カテゴリー「世間話」の436件の記事

2023年5月26日

固定電話は、確かに捨てた方がいい

はてな匿名ダイアリー」って、「名前を隠して楽しく日記」というキャッチフレーズで、匿名なだけに「何だかなあ・・・」と思ってしまうような投稿が多いのだが、昨日付の「振り込め詐欺に遭いたくないなら固定電話を捨てた方がいい」という記事は、もろに「そうそう、その通りだよね」と思ってしまった。

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内容は次のようなものだ。

振り込め詐欺の電話は、自宅の固定電話にかかってくることが多いらしい。
こうした事実から、市町村では録音機能付きの電話機を提供するなどの対策をとっているらしい。
対策として無意味とは言わないが、もう固定電話を捨ててしまった方がいいのではないかな? (以下略)

市町村の対応を調べてみると、例えば京都府京田辺市役所のサイトに「ご注意!特殊詐欺の入り口は固定電話です!」というページがあり、その対策として、次のようにある。

  1. 防犯機能の付いた電話機にする
  2. 在宅中でも留守電の設定にしておく

実は私も、この 2番目の方策を長く実行していた。2017年に、固定電話は常時「留守電設定」にして、呼び出し音のボリュームも「ゼロ」にしたのである。これは 2017年 12月 28日付の「固定電話には、アヤシい営業電話しかかかってこない」という記事に書いている。

本当に、スマホ主体の生活になってしまうと、固定電話にかかってくるのは、ほぼ 100% アヤシい営業電話ということになる。そんなものにいちいち応答していられないし、念のため留守電を確認しても用件なんて何も録音されていない。

ほぼ 5年間にわたって、この「常時留守電設定」にしていたのだが、考えてみればこれでは、電話料金の基本料だけを払うにしてもムダだと気付いた。それで、昨年 7月 5日付の「ダイヤル式黒電話は、歴史の彼方に」という記事に書いたように、すっぱりと固定電話契約解除に至ったというわけだ。

というわけで、今となれば自信をもって、「留守電設定」なんかにするより「思い切って固定電話を捨てる」ことを推奨したいと思う。その方がずっとスッキリする。

「固定電話がないと FAX ができなくて不便でしょ」なんて言う人もいるが、そんな時は「まだ FAX なんて使ってるの !?」と、ことさら大袈裟に驚いてみせることにしている。まあ、スマホやインターネットができなくて、FAX が「画期的な文明の利器」と思っている年寄りが多いのは、悲しい事実なんだけどね。

ということは、怪しい電話がかかってきたら「こっちはもう年で、あんたの言うことが覚えきれないから、わかりやすい文章にして、FAX で送ってくれ」と言えばいいかもしれないね。大抵は面倒がってそんなもの送ってこないから。(FAX から足が付いちゃうかもしれないし)

万が一、律儀に(?)送られて来たりしたら、「字が汚い上に文章が下手くそで、さっぱりわからない」と言ってやればいい。

 

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2023年5月10日

ガソリンスタンドでタイヤに空気を入れようとしたら・・・

ひろいろドットコムというサイトに「ガソリンスタンドでタイヤに空気を入れてみた」という動画付き記事がある。どういうことなのかと思い、リンク先に行って動画を再生してみて驚いた。

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画面はセルフ式のガソリンスタンドと思われる場所を映し出している。そこに黒塗りの高級車(シーマか何かかなあ)が入って来て、ガソリンを入れるのではなく、何やら赤いボンベをひっつかんで、タイヤに空気を入れようとしている。

「え、ガソリンスタンドって、こんな空気ボンベが常備してあるの?」と、意外な感じがした。「まるで消火器みたいだけど」

で、このお兄ちゃんはおもむろに右側前輪に空気を入れようとするのだが、何だか様子がおかしい。で、ちょっとタイヤから外したとたんに、白い粉の煙がボワーッと噴出した。

「ほぉら、やっぱり消火器だったじゃん!」

それにしても世の中には、ガソリンスタンドにやたらコンパクトな空気ボンベ置いてあって、それを使って軽い気持ちで高級車のタイヤに空気を入れられるなんて思ってるお兄ちゃんがいることに、心底驚いてしまった。どう見ても消火器なのに、思い込みというのは恐ろしい。

かと思うと、おまけみたいに、こんな tweet も紹介されている。

セルフ式のガソリンスタンドって、一日中見てたらかなりいろいろなことが起きていそうなのだね。どのスタンドでも、見張り役のスタッフがずっと手持ち無沙汰そうに立って見張ってるわけがわかった。

ただ、下の動画のアメリカのスタッフは頼りにならないよね。テスラの反対側にガソリン注入口があると思って、ホースを伸ばしてあげてるんだから。

 

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2023年4月17日

日本の「同調バイアス」って、「同調圧力」のレベル

ナゾロジーというサイトに ”「もうみんな避難していますよ!」 本当に日本人の避難指示に役立つと判明” という記事がある。千葉大学の心理学研究で、日本では自然災害時の避難指示に「もうみんな避難していますよ!」という情報を含めると、実際の避難行動が促進されるとわかったのだそうだ。

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この研究の発端は、あの有名なエスニック・ジョークだという。沈没しかけた船の船長が、乗客たちを早く脱出させるために飛び込ませようと、次のような言葉をかけるというものだ。

  • アメリカ人には 「飛び込めばあなたは英雄ですよ」
  • イギリス人には 「紳士は飛び込むものです」
  • ドイツ人には  「規則なので飛び込んでください」
  • イタリア人には 「さきほど美女が飛び込みましたよ」
  • フランス人には 「決して飛び込まないでください」
  • 日本人には   「もうみんな飛び込みましたよ」

避難の場合に限らず、日本人には何にせよ「みんな〇〇していますよ」という言い方が非常に効果的なんだそうで、こうした傾向を「同調バイアス」というらしい。記事では次のように説明されている。

同調バイアスとは、 集団の中にいると知らず知らずのうちに他人と同じ行動を取ってしまう心理状態のことを指します。

ふむふむ、なるほどね。そういうことだから、周りと同じことをするのはなるべく避けたがる私なんか、この国では「変わり者」みたいに思われてしまうのだろう。自分としては、決してフランス人ほどじゃないと思うのだが。

で、この記事を読んで即座に思い出したのが、今月 10日に書いた「空いた道をノーヘルにマスク着用で自転車に乗る人たち」という記事だ。この中で私は、次のように書いている。

驚いてしまうというより、むしろ笑ってしまうのは、自転車に乗っている人の多く(確実に 80%以上)が、ヘルメットは被らないのに、マスクは律儀に付けているということだ。

先月から「マスクの着用は個人の判断で」ということになったのに、圧倒的多くの日本人は外そうとせず、一方で今月から法制化された自転車でのヘルメットは、前々から被っていたスポーツ・サイクリスト以外は誰も着用しない。これって、「同調バイアス」のコンセプトで観単に説明できてしまうのだね。

ちなみにこうした傾向は、私みたいな者には「同調バイアス」というよりむしろ、世界でも稀なほどに強力な「同調圧力」と感じてしまう。そんなわけで、私はこの記事の末尾近くで次のように書いている。

要するにこの国では、「気が引ける」とか「恥ずかしい」とかいう情緒的要素の方が、きちんと明文化された「社会的原則」なんかより遙かに優先してしまうのだよね。フツーには「常識的な人が多い」なんて思われている日本社会だが、視点を変えると、実は「まともな常識にかからない人の集まり」でもある。

私は個人的には外国と言えば米国とドイツ、フランス、香港しか行ったことがないのだが、その代わり、単なる観光目的じゃないから現地の人たちと結構深く付き合っている。その経験からすると、日本以外の国では「同調バイアス」ってそれほど決定的な常識ファクターじゃないようなのだね。

なるほど、なるほど。私って、日本から出るとちょっと気が楽になったりするのは、そのせいだったのか。

 

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2023年2月21日

痛散湯の CM、「ひとつ 25キロの収穫物」って?

ラジオを聞いていると、「痛散湯」という薬の CM をよく耳にする。その中でとくに印象的というか、「それって、一体どんなんだろう?」と気になってたまらないのが、約 12年前から痛散湯を愛用しているという、茨城で農業一筋 50年の Hさんの体験談だ。

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その CM では、Hさんが茨城人らしからぬ、きれいすぎる標準語アクセントで(参照)、「ひとつ 25キロの収穫物を扱うのは大変で・・・」と、しみじみこぼすのである。これ、演じているのは、多分 この人 だと思われる。

しかし、待てよ。「ひとつ 25キロの収穫物」って、一体どんなのだ?

絵本にある「おおきなかぶ」ほどじゃないにしても、そんな馬鹿でかい農産物はこの歳になるまで見たことがない。あまり気になるのでインターネットで検索してみたところ、まさしく痛散湯のサイトで「ああ、この人だ!」と思われる人物の登場する、上の画像のページが見つかった(参照)。

このページに、ラジオで流れるのと同様のセリフが紹介されている。こんな具合だ。

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念のため重要部分をテキスト化しておく。

ひとつ 25キロほどの収穫物を一日で何百と扱いますから。30年来、腰が痛くて動きづらく、寝込むこともありました。

ここで、ラジオ CM とのビミョーなディテールの違いに気付いた。放送では時間の関係なのか、「ひとつ 25キロの収穫物を扱うのは大変で・・・」と短縮されていて、「何百と扱いますから」とまでは言っていないように記憶する。(もし細部で間違ってたらゴメン)

というわけで、ここに至って「不思議」は、2つに増えてしまった。

  1. 「ひとつ 25キロの収穫物」って、一体何だろう。
  2. 「ひとつ 25キロの収穫物」を一日で何百と扱ったら、仮に 400 だとすると 10トンという想像を絶する量になってしまうんだが。

このページによれば、Hさんが作っているのは、人参、乾燥サツマイモ、メロン、トマト、ジャガイモ、ホウレンソウ、ダイコンなどだが、どれも「ひとつ 25キロ」になるようなものじゃない。そしてさらに、毎日 10トンもの収穫物を扱ったりしたら、いくら痛散湯を飲んでもくたばってしまうだろう。

念のため断っておくが、Hさんは「一袋 25キロ」とか「一箱 25キロ」ではなく、あくまで「ひとつ 25キロ」と言っている。それに「ひとつ」だろうが「一袋」だろうが「一箱」だろうが、何百と扱ったらとんでもない総量になるのは同じことで、いくらなんでも二重におかしい。

誤解してもらいたくないのだが、私はこの Hさんの話がデタラメと言っているわけでは決してない。ただ、「話として不思議でしょうがない」ってことだ。

どこかに言葉の使い方としての誤りがあるに違いない。例えば、本当のところは「何百もの収穫物を、25キロずつ袋に詰めて扱いますから・・・」ということだったとかね。

痛散湯の再春館製薬所にしても、CM を製作した広告代理店にしても、演じているタレントにしても、それを流す放送局にしても、このくらいのことに気付いてもらいたかったなあ。

それにしても本当に、茨城の Hさん、どんな仕事をしておいでなんだろう?

 

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2023年2月11日

マスク着用が「個人の判断」に委ねられるというが

政府の決定により、来月 13日を機にマスク着用が「個人の判断」に委ねられることになったのだそうだ(参照)。個人的にはマスクが苦手なので、ちょっと嬉しい話である。

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マスク着用があたかも「国民の義務」みたいな様相になったのはいつ頃からだったのかと、自分のブログを検索してみたところ、2020年 3月 10日付の「慣れないマスク着用で」という記事が見つかった。ということは、我々はほぼ 3年ほど「マスク文化」の中で生きてきたことになる。

この記事には、こんなようなことが書いてある。

昨日、仕事上のミーティングがあったのだが、「時節柄、必ずマスク着用でおいでくだい」なんていう通知を受けていた。そんなこと言われてもドラッグストアのマスク売り場なんてすっからかんで買えないし、やりにくい世の中になったものである。

そう言えば、コロナ禍の初期はマスク不足が問題になっていたのだね。さらにこんな笑い話も書かれている。

マスクしたままコーヒーカップを口に運んで、「ありゃ」なんて言ってしまう。

スケジュールを確認しようとスマホを取り出せば、マスクで顔を覆っているため Face ID (顔認証)が機能しない。その度に「ああもう、イラるなあ!」なんて口走る。

今ではマスクの供給もやたら豊富になって、ドラッグストアの売り場に箱単位で積み重ねられているし、マスクをしたままコーヒー飲むなんてこともなくなった。そしてスマホのログインもパスコードでさっさと済ませるのが当たり前なったし、世の中、変われば変わるものである。

ただ、来月 13日から「個人の判断」でマスクをしなくてもいいなんてことになっても、それが定着するまでには少し手間がかかりそうな気がする。政府も「医療機関の受診や混雑した電車やバスでは、マスクの着用を推奨」なんて言っているから、かなり玉虫色だ。

とにかく「日本人の国民性」(これって、こういう時に便利な言葉だなあ)として「個人の判断」なんて苦手中の苦手だから、結局は「周りを見て大勢に従う」ことになるのだろう。要するに、「周囲の雰囲気」優先だ。

そうかと思うと、世の中にはマスクの好きな人(女性に多い気がする)がいるみたいで、閑散とした田舎道での散歩や庭で洗濯物を干したりする時も、しっかりマスクをしているオバサンが少なくない。こうした人たちって、「個人の判断」でずっとマスクをし続けることになるのかなあ。

いずれにしても来月中旬以後は、「日本人観察」の楽しみが増えそうだ。

 

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2022年12月14日

質屋の高級ブランド品ビジネス

質屋のチラシが投函されていた。紹介されているのは数々の「質流れ品」で、いわゆる「高級ブランド物」のオンパレードだ。

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ローレックスの腕時計 5,980,000円を始め、シャネルのバッグ 358,000円、カルティエのピアス 178,000円、ウィスキー(山崎 18年)128,000円、ルイ・ヴィトンの財布 64,800円等々・・・。今は昔の、バブル時代を彷彿させるものばかりである。言うまでもなく、すべて私の興味の範疇外。

こうしたチラシや広告を目にする度に、こんなもの、誰が質屋に持ち込んで、また誰が買うのだろうと不思議でしょうがなかったが、先日のラジオを聞いていて少し合点がいった。

登場したのは「ギャンブル依存症」対策を行う団体の代表を勤める女性で、この人は自分自身がギャンブル依存症経験者である。そしてそれを克服してからも、その代償として「浪費依存症」にとりつかれた時期があったらしい。

とにかく必要でもないブランド品を買い漁り、2〜3度使ったらすぐに質に入れて、また別の物を買うという繰り返しだったという。当然ながら借金の山となり、返済するのが大変だったと語っていた。

高級品を質屋に持ち込むというのは、こんなようなケースが少なくないのだろう。そしてその質流れ品を買いたがる第二段階の「浪費依存症」といった人たちもいるわけだ。このような構図で、質屋の高級ブランド品ビジネスは成立すると考えられる。要するに「ビョーキ」の産物だ。

私の感覚では、時間を知るだけなら数千円の腕時計があればこと足りるし、それ以上の機能を求めたとしてもスマート・ウォッチがあれば十分だ。自分のもっている Apple Watch (3〜4万円だったかな)でも贅沢品だと思っているほどなのに、百万円超の腕時計なんて考えも及ばない。

私とはほとんど無関係の世界では、「幻想」と「あぶく銭」が激しく行き交っているみたいなのである。世の中、すごいものだなあ。

 

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2022年12月12日

今年の漢字は「戦」なんだそうだ

恒例の「今年の漢字」というのが京都の清水寺で発表された(参照)。「」という文字だったというのは、多くの人が納得するだろう。ウクライナ戦争もまだ続いていることだし。

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このイベントは「漢字能力検定協会」(本部:京都市)が 1995年から開始したもので、毎年 12月 12日に発表されるという。最初の年は「阪神・淡路大震災」や「地下鉄サリン事件」で震え上がったせいで、「震」という漢字が選ばれた。これはさすがに納得だろう。

今年選ばれた「戦」という漢字は、2001年に続いて 2度目であるらしい。21年前は「アメリカ同時多発テロ事件」や、米国による「アフガニスタン侵攻」といった事件があったことを反映しており、その時に書かれた「戦」の文字はこんな具合だった。

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同じ森清範貫主が書かれたものだが、今年とは書体が違う。21年前の「戦」とは中身が違うから、書体だって当然変わるということなのだろうか。

ちなみに過去 5年を遡ってみると、漢字とトピックはこんな具合だったようだ。

こうしてみると、今年の「戦」というのは、最近では最も「取って付けた感」のない、まともな選考と言えそうだ。昨年の「金」は 4度目(4度ともオリンピックのあった年)だし、「北」という漢字になった 2017年なんて、「もう少し何か気の利いた字があるだろうよ」と思った記憶があるもので。

そして最後に恐る恐る書かせていただくのだが、ずっと「今年の漢字」を墨書されている森清範貫主という方の書って、私如きには達筆だか何だか理解できないのだよね。(・・・ 大変失礼致しました!)

 

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2022年11月15日

七五三を巡る冒険 その 2

今日は七五三の日。朝から降っていた雨が昼前には止んだので、七五三参りの家族たちも何とか濡れずに済んでいるだろう。

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5年前のこの日の「七五三を巡る冒険」という記事でも書いたように、我が家は娘が 3人なので 6回も七五三参りをした。ごく質素に済ませたのだが、茨城県のこの辺りというのは、七五三を盛大に祝う家が多かったのである。

何しろ連れられている子供たちの姿を見ると、まるで「バカ殿」か「あんみつ姫」をさらにド派手にしたような衣装が多い。よくまあ気恥ずかしくならないものだと感心しながら見ていたものだ。

さらにお宮参りばかりではない。この辺に昔から済んでいる家族というのは、七五三に合わせて親族一同に料亭に集まってもらい、「披露宴」みたいなことまでするらしい。そこで飲めや歌えの宴会になり、子供たちは何だかわからないうちに晒し者にされるわけだ。

我が家は 1980年代にこの土地に移ってきた、いわゆる「新住民」なので、そんな世界には幸いにも縁がない。ただ、この土地で生まれ育ったいわゆる「旧住民」の知り合いに聞くと、七五三祝いの「ご祝儀」を包むのが大変で、奥さんのパートの収入があっという間に飛んでしまうらしい。

そう言えば、この辺りでは「ひな祭り」や「鯉のぼり」も大変なことで、親戚に男の子が生まれると、その親族の序列に従ってそれぞれの家が鯉のぼりの鯉を贈らなければならないのだそうだ。そのため、もらった鯉を上げるにも柱だけでは足りず、柱に逆V字型にロープを付けて、2列にして上げる。

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上の写真のようなのはさすがにこの辺りでも珍しいが、たまに見かけないわけでもない。ロープが 3本で「逆W字」みたいになっていて、さながら「鯉のぼりの大家族」である。よほど親戚が多いのだろう。

ところがこうした「鯉のぼりの大家族」も、その家の子どもが育ってしまうと行き場を失い、年に一度、川原などに集められて「虫干しイベント」となる(参照)。そんなわけで、この辺りの川原は 4月末頃から「鯉のぼりの団地」のような様相を呈する。

最近はコロナ禍の影響で「七五三の披露宴」も行われなくなっているようだ。これを機に「出費がかさむだけの無意味な行事は止めとこう」ということになればいいのだがと、多くの旧住民も心の内では思っているらしい。

 

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2022年11月 1日

「トー横」で、マット敷いて寝袋で寝る若者

"えのげ" というブログに【「一年中ハロウィンか?」・・・新宿の "トー横"、ついに布団を敷いて寝る若者が現れるwww】という記事がある。新宿歌舞伎町の旧コマ劇場跡にできた「新宿東宝ビル」周辺を、近頃は「東宝ビルの横」というココロで「トー横」なんて言うらしい。

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若い頃はホーボー気取りで日本中を放浪し、駅裏だろうが公園だろうが、どこででも寝袋で寝ていた私としては、写真を見て「別に、フツーじゃん。いや、ふかふかのマットを敷いてるだけ、ちょっと贅沢か?」なんて思ってしまったが、実はその背景にはちょっと複雑な事情があるようなのだ。

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婦人公論.jp が 10月 28日付で ”トー横、売春、脱法ハウス ・・・ コロナ禍の「ステイホーム」で居場所をなくした少女が向かう先” という記事を伝えている。

この記事を書いたフリーランス・ライターの樋田敦子さんによれば、SNS で住まいがないと訴える女性に「住むところを提供するよ」と返信し、トー横で待ち合わせをするというケースが増えているらしい。ただ、こんなのは風俗のスカウトに決まっているから、信じちゃいけない。

彼女がトー横の現場取材で出会ったのは、「ジーンズにTシャツ姿」で、”トー横キッズ” らしくないメガネをかけた少女だった。彼女は、在宅勤務でいつも家にいる強圧的な父に耐えきれず、「友達の家で勉強してくる」と言って家を抜け出したのだという。

彼女は歌舞伎町が怖いところというのを十分認識していて、「大丈夫、そんな男性にはついていかないから。今日はもう少し町をぶらぶらして帰るつもり」と言い、実際にしばらく話すと駅の方に歩いて行ったという。

これはずいぶん「健気な例」なのだろうが、中には「パパ活」(要するにほとんど「売春」ね)で稼いだ金でビジネスホテルに泊まる少女も少なくないらしい。悪いパパがいるものだ。彼女はこう続ける。

両親がいても、貧困でなくても、家に居場所がない 10代の少女たちはいる。家庭、学校のほかに第三の居場所が必要だと、これまでもずっと言われてきたが、第三の居場所がないとしたら、彼女たちはどこに行くのか。

さらに「家に居場所がない」どころではなく、家族からの虐待を受けてトー横に避難してくる来る若い女性も少なくないという。

私の若かった頃は学園紛争で大学が長期間にわたってロックアウトされていたこともあり、バイトと放浪のし放題だった。寝袋担いで放浪しながら金とは無縁のカウンター・カルチャーを謳歌できていたわけで、ある意味「いい時代」だったかもしれない。

ところが最近は、寝袋が「逃避」の道具になってしまっているのだね。いつの時代にも「ヤバい状況」というのはあるものだが、近頃はそうした状況が広まっているのかもしれない。

 

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2022年10月29日

それって、「郵政の劣化」なんだろうか?

最近、ネット界隈で蓉堂居士さんという方の「郵政が劣化していて怖すぎた」という tweet がちょっとした話題になっていた。郵便局で普通サイズの封筒を出そうとしたら、神戸から京都まで 2日、東京までは 5日かかると言われたというのである。

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ただ個人的な実感では、茨城県内宛ての普通郵便でも午後の投函だと翌日配達は無理なので、神戸から京都なら大阪府をまたぐし 2日でも別に驚かない。「明日中には無理だけど、明後日なら届くのね」ぐらいに考えれば、それほどイラつかなくて済む。

さらに神戸から東京まで 5日というのも、郵便局に行ったのは 10月 26日(水)の午後のようだから、「週末にかかっちゃうから、それも仕方ないよね」と思う。月曜か火曜に出したら 3〜4日で届くと思うが。

この tweet 自体にも、Bugei さんという方の「郵便局が劣化したのではなく、適正なサービス対価に対して適正な人員配置と従業員の働き方を合わせたら配達日数が長くなった、という良い傾向では?」というコメントが付いている。サービスに対してそれなりの対価を払うのは当然というのである。

私もこの見方におおむね同感だ。土曜も日曜もなく、さらに夜間労働の世話になってまで「普通郵便」を素早く届けろというのは、ちょっと申し訳ない気がする。

今どきは、内容だけ伝わればいいというならインターネット・メールというものがあるし、「日本人のデジタル化への頑迷な抵抗のエビデンスとして悪名高い FAX」(参照) もある。定まった書式の印鑑や署名入り文書などを急いで郵送しなければならないなら、速達書留で送ればいい。

送付の仕方が多様化しているのだから、最適な方法を選ぶことができる。昔は郵送が圧倒的に多かったが、最近はインターネットのおかげでほとんど無料で済むケースが多いから、たまに速達や書留の料金を払ったところで、トータルではずっと安上がりだ。

何だかんだと言う人は言うが、頭がクラクラするほどの炎天下や冷たい雨の中でも、赤い原付でシコシコ配達してくれている配達員の姿を見ると、私としては贅沢は言えなくなってしまうのだよね。

日本ではたまに間違いは生じることはあっても、ほとんどの場合ちゃんと届くのだから、むしろありがたいと思う方が精神衛生のためにもいいと思っている。

 

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