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2004年4月30日

平成十六年卯月 三十日に詠める歌

ハンカチも帽子の色も青空に白く浮き立つ季節となりぬ

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今日は気温が上がって夏日になると、天気予報が言っている。

空気が乾いているので、家の中は涼しいほどだが、日の当たる屋外は、かなり暖まっている。

娘を駅まで送って帰ってくる途中、道を歩く人はもう初夏の装いだ。ハンカチも帽子も、白っぽくなった。

今年は曜日の並びがいいので、行楽にはいい連休らしいが、こちらは忙しくて行楽どころではない。

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2004年4月29日

平成十六年卯月 二十九日に詠める歌

朝霧の八重桜けふ散り行けば花むしろ踏むよのよろずひと

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本宅サイトの 「庄内拓明の知の海に跳び込め」 が 22日で 4万ヒットを達成した。その記念の和歌として、詠んだもの。

本来はキリ番ゲットの方にプレゼントするものなのだが、一週間経っても名乗り出てこないので、待つのは諦めた。

「朝霧の」 は 「八重」 にかかる枕詞。生まれて二番目に枕詞を使った。結句は、「世のよろず人」 と 「四の万(よろず) ヒット」 との掛詞というか、駄洒落である。

小手先の歌なので、「短歌」 としては評価されないかもしれないが、何しろ、こちらは 「和歌」 なもので……。


近頃は多い日は 100ヒットを超えることも珍しくないので、次の 5万ヒットもそう遠くない時期に達成できそうだ。一転して、こちらの 「和歌ログ」 は、そんなにアクセスを稼ぐようなサイトでもないので、地道にやっていこうと思っている。

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2004年4月28日

平成十六年卯月 二十八日に詠める歌

天と地に空はあるなり田の面に水引かれたる朝を歩けば

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昨日は雨は大したことはなかったが、大変な風で、移動中に何度も電車が止まった。

一転して今朝は静かな朝である。田植えが近づいて、近所の田んぼには水が引かれ始めた。

この季節、水の引かれた田には空が映って、空と田の境目のみに人間界があるような気がするときがある。

だから、今日の歌の 「空」 は、「そら」 と読んでも 「くう」 と読んでもいいつもりである。

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2004年4月27日

平成十六年卯月 二十七日に詠める歌

テレビには西で降る雨映りをりその雨が来る刻々と来る

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昨日までとはうって変わって、朝から雲に覆われている。今日は一日都内を歩き回らなければならないのに、風も吹くらしい。

私はかなりの晴れ男なのだが、こんなこともたまにある。

テレビの天気予報や地方局からの映像では、西の方で降る雨の様子が映し出される。その雨が、こちらに刻々とやってくるのだという。

こういうのは、かなり実感のある放送である。

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2004年4月26日

平成十六年卯月 二十六日に詠める歌

思ふほど早くは暮れぬ春の陽も足早となる黄昏の際(きは)

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周りの田んぼにも水が引かれて、田植えがもうすぐ始まる。

「金持ちと春の日はくれそうでくれない」 と言われるが、確かに日ごとに暗くなるのが遅くなる。

それでも、太陽は向こうの丘にかかると、どんどんと沈んでいくのがわかる。秋の日でなくても、ここまでくれば釣瓶落としだ。この写真の10秒後には、太陽の 3分の1は見えなくなった。

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2004年4月25日

平成十六年卯月 二十五日に詠める歌

白木なる蒸籠に盛れば香り立つやや太き蕎麦一人噛み締む

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昨日に続いてそばネタである。

私が贔屓にしているそば屋の一つに、岩間の 「やしろ」 がある。あまり知られていないかもしれないが、なかなかのそば屋である。

ここも、江戸前と純田舎の中間ぐらいの太さ。白木の蒸籠にかなりの盛りの良さで差し出される。つゆは辛口。

私は一茶庵風の、いかにも贅肉をそぎ落としたようなストイックなそばももちろん好きだが、このような野趣のある 「ちょっとやんちゃ」 なそばの方が、どっちかといえば好みである。

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2004年4月24日

平成十六年卯月 二十四日に詠める歌

北風が戻り来て吹く昼下がりさらに冷たき蕎麦にぬくもる

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4月の最高気温を更新した翌日は、北風が戻ってきて寒い一日となった。それでも、そばは 「盛り」 に限る。

以前の和歌日記でも触れた、守谷市の 「美里」 というそば屋の、そば粉十割の田舎そばである。

田舎そばといっても、山形そば街道の 「あらきそば」 ほど太くなく、江戸前より少し太い程度。つゆは江戸前に近い。

舌触りはしゃっきりとしているのに、噛んでみるとちょっととろみを感じさせる食感が特徴。オススメの一品。

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2004年4月23日

平成十六年卯月 二十三日に詠める歌

少子化の筑波の里を泳ぎゐる鯉のぼり家は大家族なり

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本宅サイトの 「今日の一撃」 にも書いたが、近頃鯉のぼりがめっきり減った。

20年前にこの土地に越してきた頃は、この季節になるとあちらにもこちらにも、鯉のぼりが盛大に上がっていたものだが、少子化傾向で最近はあまり見られなくなってしまった。

この辺りの鯉のぼりは、一本の柱に縦に上げるのでは、とんでもない高い柱が必要になるので、大抵は、写真のように柱を中心に左右に振り分ける形になっている。ものすごい大家族の鯉のぼりだ。その大家族のコンセプトが、今や消えようとしているわけで、ちょっとしたパラドックスを感じてしまう。

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2004年4月22日

平成十六年卯月 二十二日に詠める歌

トイカーは既に玩具の役を終へただあるのみをさらにひたぶる

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長女が生まれた時に、妻の父が手作りでの木のおもちゃを送ってくれた。

その中に赤い色をした車のおもちゃがあり、3番目の娘にいたるまでそれで遊んだが、この10年以上は、玄関先にひょいと置いてあるだけとなっている。

それはそれで、アクセサリーとして来客の目を楽しませる役割を果たしている。

それにしても、20年も存在感を漂わせて続けるのは、今時のプラスチックのおもちゃでは真似の出来ない芸当だ。

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2004年4月21日

平成十六年卯月 二十一日に詠める歌

沈み行く陽はやはらかく街並みの常と変はらぬ影浮かばせり

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昨日は東京の気温が 28度近くまで上がったようだが、湿度が極端に低いこともあって、じっとりするような暑さではなかった。

夕方になるとしのぎやすくなり、太陽が西の空を初夏のような夕焼けに染めて沈んだ。

太陽が沈む時の街並みは、逆光でシルエットのみになる。とりたてて美しいというのではないが、面倒なものを影の中に溶かし込んでしまうので、とてもほっとするような景色になる。

今日は 25度くらいで、明日はまた昨日のような暑さになると、天気予報では言っている。

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2004年4月20日

平成十六年卯月 二十日に詠める歌

この春もしやりんばいてふ木の花の何うつしてか現し世に咲く

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今年も 「しゃりんばい」 の花が咲いた。

この木は、我が家の次女が子供の頃、どこからか拾ってきた汚い棒っ切れの端を地面に埋めておいたところ、何と根付いてしまったものである。

一昨年、奄美大島に行き、大島紬は、「しゃりんばい」 というバラ科の低木のチップで染色するのだと知った。

最初は 「しゃりんばい」 なんていうから、火葬場の灰かと思った。

そして、我が家の裏に思いがけなく根付いてしまった低木が、その 「しゃりんばい」 だったのである。近所にきた植木屋さんに教えてもらうまでは、10年以上何の木だかわからなかった。

バラ科にしては不思議な色合いの地味な花である。南の海の彼方の常世の 「うつし」 が、現し世の我が家の庭先に咲くような思いがする。

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2004年4月19日

平成十六年卯月 十九日に詠める歌

現し世に映りし姿消え行くを惜しめる涙そのなみだをや

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今日は知人の葬儀に参列した。知人が亡くなったのではなく、そのご主人が 65歳で亡くなったのである。

多くの参列者がもらい泣きした。「いい結婚式でしたね」 という言い方はよく聞くが、「しみじみとした、いいご葬儀でしたね」 と、変な言い方かもしれないが、そう言いたくなるような葬儀だった。

故人の人柄の偲べる葬儀であった。

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2004年4月18日

平成十六年卯月 十八日に詠める歌

自転車を土手の斜面に寝かせつけ竿しならせる春の釣り人

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春の日曜日、明日から天気は下り坂という予報もあってか、近所の小貝側の土手には多くの人が繰り出して春の陽を浴びている。

自転車でやってきた人は、お約束のようにその自転車を土手の斜面に寝かせて川面の近くに降りる。

土手の上に立てておいては、車の通行のじゃまになるし、案外風が強いので、初めから寝かせておく方が安心だ。

風が強く、波もあるので、釣り人は竿をしならせて土手を行ったり来たりしている。それでいて、なかなか釣れているようには見えない。

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2004年4月17日

平成十六年卯月 十七日に詠める歌

いのちとは老ひたる幹の枝先に緑いろしてほとばしるもの

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近所の小貝川の河原に、大きな古樹が立っている。

幹や枝の太いところは、ほとんど枯れかけているように見えるのだが、枝先にいくほど木肌が若々しい色になり、その先端には新緑を芽吹かせ始めている。

同じ一本の木の中に、老人と青年が同居している。

この木は、毎年台風シーズンになると、堤防ぎりぎりまで増える水の中に没してしまい、上の方だけが顔を出していることもある。そんな厳しさの中で、平然とこんな姿を見せている。なんとしぶといものである。

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2004年4月16日

平成十六年卯月 十六日に詠める歌

雀とは死なぬものとぞ思ひをりし何処に消えしかあの枯れ草も

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裏の空き地は、雑草が勢いよく茂って、一面緑色になってしまった。

今のうちは、まだきれいだが、近々町内で一斉に草刈りをしないと、ヤブ蚊の巣窟になって、手に負えなくなってしまう。

つい先日までは、この空き地は枯れ草色でしかなかった。枯れ草は一体どこに行ったのだろう。

あの枯れ草の中に春の日差しと養分が取り入れられて、色が緑に変わったのだろうか? いや、草刈りをしてそのままにしておいたのもあるから、それだけではあるまい。

それでは、刈られた草はいつの間にか土に還ったのだろうか? 冬の間はずっと堆積されていたのに、春になると、その変化が速くなるのか?

周囲にあれだけたくさんいるスズメの死骸というのが、いっこうに目に入らないのと似ている気がする。 幼い頃は、スズメは死なないものと思っていたものだ。

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平成十六年卯月 十五日に詠める歌

新駅名 「みらい平」 といふらしく遠き未来の来年の秋

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「昭和 75年」 に開業予定だったということは、西暦 2000年には開通していなければならなかった 「つくば新線」 も、ようやく平成 17年秋開業予定とアナウンスされた。

5年遅れである。その間に、名称は 「つくばエクスプレス」 になった。さらに、我が居住地の最寄り駅は 「みらい平」 という駅名に決定したようだ。

駅の工事現場を通りかかると、遙か彼方に駅舎になるらしいでかい建物がぽつんと見える。

周りには、見事に何にもない。徒歩でのアクセスは、あまり想定しない方がいいような気がする。ほぼ全員が自転車かバイクか自動車でやってくる駅。

この何もない平原は、何かの店や住宅なんかを作るよりも、とりあえずは駐輪場と駐車場にしないと、機能しない駅になるだろうな。

来年の秋は、まだまだ遠い未来のような気がする。

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2004年4月14日

平成十六年卯月 十四日に詠める歌

生ぬるく電車の空気漂へば動物臭して春雨がくる

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昨日の午前中の天気予報では、とっくに降り出していていいはずだった雨が、今日の夕方近くになって、ようやくポツポツと降り始めた。

そんなに大した雨にはならないという。典型的な春雨だ。

雨の降り出す前は、空気の湿り気が急に増して、生き物の臭いが妙に濃くなる。

繁華街の通りを風が吹くたびに、電車の加速減速で、車内の空気が動くたびに、微かな、しかし気になる臭いがする。

人間が動物的な臭いをさせ始める季節がきた。

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2004年4月13日

平成十六年卯月 十三日に詠める歌

人の世の季節は戻り駆け引きはよどみて時はひたすら進む

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日だった昨日とは一変して、今日は気温が 10度近く下がっているそうだ。風も強いので、体感温度はそれ以上に低く感じる。

季節感は2~3ヶ月逆戻りしているそうだ。末娘は、学校に行くのに分厚いマフラーを巻いていった。

24時間以内に解放と伝えられたイラクの人質も、まだ戻っていない。ニュースによると、情報が錯綜して交渉の進行が思うに任せないという。

時間だけがひたすらに進む。

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2004年4月12日

平成十六年卯月 十二日に詠める歌

今しがた出で行きし猫戻り来る一声鳴けば戸は開くものと

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猫は本当に気まぐれだ。

たった今、外に出してくれとうるさく鳴くので戸を開けてやったばかりだというのに、もう戻ってきて、中をうかがいながら、にゃあと鳴く。

一声鳴けば、誰かが気付いて戸を開けてくれるものと思っている。鳴き声感応自動ドアと認識しているようだ。

しかし、こうして見ると、さすがネコ科の動物である。体の作りが実にしなやかだ。中型犬くらいの大きさがあったら、さぞかし強い動物だろうと思う。

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2004年4月11日

平成十六年卯月 十一日に詠める歌

あかねさすテールランプは国道に集まり来たりそして散り行く

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今日は所用で朝から水戸方面に出かけ、夜になってからようやく帰ってきた。

国道 6号線は、渋滞というほどではないが、スムーズな流れとも言えない。常にそこそこ混んでいて、それでいながら、詰まってしまうというところのギリギリ手前で動いている。

車はどこから湧いてくるのだろうというほど続々と国道に流れ込んできて、そして要所要所で次々とわき道に消えていく。

世の中には、知らないところで多くの人たちが暮らしていると実感する。


ところで、生まれて初めて 「枕詞」 なるものを使ってしまった。「あかねさす」 は 「照る」 にかかるということで、「テールランプ」 にかけてみた。ちょっと乱暴だったかな?

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2004年4月10日

平成十六年卯月 十日に詠める歌

巨大なる立体駐車場の際 (きは) を真白く溶かす春の光よ

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近所のショッピングセンターには、巨大な立体駐車場がある。

快晴の空の下をドライブして、その中に入ると、目が慣れるまではとても暗く感じる。外は4月下旬の暖かさということだが、駐車場の中はひんやりしている。まるで別世界のようだ。

振り返ると、外の光景がとてもまぶしい。写真に撮ると、見事にホワイトアウトしているのだった。

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2004年4月 9日

平成十六年卯月 九日に詠める歌

行く水よ汝 (な) にも禍事 (まがごと) 絶間なき乾ける国の風は届くや

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イラクで日本人 3人が拘束されたというニュースが入ってきた。

ものすごく単純に考えると、行くたくて行っているわけでもない自衛隊に帰れと言うために、行きたくて行った 3人を拘束する人がいるわけである。

行きたくて行った 3人の志は買えるが、その志がこんなことになってしまったわけだ。やりきれない思いがするのは、そこである。

そうしたニュースを知らぬげに、裏の小川は春らしい水かさになり、水面に青空と菜の花を映して、ゆったりと流れている。

中国の蝶の羽ばたきが、回り回って米国の天気に影響を与えるという理論がある。砂漠の国の状況は、この瑞々しい光景にどんな影響を与えているのだろうか。

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2004年4月 8日

平成十六年卯月 八日に詠める歌

繋げたき相手に限り繋がらぬインターネットよ世の徒然よ

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昨夜は焦ってしまった。

本宅サイトの 「今日の一撃」 本日付にも書いたのだが、某業界メルマガの原稿を配信元に送ろうとしたら、我がモバイル PC のPHS カードでアクセスしても、先方のメールサーバにつながらなくなってしまったのである。

外を出歩いている時でもインターネットに接続する機会の多い私にとって、PHS カードは強力な味方である。しかし肝心な時に、肝心な相手先に対してだけ、働かなくなったりしては困るのである。

結論から言えば、裏技を使って何とかなったのだが、PC やインターネットというのは、急いでいる時や焦っている時に限って、調子が悪くなるものだ。これを、「デジタル・マーフィーの法則」 と名付けたくなるぐらいのものである。

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2004年4月 7日

平成十六年卯月 七日に詠める歌

捨つらるるは仮のさだめと瀬戸際で拾ふ人待つ粗大ゴミたち

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今日は粗大ゴミの収集日。我が家は壊れてしまったインクジェット・プリンターを出した。

(確か、パソコンと違って、プリンターは出せるんだったよな)

やはり年度変わり直後である。近所のゴミ集積所には大物がどっさり出されている。

布団、マットレス、熱帯魚飼育用の水槽、たんす、ソファなどなど。いつものことながら、まだまだ十分に使えそうなものも多い。そして、これもいつものことながら、ゴミ収集車が来る前に、車で町内を一回りして、使えそうなものをいただいていく人が必ず現れる。

1時間も経つと、集積所のゴミは必ず何割か減っているのだ。こうして、非公式のリサイクルが行なわれるのだが、無駄に捨てられるよりはずっといいと思う。

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2004年4月 6日

平成十六年卯月 六日に詠める歌

どこやらで飼はれ鳴くらし鶯のその声まだし褒められもせず

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最近、朝からウグイスの鳴く声が聞こえる。

家の中では居場所と窓の位置関係で気付かないが、外に出るといつも一定の方向から聞こえて動かないので、どこかで飼われているものと察せられる。

このウグイスの鳴き声だが、まだまだ未熟で、「ホーケキョ」 とか、「ホーホチョケチョ」 とか、「ケチョケチョ」 とか、とにかく一定しない。

近所の人には、「多分違法飼育ではないか」 などと、さんざんな言われ方だ。いつになったら上手に鳴けるだろうか。

 

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2004年4月 5日

平成十六年卯月 五日に詠める歌

葉桜となりかけたるを撮る人よ上野の山は花むしろなり

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今日は新潟に出張。上野駅で上越新幹線に乗り換えだが、朝早めに出て、途中下車し、上野の山を散歩した。

ことしは花が開いてから急に寒くなったので、花見の時期が長かったというが、さすがに葉桜になりかけている。

昨夜は雨が降ったので、花見の後のゴミもそれほど散乱していない。雨もありがたい。

観光客が大勢いて、デジカメを構えている人も多いが、10人が10人とも、レンズを上に向けて葉桜を撮っている。

この時期は、足元がいいのになぁと、下ばかり写している私は変わり者なのかもしれない。

地面に散って敷き詰められたような花びらが 「花むしろ」 なら、川面に散ったのは 「花いかだ」 というそうだ。昨年の今頃の 「今日の一撃」 に書いているので、ご覧あれ。(こちら

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2004年4月 4日

平成十六年卯月四日に詠める歌

二昔前の雑誌よ我もまたかくのごとくに弾んでありしか

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階段の踊り場に、妻が20年前ぐらいに購読していた "illustration" という商業美術雑誌がどさっと積まれている。

80年代の中頃は、日本の文化がとても元気の良かった頃だ。経済的にも活発だったが、まだバブル経済と言われる頃でもない。

最近の日本では一番良かった頃かもしれない。

ページを開いてみると、当時の ポップカルチャーが満載で今から見ても古くさくない。この雑誌は捨てられないな。

結句は、古文の文法では 「弾みてありしか」 だろうが、雰囲気の問題として、敢えて 「弾んでありしか」 にしてしまった。

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2004年4月 3日

平成十六年卯月三日に詠める歌

道端の見る人もなき桜花しばし待ちをれ汝 (な) を歌にせむ

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今日は水戸方面にでかけ、日暮れ頃に帰ってきた。那珂川より北の桜は、今が満開だ。

国道 6号線をはずれ、近道をする。ところどころに桜の木が咲いている。山肌すべて桜というのもいいし、桜並木もいい。しかし、道端にたった一本だけというのもまたいい。

ソメイヨシノというのは、葉が出る前に花が咲く。だから、葉が光合成で養分を作り出す前に体力を使い果たすのだそうだ。それで、夜桜というのは、あんなにも切ないまでに訴えかけてくるのか。

急いでカメラに収め、歌に詠もうと車を走らせた。

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2004年4月 2日

平成十六年卯月二日に詠める歌

様々の鳥の声する空をよぎり雲は疾く行く戻らぬ時よ

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朝から雨が降っていたが、ラジオでは選抜高校野球のある甲子園球場は、雨が上がって青空が出始めたと言っていた。

名古屋でも雨が上がったと言い、関東でも昼過ぎから晴れるということだった。

頭の中の天気図で、雨雲が足早に東に移動している。

午後から本当に青空が出てきたが、風が強い。窓の外からは、スズメやヒバリなどいろいろな鳥の鳴き声が聞こえる。さっきは確かにウグイスの声がした。

雲がまるで早回しのフィルムのように流れている。季節は足早に通り過ぎる。

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2004年4月 1日

平成十卯月一日に詠める歌

菜の花の黄と緑とを縫うごとく真白き蝶は二匹して舞ふ

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今朝、裏の土手を散歩すると、何匹ものモンシロチョウが、日に照らされてヒラヒラと舞っていた。

早速デジカメで写そうとしたのだが、蝶というのは案外動きが速くて撮りにくい。なにしろ、対象が小さいので望遠を一杯に効かせるのだが、そうするとファインダーの視野が狭くなって、あっという間にはみ出してどこかに行ってしまう。

ようやく二匹の蝶が菜の花の周りを舞っているところを写したのだが、小さくてわかりにくい。左側の上と下に小さく移っている白いものが、蝶である。

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