルフール・ネタで失礼致しました。"Condarl" なんて単語は英語の辞書を引いても出てきませんので、よろしくお願いいたします。

 

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2025年3月26日

言葉のつながり、主体と客体をきちんと整理すること

Impress Watch に「マイナ免許証を発行してきた 更新自体はスムーズだけど注意点も」という記事がある。ここで問題にしたいのは例によって記事の内容ではなく、タイトルの言葉の使いようについてである。マイナ免許証そのものについては、一応 23日の記事でケリを付けたつもりでもあるし。

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「マイナ免許証を発行してきた」とあるが、フツーは「発行してもらってきた」とか「交付を受けてきた」などとすべきだろう。記事の中身をよく読めばマイナ免許証を「発行した」のは当然ながら筆者ではなく府中運転免許試験場であるとわかるだけに、やはり「おいおい」と言いたくなる。

もしかしたらマイナ免許証の場合は特殊ケースとしての言い方をするのかとも思い、念のためいろいろググってみたが、「発行」なんて言ってるのは、さすがに今回のこのページしかなかった。本来ならば「一体化の手続きをしてきた」というのが最も妥当な表現なのだろうね。

これに類した言葉の言い違いは結構よくあるので、フツーだったら「またか、しょうがねえなあ」で済ませてしまうところだが、今回の場合はこの記事の筆者が、文章を書いてメシを食うフリーライターのようなので見逃せない。プロならプロで、主体と客体との違いがきちんとつながる文章にしてもらいたい。

そういえば先日ラジオで、どこだかの市役所の人間が「この行事に参加希望の市民の方が、参加申込み書の〇〇の欄をきちんと書いていただけるとありがたい」と言っているのを聞いた。これ、さらりと聞き流してしまいそうだが、やはりちょっとおかしい。

ここは主語が「申込みの市民の方が」なのだから、「書いていただけるとありがたい」ではなく「書いてくださるとありがたい」と言うべきだろう。「いただけると・・・」と言ってしまうと、申込みを受ける役所側が唐突に前面に出てしまう。

最初に取り上げたマイナ免許証の話も、市役所の人間の話も、話の主体と客体が途中で入れ替わってしまっているのが問題なのだが、多くの場合、これがおかしいと思われずに済んでしまいがちである。とくに「いただく」という単語の場合はこうした「入れ替わり」がメチャクチャ多い。

日本語というのは元々、主体と客体とがごっちゃになりやすいところがある。とはいえ客観的なニュースや役所からの広報などでは、その辺りをきちんと整理してもらいたいと思ってしまうのだよね。

ちなみに主体と客体とが入れ替わった例ではないが、こんなのも見つかった(参照)のでオマケとして紹介しておく。おそらく「全面に出す」じゃなく「前面に出す」というココロなんだろう。要するに変換ミスなのだが、書いた当人もミスとは気付いていない可能性がある。

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私はスタバではホットコーヒー以外飲んだことがないので紙ストローは未経験だが、それにしてもずいぶん悪評だったのだね。

 

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2025年3月16日

AirPods でリアルタイム翻訳が可能になるらしいが

Gigazine が「Apple が AirPods で会話をリアルタイム翻訳できる新機能を iOS 19 で計画中との報道」という記事を伝えている。AirPods というのは、Apple の展開するあの結構お高いイヤフォンである。

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記事によればこの機能は 2025年後半に予定されている AirPods のファームウェアアップデートの一部として提供される予定で、秋頃にリリースされるとみられる iOS 19と連動して利用可能になるということだ。

どんな機能かと言えば例えば「英語を話す人がスペイン語で話しているのを聞くと、iPhone がその会話を翻訳し、ユーザーの AirPods に英語で中継する、そして英語を話す人の言葉はスペイン語に翻訳され、iPhone上で再生されるということのようなのだ。

なるほど、相手のスペイン語話者が AirPods を持っていないことを想定して、自分の iPhone 上で再生されるのを聞かせてやるってわけだね。これが AirPods ユーザー同士だと、英語とスペイン語で通訳なしでやり取りしてるように見えるんだろうか。ちょっと異様な光景になりそうだ。

私は AirPods を買う予定なんてないから、「関係ないね〜」ということになる。別にこんな機能に頼らなくても相手にちょっとゆっくりめにしゃべってもらえば、英語なら何とかなるし、スペイン語やドイツ語しか話せない相手と会話をするという機会も個人的にはあまり思いつかない。

そしてヨーロッパ語圏内ならかなりレベルの高い自動翻訳も期待できるだろうが、ヨーロッパ語と日本語の間の自動翻訳って、なんだか完成されたもののような気がしないのだよね。偏見かもしれないが。

さらに言えば、言語で語られる内容というのはその言語特有のテイストみたいなものがあって、とくにヨーロッパ語と日本語の間ではニュアンスみたいなものが吹っ飛んでしまいそうな気もしてしまう。「洒落」が通じなかったら、つまらないだろう。

というわけで、外国語が苦手な人があちこち旅行するというなら便利かもしれないが、私は使う気がないので、よろしく。

【同日 追記】

「ちょっと待てよ」と思ってしまった。というのは、iPhone にこれだけの機能があって、AirPods はそれが送信されて聞くだけみたいだから、AirPods って必須なのかなあという疑問が湧いたのである。相手が AirPods ユーザーじゃない場合は、iPhone 上で再生されるようだし。

この記事、よくわからん。

【再び 同日 追記】

X (旧 Twiiter)で プライム さんという方が興味深い tweet をしている。仕事上で、決して上手ではない英語で対応していて、途中からタブレットの自動翻訳に切り替えたのだが、「1000倍正確」なはずの自動翻訳は相手の不興を買い、自力でのナマの会話に戻さざるを得なかったのだそうだ(参照)。

やっぱり、「ナマの会話」は貴重だよね。

 

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2025年3月 8日

睡眠時間が短いと、「死亡率」が増加するって?

レバテック LAB というサイトに "「7~9時間睡眠」維持できないと死亡率最大 29%増? 4万人超の睡眠時間 5年分を調査した結果【研究紹介】" という 3月 5日付の記事がある。ただ「死亡率最大 29%増?」なんていうが、人間は元々死亡率 100%だから、それ以上の増加はあり得ないと思うがなあ。

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この見出しがあまりにもミステリアスなので本文を読んでみたところ、こんな表現になっている。

健康的な睡眠時間を維持していた参加者に比べて、最適でない睡眠パターンの参加者は全死因における死亡リスクが最大で 29%高かったことがわかった。

29%高かったのは、「死亡率」なんかじゃなく「全死因における死亡リスク」じゃないか。最近、ニュースサイトの記事タイトルを付ける編集者の質がやたら落ちてるような気がする。

いずれにしてもわかりにくい表現だがニュースとしては、死亡につながるいろいろなファクターがある中で、実際に死ぬリスクが 3割近く高まると言いたいようなのである。繰り返しになるが、人間いずれは死ぬんだけどね。

睡眠時間についていえば、私も「7~9時間睡眠」なんてまったく維持できていない。せいぜい 4〜5時間で、ほんのたまに 9時間ぐらいの「寝だめ」をする。

まあ、妙なことを気にしすぎるのが一番健康によくないから、こんなところで生きて行ってみよう。

【3月 9日 追記】

そういえば、先日クルマを運転しながらラジオで「一般社団法人 日本ショートスリーパー育成協会」代表理事という人の話を聞いたのを思い出した。この人、マジで 1日に 45分ぐらいしか寝ないんだそうだ。

これって、いくらなんでも極端すぎる気がするなあ。個人的にはもうちょっとベッドの中でウダウダしていたい気がする。

 

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