文月十七日に詠める歌
真白なる蓮の開けるかはたれはせぬ音もなほ響く心地す
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人吉の青井阿蘇神社の鳥居前には堀があり、蓮がびっしりと育っている。その蓮の花が見事に大きい。
例えに何を持ち出すかでセンスがわかろうというものだが、その直径は大きめのすり鉢ぐらいは確実にある。南国の蓮の花はこんなに大きいのかと驚いた。
そうだとすると、天竺の国の蓮の花はもっと大きいだろう。なるほど、仏様が蓮の台 (うてな) に座っていられるわけだ。
蓮の花は朝の内しか開いていないのだという。確かに、昼過ぎに通りかかったときには、閉じてしまっていた。いい時に行き合わせたものである。
蓮の花は、開くときに音がするのだという。正岡子規の句に、『朝風や ばくりばくりと 蓮開く』 というのがある。
しかし、蓮博士と呼ばれた大賀一郎博士の調査研究では、「残念ながら音は聞こえなかった」 と報告されているらしい。早朝の池で、フナやコイが虫などの餌を獲るときの音だと考えられているようだ。
しかし、これほどの蓮なら、開くときに音がしてもいいような気がする。しない音が聞こえてもいいじゃないかと思う。
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