ビジネスメールの署名に勤務時間を明記することの意味
HUFFPOST に 10月 2日付で "勤務時間外のメールチェックはもう終わりにしよう。署名に「ウェルネス文言」を付けるのがアメリカで流行の兆し" という翻訳記事がある。この見出し中の「ウェルネス文書」(健康文書?)というのは初耳の人が多いだろう。私も「何のこっちゃ?」と思った。
HUFFPODST 英語版を探したところ、"How To Write An Email Signature That Actually Promotes A Life Outside Work" (仕事以外の人生を上手に送れる Eメールの署名の書き方)というのが見つかった。どうやらこれが今回の元記事のようで、日本語版の見出しはずいぶん思い切った「意訳」である。
この中で「ウェルネス文書」に該当するの元の言葉は "wellness-promoting email signature" (健康促進 Eメール署名)だった。「意訳」ついでとはいえ、「ウェルネス文書」ではいくらなんでも唐突過ぎるよね。せめて「ウェルネス署名」にしてもらいたかった。
この場合の "signature" (署名)というのはメールの末尾に付ける名刺代わりみたいなもので、例えば私の場合こんなようになる。
とどのつまり問題の記事は、「仕事と生活のバランスをうまくとって健康に生きていくための、ビジネスメールの署名の書き方」を考えるためのもののようなのである。そのためには、署名の中に自分の勤務時間を明記することが推奨されている。
この記事の筆者である Brittany Wong さんの同僚は、Eメールを出すにあたって次のような断り書きを自分の署名に加えているという。
My working hours are typically 8:30 a.m. ET to 6 p.m. ET, Monday to Friday. If these are not your working hours, please do not feel an urgency to respond outside of your typical working hours.
私の勤務時間は通常、月曜日から金曜日の午前 8時 30分から午後 6時(米東部時間)です。もしこの時間帯があなたの勤務時間外である場合には、あなたの仕事の時間以外で返信を急ごうとされなくても結構です。
米国は東部と西部で 3時間の時差があるから、こうした表記には日本人が考える以上の意味がある。お互いのプライベートな時間を大切に考えていると示すことができるのだから、気の利いた配慮である。
日本の場合だとここまで丁寧に書かなくても、「勤務時間 9:00〜18:00(土日、祭日は休み)」ぐらいにさりげなく明記しておくだけでも意味があるだろう。相手は「18時以後にメールを送っても、明日の 9時過ぎまでは返信がないだろう」と納得することができる。
これ、早速やってみようと思ったのだが、考えてみれば私はフリーランスなので「通常の勤務時間帯」というのが存在しないのだった。土日だろうが祭日だろうが、必要とあらば仕事してしまう。メールチェックは夜でもするし、そのまますぐに返信してしまうことだって度々だ。
こちらが夜に返信しても、先方がそれを読むのは翌朝だろろうから「朝イチのメール」ということになり、それで構わないのだが、相手もフリーランスだと、夕食後のくつろぎ時間を邪魔することになりかねないから考え物である。これを機に、メールは朝になってから送信するように心がけよう。
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