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2005年1月31日

睦月三十一日に詠める歌

坂東に雪と寒さは届かぬか百舌一羽のみ鳴く空高し

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この冬最大の寒波のはずだが、思ったほど寒くない。冬日和で、風の当たらない日向では暖かいくらいだ。

関東の冬はせいぜいこの程度のものか。あるいは、この後だんだん寒くなるのか。

昼食を取って昼下がりの外に出ると、百舌が一羽だけきいきいと鳴いている。他の鳥たちは昼寝でもしているのか。

今日の夜は仕事仲間の新年会。かなり遅くなってしまったが、平成17年のスタートを改めて確認し合うことになる。

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2005年1月30日

睦月三十日に詠める歌

数年に一度の寒波近づけり如何に身構へ寒がるべきや

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今朝の冷え込みはそれほどでもなかったが、今夜からはかなり寒くなるらしい。

天気予報によると、数年に一度というほどの寒波が、既に日本列島に差し掛かっているという。明日の夜明けは冷えるだろう。

関東の寒さだもの。たかが知れていると思う一方で、とはいえ、私もすっかり関東の人の体になってしまったから、きっと 「寒い寒い」 と言い出すに違いないとも思う。

東北から北は大変な雪と寒さになるだろうが、関東に住む者としては、どのくらい身構えていればいいのだろうか。どのくらい寒がればいいのだろうか。

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2005年1月29日

睦月二十九日に詠める歌

いにしへの人の歩みのありてこそ頼もしきかな堅きこの道

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遅ればせながら、今日、歌会始の話題が出た。先日発表された歌のお題は 「歩み」 だった。

一年遅れの寝ぼけた話だが、「歩み」 のお題で歌を詠んでみたくなった。それで詠んだのが、この歌である。

写真は、近所のお不動様の本堂の裏手である。

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2005年1月28日

睦月二十八日に詠める歌

週明けより自由登校となる娘 駅まで送る朝は過ぎたり

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高校 3年の末娘が、卒業を控え、来週から自由登校になるという。つまり、毎日通学しなくてもよくなるということで、最寄りの駅に車で送るのは、あと何度かの登校日を除いて、今日で最後となった。

上の 2人は、自転車通学できるところにある同じ高校に通ったが、末娘だけはバスと電車を乗り継いで行かなければならない。田舎のバスは時間がかかるし、料金がばかに高いので、できるだけ私が駅まで送るようにしていた。

都心に勤めていたときは、自分の通勤の道すがらだったが、独立してからも車での送りだけは継続して、娘を送り届けるだけで、自宅に戻って仕事をすることも多くなった。これからはそれもなくなり、外に用のない日は、朝から閉じこもって仕事をする日も増えるだろう。

ほっとしたような、気の抜けたような気持ちである。車の屋根に雀が何羽も止まっている。

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2005年1月27日

睦月二十七日に詠める歌

半日で解けし淡雪吸ふ土手の光を満たす鳥たちの声

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目が覚めると雪だった昨日とはうって変わって、今朝は陽気がいい。

気温はそれほど高くはないが、日射しのせいで暖かく感じる。最近の 1月下旬というのは、以前で言えば立春以後のような感覚だ。暖冬が当たり前になっている。

土手の道を歩いていると、ウグイスのような小鳥が藪の中でごそごそしていた。まだ声は立てない。しかし見上げると、いろいろな鳥が活発に飛び回っている。

まだ何度か雪が降るだろうが、関東で雪が降るということ自体、春が近いということだ。

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2005年1月26日

睦月二十六日に詠める歌

早朝の散歩の犬も大人しくただ行き過ぐる淡雪なりき

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目を覚ますと雪だった。道路に降った雪はすぐに解けてしまうのだが、裏の田んぼや土手は白くなっている。

昼過ぎには晴れると天気予報で言っていても、朝の犬の散歩は欠かせない。土手の上を何人もの人が犬を連れて通り過ぎる。

犬もこれしきの雪ではあまり浮かれることもなく、おとなしく淡々と散歩している。

昼過ぎには土手の雪もあっという間に解けてしまった。なんだか惜しいような気もした。

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2005年1月25日

睦月二十五日に詠める歌

寒のうち堰の水面は低くして枯れ草色のみに生くる草見ゆ

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娘を駅まで送った帰り道、岡堰というところを通った。これは小貝川に造られた堰で、農業用水の確保に昔から使われてきたようだ。

春から夏にかけては満々と水を湛えているが、稲刈りの前から放流を始め、秋から冬にかけてはほとんど昔の川筋だけになる。台風の際には、遊水池としても機能する。

今が一番流量の少ない時期で、秋から冬にかけてのみ生育できる短い草が枯れ草色をしている。

来月あたりからだんだんと水を貯め始めて、田植えの頃には満水状態になる。

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2005年1月24日

睦月二十四日に詠める歌

絶妙の間合いをとりて猫二匹微睡みをれる昼下がりかな

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我が家には白と黒の二匹の雌猫がいる。親子でも姉妹でもない。白猫の方が先にもらわれてきて、後に黒猫を長女が拾ってきた。

二匹の猫は正確も正反対である。年下の黒猫の方が人なつっこいが、白猫は人の好き嫌いが激しい。

黒猫は年長の白猫と仲良くじゃれ合いたいらしいが、白猫はそれを嫌う。黒が一定以上に近づくと、フーッと鋭い声を出して威嚇する。

それでも、週末の帰郷で飼い主夫婦が不在で淋しかったためか、今日はいつに似ず距離をつめてまどろんでいた。ただし、黒猫がこれ以上間合いを詰めようとすると、白猫はいつものように威嚇する。絶妙の間合いである。

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2005年1月23日

睦月二十三日に詠める歌

コウコウと悲しきまでの声立てて白鳥は飛ぶ雲の切れ間を

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酒田を発って、筑波の里に戻ってきた。戻ってみると、関東の空もどんより曇っていて、時折雪が舞っている。

酒田の実家から出ると、こうこうという声が空から聞こえた。白鳥の声である。

酒田の最上川加工には、何千羽と言う白鳥が渡ってきて冬を越している。その白鳥たちがそれぞれのグループに分かれて、餌をあさりにあちこちの田んぼに出かけるのだ。

空を飛ぶ白鳥は美しい。冬の間だけの客なので、いっそう感慨深く見える。

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2005年1月22日

睦月二十二日に詠める歌

寒鱈の汁の湯気立つ冬祭り雪撥ね上げて太鼓は響く

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 Taiko0501

昨日はほとんど雪が降らなかったが、今朝、目が覚めると一夜のうちに雪が積もっていた。

今日は商店街で 「日本海寒鱈祭り」 が催されたが、そこに出かけている間だけ、吹雪になった。寒鱈汁の最高のおかずは吹雪と寒さだから、ちょうどいい具合に天気の神様が粋な取り計らいをしてくれたものと見える。

祭りの出し物の太鼓のパフォーマンスは、雪の中で演じられた。吹雪の中での太鼓は、すばらしい。太鼓の皮に積もりかけた粉雪が、撥さばきとともに跳ね上がる。ちょっとした見ものであった。

ところで、1月 22日は、この和歌ログが独立サイトになった日、いわば独立記念日である。つまりこのサイトができて、今日でちょうど 1年である。

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2005年1月21日

睦月二十一日に詠める歌

トンネルを抜けし車窓は吹雪にてアインシュタインのホワイトアウト

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朝に出発して、新幹線と在来特急を乗り継いで酒田に着いた。

上越のトンネルを越えると、外はすっぽりと雪に覆われていた。吹雪になっているところもある。

吹雪の景色は、時速 200キロの新幹線の内側から見ると、ほとんどホワイトアウトに近い。外を歩いている人は、それなりにきちんと景色が見えているのだろうが、窓の内側からは何もかもが白いレースをかぶったようにおぼろだ。

車窓を隔てた内と外では、時間の感覚さえ別なのではないかという気がする。非常に速く動くものは時間の経過が遅くなるというアインシュタインの相対性理論を、唐突に思い出した。

ところが、酒田に着いたら、雪はほとんど積もっていない。吹雪を覚悟していたが、時折ちらちらと雪が舞うだけだ。夕方には青空までのぞいた。ありがたいことに、私はよくよくの晴れ男のようである。

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2005年1月20日

睦月二十日に詠める歌

坂東に霞立つ日の明くる日は出羽の吹雪の中を行くらむ

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haze.jpg"明け方はかなり冷え込んで、車のフロントガラスは刷毛で描いたような文様の霜が凍り付いていたが、日が昇ってからは春のような天気だ。

そもそも、霜がびっしりと降りるということは、雲と風がないからで、天気が良くなるのは当たり前の話である。空気中の水蒸気が多くて、遠くはまるで春のように霞がかかって見える。

明日からは 三日間の帰郷である。田舎は雪だろう。週末は、恒例の 「日本海寒鱈祭り」 が開催されるらしい。雪の中で、寒鱈汁を堪能しよう。

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2005年1月19日

睦月十九日に詠める歌

ネオン越しに少しく青み残りたる冬空を背に駅へと向かふ

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Twilight0501

日が長くなってきた。当時の頃は 4時を過ぎれば暗くなっていたが、今は 5時を過ぎても空に青みが残っている。

外出して夕方に帰宅するとき、空が明るいか暗いかというのは、気分的な影響が案外大きい。駅に向かう空がとっぷり暮れているよりは、いくらかなりとも明るさが残っている方が気分がいい。

これからどんどん日が長くなる。

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2005年1月18日

睦月十八日に詠める歌

白き富士青き筑波嶺見る我を結べる不等辺三角形

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週末とはうって変わった冬日和で、今朝、末娘を駅まで送った帰り、北に筑波山、西に富士山が綺麗に見えた。

私の位置から筑波山までは約 50km、富士山までは、約 200km というところだろうか。ずいぶん横に長い不等辺三角形である。関東平野は広い。

富士山は見える部分すべてが雪化粧している。まさに 「真白き富士の嶺」 である。冬の富士山は、やはりこうでなければならない。東側からの朝日を浴びて、陰影が美しい。

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2005年1月17日

睦月十七日に詠める歌

左手で茶を注ぐ姿思はるる少しく常にあらざる急須

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Kyusu0501

常磐線取手駅の東口と西口を結ぶ歩行者用トンネルは、片側の壁が市民ギャラリーになっており、いつもいろいろな展示が行われている。

最近は高年者の焼き物が展示されていて、素人にしては見事な作品が多く感心して眺めた。

その中に、変わった作品があった。きっと左利きの人が作ったのだろう。右利き用の急須を見慣れた目で見ると、何だか奇異な感じがするほどだが、見慣れると普通に思われるのが不思議だ。

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2005年1月16日

睦月十六日に詠める歌

雪ならばいかほど積もりたるらむか冷たき雨を友と慶ぶ

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Rain20501

今、水戸からの帰り道、スタバで休憩してトールサイズのラテを飲んでいる。

ついに雪にはならなかった。さすがに茨城県の中央部を流れる那珂川を越えると風は冷たかったが、雨が雪に変わる寸前で踏みとどまってくれた。

その代わり、昨夜から風雨が強まり、今日も一日中雨になった。縁石に沿ってかなりの雨水がたまり、強風で飛ばされた小枝が沈みかけていた。

仕事仲間たちと、「もしも、これが雪に変わっていたら、大雪になって、帰れなくなっていたところだね」 と笑った。雨で喜ぶと言うのもおかしいが、雪にならずにすんだおかげで、足止めを食らわずに済んだ。やや強引かもしれないが、これも私の 「晴れ男伝説」 の一つに加えさせてもらおう。

一番ホッとしたのは、受験生たちだろうと思う。

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2005年1月15日

睦月十五日に詠める歌

降るものは白きにあらで川面 (かはつら) の小さき紋に雨と知らるる

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Rain0501

昨日までの天気予報では、今日は大雪の恐れもあるということだったが、夜が明けてみると小雨である。

天気予報でも 、これ以上気温が下がることはないので、雪にはならずに済むと言っている。低気圧のコースが予想より 100km 以上南にずれこんだためらしい。

今日は仕事で、午後から水戸方面に車で出かける予定があるので、この予報のはずれはありがたい。このところ、私は仕事で遠出するときはずっと天気に恵まれているのだが、今回、雪が降らずに済んだのも 「晴れ男」 の延長線上にあると思っていいかもしれない。

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2005年1月14日

睦月十四日に詠める歌

うらうらと照れる朝日の射す部屋で雪のマークの予報を眺む

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Weather0501

今朝はいい天気で、風も収まっているが、明日から雪になるといっている。

一般の勤め人は、土日なら会社が休みのところが多いので、さほど影響はこうむらないだろうが、私は明日と明後日は所要で水戸まで出かけなければならないのだが、交通機関は一体どうなるだろうか。

さすがの晴れ男も、雪にはかなわないかもしれない。あまり大雪にならないように祈ろう。

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2005年1月13日

睦月十三日に詠める歌

我の手に沿ひたる形のマウスにて作業の指は喜びをりき

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Mouse0501

ようやく手に馴染むマウスを見つけて、昨日から使い始めた。

マウスは何個買い換えただろうか。ずっとマイクロソフトのマウスを使い続けてきたが、満足はしていなかった。ボタンの部分の傾斜が小さいので、人差し指と中指を添えるときに、微妙に緊張させてこの二本の指を浮かせていなければならない。そうしないと、うっかりすると関係のないところをクリックしてしまいそうになる。

新しく買ったマウスは、ボタンの傾斜角度があるので、指を自然に載せていても、つい弾みでクリックしてしまうということがない。これは長時間マウスを使った作業をする際に、とても楽である。

これしきのことだが、うれしさのあまり歌にしてしまった。

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2005年1月12日

睦月十二日に詠める歌

誇らしき駅前ビジョン吹く風になぎ倒さるる放置自転車

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Bikes0501

bikes.jpg"常磐線取手駅前は、このところ開発が進んで、二十年以上前に引っ越してきた頃とは様相がまるで変わってしまった。

開発事業はまだ未完成のようで、完成図が誇らしげに訴求されている。

だがその下には、いつも放置自転車があり、歩行者の通行を妨げている。今日の午後から強まった風に、それらの放置自転車はなぎ倒されてしまった。

何だか象徴的な光景だった。

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2005年1月11日

睦月十一日に詠める歌

霜白くフロントガラスを覆ひをり解けてなほまた凍りつく朝

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Carfrost0501

今日から末娘の高校の新学期。駅まで来るまで送った。

今朝はこの冬一番の冷え込みだったそうだ。車のガラス窓にびっしりと霜が降りて、前が全然見えない。風呂の残り湯をかけて解かしたが、その水分がまたすぐに凍る。こんなことはこの冬で初めてである。日が昇っても気温が氷点下ということだ。

再び凍った部分を、今度は解氷スプレーで解かしながら、なんとか大通りに出た。この道は南東方向に進むので、朝日があたって、解け残った部分の氷が見る間に消えていく。

三連休で 「ごとう日」 が今日にずれ込み、駅までの道は湯気を立てながら進む車で、かなりの渋滞だった。

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2005年1月10日

睦月十日に詠める歌

夜九時を過ぎたるスーパーマーケット白く光れり魚も野菜も

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Spmkt

近頃はスーパーマーケットもだいぶ遅くまで営業するようになった。近所にできたスーパーも、夜の 10時までやっている。

仕事の帰りに通りかかると、店内だけが白っぽい灯りで照らされ、色とりどりの商品の陳列されているのが見える。聞くところによると、スーパーやコンビニの店内は明るくしておかないと、売り上げが上がらないのだそうだ。

まるで商品のすべてがプラスチックでできているようにさえ見える、人工的な照明である。

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2005年1月 9日

睦月九日に詠める歌

木枯らしの巨大駐車場その先にソリッド状のイルミネーション

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Lala0501

某会合に出席した帰り道、つくば学園都市に昨年できたショッピングセンターに立ち寄って夕食をとった。

広い駐車場だが、空きスペースを見つけるのが大変だ。あまり遠くに停めてしまうと、広大な駐車場の端から端まで横切らなければならない。ここまで広いと、駐車場という日本語より 「パーキングロット」 という英語の方がしっくりと来る。

ようやく空いたスペースに車を停めて、欲しかった本の買い物までしてしまう。

外は北風が吹いているが、ショッピングセンターの中は暖房が効いて汗ばむほどだ。色とりどりの明かりの点いた概観は、映画 「アメリカングラフィティ」 を思い出させる。

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2005年1月 8日

睦月八日に詠める歌

引っ越しをすてふ娘の父なれどさほど淋しきものにはあらず

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Sake

長女が近く引っ越しをするという。都内に 3部屋ある一軒家を借りて、友人とシェアするということだ。

そんなわけで、彼女は引っ越しの準備で大わらわである。

急に娘が家を出て行くというわけで、父親としてはもう少し淋しい気がするものかと思っていたが、なぜかそれほどでもない。引っ越すと言っても、電車で 2時間で行ける距離というせいかもしれない。

とはいえ、もっと淋しがらなければならないのかもしれないと思って、画像はちょっとセンチメンタルな雰囲気を感じさせるものにしてみた。実際は、いかの塩辛を肴に、楽しく酒を飲んでいるだけなのだが。

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2005年1月 7日

睦月七日に詠める歌

無機質の建造物の只中に人影途絶ゆ映画の如く

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Ariake0501

今日は大忙しの一日になる。都内 3箇所を回って、取材、会議などをこなさなければならない。

今、昼を過ぎて有明に来ている。りんかい線の国際展示場駅を降りて地下から地上に出ると、昨日とは打って変わったうららかな陽気である。コートがいらないほどだ。遠くのビルが霞んで見える。

人工の街である。その人工の街の昼下がり、人影が急に途絶えるときがある。何らかの理由で人類が消えてしまった SF 映画の画面のように見える。人類が消えても、人造の建築だけは無機的なままでしばらくは残るのだろうか。

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2005年1月 6日

睦月六日に詠める歌

富士山の如き山影紅の空に立ちをりまさに富士にて

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Fuji

昨日、初詣の帰り道、富士山がくっきりと見えたと書いた。茜色の空に、くっきりとしたシルエットになっていたのだった。

車の中で、「今日は秩父の山並がはっきり見えるね」 と言うと、妻が 「あっちにある富士山みたいな山は何なの?」 という。指さす方を見ると、「富士山みたい」 ではなく、まさに富士山なのだった。

年末年始休暇直後で、都心の空気がまだ汚れていなかったことと、昼過ぎから吹き始めた北西の季節風のおかげで、思いがけなくはっきりと見えた。

早朝に見えることはよくあるが、ほとんどは昼過ぎには雲に隠れてしまう。夕焼けをバックにして見えるということは珍しい。そんなわけで、車を止めてカメラに収めたのである。

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2005年1月 5日

睦月五日に詠める歌

両刃なる剣持てばこそ不動にて明王は切らざれ我をも彼をも

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Hatsumode0501

ようやく時間ができたので、妻と二人で初詣にでかけた。近所の板橋不動という寺である。

さすがに 5日ともなると人出は少なくなっていて、のんびりとお参りができた。沿道に出ていた屋台も、だんだんと店仕舞いの準備を始めていた。

この寺は真言宗の寺で、本尊は不動明王。両刃の剣を片手に憤怒の形相で立つ小さめの像が、賽銭箱の手前からもはっきりと拝める。

帰りには遠くに富士がくっきりと見えた。

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2005年1月 4日

睦月四日に詠める歌

年末の雪かきの雪に埋もれたるその雪白く年を越しをり

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Snow

三が日が過ぎ、世の中がようやく動き始めた。

正月になってからはずっと晴天続きで、明け方をのぞけばそれほど寒さも厳しくなかったが、今夕から北風に変わって、明日は寒くなるという。

家の隣の空き地の日陰に、既に昨年になった12月に降った雪が、年を越してまだ解け残っている。なぜここだけこんなに残っているかと言えば、雪かきですくった雪を、この場所にどんどん捨てたため、周囲より高く積み上がってしまっていたからだ。

どんどん積み上げた時には、上の方はやや土の混じった色だったが、だんだん解けて一番下の方の雪が現れると、白い色を取り戻している。

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2005年1月 3日

睦月三日に詠める歌

冬越しの棕櫚の鉢植え玄関に盆栽に似てちんまりとあり

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我が家の庭には背の高い棕櫚の木が生えているが、そこから落ちた種で、新たな芽が出てきた。

妻が鉢植えに移して、越冬のために家の中に入れているのだが、太陽の日を浴びないためだろうか、一向に大きくならずに、まるで盆栽のようにちいさいままになっている。

庭に大きな棕櫚が 2本あっても仕方がないので、このまま屋内において、 「盆栽棕櫚」 で観葉植物にできないかとも思う。

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2005年1月 2日

睦月二日に詠める歌

晴れ渡る筑波の空のその奥に故郷の吹雪見ゆる我なり

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Tsukuba

正月二日の空は、真っ青に晴れ渡った。関東がこれほどの天気ということは、故郷の庄内は雪ということだ。

とくに昨日はかなりの雪が降ったらしい。電話で話した父が 「外になんか出られない」 と言っていた。

関東で何十年暮らしても、冬の青空はそのままには喜べない。それは、イコール庄内の吹雪だからだ。青空の奥に灰色の吹雪く空が見えるような気がする。

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2005年1月 1日

平成十七年元旦に詠める歌

ひむがしの空のまだしも明けぬ間にまず悦べばとりの鳴くらむ

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H17

 

正確には元旦に詠んだものではなく、前年のうちに年賀状にしたためたものだが、便宜上、年の初めの歌とさせていただく。

「予祝」 ということがある。田植えの前に豊作を喜ぶ祭りを行うなどは、それである。前もって喜び、祝っておこうという思想が、日本にはある。

 

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