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2005年7月19日

文月十九日に詠める歌

かぎろへるレールを歩く遠き日の己が姿を幻視する夏

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050719

昨日ほどの暑さではないが、それでも歩いていると汗が流れる。今日は電車で都内に向かう。

ホームの端に立って南の方向を望むと、たっぷりと湿り気を含んだ空気のせいで遠くは見えない。昼を過ぎれば、この空気が熱せられて、陽炎となるのだろう。

「かぎろひ」 は名詞で、陽炎の意。「かぎろふ」 という動詞は、私の古語辞典では見当たらなかったが、無理矢理使ってしまった。

レールの彼方に陽炎の立つ日は、時間の感覚が混乱して、自分の昔の姿が偲ばれるような気がする。

夏は幻視の季節である。

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