カテゴリー「自然・環境」の528件の記事

2025年4月18日

東京湾北部地下の「海山」なるものが地震の巣窟?

新幹線で西に向かっている。博多まで行って特急に乗り換え、さらに佐賀まで行く。ちょっと前までは九州に行くには当然のように飛行機を使っていたが最近はそれを避けており、せかされない旅をすることにしている。

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調べてみれば、今の時間帯で飛行機を使っても、どうせ博多空港で地上に降りて在来線の特急に乗り換えなければならず、時間的には 1時間ちょっとの差にしかならない。それだったら、浜松町からモノレールに乗りかえてさらに羽田空港のゲートで待たされるストレスがないだけ、地上の旅の方が気楽だ。

新幹線内では通路越しに座っている学生らしい 6人グループが、どうやら京都に行くらしい。今日の昼過ぎに到着したら、週末の時間をフルに使って観光できるというわけで、どこに行って何をするかで会話が盛り上がっている。

ただ、最近の京都は外国人観光客であふれかえっているから大変だろうなあ。私だったら、せっかくの休暇に人混みの京都になんか行かない。

それはそうとして、今日はまったく別の話題である。上の画像で示されているように、東京湾北部地下(海底ではない)に「海山」なるものがあり、そこにひずみがたまることで地震を多発させている可能性があるというのである(参照)。

改めて図をよく見てみると関東の地下というのは、陸側のプレートの下に南からフィリピン海プレート、東側から太平洋プレートが沈み込むという、かなり複雑な構造になっていることがわかる。つまり南と東からグリグリと押し合いへし合う三層構造になってしまっているのだ。

そしてこの太平洋プレートがフィリピンプレートのさらに下に沈み込んだ境界付近の、直径 20km ほどの円の中に、最近の地震の震源が集中しているというのである。比較的狭い範囲に「地震の巣」が複数連なっているというわけだ。

関東というのは台風は来にくいし比較的温暖で気候的には恵まれているが、目に見えない地下の世界では案外リスクたっぷりなのだね。くわばらくわばら。

ちなみに「海山」と聞いて、一瞬『美味しんぼ』というまんがを思い浮かべてしまったが、あれに出てくるのは「海原雄山」だったね。「くわばら」とごっちゃになってしまったよ。

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くわばら海山?

 

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2025年3月30日

岡山の山火事の原因は、伐採した木の焼却だった

"たばこが原因の火災増加と、現代人の「直火」感覚" という記事を書いたわずか 5日後だけに、NHK の伝える「岡山 山林火災の原因 伐採した木を焼却の際火が燃え移ったか」というニュースを読んで暗澹としてしまった。

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小はたばこの吸い殻から大は伐採木材焼却に至るまで、"現代人の「直火」感覚" って、本当にズレてしまっているようで恐ろしい。

湿度の低い日が続き、日本全体があんなに乾燥した状態が続いていた時期に、伐採した木を当然のように焼却処分するという感覚がちょっと信じられない。この方面には素人なのであまり深くは論じられないが、少なくとももう少し乾燥の収まるまで待てなかったのか。

あるいは湿度が上がったら燃えにくくて面倒だなんて思ってしまったのか。それとも病害虫に冒された木を、早めに処分してしまいたかったのか。たとえそうだとしても、あんなに乾燥した時期にどうしても燃やさなければならなかったのか。本当にわからない。

いずれにしてもこんなにまで大きな山火事につながってしまったのだから、あの時期に焼却処分をするという判断が誤っていたというのは確かだろう。処理を徒に急いだために、とんでもないことになってしまったわけだ。

このニュースの 3日前には、同じ NHK が「山林火災はなぜ起こる?半数超が 2月から 4月に集中 注意を」と伝えている。ここで紹介された山火事の原因は下の図の通り。やはり人為的原因がほとんどのようだ。

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それにしても、ここでも「たばこ」というのが顔を出すのがコワい。山の中でまできちんと始末をしないたばこの吸い殻を捨てる人がいるのだね。

 

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2025年3月27日

昨日は東京で夏日、大分と宮崎で真夏日だったというが

昨日はつくばでもかなり気温が上がって、外出するのに Tシャツ 1枚で十分だった。その 1週間前にまともな雪になった(参照)のが信じられないほどだ。

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共同通信が「今年初、大分と宮崎で 30.3度 季節外れ真夏日、東京 25.9度」というニュースを伝えている。「過去に 3月に真夏日となったのは、1999年 3月 26日の鹿児島県奄美市の名瀬 30.4度、99年 3月 22日の東京・南鳥島 30.2度のみ」というのだから、ちょっとした記録だ。

最近は天気が極端になっていて「夏と冬ばかりで、春と秋が短い」というのは過去に何度も書いたが、今年の春も妙に暖かくなったり寒くなったりの繰り返しで、いかにも春らしい陽気が続かない。

今回の暖かさ(暑さ?)も金曜日までで、週末からはまた最高気温が 10度台前半という寒さが戻るらしい。4月の初め頃は寒いぐらいの天気になりそうだ。

 

 

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2025年3月24日

東京と鹿児島、長崎で桜が開花したというが

NHK が「東京と鹿児島 長崎で桜が開花 1週間から10日ほどで満開に」と伝えている。東京の桜開花は平年と同じだが、去年より 5日早いのだという。

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一部のラジオ番組では昨日のうちから「東京の桜開花は確実」なんて言っていたが空振りに終わり、今日にずれ込んでしまった。昨日はやたら暖かかったが、重要なのは瞬間的な暖かさではなく「暖かさの積み重ね」だから、今日にずれ込んでしまったのだろう。先週の日曜は雪も降ったしね。

本日は鹿児島と長崎でも桜の開花が確認され、三都市が同日の開花発表となった。もうそろそろ本格的な春と言っていいのだろう。

ちなみに東京では桜の開花は学校の卒業式と同じ時期ということなのだが、私の生まれた山形県酒田市では例年入学式と時期を同じくして咲くことになっている。同じ日本でも花見の時期は微妙にずれる。

ただ桜が咲くのはいいのだが、毎年この時期になると中国大陸から黄砂の飛んでくるのが問題だ。NHK は「あすからあさってにかけ広い範囲に飛来」として注意を呼びかけている。最近は晴れても我が家から筑波山が見えなくなってるし。

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春になればなったで、また春の問題が持ち上がる。スギ花粉の飛散はピークを越えたようだが、ここに来て盛んに飛び始めたヒノキの花粉もまた厄介だしね。

ちなみに桜の花粉はアレルギーを起こさないので、綺麗なだけでなく善良でさえある。それだけで誠にありがたいことで、盛大に咲き誇るのを見るのが楽しみだ。

 

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2025年3月19日

何度も繰り返される「今シーズン最後の寒の戻り」

4日前の 15日付『和歌ログ』に「予報士は最後の寒の戻りてふ言葉を幾度繰り返すらむ」という歌を載せた。本文には「気象予報士は明日が今シーズン『最後の寒の戻り』になるだろうというのだが、この台詞は既に 3度ぐらい聞いているような気がする」と書いている。

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「さらにもう一度ぐらい『最後の寒の戻り』があるかもしれない」とも書いているのだが、思った通り、今朝は「最強の寒の戻り」だった。夜中からかなり強い風雨で、「こりゃ、嵐だわ」と思いながら寝ていたのだが、朝になって風が止んだと思ったら急に雪になってしまった。

まともに積もることはなかったのだが、今シーズンで一番「雪らしい雪」だった。我が家の梅も、満開になった途端に雪に覆われてしまったのだから、さぞ驚いてしまっただろう。

10時頃に牛久に行く用があったのだが、途中の道のりがかなり激しい雪になっており、さらにアップダウンの坂道も多いので、途中で諦めて帰ってきてしまった。

「暑さ寒さも彼岸まで」というので、明日の春彼岸を前に「今度こそ本当の最後の寒の戻り」になってもらいたいものだ。

 

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2025年3月15日

ウグイスってやつは本当に「声はすれども姿は見えず」

「声はすれども姿は見えずほんにお前は屁のような」という都々逸じみた台詞があるが、三味線の伴奏で歌われているのを聞いたことがない。そして屁なんかよりずっと気にかかるのは、ウグイスだ。このところ「ホ—ホケキョ」の囀りを聞くことが増えているのだが、姿を見たことは一度もない。

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ウグイスは花札にも登場するウグイス色の小鳥だと思われているが、実はあれはメジロであってウグイスではない。ウグイスというのはもっと地味な見かけの鳥である。

さらに言えば「メジロ」というぐらいだから、目だって赤くはない。手持ちの図鑑にちょうど隣同士で載っているメジロとウグイスの画像を下に貼り付けておく。

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というわけで、いわゆる「うぐいす色」というのは「ウグイスの色」じゃないのである。これ、少しでもバードウォッチングをする人には常識だが、一般論としては半数以上の人が「えっ、そうだったの !?」と驚く。

ところがバードウォッチングがかなり好きな人でも、ウグイスの姿を直接見たことのある人は少ない。私も時々「ホ—ホケキョ」と声のする藪の中を双眼鏡で必死に探すのだが、やっぱり見つからない。春の初めの枯れた色の藪は、絶好の保護色となっているようだ。

ちなみに「ウグイス嬢」というのも、「声だけ聞こえて姿は見えない」ということで共通している。ただ、この人 は例外だけど。

ついでに書いておくが、花札の梅と松の短冊に書いてある文字は「あのよろし」ではなく「あかよろし」と読んでね。二文字目は「可」という漢字を崩した変体仮名なので。

 

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2025年3月 3日

つくばの里に雪が降る

天気予報では「午後には雪が舞うかも知れません」なんて言っていたが、「どうせチラッと舞うぐらいで、積もったりはしないだろう」とタカをくくっていた。ところが 2時を過ぎた頃から「チラッと」どころではない様子になり、裏の土手は白くなってしまったのである。

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道路にはまったく積もっていないので交通機関への影響はほとんどないだろうが、それにしても「この辺りでもまだ雪って降るんだ」と再確認させられてしまった。もう 3月とはいえ、今年の冬はなかなか馬鹿にできない。

ただ、昔と比べればこの程度の雪はほんの可愛らしいものである。私がこの土地に引っ越してきたのはほぼ 40年ほど前のことになるが、当時はかなりの積雪になるのが珍しくなかった。

下の写真は 15年近くの前の多分 2〜3月頃に撮影したものだが、雪かきをしないとクルマが駐車場から出られないほどになっている。

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思い返してみると、5〜6年前までは家の前の道路を雪かきしていたが、最近は全然していない。まともに積もることがないので、必要ないのだ。大きな雪かきシャベルも物置にしまいっぱなしで、多分今年も使わずに済むだろう。

明後日は仕事で横浜に行かなければならないのだが、この分だと交通機関がストップしてしまうなんてこともなさそうだ。

 

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2025年2月22日

富士山の雪の降り方の傾向って、初めて知った

昨日付の和歌ログでも書いたのだが、このほど山梨県の富士山の近くに出張したおかげで、富士山の雪の降り方の傾向について初めて知ることができた。本当にこんなの 70歳を過ぎるまで知らなかったよ。

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上の画像の右上は、昨日の『和歌ログ』にも載せた富士五湖方面から見た富士山(参照)、つまり富士山の北側だ。そして左下が昨年の 11月 30日付の "Today's Crack" に載せた(参照)、東海道新幹線つまり南側から撮影した富士山である(撮影は前日)。

昨年 11月末の段階でこれほど真っ白だったのだから、今回は大雪も降ったことだし、北側斜面はさぞかしと思い込んでいたのだが、実際に目の前にすると呆気ないほど雪が少ない。つくば方面からリアルタイムで見える山頂付近と比較しても少なく、ところどころ山肌が青っぽく露出している。

これ、当初は今回の強い北西風のせいで積もった雪が吹き飛ばされてしまったためと思った。しかし地元の人に聞いて見ると、そうじゃないらしい。富士山には富士山の雪の降り方があるというのである。

どんなことかというと、富士山の雪は主として西高東低の冬型気圧配置によって降るのではなく、南岸低気圧によってもたらされるというのだ。平地では雨でも、富士山ぐらいに高くなると雪になる。

そして西高東低型の「いかにも冬らしい雪」は、富士山に届く前に北アルプスや越後山地での大雪になってしまい、富士山までは届きにくいわけだ。

「へぇ!」ってなものである。世の中というのは実際に見たり聞いたりしてみないと、気付かないことやわからないってことが多いのだね。

 

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2025年2月21日

福島と汚染土と原発の問題

HUFFPOST に Keita Aimoto さんによる "除去土壌とは?再生利用は安全?専門家に聞いた「キホン」。福島の復興、NIMBY問題との向き合い方とは" という記事がある。"「ずっと福島に置いておけ」は「地元に帰るな」と一緒。除染土は、“ある小さな地方” の問題ではない" と合わせて読むべきものだ。

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この問題、「だから、昔から原発には反対してたんだ!」で済ませられればいいのだが、実際に 2011年の東日本大震災で被曝してしまった土壌があり、その除去土壌(除染土)が福島県内に大量に保存されているのだから、何とかしなければならない。避けて通れない問題なのである。

茨城県在住の私はあの震災では実際に被害を蒙り(参照)、家の庭に降りるサッシ戸が開かなくなったのだが、何度か余震で揺さぶられているうちに再び開くようになったなんてことまであったのだから、まんざら部外者というわけじゃない。震災後のしばらくは、洗濯物を干すにさえ気を使っていたのだし。

さらにクルマで東北方面に出かける度にモロに被災地を通る。宮城から福島にかけての海岸線は今でも大きな太陽光発電施設以外は何にもないというところが多いのだから、まったく他人事じゃないのである。

ぶっちゃけた話、除染土の再生利用は認めるしかないんじゃないかと思っている。地震は起きてしまったのであり、土壌は汚染されてしまったのだから、もうしょうがない。

あの震災直後は福島方面から北風が吹いてくるだけで嫌な気持ちになっていたのだが、今は「とにかく死にもしなかったし、病気にもならなかった」という事実を信じるしかない。除染土を福島だけに押しつけ続けるわけにもいかないじゃないか。

そりゃ、放射能の危険性がわずか 15年やそこらで消えるわけじゃないことぐらい、十分承知している。しかし起きてしまったことはしょうがない。多くの日本人がこれだけ毎日、体にいいわけない農薬や添加物満載の食料で生きてるのだから、放射能だけ特別扱いにはできない。

大切なのは、危険な原発の再稼働や新設を許さないことである。そのうち南海トラフでものすごいのが起きるのは確実なのだから、「除染土を持ってこられるのはイヤ」なんて言ってるより、こっちの方に「イヤ」と言うべきだろうと思うのだ。

今日の記事にはモロに賛否両論あるだろう。このブログに来てくれる人たちはとても良識があるから多分大丈夫とは思っているのだが、もしかしてコメント欄が徒に荒れすぎたりした場合には、閉じさせていただくこともあるので、ご了承いただきたい。

 

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2025年2月10日

世界の大都市で増加中のネズミが、東京では減少

CNN が「世界の大都市でネズミが増加、最大の原因は温暖化 米研究」という記事を伝えている。ネズミの増加まで「温暖化」のせいだったのか。

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米リッチモンド大学の研究チームが 16都市を対象として平均 12年にわたる集計結果をまとめた研究によると、11都市で、ネズミの数が大幅に増える傾向にあることがわかったというのである。ネズミが減っていたのは、米国のニューオーリンズとルイビル、そして東京の 3都市だけだった。

残る 2都市は Science Advances の "Increasing rat numbers in cities are linked to climate warming, urbanization, and human population" (都市のネズミ数増加は温暖化、都市化、人口と関連している)という記事によると、ダラス(微増)とセントルイス(微減)らしい。

とりあえず「へえ、東京じゃネズミが減ってるのか!」と驚いたが、ネズミさえ棲みにくい環境になってその分周辺に広がり、郊外がとばっちりをくってるのかもしれない。茨城県は利根川に阻まれて、とばっちりから免れているというならありがたいのだが。

いずれにしてもつくば周辺のネズミは普段は屋外に棲んでいるようなのだが、冬になると暖かさを求めて家の中に入り込んでくるのがいる。夜のうちに人間の食い物を齧ったりするので、油断がならない。

我が家ではいつもハーブから作られた忌避剤を屋内各所においてガードしているのだが、それでも冬になって天井裏から「パタパタパタ・・・」とネズミの走る微かな音が聞こえたら、粘着式のネズミ捕りの出番になる。この「ハーブの忌避剤」と「粘着式ネズミ獲り」の二段構え作戦はかなり効果的だ。

ただ、昨年は考えられないことが起きた。外に餌が豊富なはずの真夏にネズミが屋内に侵入してきたため、冬にしかやったことのない「二段構え作戦」で追い払うことになったのである。そしてこの冬はなんと、ネズミが入って来たような形跡が今のところない。

思うに昨年の夏は、屋外が「暑すぎた」のだろう。それでネズミとしても耐えきれず、日影と冷房でマシになっている屋内に逃げ込んできたとしか考えられない。そして冬にネズミが入ってこないというのは、温暖化も進み過ぎて、この辺りでも東京のように個体数が減ってしまったのかもしれない

昨年はヨーロッパの大都市も大変な暑さになったらしいから、もしかしたら東京のようにネズミが減少傾向に転じたりして。

 

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