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2003年12月10日

平成十五年師走 十日に詠める歌

剪定の南天の小枝 実赤きを拾ひて愛づる職人ありき

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珍しい仕事をした。一流大学を出て、花形企業に入ったが、脱サラをして植木職人になっている人の取材である。本当に草木の好きな人で、「これが天職だった」 と笑っていた。既に60歳を過ぎているが、見るからに若々しい。

一軒の庭の木を剪定すると、地面は切り落とした小枝で一杯になる。ものすごい量の小枝を、ダイナミックに切り落とすものである。私なんかが、自分の庭であんな調子で刈り込んだら、たちまち不格好になるが、さすが、プロである。きれいに刈りそろえられる。

切り落とした小枝は、集めて軽トラックの荷台に積み、処理業者に持ち込むのだそうだ。
その小枝は堆肥になるらしい。おぉ、さすがにエコであるなぁ。

助手の若者が無造作にかき集めて荷台にざっと積み込んだ小枝の山を見て、「おっ、ちょっと待て」と言う。
体を突っ込むようにして引っ張り出したのが、赤い実が一杯ついた南天の小枝である。

愛しそうに指でつまんで言う。
「家の玄関の花瓶に挿しておこう」

この人、幸せな人生を生きているなぁと思った。

珍しい仕事をした。一流大学を出て、花形企業に入ったが、脱サラをして植木職人になっている人の取材である。本当に草木の好きな人で、「これが天職だった」 と笑っていた。既に60歳を過ぎているが、見るからに若々しい。

一軒の庭の木を剪定すると、地面は切り落とした小枝で一杯になる。ものすごい量の小枝を、ダイナミックに切り落とすものである。私なんかが、自分の庭であんな調子で刈り込んだら、たちまち不格好になるが、さすが、プロである。きれいに刈りそろえられる。

切り落とした小枝は、集めて軽トラックの荷台に積み、処理業者に持ち込むのだそうだ。
その小枝は堆肥になるらしい。おぉ、さすがにエコであるなぁ。

助手の若者が無造作にかき集めて荷台にざっと積み込んだ小枝の山を見て、「おっ、ちょっと待て」と言う。
体を突っ込むようにして引っ張り出したのが、赤い実が一杯ついた南天の小枝である。

愛しそうに指でつまんで言う。
「家の玄関の花瓶に挿しておこう」

この人、幸せな人生を生きているなぁと思った。

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