霜月二十日に詠める歌
車では十数秒の道のりに世界詰まりし幼き日々よ
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今回の帰郷は少し時間に余裕があるので、子供の頃に過ごした街のあたりに行ってみた。
現在の実家は私にとって 3番目の家で、生まれた家は酒田港から坂を登ったところにあった。確かにここだと思ったところには既に家はなく、駐車場になっていた。奥に生えている木に見覚えがあるような錯覚に陥ったが、考えてみれば 40年以上も前のことだから、同じ木であるはずがない。
以前に徒歩や自転車で行き来していたところを車で通ると、あっというまに行き過ぎてしまうのが少し悲しい。一回りして戻ってきて、幼い頃によく上り下りした石段の上の神社から見下ろすと、港に停泊中の船が見えた。
酒田には観光案内に載せるような名所もあるが、幼い頃の記憶が漂う場所は、決してそんなところではない。なんの変哲もない古びた景色である。
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コメント
せっかくですから・・・5500番です☆ご報告いたします。
それにしても、酒田みちのくの歌はいいですね。
どこにコメント書こうか、迷いました。
ふるさとの道に立ち出で眺めしも見知らぬ世界座りてもなお
空気すら変わってしまうかふるさとよそよそよと風ぶるぶると吾
空港のレタスの味と葉の濃さに北海道の土の沁みいづ
ふるさとの道に佇みながむれば見知らぬ山に驚きぬ吾
あの山の見ゆる道かなこの道は幼き頃の身丈おもいし
投稿: Rindo | 2004年11月28日 02時18分
おぉ、こないだ 5,000番かと思ったら、もう・・・。
6,000番は、暮れのギリギリあたりで行けるかなぁ。
それにしても、一首に五首の返歌とは、圧倒されてしまいます。
さすがですね。
ふるさとの道に佇みながむれば見知らぬ山に驚きぬ吾
これ、何となくわかります。
投稿: tak | 2004年11月29日 19時01分