この駅は市場なりとぞ知られたる夏の陽満つる雑踏の中
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いくら気取った改装を施しても上野駅が上野駅以外の何物でもないのは、この駅が半ば露天に近いからだとわかった。
東北方面からくる在来線の電車を降り、改札を通り抜けて上野広小路方面口に向かうコンコースは、半透明の屋根に覆われて、真夏の日差しが強烈に感じられる。
「ここは、露天市場なのだ」 とわかった。本来ここにあるべき商品が、たまたま通りを隔てたアメ横に並べられているというだけのことだ。
田舎から出てきて、最初に降りた駅が、東京駅でなくて上野駅だったことが、私には幸いのことに思われた。
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